5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

【もしも】種・種死の世界に○○が来たら10【統合】

1 :通常の名無しさんの3倍:2010/12/04(土) 02:02:37 ID:???
このスレは種系SSスレのうち、まとめサイトのカテゴリで
クロス物とされるスレの統合を目的としています。
種以外とのクロスオーバーを種別問わず投下してください。
種作品内でのIF作品は兄弟スレにお願いします。

過去スレ
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1196339764/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 2【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1208353319/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 3【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1212323601/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 4【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1218203927/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 5【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1226476158/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 6【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1230651332/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 7【統合】
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1233666943/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 8【統合】
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1242394476/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 9【統合】
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/shar/1254828439/
まとめサイト
ttp://arte.wikiwiki.jp/

兄弟スレ
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 13
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/shar/1272587140/

2 :通常の名無しさんの3倍:2010/12/04(土) 20:49:11 ID:???
>>1

3 :通常の名無しさんの3倍:2010/12/05(日) 22:25:16 ID:???
即死回避

4 :通常の名無しさんの3倍:2010/12/06(月) 23:47:34 ID:???


5 :通常の名無しさんの3倍:2010/12/07(火) 23:20:00 ID:???
惰性だけの>1乙はこのマフティーが粛正する!

6 :通常の名無しさんの3倍:2010/12/09(木) 20:33:53 ID:???
もうIFスレと統合しちゃっていい気がする

7 :通常の名無しさんの3倍:2010/12/11(土) 06:45:36 ID:???
>>6
If統合スレとクロス統合スレの違いを考えれ

8 :通常の名無しさんの3倍:2010/12/11(土) 22:54:37 ID:???
@ifの範囲が狭いのがこっち。A一方あっち側は容量不足で落ちかけている。
この状況で統合となるとこのスレを統合スレ系の統合スレにするのが手っ取り早いが、@の為スレタイとギャップが生じる。
なので次の機会でよろしいのではなくて

9 :通常の名無しさんの3倍:2010/12/18(土) 16:37:55 ID:???
逆召喚でもいいんだよな

ちょうど目の前の本棚にボンボン坂高校演劇部があったから
主だったメンバーをあっちの世界に飛ばして
キラとアスランを部長さんの毒牙にかけよう、とか考えた

10 :通常の名無しさんの3倍:2010/12/21(火) 19:52:51 ID:???
hos

11 :通常の名無しさんの3倍:2010/12/21(火) 22:59:05 ID:???
風速40m/時

12 :通常の名無しさんの3倍:2010/12/24(金) 18:53:58 ID:???
即死回避はなんレスだっけ?

13 :通常の名無しさんの3倍:2010/12/24(金) 19:59:40 ID:???
羽クジラまで何マイル?

14 :通常の名無しさんの3倍:2010/12/28(火) 20:05:25 ID:???
前に書いていた時は、書く時まで何も考えてなかったな……
HOS

15 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/05(水) 01:19:15 ID:???
もしもクアンタが跳んだ先がELSの本星ではなくて種世界だったら・・・?

16 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/05(水) 01:32:07 ID:???
緑の粉をまいて終了だな

17 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/05(水) 01:58:49 ID:???
「ラクスの意識が、ウワァァァァァアアアア!!」
「余計なものは受け流せ!・・・駄目だ・・・!僕とヴェーダでも受けきれない・・・!」

18 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/08(土) 09:56:24 ID:8qI0f9So
生は死の始まり
死は現実の続き
そして再生は夢の終わり
真実は痛み
私のこと好き?

溶け合う心が
私を壊す

「欠けた心の補完、不要な身体を捨て、すべての魂を、今一つに・・・」
「僕は、あなたの人形じゃあない」
「僕はギルじゃ、ないもの」
「レイ・・・!!」
「駄目、シンが呼んでいる」

19 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 21:44:58 ID:???
理解者に恵まれずに不幸な結末を迎えた主人公という点で
シンとシンジは似ている

あと石田に裏切られたとこも

20 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 22:21:10 ID:???
>>19
ルナとかいたじゃん
どんなやつがいてどう接すれば不幸じゃなかったわけ?

21 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 22:29:21 ID:???
いたから何だ?
只の尻軽女じゃないか
シンが総てを奪われ、総ての行動が無に帰したのと対照的に、
総てを奪った側は勝てば官軍を地で行くエンドでなんの咎も無し

22 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/15(土) 10:58:12 ID:???
>>20
アスカ「ルナは、誰でもいいんだろ!?
   アスランもメイリンもいないから!!
   レイは近付きがたいから!!
   ヨウランとヴィーノは脇役だから!!
   副長はエロゲーマーだから!!
   俺に縋ってるだけじゃないか!!
   本気で他人を好きになったことないんだよ!!
   その自分も好きだと思ったことないんだよ!!

   ・・・哀れだな」

種世界で補完計画発動しても
お互いのATフィールドが強固過ぎて混じらない気がする

アスカ「キラと一つになるのだけは、絶対に、死んでも嫌だ!!」

23 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/15(土) 14:02:02 ID:???
酷いシン厨を見た
しかも質問に答えてねえし、相変わらず他作品に擦り寄るキモさ

24 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/17(月) 22:57:56 ID:???
>>23
アンタがルナ好きなのは良く分かった

シン「今、やっとわかったよ
   俺たちはただ生きているだけで誰かを傷つけてしまっていること・・・
   生きるということ、その事が、誰かを傷つけることだったんだ・・・
   俺たちはまず許しあうべきだったんだ・・・
   お互いが、この世界に存在することを、許しあうべきだったんだ・・・
   俺たちはただ存在しているだけじゃない
   共に夢を見る力を持っているはずだ
   始まりは小さなものかもしれない
   不可能に思えるかもしれない
   でもまずここから始めるしかないんだ

   希望

   それが俺とルナの子供だ」

25 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/18(火) 18:18:03 ID:???
マフティーまだー?

26 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/19(水) 11:19:08 ID:???
あれマフティーマンセー臭が強くなって来てから気持ち悪い作品になった気がする

27 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/21(金) 13:45:39 ID:???
マフティーマンセーは別にそんなに気にならなかったかな
種世界の人間たちを擁護するのって無理に近いし

むしろ設定歪曲で「おいおい」と思ったわ
「陽電子砲は実は陽電子砲じゃないんだ」って何だよ

28 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/21(金) 19:42:35 ID:???
食らっても傷だらけになるだけで生き残れる事実を何とか説明しないといけない職人の苦労を慮るべき
原作の時点で放り投げられてるから説明しなくてもいい気はするけどね

29 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/29(土) 17:49:23 ID:???
>>27
本当に陽電子使った攻撃なら無印でムウが生きているわけがないしな。
それに監督様自らあれはただの強いビームと公言してますからw

30 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/29(土) 17:59:53 ID:???
正しいものが何一つ無い種設定
総て負債が壊してしまった

31 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/29(土) 21:00:51 ID:???
> 本当に陽電子使った攻撃なら無印でムウが生きているわけがない

よく陽電子砲を過大評価してる人がいるのはARMSあたりの影響だろうか?
反応質量が少なければ発生するエネルギーも比例して少なくなるから
原理と威力は直結しないんだが……。

もっとも、「ただの強いビーム」でもストライクの盾で防げちゃうのは充分問題に違いない。
陽電子砲でなくても死ねるわ。

32 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/29(土) 21:04:51 ID:???
>>31
すごく古くはブルーノア、古くはテッカマンブレードと反物質兵器といえば必殺技だからねぇ

33 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/29(土) 21:19:59 ID:???
まあ気持ちはわかる。
ギリギリ現在の科学で考え得る最強の兵器だと思うし。
これ以上のものとなると理論レベルのトンデモ兵器になる。

34 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/29(土) 22:50:22 ID:???
つか、ネオの顔の傷はどこでついたんだろうな
メット割れてたら死亡確定だし・・・

35 :通常の名無しさんの3倍:2011/01/29(土) 23:15:08 ID:???
イザーク、虎、ムネオと
どいつもこいつも負傷の表現が「顔に傷痕」だな
ワンパターン過ぎると思うんですよ

36 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/01(火) 22:36:06 ID:???
ブラックジャックやハーロックのように縫われて無かったのがせめての羞恥心か…

37 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/02(水) 00:05:07 ID:???
・フレイがバーザムでシャアと戦う種
・シンが地球に棄てられる所から始まる∀

という電波が届いた

38 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/02(水) 23:22:29 ID:???
ガイア・ギアのメタトロンが来たら
マフティーとそう変わらん気がしてくる

39 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/04(金) 02:28:29 ID:???
性能格差が酷すぎる

40 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/04(金) 19:36:53 ID:???
UC世界の人間がCE世界でザクやらグフやら見たらまず最初に考えなきゃいけないのは
「自分たち以外にUC世界から来た人間がいるのでは?」だよね。

41 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/04(金) 20:47:53 ID:???
ガンダムもあるよ

42 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/05(土) 08:32:25 ID:???
>>38
マンマシーンがCE世界ではスパロボ並みの無双状態となる

まぁ、ガイアギアファンの俺としては見てみたいクロスなんだが…
誰か書いてくれんかな?

43 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/05(土) 09:43:03 ID:???
>マンマシーン
山本剛の?

44 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/06(日) 12:45:19 ID:???
>>38
メタトロンと聞いてZOEが真っ先に浮かぶ。
さり気に雑魚のラプターですら普通のLEV(種死のザクに相当)と20倍の戦力差あるし。
4体くらいいればCE制圧できんじゃね?

45 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/06(日) 13:05:24 ID:???
LEVとOFの戦力差は、西暦における旧世代機とGN機のそれと同等以上だと思う

荒野乱戦のファントマ達は一体何だったのか、とは聞かないのがお約束だ!

46 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/06(日) 20:13:57 ID:???
ビックバイパーもLEVじゃなかったっけ?

47 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/06(日) 20:31:53 ID:???
あれはメタトロン使ったんだか何だかで
OF並みの性能を実現した新世代LEVだったはず

48 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/11(金) 23:59:40 ID:???
マフティーを待つ

49 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 17:24:46.61 ID:???
保守

50 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 00:50:47.17 ID:???
生きてますか、マフティーの方

51 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/08(火) 00:12:34.66 ID:???
死んだわ・・・・

52 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 03:31:39.50 ID:???
まあいずれ話が進んでザフト・マフティー同盟とAAが対峙する事になったら
「最初の戦争で辺境から素人とガンダム積んで脱出、各地を孤軍奮闘しつつ転戦、
 やがて終戦への鍵をも握った木馬型戦艦、なんてまんまWBじゃね?」
と話だけ聞いていれば一応一目置いてたかもしれないマフティーサイド
(ザビ家派のようなジオン残党強硬派ならともかく、反連邦運動といっても
 エゥーゴ以来の比較的リベラル志向なら初代WBの活躍は認める所だろうし)
が実態を見て思い切り幻滅したり、成長著しいアスランからも失望されたりといった
くだりが確実にあるだろうから、>>51みたいなのが荒らしたくなるのはわかるわw

53 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 15:05:35.44 ID:???
もしかしたらウルトラCの大逆転でAA組に遠大な計画があるかもしれないじゃないですかーッ!

54 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 20:42:04.53 ID:???
それ以前にマフティinCEは更新されない予感しかしない


55 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 21:03:22.55 ID:???
願望乙
そういう事にしたくて仕方ないんだね

56 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/11(金) 00:19:56.28 ID:???
しかしまあ、本編投下はいくらでも待つとして、
生存というか近況報告を一席頂戴したいところではあるよね。

57 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/12(土) 14:29:16.92 ID:???
マジで欲しい状況になったな

58 :166:2011/03/13(日) 21:02:09.34 ID:???
気に掛けて頂いてありがとうございます。
仕事の出先で地震に遭遇しまして、そのまま帰宅難民化しましたが
おかげさまでどうにか無事です。

こんな状況下にも関わらず、平然と作業実施を要求してくる別な客先があって
帰宅もせずに7時間近くかけて向かったりとかてんやわんやですが;

皆様は大丈夫でしたでしょうか?

59 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/13(日) 23:02:20.13 ID:???
ご無事でなによりです
余震に気を付けて


60 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/14(月) 00:45:56.29 ID:???
同じくご無事でよござんした。
待つのには慣れてるのでいくらでも待ちますから、
いろいろ落ち着かれた上でまたお願いいたします。

61 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/14(月) 22:59:04.19 ID:???
流れ無視して聞くけど、「ジオンがCEに来たら」はあるみたいだが、「連邦がCEに来たら」ってのは無いの?

62 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/14(月) 23:46:17.86 ID:???
そんなスレだいぶ前にあったぞ確か

63 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 17:53:55.97 ID:???
そしてSSの一本も投下される前にdatの海へOrz

64 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 18:13:33.02 ID:???
>>61
ルナツーとレビル艦隊がCEに来たらってSSがあるって書き込みあったのよ
探したけど誰も見つけられなかった。

65 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 20:29:51.82 ID:???
>>64
あれ?クロスオーバースレがまだ統合される前にジオンスレからの派生で無かったっけ?
もっとも暫く見ないうちに落ちたみたいだけど

66 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 20:34:26.12 ID:???
ほんとか!探すにはどうすればいい

67 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 21:17:47.55 ID:???
SSも投下されずに落ちたぞそのスレ
まあジオンと違ってCE世界に地球連邦を組み入れるのは難しそうだ

68 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 21:57:23.95 ID:???
地球連合を存在させつつどうやって地球連邦を成立させるか…
確かに大西洋連邦やユーラシア連邦の構成国を見ると米国と英国が一緒になってたり、EUとロシアがくっついていたりツッコミどころはあるにはあるが

69 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 08:07:11.24 ID:???
>>61
レビル将軍じゃないけど連邦部隊が来るのは、文化 − 創作発表板 の 『だから俺達に新作ガンダムを作らせろよ』スレにあった
序盤で止まってるけどね・・・
そのスレのまとめサイトで読めるよ

>>64
CCAクロスや理想郷の捜索板でも情報が出なかった幻の作品ですね
ホントにあったんだろうか?

70 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/17(木) 14:58:23.74 ID:???
>>64
書き込みがあったのってアムロスレだっけ。聞かれても書き込んだ本人が言葉を濁して、教えようとしなかったんだよな。

>>68
どうやって国割りをするかだな。ジャブローがある以上南米諸国は連邦側だとして、あとはロシアを含むCIS諸国とインド、アフリカの数カ国ぐらいか

なんか、すごく旧東側臭いな



71 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/18(金) 22:08:15.74 ID:???
>>70
少なくとも、政権交代=クーデターだろうな。南米クオリティ的に

72 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/19(土) 18:10:11.47 ID:???
ギルと最初に聞いたとき真っ先にキカイダーのプロフェッサー・ギルを
思い出したのはいい思い出

73 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/20(日) 00:23:03.45 ID:???
だから最後ハカイダー化したのか

74 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/28(月) 23:16:33.78 ID:???


75 :通常の名無しさんの3倍:2011/03/30(水) 00:06:53.65 ID:???


76 :通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 20:13:12.92 ID:???
政拳奪取か・・・

77 :通常の名無しさんの3倍:2011/04/02(土) 06:48:12.16 ID:???
メガテンとのクロスで
ルイ・サイファーが宇宙クジラの存在を公開して
「神が世界を創り給うた」と公言するメシア教を間接的に攻撃するというのを思いついたが
政治・軍事・宗教・オカルト・メカ・etc何も書けないので早々に諦めた

78 :通常の名無しさんの3倍:2011/04/06(水) 18:22:30.75 ID:???
にじファンでCEとUCの世界観融合タイプのヤツを見かけたんだが?

79 :通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 11:56:14.13 ID:???
ルパン三世とのクロスが思い浮かんだが全然アイディアが沸かないw

80 :通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 12:23:15.26 ID:???
泥棒つながりでエロイカに愛をこめても混ぜるんだ。
美少年を狙う泥棒さんができるぞ

81 :通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 00:28:33.60 ID:???
種死を代表する台詞の一つとルパンのおなじみの台詞で

「あんたは一体なんなんだ!?」

「俺の名はルパ〜ン三世」

というのが思い浮かんだ。確かファーストコンタクトでも女の記者が
物語のラストで似たような台詞を言ってたような気がする。

もしルパンとその仲間(とっつぁん含む)がいればミーアとか助かりそうだな

82 :通常の名無しさんの3倍:2011/04/16(土) 09:22:05.45 ID:???
>>77
メガテンといえばペルソナ4がアニメ化だそうだな
誰かCE連中をテレビに落としてくれないかな〜きっととんでもない影が出そう

83 :通常の名無しさんの3倍:2011/04/30(土) 01:53:47.45 ID:???
>>28
陽電子砲の破壊力のソースの大部分が反応によって生じる光や熱である以上
>食らっても傷だらけになるだけで生き残れる
という事に特別な説明が必要だという思考こそが無知の証拠ではないかね?

結局マフティーの作者が「本物の陽電子砲は何でも破壊する無敵の兵器に違いない」と考えていた無知だったというだけの話だろう
>職人の苦労を慮るべき
ではなく、職人に対しても批判をするべき、というのが正しいな

>>29
生きてるわけが無いという根拠は何?
対消滅を起こす陽電子自体の質量は大きいものではなく、結局はそこで発生する熱や光のエネルギーが莫大ってだけで
「ただの強いビーム」という表現は正しいものなんだがね?
その公言もそう間違ってはいないな

>>30
陽電子について「正しくない」というのも君達の捏造のようだが
壊したのは君の方じゃないのか?

>>31
>もっとも、「ただの強いビーム」でもストライクの盾で防げちゃうのは充分問題に違いない。
>陽電子砲でなくても死ねるわ。
盾(の表層のわずかな部分)で対消滅爆発を起こしてその爆発を盾の残りとPS装甲で食らったんだろ
防げたケースでも防げなかったケースでも、どっちでも特に問題とは考えられないがどこがどう問題なんだ?

84 :通常の名無しさんの3倍:2011/04/30(土) 09:08:25.51 ID:???
破壊力としては熱と光だろうが、人体に対してはガンマ線も問題だからなぁ
現実の陽電子と同じだとすると、盾から小型のジェネシス食らってる形になるはず
コクピット周りの装甲の材質と厚さがわからんと何とも言えないけど
全身傷だらけになる程度には破壊が及んでたことは間違いないし

85 :通常の名無しさんの3倍:2011/04/30(土) 13:50:15.80 ID:???
>>83
> 防げたケースでも防げなかったケースでも、どっちでも特に問題とは考えられないがどこがどう問題なんだ?

いや単純にね
戦艦の、主砲を遥かに上回る対拠点用特装砲なんて代物を
仮に普通の粒子ビームだったとしてもMS一機の盾で防げちゃうのはどうなんだ、って話。
続編の方で強化型のルージュがオルトロスで盾ぶっ壊されてるから余計にね。
せめてローエングリンのチャージが不十分だったとかいう描写があれば話は解るんだが。

86 :通常の名無しさんの3倍:2011/04/30(土) 21:08:43.69 ID:???
>>83
本当に陽電子砲だったら、あんな低い威力じゃないでしょ。
そもそも核融合に失敗してるって世界観でんな物積んだ戦艦が作れる方が可笑しいんだが。

87 :通常の名無しさんの3倍:2011/04/30(土) 21:57:38.94 ID:???
>>86
>>31

88 :通常の名無しさんの3倍:2011/04/30(土) 22:53:17.77 ID:???
>>82
ニュクス並みのとんでもないのがポンポン出てきそうだなww 

89 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/01(日) 09:21:59.41 ID:???
>>87
言い方が悪かったから申し訳ないけど、俺が言いたかったのはそっちじゃない。
核融合ダメ、NJで原子炉もダメな状況で、反物質の生成無いしは保存がまずムリだろうという話だ。
生成には大規模な粒子加速器が必須だから無いにしても、反物質の長期的な磁場閉じ込めに成功してるとは考えにくい。
もし、成功していたとしても磁気瓶を開放したら全部反応してしまうから、カートリッジ式にしなきゃいけない。
そうすると、今度は弾数の問題も出てくるし、何しろ強い磁場を掛け続けなきゃいけないから交換作業ですら一苦労。

まぁ、対拠点用の兵装をMSが防御出来る時点で、ってのは同意だが。

90 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/04(水) 21:45:17.98 ID:???
>>88
あんな超越存在がポンポン出てきてたまるかwww
てか逆にミツオ並みに小物な影が出てくるかもしれん。
あいつら仮に影出たら結末もミツオと同じ(自分の負の側面を受け入れられない)になりそうだし。

91 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/05(木) 11:04:29.81 ID:???
>>90
ぜひとも全員テレビの中に叩き落としてやりたいな

92 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/05(木) 17:14:05.22 ID:???
>>90
メガテン全然知らないんだけどなんかその名前には因縁めいたものを感じるな

93 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/08(日) 11:10:19.92 ID:???
>>92
マヨナカテレビと称されるテレビの中の共通無意識領域の世界に生身の人間が放り込まれると
抑圧された人格=影が分離する
多くは本人にとって認め難い本質を曝け出して「自分の実態・現実を直視して受け入れろ」と迫るが
それが出来ずに否定されると本人に成り代わろうと襲ってくる
それを乗り越えて受け入れることが出来れば心の鎧であるペルソナ能力を得る

補正抜きのキラとアスラン、カガリは影の存在を受け入れられないと思う
シンも・・・かなり厳しいかもしれない
表層人格がそも露悪的なクルーゼなんかは逆に希望を持った影が出てくるかもしれんな
「人類が滅びるならそれでいいけど出来なくてもしょーがない」ってスタイルだったし
裏返せば迷いもあったかもしれない
そんなクルーゼが認め難い自分の一面と言ったら希望をもつことに他ならないだろう
さしずめペルソナ名はパンドラか
・・・異聞録のラスボスじゃねーか

94 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/15(日) 21:05:43.31 ID:???
>>93
ラスボスwwwwwwwwwwwwwwwww
なんか吹いたwwwwwwwwww

95 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/18(水) 00:00:09.70 ID:???
ふと思ったがカーボンヒューマンだとどんな影になるんだろう?
元の身体の持ち主の残滓が影として実体化とかありそうなきがするんだが。

96 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/18(水) 01:13:00.99 ID:???
>>89
遅レスだけど、CEじゃ核融合技術がまったく確立してないんだっけ?
TVだったかSSだったか忘れたけど、
「一応技術としてはあるにはあるが、MS用エンジン並のコンパクト化まで
 どうにも辿りつけてない」
というのを聞いたような覚えはあるんだけど。
ところでif統合の方ではザクレロ氏が復帰されたし、そろそろ166氏の方も
リクエストしたい所であります…

97 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/20(金) 19:45:05.35 ID:???
核融合で発電できてたらNJでインフラ破壊できないから、SS設定じゃないかな

98 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/20(金) 21:16:43.58 ID:???
>>96
核融合パルス推進システムはある、アークエンジェルの推進装置がこれ。

99 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/20(金) 21:31:07.02 ID:???
>>96
ストフリに積まれてる事になってたりする


100 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/20(金) 23:07:02.84 ID:???
>>99
が、それはあの玩具説明書のみですでに没です。

101 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/20(金) 23:20:49.11 ID:???
だがスパロボではレーザー核融合炉搭載となってるという…

102 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/21(土) 03:06:49.53 ID:???
そういや、ペルソナ3は種に出てたやつ多かったな…

メガテンはぶっ飛んだ連中が多いよな、アレフや人修羅やライドウとか
湊は幻想郷の女性おとしまくっているけど

103 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/21(土) 08:33:13.59 ID:???
>>101
NJは核だけとめるという普通の結果に

……でも、レーザー核融合できるなら起爆に核分裂なんぞいらないだろというのは禁句

104 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/21(土) 14:59:26.24 ID:???
>>102
逆にペル4はアナザーの主役級が出てるな

主人公=ポケ戦のアル&後のOOのミハエル
クマ=クロスボーンのトビア
完二=Gガンのドモン
直斗=ターンエーのロラン

105 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/21(土) 22:45:32.63 ID:???
クロスwikiで三■目が作品消しまくってやがる

106 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/22(日) 15:31:47.68 ID:???
>>105
戦果報告乙www
お前も、三なんとかの仲間だな

107 :787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/05/27(金) 09:04:50.14 ID:???
トリ大丈夫かな? おはようございます。ガンクロWikiでご存じの方が多いと思いますが、
初めての方は初めまして、787と申します。CCAスレでまぁ35話まで続けさせて頂いた次第ですが、
向こうでの指摘&私個人前々から気にしてたことに「内容がもうスレ違い」というものがありました
CCAアムロが主役でなく敵方で主役がシャアという所に、元々無理があった気もしますが、
それ以上に私が調子に乗っていたことは確かであります。

どうでもいい前置きは置いて、こちらに35話以降を投下してもよろしいでしょうか?
正直、今更になって移ると言うことに抵抗感は無いと言えば嘘になりますが、
人として罵られながらの投下はやはり精神的にキツイですし・・・私が脆いだけなんですがねorz

787? 誰それ? な方はガンクロに誰かがまとめていてくれていますので、そちらを参照してください
1桁から20話あたりまでは多分読むのがキツイ程につたない文章だと思いますが
こちらでもよろしければ、おつきあい頂きたいと考えておりますm(_ _)m

108 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/27(金) 16:16:39.98 ID:???
>>106に既に向こうを荒らしていた犯人がいますので、こっちに移ってもほとんど状況は変わらないと思いますよ

109 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/27(金) 16:23:46.12 ID:???
あと、貴方を罵っている相手は昔から自演を重ねて多人数の雑談や貴方への忠告を装っていますが結局一人ですんで、
真面目に読んだり相手になさったりされるのはよした方がよろしいかと思われます

110 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/27(金) 17:04:45.02 ID:???
もう少し言いようというものが……

それはともかく787氏、投下中の罵倒がどうしても気になられるというのでしたら
普段使っている閲覧用の専ブラ以外に投下用専用の専ブラ(Jane系)を入れた上で
NGEx設定によって御自分の名前以外をNGにされるという手もありますよ

111 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/27(金) 21:05:57.14 ID:???
これまでどおりにCCAスレでの投下をお願いしたいですね。
移られたらあのゴキブリがつけあがるだけなので。

112 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/28(土) 02:11:18.96 ID:???
あなたを批判しているのは一人なので無視してください

113 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/28(土) 02:17:02.55 ID:???
たった一人の安置に惑わされないで!

114 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/28(土) 02:35:56.77 ID:???
作品に文句言ってるのは荒らしだけだしね
それに対してあなたを支持するこんなにも多くの人達がいる

115 :787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/05/29(日) 16:50:03.59 ID:???
返信遅れて&お騒がせして申し訳ない、787です
皆さんの言葉はとても嬉しくおもいました。なのでもう少しあちらで頑張りたいと思います
もし、頑張りきって限界が来た時には、
改めてこちらにご挨拶に窺いたいと考えております。失礼いたしましたm(_ _)m

116 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/29(日) 21:47:55.46 ID:???
たった一人だけが文句を言ってるんだから無視しよう

117 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/29(日) 21:51:20.05 ID:???
そうそう
悪口言うのは奴だけだからキニスンナ!

118 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/29(日) 22:06:57.81 ID:???
嫉妬で荒らしてるんだろうしねw

119 :通常の名無しさんの3倍:2011/05/31(火) 15:23:17.55 ID:???
そうそう、一匹の塵屑なんか気にしないでガンバ!!

しかし、マフティー先生は生存報告だけでもして貰えんもんか…。

120 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/01(水) 12:58:15.44 ID:???
いや、最近の流れ見てると、こっちに投下してもらった方がいい気もするぞ?
さすがに気の毒としか言いようの無い荒れよう……

121 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/01(水) 13:16:23.19 ID:???
こっちがあっちみたいになるだけで何も変わらんよ

122 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/01(水) 13:26:58.50 ID:???
少なくとも氏を叩く理由が無くなる訳だが…?
こっちで叩き始めればただの理不尽な荒らしでしかなくなる

123 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/01(水) 13:46:02.92 ID:???
>>122
荒らすヤツにとっては場所なんか関係ないだろ
あーだこーだと意味不明な理由をつけて荒らすタイプだぜアレは

124 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/02(木) 00:02:16.44 ID:???
つか、スレ住人にも呆れられているレベルだろあれ
で、真面目な奴が構うから泥沼に

787氏、マジガンガレ。見てきたがCCA住人だって冷静なレスは概ね味方だし

125 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/02(木) 22:55:17.40 ID:???
構ってるのは真面目な奴じゃなくて
アホっていうんだよ
スレ違いだし皆まとめて帰ってね

126 : 忍法帖【Lv=3,xxxP】 :2011/06/05(日) 00:00:25.85 ID:???
スレ違いって言われても、あの人はこっちが良いと思うんだ
今移れば荒らしの勝利宣言そのものだから来ないだけで

127 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】 :2011/06/06(月) 15:51:13.79 ID:???
一つ質問させて
スレタイは『種・種死の世界に』とあるから別世界からSEEDへなんだろうけど
SEEDのキャラクターが別世界へ飛ばされる系はここでもいいの?

128 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/06(月) 19:08:39.60 ID:???
>>127だけど、一度こっちに投下してみるね
ダメだったらどこか良いところ教えてくれ、4レスくらいだよ

129 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/06(月) 19:09:21.36 ID:???

「い…痛ぅっ……」
シン・アスカは、頬にそよそよと吹き付ける、
涼やかな風の心地よさによってその瞼を開けた。
最初に目の中に入ってきたのは、眩しさしか感じない太陽の光。
そしてその日の光に照らされて美しく輝く、緑の葉っぱ達であった。
しかし、それらを認識する間は彼には与えられず、彼の全身を痛みが襲う。
至る所を打ち付けてしまっていたのだろう、各所で打ち身のズキズキとした感覚がある。
シンは、それを我慢しながらゆっくりと身体を起こした。
痛む頭に手を当てて、再び目を開けて周囲の状況を確認しようと、
もう片方の手で地を付いた瞬間、彼の脳を激しい“違和感”が支配する。
〈 ちょっと待てよ? 俺、確かデスティニーに乗って……!? 〉
記憶を辿って、自分は気絶するまで確かに、
月面でレクイエムを護るためにデスティニーを駆り、
かつての仲間であった裏切り者、アスラン・ザラと戦い、敗北した。
そこまではハッキリと覚えているのだが、そこから先はうろ覚えだ。
目を覚ましたのなら自分はそのデスティニーのコクピットの中、
放り出されたのだとしても、月面にいなければならないはずである。
 しかし、今自分の手の下にあるのは何だ!?
 自分の周りに広がっているこの森は何なんだ!?
シンは、グニッとした何かを手で押さえつけていた。
それが地に生えた何かだと知る前に、彼は咄嗟にそれを引きちぎっていた。
「……なんだコレ? 青いキノコ?」
彼の手の中にあったのは、少し大きめで鮮やかなブルーのキノコであった。
ふと、周りを見渡してみる。少なくとも宇宙だとか月面でないことは、馬鹿でも解る。
シンは、デスティニーのコクピットではなく、何処なのかも解らない森の中にいた。
正確に言えば、森の中でも広々とした場所で、日当たりと湿気がちょうど良い場所である。
シンは、ヘルメットの通信装置の電源を入れてみる。
しかし反応は返ってこず、ただノイズだけが流れている状態であった。
「くそっ、どうなってるんだよ!」
シンは悪態を付いてヘルメットを投げ捨てた。大きく、深呼吸してみる。
空気は悪くないどころか澄み切っており、初めて味わう美味しい空気であった。
渓流の軽やかな音色も、彼の心を落ち着けるのに一役買って、彼は立ち上がる。
シンはこの広い場所に敵がいないか見渡してみる。
幸いなことに、ZAFT支給品のナイフと拳銃は無事だった。
自分が何故このような森にいるのか定かではないが、敵がここにいないとは限らない。
ふと、人間ではない別の何かが、彼の視界に入ってきた。
シカだ、と最初シンは思ったが、プラントやオーブの図鑑で見たシカとは微妙に違う。
雄と雌両方いて、それらが群を成して草を食べていた。
ほのぼのとした動物番組みたいな絵面であったが、シンが注目したのはあれらではなく、
シカ達の内数頭がフンフンと臭いを嗅いでいるものであった。
それが何であるか脳が理解したとき、シンは思わず叫び駆けだしていた。
「……ルナ! ……レイ!」
ぐったりと力無く倒れていたのは、二人のノーマルスーツを着た人間。
自分の大切な仲間であるルナマリア・ホークと、レイ・ザ・バレルであった。
シンは二人の臭いを嗅いでいたシカ数頭を追い払うと、
二人の首筋に手を当てて、脈がしっかりと残っている事に安堵しつつも、
意識がないことに焦り、二人の頬を血相を変えて叩く。

130 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/06(月) 19:10:05.95 ID:???
「おい、起きてくれよ!」
「…ぅ…ぅうん?」
「ぐぅ……?」
シンと同じように痛みがあったのだろう。
少し顔をしかめた二人は、うっすらと目を開けてシンを視認すると、
レイは驚いた表情を見せ、ルナマリアは歓喜の表情を浮かべる。
シンは驚かないようにと二人に言い聞かせて、二人もゆっくりと周囲の状況を確認する。
「何で!? あたし達、レクイエムを護って戦ってたよね?」
「そうなんだけど、俺がその……アスランにやられたあたりから覚えて無くて」
「俺は、メサイアでギル…議長と一緒に瓦礫に呑み込まれた時からだな」
「レイもそうだったの? あたしは、多分シンと一緒だと思う。
 デスティニーがレクイエムの方に流れちゃって、アスランと二人で追っかけて、
 レクイエムが爆発した……と思ったらそれっきり」
シンは、あのアスランが自分を心配していたのだと知ると、
妙にむずがゆく悔しさと何かが入り交じった、複雑な感情がわき上がる。
だが、そんな事を気にしている場合では無いことも承知していた。
レイが早速通信を試みようとし、シンは繋がらないと告げた。
救助を呼ぼうにも、通信装置の電波が届かないのか、
そもそも電波を受信する所そのものが無くなってしまったのか、
この訳の解らない樹林を抜けて確認しなければならないのである。
不思議と三人はパニック状態にはならずに済んでいた。一歩手前であるが。
生存本能がそうして判断能力を失うことを防いでいるのかは知らない。
しかし、これは幸運と言って良いはずである。
三人は、とりあえず持ち物の確認を行った。
・ZAFT支給品の拳銃とナイフ
・宇宙に放り出された時用の携帯酸素
・非常用宇宙食『レーション・ブリティッシュ風味』一日分
正直言って、ホイッスルや発煙筒等が欲しい所であるが、
ノーマルスーツに邪魔にならない程度で携行できたのはこれくらいだ。
心許ない状態であったが、ナイフと食料があるだけでもありがたかった。
「ここにずっと居るわけにはいかない、どこか人里を探そう」
「人里って言ってもここって、月面都市の中とかじゃないの?
 ダイダロス基地のブロックの一つとかさ」
「こんなに凝った森が月面都市にあるわけない無いだろ、ルナ。
 見ろよ、あの太陽の光。本物以外の何者でもないぞ」
鬱蒼と生い茂る木々の間を、ナイフで枝を切り払いながら進んで行く。
近くに川があるようで、勢いよく流れる水の音をBGMに、
三人はとりあえず水のある所へ行こうという事になった。
水のあるところには必ず、生き物が集まってくる。
人間が現れないとは限らないという一縷の望みが、三人の頭をよぎったのである。
身体を傷つけないようノーマルスーツは来たままであったが、それもだんだん邪魔になってくる。
機密性が高く気温調整能力のある宇宙服と言っても、
電気を供給出来ず長時間放置すればただの蒸し風呂だ。
だが鋭い木々の枝葉の存在もあって脱ぐこともままならず、
汗だくになりながら、三人はやっとの事で渓流の水辺に出ることが出来た。
「水だぁっ!」
これ以上何かを考える余裕は三人にはなかった。
ノーマルスーツの上半身を脱ぎ、川の水で一度手や顔の汗を洗い流す。

131 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/06(月) 19:10:46.94 ID:???
そして両手で器を作り、水をすくってすすり込み、喉の渇きを潤した。
こうも水は上手いものなのか! と、三人の思考はその時シンクロし、
太陽光で暖められた石の上に身を横たえる。
この時になって、ようやく三人は自分達が消耗しきっている事に気付く。
戦闘の疲れが残ったまま、この森にいたらしい。
冷静になって考えてみようとするも、落ち着けば落ち着くほどこの状況は理解できなかった。
「なぁ、どうして俺達こんな森の中に居るんだろうな?」
「私が聞きたいわよ、そんな事……」
「『飛ばされた』等と、SFじゃあるまいしあり得ないが……」
ハァ…とため息までもシンクロし、
三人は一度考えるのを止めるべきだという点では一致した。
これ以上考え続ければ脳みそが沸騰してしまいそうだった。
その時、ガサガサッと、後ろの茂みで何かが動いた。
三人は跳ね起きて、拳銃をホルスターから取り出し構える。
耳を、すませる。一つだけではない。自分達三人を、何かが囲んでいる。
お互いの背を護るように、三人は背中を向かい合わせて待ちかまえる。
少し時間が流れて、シンのこめかみを一粒汗が流れ落ちたとき、
黒い影が、茂みから飛び出してきた。
三人は、銃口を其方に向けその存在を視界に入れたとき、思考が止まった。
「何だ、あれ?」
シンの言葉が、全てを表していたと言っても過言ではなかった。
薄紫やサーモンピンクを基調とした爬虫類が、そこにいた。
いや、爬虫類は爬虫類でも『トカゲ』等という陳腐なものでなく、
かつて人類が地球に搭乗する前地球を支配していた『恐竜』という生物によく似ている。
小さい頃、映画でよく見た小型で敏捷な肉食恐竜にそっくりな生物が目の前に現れたのだ。
「何って、アレ……恐竜?」
「いや、まさか。そんなはずは……」
小型の恐竜は、此方を視認するや金切り声を上げ、
同時に茂みの中から、次々と同型の恐竜が姿を現し始める。
数は、考えたくなかった。多分、八頭程であったろう。
仲間が登場したことで自身を付けたのか、そのうち一頭が、
シンめがけて飛びかからんと駆けだして、シンは咄嗟に銃弾を放っていた。
弾丸は真っ直ぐ恐竜の眉間に吸い込まれ、
ソイツは力を失い地べたに落下すると、そのまま動かなくなった。
「やったの!?」
「いや、まだだ……」
ルナは一頭やられればきっと群は逃げるだろうと思ったのか、
そう声を上げるが、レイは冷静だった。シンは、黙して群を見やっている。
一頭やられただけでは此奴等は退かないと、すぐに悟ることとなった。
群はますますヒートアップした様子を見せ始めたのだ。
「ルナ、レイ……」
「ああ……」「ええ……」

「「「 逃げよう! 」」」

三人は踵を返し、全速力で下流の方向へ駆けだした。
無論奴らも黙ってはおらず、驚異的な敏捷性で彼らを追いかけ始める。
人間 対 肉食動物。その差は歴然であり、距離は瞬く間に詰められる。

132 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/06(月) 19:11:28.08 ID:???
時折振り返っては、一頭一頭に銃弾を撃ち込んで、時には外すことを繰り返す。
しかし、総量が減ったような感覚が感じられない。
一頭仕留めればまた一頭、そして仕留めてはまた一頭現れる。
「ちくしょう、これじゃきりがない!」
銃弾を真っ先に使い切ったのはシンであった。
ただのウェイトと化した拳銃を捨てナイフに持ち替え、
時折追いついて横から飛びつこうとする奴を切り下げる。
レイは、一発一発を確実に奴らに撃ち込んでいたが、其方もいつ弾が尽きるのは時間の問題だ。
ルナも拳銃で応戦するも、しばらくしてシン同様に使い切り、ナイフに持ち替えていた。
こうして必死に逃げている中で、三人は頭の冷静な部分で、
どうして自分達がこんな目に遭うのかと、ずっと考えていた。
何やら訳の解らない場所に放り込まれた事をゆっくり考える暇も与えられずに、
こうやって肉食生物に追いかけられなければならないのは何故だ?
やがてレイの銃も弾丸が付き、所々でナイフで切り払い、
またはかぎ爪を引っかけられ傷を負いながら、下流の広い場所に出た。
細い道だから囲まれずに済んでいたものの、体力も限界に近かった三人は、
肉食恐竜達に包囲される形となってしまった。
ハァハァと荒く息を吐きながら三人は、
自分達の命がここで尽きようとしているのだと自覚する。
もっと、やりたいことはあったなぁと、ふと考えた。
死にたくない。そう思いつつも、もう無駄なのだと割り切っている自分もいた。
一頭が、身を屈めて、宙へと飛び上がる。
……終わった。そう考え三人は目をつぶった。
その時だった。
ビュゥンと、空気を切り裂く音がしたと思った瞬間、奇声が聞こえた。
目の前にいた恐竜の断末魔であったと気付いたのは、
何やらナイフらしき物体が首筋に突き刺さったソイツの死体を見たときであった。
「無事か!」
聞き慣れた声が、三人の耳に入った。
広場を見下ろせる岩の上に、男が立っている。
三人も恐竜たちも、男の方へと目をやった。
初見で解ったのは、鎧を身に纏っていることだ。
一昔前のヨーロッパで見られるようなアーマーと、
ブルーを基調とした爬虫類の鱗と皮を貼り合わせた外観。
ちょうど、周りを囲んでいる恐竜の肌を青くすればあの感じになるであろう。
背中には、強大な鋼鉄製の剣を背負っており、少し時代外れな雰囲気があったものの、
日の光に照らされた顔を、三人が忘れているはずもなかった。
「嘘……何で?」
「貴方は……死んだはずだ……」
仲間になったと思った矢先に、ガイアの手で海の藻屑となった男。
明るいその性格は、ミネルバに不可欠だったと、失って気が付かせてくれた男。
「手ぇ貸すか? ミネルバのヒヨッコ共……」
「……ハイネ!」
ハイネ・ヴェステンフルスが、そこに立っていた。

 狩猟戦士モンハンSEED DESTINY
 プロローグ


133 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/06(月) 19:12:34.41 ID:???
友達に勧められてMHP3rd始めたらはまっちゃって
突発的に思いついたネタを書きつらねてみた。今は反省している

続き書くかどうかは考え中・・・

134 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/06(月) 19:21:00.04 ID:???
おし、やってまえw

135 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/06(月) 19:42:09.17 ID:???
続きは何時ですか?

136 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/06(月) 19:54:43.44 ID:???
ごめん、まだここまでしか書いてないんだ。頑張ってみる

137 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/06(月) 20:25:45.78 ID:???
題名見たら予想を良い意味で斜め上いってて吹いちまった
飲んでた緑茶弁償してくれw
続きが楽しみ

138 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/07(火) 16:15:47.64 ID:???
元気をもらって第一話を書いてみたから投下してみる
『ハンター大全』とかゲームの描写思い出しながら書いたから
多分突っ込みどころは多いと思う(「ここちげぇwバロスw」って所)

それらに関してはスルーしてくれるとありがたい

139 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/07(火) 16:16:27.23 ID:???
「さて、どこから話せば良いかねぇ……」
鎧兜姿のハイネ・ヴェステンフルスの後ろを、
まるでカルガモの親子のように、シン・アスカと、
ルナマリア・ホーク、レイ・ザ・バレルが付き従っていた。
再開を喜ぶ間も束の間、一瞬で危機は去っていった。
肉食恐竜《 ジャギィ 》の群の中に飛び込んだハイネは、
鋼鉄か合金製の、かぎ爪尽付きの大剣を振り回し4、5頭をなぎ払い、
ジャギィの群はその段階になって、ようやく退却していった。
現実の中に居ると信じ切れない自分と、
負った切り傷の痛みが現実だと訴える自分との戦いも、
何もかもがたちどころに決着が付いたと言っても良い。
ハイネが切り払ったジャギィの血液、
そして切断された胴体や手足が、頬や胸や手にぶつかった時、
三人は、自分達が置かれているこの状況はまさしく現実であると、確信した。
「それにしても、お前等と出くわすなんてなぁ。正直驚いたよ」
「驚いたのはこっちです、ハイネ」
「そうだよ! だってハイネは、ダーダネルスで死んで……」
レイはおもしろがるハイネに、少々立腹した声音で言う。
シンも、続いてハイネに声を上げていた。
三人からすれば、とうの昔に死んでしまった人間が、
目の前でこうして笑いながら歩いているのだから、驚くのも無理はない。
肉食系の生物が現れないエリアまで案内していく間、
ハイネは何故自分がこんな所にいるのかについて、簡単に説明してくれた。
ダーダネルス海峡戦において、確かにハイネの搭乗機であるグフイグナイテッドは、
強奪されたガイアによって背後から切り裂かれ、海の藻屑と消えた。
その時爆発が自分の身体を包み込んでいった事を、本人も覚えていたという。
そして、目を覚ましたときは建物の中だったそうだ。
日本風家屋の造りであり、最初はアジアテイストが趣味の人間が、自分を拾ったと思ったらしい。
しかし建物を一歩出た瞬間、自分はどこか別の場所に来たのだと認識していたそうだ。
鬱蒼とした樹木の間を抜けて、チョロチョロと水の流れる小さな水辺に出、
ハイネはその先の小高い丘を指さしもうすぐ着くぞとシン達に言った。
「着くって、どこへ?」
ルナマリアの素朴な疑問をハイネはスルーし、手招きして三人を呼び、
質問攻めは後だと察すると彼の後について行く。
急勾配の坂を五分ほどかけて上って行くと、土だった地面が石畳へと変わる。
人の手が入った場所に出たという証であり、三人は安堵の念に包まれた。
崖の壁をくりぬいて作られた洞穴状のキャンプ場が、
彼らの目の前に現れ、パチパチと音を立てるたき火とベッドが、
こうも人の心に安心感を与えるのだと知った。
ハイネはたき火の周りに米俵くらいの石を三つ並べると、
三人に座るよう促し、フラフラとした足取りで近づいた三人は腰を下ろす。
「ちょっと待ってろよ、まだ生だから時間掛かるからな……」
ハイネはポーチらしき袋の中から、大きな葉にくるまれた生の肉を取り出すと、
骨の着いたままだったそれを、骨を串代わりにそのまま地面にさして、
たき火の火でじっくりと焼き始めた。
「焼き目着くまで我慢しろよ? 早めに食うと腹壊すぞ」
「あ、ありがとうございます」
「そう堅苦しくすんなって、今はZAFTとか抜きにしてくれ」

140 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/07(火) 16:17:15.13 ID:???
そう言ってハイネは一度たき火を離れると、
キャンプ場の端にいた猫らしき生き物に、チケットらしきものを手渡した。
その後の光景は、シンも、レイも、ルナも、
心臓が飛び出さんばかりの衝撃を伴って目に焼き付けることとなる。
「すまねぇ、三人追加だ」
「三人ですかニャ!? それは追加料金掛かるニャぁ……」
「「「 ……!? 」」」
「マジ? なぁ、何とかマケてくれねぇかな? 頼むよ」
疲れだとかそう言ったものを、全て吹き飛ばしてしまう程の驚きであった。
二足歩行していたかわいらしいコスプレ猫だと思っていたのに、
目の前で、自分の知人と言葉を交わしているのである。
猫が、人の言葉を喋り、人間のような仕草を見せているのである。
驚かない方が可笑しいといえる現象が目の前で繰り広げられていた。
ハイネが懐から、図鑑などで見たことがある植物をそっと取り出し、
猫の目の前にかざしてやるのを見た。
「取れたてホヤホヤだ。新鮮だぜ?」
「……ニャ!? マ、マタタ……そ、その手には乗らないニャ」
「ふ〜ん? じゃ、いいや」
ハイネがわざとらしく懐にしまおうとするのを見た猫は、
慌てて手を伸ばしてハイネの手を掴んで止めた。
「『大きな荷物』を運ぶって事にしておいてやるニャ」
「ん、なら商談成立だな」
ハイネはしまいかけた『マタタビ』を猫に放ってやる。
それを一個も逃さずキャッチした猫は、小さなポーチにしまい込むと、
傍らに抱えていたチェック表らしきものに何かを書き加えた。
ふと、香ばしい香りが三人の鼻腔をくすぐり、
シンははっとなってたき火の方へと目をやった。
ハイネがさした肉が、ちょうど良い焼き加減になっていた。
シンは慌てて肉を掴み、レイとルナもそれに気付いて自分の分を手に取った。
「今、しゃべったよね?」
「ああ、喋った」
「喋ったよ、猫が、二足で立って」
こんがりと焼き上がった肉を頬張りながら、
樽に乗って走り去る猫という漫画のような光景を受け入れるしかなかった。
ハイネは、目を点にして見ていたシン達を見て苦笑する。
そういえば、あの猫たちについて話していなかったな、と。
『獣人族』〜そうハイネは呼称した。
人間のように高い知能を持った、猫とよく似た外観を持つ種族。
人間の言語を理解し独特の文化を持った種族で、
この世界(こう表現するのが最適と判断した発言)で人間と共存している存在である。
人間のように特殊な技能を持った個体もおり、彼らは人間社会の中で、
交易・貴重品の取引・緊急運搬作業・美容・そして調理師等々、
様々な仕事に従事しておりもはや人間社会に置いて欠かせないのだという。
「ああ、それとだ。俺が厄介になってる村の村長さんなんだが、
 こう言いたくは無いんだけど『人間』じゃあ無い」
「別種族……という事ですか?」
「正解。見た目からすぐ解るが、『竜人族』って呼ばれてる。
 ……まぁ、わかりやすく言うと『エルフ』みたいな人達の事だ」

141 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/07(火) 16:17:55.78 ID:???
人間より寿命も長く知能も高い種族で、
自然との調和を重んじ合理的な判断をする種族である。
またその高い知能から生み出す技術は目覚ましく、
都市部の支配者層や軍属ではその有能さをねたむ者も多いという。
そして、この世界に於いて武器や防具を加工する技術は、
ほぼ彼ら竜人族の技術と言っても過言では無いらしい。
とうとうと話を続けていたハイネは、ふと彼らからの返答が途絶えていることに気付き、
訝しんでたき火の向こう側に目をやると、やれやれと呟いて微笑んだ。
三人は後ろの岩肌に背をもたれさせ、シンを中心に寄り添うようにして眠ってしまっていた。
「……よっぽど疲れたんだなぁ、お前等」
ハイネは崖の向こう側から到着した猫達が引く荷車隊に、
自分が先程まで収集していた物品を乗せ、動物の毛皮を一番上に敷くと、
シン達三人を起こさないようそっと荷車の上に載せてやり、
最後にまた一枚毛皮をかぶせてやった。
「ぐっすり眠っとけ。明日からまた忙しくなるぞ」
ハイネは、弟と妹を見守る兄の目で三人を温かく見つめながら、
自らが厄介になっている村への帰路についた。


☆狩猟戦士モンハンSEED DESTINY☆
 第一話


湯煙が、村を覆い尽くしている。
そう言っても過言では無いほど、この村は温泉を売りとしていた。
この時期は綺麗に葉が染まる紅葉の木々に、ほどよい柔らかさと甘みを誇る温泉卵。
そして風呂上がりの一杯とそのバリエーションの豊富さ。
辺境の村でありながら、秘湯の地として都市部にも知られた村。
村の名は『ユクモ村』〜ハイネが厄介になっている村である。
竜人族の若い女性が、ベッドに横たわっている少年少女の顔を、ジッと眺めていた。
日本女性が着る『キモノ』を身に纏い、羽衣のようなアクセサリを着けている。
それらは神秘的な雰囲気を彼女に加えており、美女と呼ぶに相応しい容貌であった。
彼女は前村長の娘であり、現在ユクモ村の村長を務めている人物である。
彼女がこうしてこの場にいるのは、
村が迎えたハンターの一人であるハイネ・ヴェステンフルスが、
依頼を達成して帰った際に連れてきた子供達だからである。
ハイネがこの村に迷い込んできた時同様、彼の着ていたものと同じ素材の不思議な衣服を、
ボロボロにして身に纏っていた少年達は見るからに憔悴しきっており、
猫の獣人『アイルー』達に彼らの身体を拭いてやるよう言い、
村の宿屋の大部屋に運び込ませねベッドに寝かせた訳だ。
そして一晩が経ち今に至る訳だが、当の本人であるハイネは、
現在村の頂上にある『集会浴場』の窓口に行きギルドマネージャーと押し問答中だ。
都市部のハンターズギルドと掛け合って、三人ほど登録させて欲しいと駆け込んでいるとの事。
駆け上がっていく時の彼の嬉しそうな顔を、村長は思い出して微笑む。
「ハイネったら、そんなにこの子達が可愛いのかしら」
少年少女の顔をのぞき込んで、彼女はそう呟いた。
たしかに、人間という種族の中でも一際整った顔立ちであるが、
ハイネはそういう所にはあまり拘らない男である。

142 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/07(火) 16:18:36.24 ID:???
多分、彼が気に入るくらい澄んだ心の持ち主なのだろう。
アイルーが彼らのおでこに乗せた濡れタオルを、
新しいのと取り替えようと手を伸ばした時、少年達が目を覚ました。
「ん? …ここ、は?」
「目が覚めたのね、坊や」
黒髪の少年が、パチッと目を開けて、
自分がベッドの上にいるのだと気付くと跳ね起きた。
体力の回復はこの年にしては早い。彼女は内心驚いていた。
少年、シン・アスカは周囲をキョロキョロと見回して、
ここが日本風の家屋の中なのだと悟り、そして村長へと目をやった。
「丸一日眠ってたから、疲れは取れてるんじゃないかしら?」
「あの、失礼ですが、貴女は?」
彼女ははっとなって、
「あら、ごめんなさい。
 私はこの村で村長をやらせてもらってる者よ」
「……!? す、すみません。色々あってつい」
「いいのよ、お話はハイネから聞いたわ。大変だったんでしょう?」
「ええ、まぁ」
目の前の少年は、自分がしている格好にあまり慣れていないらしい。
ハイネも最初はそうだったような記憶がある。
恐らく、彼らの生まれた地方ではこういう着物はあまり着ないのだ。
そう結論づけた彼女は、ベッドから出ようとしたシンを押し戻し、
「まだ寝ていなさい」
ベッド脇の椅子から立ち上がり、それと同じくして、
黒髪の少年の隣で寝ていた金髪の少年と赤髪の少女が目を覚ます。
村長は、三人にインナーをあらかじめ着せておいて正解だったと思った。
『モガ』という海沿いの村で用いられている様式のインナーである。
もし着せていなかったら多分少年二人は血を見ることになったろう。
黒髪の少年同様戸惑いを見せる二人であったが、
中央の少年が落ち着いている事が、二人を落ち着かせるに効果があった。
「その子には言ったけど、自己紹介するわね。
 私は、この村の村長を務めている者よ、宜しくね」
彼女は金髪の少年と赤髪の少女にも自己紹介し、彼らの名前を聞いた。
この村から離れた距離にある街『ロックラック』へ送る、
ギルドマスターに提出するハンターズギルド登録申請用紙は、
すでにハイネが記入して上に行ってしまっているため、まだ聞いていなかった。
それに、彼ら自身の口から聞きたいと思っていたのである。
 『シン・アスカ』
 『レイ・ザ・バレル』
 『ルナマリア・ホーク』
素直な良い子達だと、彼女はそう思った。
空のてっぺんに上り始めた太陽を見、
そろそろハイネが戻ってくる頃だろうと察すると、彼女は席を立った。
アイルー達が、食事の用意をしているはずである。
ハイネの話を聞く限り獣人を見たのは先日が初めてらしいから、
大いに驚くに違いなく、その光景を想像しクックッと笑う。
訝しげな顔を浮かべる三人の少年少女に向かって、
村長は向き直ると姿勢を正して、言った。

143 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/07(火) 16:20:52.99 ID:???

「ユクモ村へようこそ、小さなハンターさん達」

「此村からちょっと離れたところに街がある。
 そこのギルドの親分に手続きとってもらうから、数日かかるな……」
宿屋の大部屋のテーブルに簡単な村の見取り図をひろげ、
ハイネはそう言ってシン達が今後使うことになる住居『マイハウス』の場所を指し示した。
まず第一に、ハンターという職業についての説明から始めねばならないため、
椅子に腰かけて、シン達もその隣に座って足を下ろす。
『ハンター』というのはこの世界に於ける生物、
『モンスター』を狩猟する事などで生計を立てる職業の事である。
こういった村や大きな街で人々から寄せられる依頼をこなす『請負人』であり、
モンスターの討伐・撃退や、増えすぎて害が出始めた生き物の駆除、
そして危険地帯の中に踏み行って、物品を採取したり運搬する仕事である。
「なんだか、‘傭兵’みたいですね……」
「まぁ、そう言えばわかりやすいな。人間相手じゃ無い傭兵みたいなもんだ。
 お前等が出くわした連中のように危険な生き物がいる区域で働くから、
 危険であればあるほど依頼で受け取れる報酬ははずむんだ」
同時に、危険な依頼をこなした事はその人間の勇ましさを示すことであり、
多くの人々からの期待・羨望をもたれる名誉ある職業でもある。
しかし、その魅力があるが故にでる弊害が出てくるのは、
どの世界の人間でも変わることはないのだと知った。
生半可な知識と技量しかないのにもかかわらず、
強力なモンスターへと挑んで命を落とす人間が続出し始めたのだ。
それを防ぐために人々が考え出したのが『ハンターズギルド』なのである。
「中近世ヨーロッパの“商人ギルド”や“手工業ギルド”を、
 もうちょっと大規模にしたものと考えると多分近いんじゃねぇかな」
「つまりそのギルドを仲介組織として人々が依頼し、
 ハンターをランク分けし危険な依頼は受けさせないという訳ですね?」
「そういう事だ、レイ。……お二人さんも大体はわかっただろ?」
「ええ、大方は。でも、まだこうしっくり来ません。
 先日までMSに乗って戦ってましたからね」
シンは、ハイネに彼が死んだ後のミネルバのことは一切語ろうとしなかった。
アスランが裏切り、ああいう形での収束に至ったなどと言えるわけがなかった。
シン達三人の中で、状況や取り巻く環境をいち早く理解していたのはレイだ。
こういう時、彼が居てくれるのは本当に助かる。
三人に一通りの説明を終えたハイネは、何かを思い出したように、
一度廊下に出ると、大きな箱を三つほど部屋に運び込むのを手伝えと言った。
箱と言うより葛籠に近い入れ物だった。
温泉マークのような紋章は多分ユクモ村の紋章だろう。
「ハンターズギルドに登録する以上、駆け出しハンターにも装備は必要だ。
 これは浴場のギルドマネージャーからの‘プレゼント’だ、後で礼言ってきな」
葛籠の蓋を開けた時、三人は思わず感嘆の声を上げていた。
日本の着物風の衣類が一式入っていたのである。丁寧に被り笠付きである。
ユクモ村の特産品であるらしく『ユクモノシリーズ』と呼称されていた。
「うわぁ、綺麗……」
ルナマリアは胴着を持ち、丁寧に編み込まれた装飾などに目をやり、
見事な造りであることに満足げに息を吐く。

144 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/07(火) 16:21:43.86 ID:???
更に付け加えて、この防具などは五つの部位ごとに分けられているのだそうだ。
頭、胴体、腰、腕、そして足の五つ。それぞれに防具の個性が表れると言う。
ちなみに、ハイネが来ていた青い恐竜の皮で作った防具は『バギィシリーズ』と言うらしい。
防具は、主にハンター自らが依頼=クエストで調達したモンスターの素材が使われている。
強力な防具を作るには文字通り、強力なモンスターを討伐しその素材を手に入れねばならず、
そういったモンスターの素材は売買がギルドによって厳しく禁止されている。
それ故装備する防具が即ち、ハンターが狩った得物を示す事そのものへと繋がっている。
また原理は不明となっているが、素材となったモンスターの特性や、
摩訶不思議な力がハンターに作用して、能力を向上させる働きもあるのだという。
かく言うハイネの装備は、何故か負った傷の回復が早くなると言う特性があった。
「詳しいことは俺も解らなねぇし、竜人も詳しくは知らんらしい。
 ともかく、俺等が知ってる世界の常識はここじゃ通用しない事だけは覚えておいてくれ」
ハイネはそう言い残すと、また仕事が入ったとの事で宿屋を出て行った。
シン、レイ、ルナマリアは、お互い顔を見合わせ、
とりあえず村をぐるっと回ってみようという事で意見が合致した。
ハンターズギルドから登録証が届き、仕事が出来るようになるまであと数日あるとの事で、
その数日間の宿代は『出世払い』という事になっている。まぁ当然だろうなと納得はできた。
ハカマをはいて、ドウギを着、オビを締め、コテを装着し、カサを被る。
こういった衣類の装着のしかたは、殆ど違いはないようで安心した。
シンが日本文化の流れも多少あるオーブ出身というのはここでは大きかった。
「じゃ、行きますか」
そして、シン達一行はユクモ村への第一歩を踏み出した。
硫黄の香りが混じった、不思議でありながら穏やかな空気が漂っている。
温泉の村と言うだけあって、モミジの赤が映える時期でありながらも温かい。
ほんのりとした雰囲気と調和の取れた空間。そう評するべき村であった。
「あら、あなた達……」
早速、和服を着た人付き合いの良さそうな女性が近づいてくる。
「ハイネさんが連れてきた子供達ね?」
「はい。そうですけど」
そうやって、村人一人一人と言葉を交わしてゆく。
森の洞窟で聞いていたとおり、鍛冶屋のおじいちゃん、
そして獣人‘アイルー’のおじいちゃんは印象的だった。
エルフのような顔立ちと言われれば確かに耳がとんがっており、
顔つきも人間とは少し違うが、安心させてくれる顔だと思った。
獣人も仕草は人間その者と言っても過言ではなく、
どうやって人間の言葉を喋っているのだろうとふと気になる。
しかし見た目や時折見せる猫の仕草はかわいらしい。
武器屋のお姉さんや雑貨屋のお姉さんもとても温かい人で、
雑貨屋さんの豊満な胸に目がいって、ルナにシンは耳を引っ張られた。
村の入り口あたりの大きな卵の殻の中では、名物である温泉卵が作られ、
サービスと言うことで一個ずつもらい、口に放り込む。
口の中でふんわりととろけた白身から、半熟の黄身が織りなす甘みが、
なんとも言い難い幸せな気分にさせてくれる。
その先にある階段は、管理人のお兄さん曰く『ユクモ農場』があると言う。
ハンターが狩猟生活に於いて用いる植物や鉱石の採掘、昆虫の確保などを行う場所だ。
ただ、ここを利用するにはハンターとしての資格が無ければならず、
今回は中を見るのは我慢するしかなかった。
シンは振り返って、村を歩き回る人たちを見やる。

145 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/07(火) 17:00:16.16 ID:???
(さるったぁああああ、スマン!)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ハイネ以外にもハンター達は村に滞在しており、彼らだけでなく、
行商人に旅人、街までの買い出しから返ってきた人々など。
様々な人間が生活する風景がそこにあり、こういう所も向こうとは変わらないんだなと実感した。
「なぁ、レイ」
温泉卵のおかわりをもらっていたルナを見やって、
シンは隣に立っていたレイに話しかけた。
「向こうの事、気になるか?」
「……何故そのような事を聞く?」
「いや、ミネルバのみんなどうしてるかな…って」
ずっと心の片隅に引っかかっていた事を思い起こす。
今頃、メイリンやアーサー副長、ヨウランとヴィーノはどうしてるだろう?
ルナマリアはああやって明るく振る舞っているが、
気になっていないはずがなかった。
「気にならないと言えば嘘になるな。
 プラントがどうなったかも気に掛かるが……俺は、ギルを……」
ギル。それが議長を表す言葉だとすぐ気付く。
彼も心配だった。メサイアが火を吹き始めている所は覚えていたから。
シンは沈んだ顔をしたレイ、そして自分に言い聞かせるように、彼の肩に手を乗せて言う。
「俺たちがこうして、何かの縁でやって来たんだ。
 きっと議長やメイリン達もどこかに来てるかもだぞ、レイ」
「ああ、そうだな。そうだといいな……」
まだ希望はある。そう思うことで、心の平行を保った二人は、
ルナマリアが喉に卵を詰まらせたのを見て、慌てて彼女の下へ走っていった。

※※※※

〜ロックラックの街〜

砂漠の一画に存在する巨大な一枚岩の上に、
堂々と建設されたこの大都市は、オアシスと呼ぶにはあまりに大きな街であった。
その岩の存在があって、砂漠に生息するモンスターの大半は、街へは入って来れなくなっている。
不思議なことにこの岩には湖すらあり、集まった人々の生活に欠かせない存在となっていた。
地下水脈の存在なのか何なのかはハッキリしていないが、それを詮索する人間はもういない。
この砂漠を越えて、海を渡った先には『シュレイド地方』なる土地も存在するらしいが、
そこの情報に関してはあまり人々の間には行き渡らないことも多い。
だが、ロックラックの街は今日も賑やかだ。
ロックラック商店街ではごったがえす人々のがやがやとした声、
街の工房から聞こえる金槌の音色に、酒場の騒がしい酔っぱらい共の喧噪。
ギルドマスターと呼ばれる竜人族の老人は、手元に渡されたハンター登録申請用紙に目を通していた。
日課とも言える仕事である。ハンターという職業にあこがれる人間は多く、
彼の手元にはひっきりなしに、ハンターになりたいですという人間がこの紙を持ってくる。
ユクモ村からこうして用紙が届けられるのは2度目だ。
『ジンオウガ』と呼称される牙竜種に悩まされているあの村には、
すでに8人以上ものハンターが出張っているが、殆どがこの街から派遣された口だ。

146 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/07(火) 17:01:46.23 ID:???
一度目のハイネとか言う男は、メキメキと成果をあげているという事で、
すでにこの街の方にも凄腕のルーキーとして名が知られ始めている。
そのハイネが直に推挙している少年達という事もあって、少し興味を持った。
「おもしろい! お嬢ちゃん。コレをユクモ村宛にだしてくれんかの?」
ギルドマスターはこうして若者がハンターの世界に踏み出すことが楽しみでならない。
辺境の地でありながら温泉地として名高いユクモ村で、
どう成長してきてくれるのか、そういった事を聞くのは人生の醍醐味であった。
申請用紙に判を押し、まだ無記入の登録証を受付嬢をやっている女の子に渡すと、
申請用紙にある三人の、ハンターの証明書である『ギルドカード』を発行するよう言い渡していた。

ハンターとしての生活にシン達が踏み出そうとしていたそんな頃。
ロックラックの街の商店街を、少女がキョロキョロと周りを見回しながら歩いていた。
豊満な胸と調えられたスタイル。ふんわりとした肩口で揃ったブロンドの髪。
身に纏っているのは、赤いアルマジロの鱗を貼り合わせたような鎧。
天然系の仕草が相まって、若い男連中の目を惹きつけていた。
「みんな……どこ?」
街ではぐれてしまった少年二人を捜して、少女は歩き回る。
本当は、探し回っているのは少年二人であり、
自分達を見失ったらそこで動くなと念を押されていたのだ。
だが心配性だった彼女は、つい商店街の方へ来てしまったのである。
涙目になって駆けだし、人々の間を通り抜けたとき、少女は一人の男性とぶつかってしまった。
「きゃうっ!」
「…い、痛……。……!? 君、大丈夫かね?」
ロックラックでは一般的な男性の衣装に身を包んだ、
背中当たりまで漆黒の髪を伸ばした男が、倒れた少女に駆け寄った。
「わたしは、だいじょうぶ……」
少女がそう返答すると、男は微笑んで、
「よかった。私はここに来たばかりなんだ。
 周りを見ていたばかりに気付かなかった、すまなかったね」
そう言って、男は彼女の手を引いて立たせると、
鎧に付いていた砂埃をはらってやり、連れと思われる女性の下へ歩いていった。
少女は、男の顔をどこかで見たことがあると思った。
女性が、男のことを“ぎる”と読んで怒っているように見えたが、
自分のつれである少年二人を思い出すと、商店街をあるいていった。


「あうるっ! すてぃんぐっ! どこぉ……!?」


第一話fin


はい、これで第一話終了・・・なんか恥ずかしいな!
設定に関してはうろ覚えだったりで憶測が入り交じってるが
そこはスルーしてくれ! (大切なことなので二度言いました)

147 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/07(火) 18:20:11.79 ID:???
ごめん、ちょっと間違った。>>139の7行目あたり
「かぎ爪尽付き」じゃなくて「かぎ爪付き」ね

148 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/07(火) 18:23:43.44 ID:???
うわぁあああまた見つけたぁあああ!
>>140の後ろのあたりだよ、これは酷い
「人間社会に置いて」は「人間社会において」だよ。一太郎めぇ・・・

149 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/07(火) 19:28:37.62 ID:???
投下おつおつ
いやぁ、こっからどう話が転がって行くかオモシロオカシク見させてもらうわww
俺がモンハンとPSP買う気になったスレの内容がかなりブッ飛んでたんで大抵の無茶は許容範囲よw

150 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/07(火) 20:54:41.73 ID:???
乙!!
ついこの間好きなクロスSSガ無事完結、マフティーの職人さんはまだ帰ってこない
などで寂しさを感じてたところにこの新作、しかも続きが気になる良さ
シンたちのほかにも来ている人たちがいるようでこれからが楽しみです

151 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/08(水) 20:17:06.47 ID:???

まとめで最初にタイトル見たら
「え、モーターヘッド?」とか思っちゃったヨ
スパロボが寂しかったのでレイとステラが居るだけで心が和む・・・

え、俺?
2Gから開始、チュートリアルの卵運びが出来なくて放置してましたヨ
んで暫くして久しぶりに本編やったらちゃんと運べるやんけ
クソが!!orz

リアルでプレイしつつ応援してますよー

152 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/08(水) 22:53:03.50 ID:???
第二話ができたから投下するね、さるらないか心配だけど
ゲームをイメージしすぎてるからどっか可笑しいかもだけどスルーしてくれ

153 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/08(水) 22:53:48.50 ID:???

〜ユクモ村

ロックラックの街へ飛脚が飛んだ二日後。
「これがギルドの登録証なんですか?」
「その通りです。それだけは絶対に無くしちゃダメですよ?」
二日経って、シン・アスカを始めとする三人組は集会浴場からの召集がかけられ、
ハンターズギルド・ユクモ村出張所窓口の前に立っていた。
夕日の光が村の向こうの山から見える程度になった時の事である。
受付嬢のコノハがにっこりと笑いながら、シンの手にカードと手帳のようなものを手渡す。
そしてレイ・ザ・バレル、ルナマリア・ホークにも、同じ木目調のそれを渡し、
それが、ハンターズギルドに登録した正式なハンターの証『ギルドカード』であると説明する。
何の縁も無く放り出された世界で‘職にありついた’という、言い方は悪いが喜ばしい事実。
しかし、三人は妙に居心地が悪かった。
自分達を取り巻いている鎧姿の男女の存在だ。
先任のハンター達が歓迎ムードで彼らを取り巻いていたのだが、
こうして物騒な物を背負った人間達が、
ずらっと周りにいれば落ち着かないのは当たり前だった。
この人達からすれば当然すぎて何も感じないのだろうが、
武器と言えば拳銃、そしてMSと言うのが当たり前だった彼らには、正直キツイ。
「このカードは、ギルドに登録されたハンターだという証明です!
 無くしたりなんかすると、『モグリ』扱いされることになりまぁす」
「『モグリ』…って、なんか嫌な予感するんですけど」
ルナマリアのこめかみを、冷や汗が一筋流れる。
基本的人権といった憲章そのものが存在しない(かもしれない)世界で、
巨大組織の定めたルールを破った人間がどうなるかを考えれば、
「モグリのまま狩猟などを行うと、密猟者扱いとなって、
 ギルドお抱えのギルドナイト達が直々に‘おしおき’を下すのです!」
おしおきとはなんぞやと考えたくないがために、
逆に顔に疑問符を浮かべていたシンの肩を、ポンポンと叩く者がいた。
振り返ってみると、あごひげの立派な中年ハンターが、
首をスッと切り落とすような仕草を見せてくれた。
((( ですよねぇ……… )))
青ざめる少年少女を見、コノハはクスクスと笑い、
「そこまでやることは無いと思います。
 せいぜい牢屋にぶち込まれるくらいかなぁ」
「その点については解りましたが、次に進んでくださいませんか?
 我々はまだ、このカードについて詳しく知らないのです」
レイがコノハに説明を続けてくれと促す。
このままでは別の方向に逸れていってしまいそうだと判断したのだ。
コノハもハッとなって、話をギルドカードに戻した。
「あ、そうでしたね、ごめんなさい。
 その『ギルドカード』なんですが、大切な事なのでもう一度言いますね。
 見ての通り、それは皆さんの身分証明書になります。
 渡した別の手帳にはホルダーがありまして、そこに入れておいてください。
 そして手帳には、色々と記帳できるようになっています」
コノハが手帳のサンプルを取り出して、どういったことを書くのかの説明に入った。
ギルドカードは、文字通りギルドに登録されているハンターの情報が記載されたカードである。

154 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/08(水) 22:54:29.88 ID:???
ハンターの現在のランクと、受注し成功させたクエスト(依頼)の数。
そしてその受注元の詳細が記載されている。
依頼を数多くこなすとカードの色が変更され、
そのハンターがどれほどの実力なのか解るようにもなっているそうだ。
次に手帳のページをめくって、使い方の説明に入った。
地域一帯の生態系の保持も考えなければならないため、
ハンターはこの手帳にモンスターの狩猟記録や、依頼中の日記などもつける義務がある。
そして使用している武器の種類やその回数なども記録する事が出来、
特殊な目標等を達成した功績として、勲章が授与される事もあるのでそれの保管も可能。
訓練所での演習記録も残すことが出来る、シン達の世界で言う『システム手帳』であった。
「それでは! 新しいハンターさん達の誕生でぇす!」
ひとしきりの説明があった後、コノハは両手を上げてバンザイをする。
それと同じくして、周りのハンター連中も雄叫びを上げ始めた。
ただでさえ人が多くむさ苦しい状態だったのに、さらに熱気が上がり、
そういうのが苦手な人間はそそくさと人混みを離れて行く。
シンとレイの首に丸太のような腕が回され、筋骨隆々のハンターが、
新入り歓迎会の準備を進めていたらしく彼らを引きずって行く。
「え! ちょ……!」
シンとレイの鼻腔に、強烈なアルコールと硫黄の臭い、
そして焼けた肉やドレッシングのツンと鼻を突く香りが入ってくる。
ただし量が尋常ではなく、ただ此奴等が、
飲み食いする理由を欲しがってただけだと直感で理解した。
「る、ルナマリア!」
血相を変えたレイが、ルナマリアの方へ顔を向ける。
このままでは、恐らく飲むことを強制されるのに間違いない。
当のルナマリアはと言うとコノハを始め、
この村に滞在する同じ年頃の女性ハンター達、そして受付嬢らと、
すでにおしゃべりの真っ最中でシンとレイに構っている気が無いようだった。
「「 ルナ(マリア)ぁあああああ!? 」」
男二人は抵抗むなしく、筋肉と鎧と肉の森に連れて行かれる事となった。
(あたしまで巻き込まれたく無いわよ)
と彼女が内心そう思っていたことは、誰も知らない。
それから約4時間、日の光が全く見えなくなり、
依頼から帰って来たハンター達が疲れを癒すために温泉へと入り始めた頃。
「「 うぅう〜…… 」」
少年2名は、カーッと赤くなった額の上にタオルを置いて、
呆れ顔の少女が見下ろす中、うめき声を上げてベッドで倒れていた。
二人に水の入ったコップを渡し、ルナマリアは、
「全くもう、断るとかあまり飲まないとか考えなかったの?」
「断れる状況かよ、アレが……」
「分厚い筋肉を持った漢共に囲まれれば嫌でもこうなるぞ……」
シンとレイは彼女を睨みつけ、恨み節のように言う。
「はいはい、悪かったわよぉ。
 でも二日酔いにはならないでしょアンタ等は」
薄情にも、ルナマリアは一通りの事を済ませるや、
自分に与えられることとなったマイハウスの部屋へとさっさと戻ってしまった。
正直、理不尽だと思う。男女の違いだって理解しているつもりだ。
しかし彼女は一人部屋で、自分達はこうして二人部屋なのだから。

155 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/08(水) 22:55:11.89 ID:???
村の規模や酒場で見かけたハンターの人数を考えても妥当な線であろうが、
明日からハンターとしての生活を送ることになるのに、
さい先の良いスタートは言えないこの状況をちょっぴり悲しむしかなかった。
そして二人を睡魔が襲い、一夜が過ぎて翌日の朝になる。
窓際に差し込んでくる朝日の光が、二人の目を刺激した。
目を覚ましたシンとレイは頭痛が取れていることに感謝し、
ベッドから身を起こして立ち上がると、部屋の壁際に設置された大きなボックスに歩み寄る。
ハンターの収集した物品や、依頼達成の報酬の品、
そして装備する武器と防具を収納できるボックスである。
その中からユクモノシリーズを取り出して、身につける。
狩猟生活を送る上で必要な物は、先日の新人歓迎会という名の飲み会の後、
ギルドスタッフであるコノハちゃんと、
隣で‘上位’と呼ばれる難関の依頼を扱っているササユちゃんが届けてくれた…らしい。
そのころはもうベッドでぐったりとなっていた頃であり、
情けない姿を年頃の女の子に見られたと考えると、顔から火が出そうだ。
あのおっさん共め、と二人は内心愚痴りつつ、支給された武器を一度部屋にひろげてみた。
このユクモ村がある地方で一般的な武器であり、そのどれもに『ユクモ』と名が付けられている。
こうして見てみると、バリエーション豊かだなぁと感じた。
大剣に太刀、片手剣に双剣、ランスなどの刀剣類。そしてハンマー等の鈍器。
ガンランス、スラッシュアックスと言う中でも特殊な構造を持つ武器。
狩猟笛という、ハンマーなのか楽器なのか解らない武器もあった。
武器の中には飛び道具として弓もあり、少し原始的だという偏見が、
彼らの中にはあったのだが、此方の世界にも銃器は存在していたようだ。
ボウガンと呼称されているものの、ボウガンより普通の銃と言った方が良い。
取り回しに優れた小型のタイプと、威力と安定さを重視した大型タイプ。
種類がありすぎ、それ故に最初の十分間ほど迷った。
その後シンは〈大剣〉と〈スラッシュアックス〉に絞り、
一方のレイは〈ライトボウガン〉と〈弓〉のどちらにするかで悩んだ。
パーティを組んで戦闘するにあたり接近戦を挑む人間と、
遠距離から援護する人間は必ず必要である。
あの世界で戦っていた時分を思い出し、得意分野は何かを考えた結果だ。
機体を動かすのと実際に身体を動かすのとでは全然違うが、
MSの動きを自分の身体で表現すればどう動くかを考えると、
不思議とその二つへと絞ることが出来たのだ。
シンに関しては、太刀というのも選択肢にあったものの、
日本刀は重たい上に技術も必要であったので、慣れるまで保留という事に。
レイは空間認識能力が高い人間であったので、自然と飛び道具系に落ち着いた。
「問題は、ルナだ。
 彼奴がボウガンをチョイスしたら……」
「ああ、全力で阻止しなければならないな」
二人の心配は、ルナマリアのことであった。
彼女は射撃の成績が芳しくなく、ガナー装備のザクの時も射撃を外す上、
オーブ戦の折セイラン家のシャトルを外した事を考えても、
ボウガンだけは何としてでも思いとどまらせるべきだと考えていた。
加えてあの天衣無縫な性格が合わされば、
場合によっては『誤射マリア』の称号が与えられかねない。
それから数分経ち、シンは〈古ユクモノ剣斧〉を、
レイは〈古ユクモノ弩〉を背負って、部屋から廊下に出る。

156 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/08(水) 22:55:52.44 ID:???
すると偶然にも、ルナマリア本人がちょうど廊下の角を曲がってきた所であった。
「あら、アンタ達起きてたんだ」
ルナマリアが背負っている物を見て、
思わず二人はホッと胸をなで下ろしていた。
この地方に生えている木材を切り出し柄を造り、
先端に、鉄で造り上げた塊を丸太をくりぬいた部分に、
ピッチリとはめ込み赤い紐で結わえた〈ユクモノ木槌〉を背負っていたのである。
「ねぇねぇ、良いニュースと悪いニュースがあるんだけど、どっちから聞きたい?」
いたずらっ子の笑みを浮かべながら、ルナマリアはシンの胸を小突く。
「はぁ? じゃ、じゃあ良いニュースから」
「はいはい。じゃあ早速なんですがぁ、
 私ら新米が受けられる依頼があるそうなのよ!」
ルナマリアは後ろに回していた手に握っていた羊皮紙を一枚、二人の前にひろげて見せた。
「“渓流”っていうエリアに慣れるにはうってつけなんだって」
「何々、『夢のキノコジュース』〜‘特産キノコ’20本の納品。
 で、依頼主は……主婦!? 本当に何でも屋なのなハンターって」
なんだか味気ないような気がしないでもないが、
先日のジャギィの一件もあり、油断だけは禁物であると身にしみていた彼らは、
こういった依頼を地道にこなすのが一番であると思い始めており、
レイが、最終的にこれを受けようと言う判断を下した。
「おっけ、コノハさんに了解って言ってくる。
 で、悪い方のニュースなんだけど」
「何だよ、早く言ってくれ」
「ハイネの事よ。
 彼依頼でロックラックの街に行っちゃってて、
 あの渓流って所に行くの私たちだけよ?」
「「 ……はぁっ!? 」」


☆狩猟戦士モンハンSEED DESTINY☆
 第二話


「けっこう近いんだな、俺たちが迷ってた所……」
「馬車で一日足らずなんだもん、ラッキーじゃない」
送りの馬車の荷台から飛び降りながらシンは、
目の前に広がる日に照らされた自然が織りなす、
雄大な光景に見とれつつ、村にほど近い場所だったという幸運を噛みしめていた。
馬車と一口に言ってもこの世界の馬車は『ウマ』ではなく、『アプトノス』と呼ばれている、
恐竜のパラサウロロフスにそっくりな外観の生物に引かせているのだ。
鈍重そうでありながら意外と素速く動ける所もあり、道中は少し楽しかった。
空気は美味しかったし、何があるかわからないと言うことが、
逆に彼らの好奇心を刺激して楽しみを一層深めている。
それに、新生活というのはどんな形であれ新鮮な気持ちにさせてくれる。
先日までの荒んだ状況を忘れさせてくれる、川の流れる音や木々の葉が揺れてこすれる音。
それらは、痛んだ心を洗ってくれるほどに心地よく、
ふっと目をつぶりかけたシンは、馬車から支給品を降ろさなければならない事を思い出す。
「何に浸っているんだ、シン。さっさと手伝え」

157 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/08(水) 22:56:39.67 ID:???
彼らと馬車は渓流と呼称される地区の、山の中腹あたりにいた。
依頼は今日一日で終わるだろうが、帰るのは明日だ。
依頼をこなし夜を過ごす仮設キャンプを作らなければならない。
ハイネが案内してくれたあのエリアはすでに別のパーティが使っているそうで、
新しく安全でめぼしい場所を見つけなければならなかったので時間が掛かった。
モンスターの生息域から肉食系の生物がこれない急勾配と、
飛竜と種類分けされている生物(シン達は見たことがないが、相当強力な生物らしい)が、
着地して襲ってこれない程木々に隠れ、ちょうど良い広さを持った場所。
それがシンが立っている場所という訳だ。
キャンプ設営用のセットを下ろすレイが、シンを睨み、
彼は慌てて馬車の荷車の方へ駆け寄って、片方に手をかける。
ルナマリアは支給された実用品と、村で購入した道具担当であった。
・渓流の地区を大まかに記した地図
・負った傷を治す効果のある『応急薬』と、長期保存の加工を施してある『携帯食料』
・粘性の樹液を持つ葉で、染料と独特の臭いを有する木の実をくるんだ『ペイントボール』
・モンスターの体液や泥などで切れ味が落ちた武器を磨く『携帯砥石』
・粘性の樹液で細長い木の実を加工し、弾丸に仕上げた『通常弾』
・武器や防具の生産、強化などに用いる鉱石採掘用の『ピッケル』
・狩猟生活上必要になるそうで、昆虫類を捕獲するための『虫あみ』
等々、彼女は細かな物品のチェックを行い、男共はテントの準備だ。
天幕を張って、小型のハンマーで地面に打ち付け、雨風の入らぬようしっかりと固定する。
帰りは撤去するのであまり強く打ちすぎないよう調整するが、これが結構大変だ。
「よし、出来たぁ!」
シンは額に流れた汗を拭い、叫ぶ。レイも満足そうに、テントを見上げて頷いていた。
こうして、共に何かをすると言うのが気持ちの良いことだと、改めて気付く。
ルナマリアがテント脇にアイテムを置き終わった後、レイが荷車から少し大きめの本を取り出す。
「レイ、何なのソレ? 妙に分厚いじゃない」
「『図鑑』と『調合リスト』だ。
 ……俺たちが何も知らないことを忘れたか?」
「そ、そうだった。忘れてた」
この世界に来たばかりで生き物や植物についても、まだ少ししか知らないというのは十分致命的である。
故に、収集すべきアイテムの形がどうなっているか、効能はどうか、
モンスターはどんなものがいるのかについて、ある程度は知っておかなければならない。
今回引き受けた仕事は、依頼書のてっぺんにあったとおり、
キノコジュースを作るためのキノコを集めることが第一目標。
そして、自分達の武装を強化するための鉱石や、
今後の生活に必要になるであろう植物と昆虫の採集も行わねばならない。
まだまだ、自分達には覚えることはたくさんあるのである。
傷をいやしてくれる『回復薬』を作るには『薬草』と『アオキノコ』が必要な事。
体力を維持するために定期的な軽食が必要だが、そのためにはまず『生肉』を得なければならない事。
弾丸を作るために『カラの実』『カラ骨』という品が要る事。
粘性の樹液を分泌し石ころと組み合わせる事で、
色々な妨害アイテムの基礎となる『素材玉』を作るのに必要な『ネンチャク草』の事。
「何か頭痛くなってきた。二日酔いかな」
あまりに覚えることが多すぎて、シンは脳がオーバーロードしそうになる。
レイは一度分厚いソレを閉じると、テントの中に置いて、
「時間は黙ってたって過ぎるんだ。早く行くぞ」
「「 了解…… 」」

158 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/08(水) 22:57:20.82 ID:???
 〜こうして、シン達にとって初めてのクエストが、スタートした〜

道中アイルー達とすれ違ったりしながら、彼らはまず山の中腹にある岩場に出る。
以前見かけたシカのような生き物『ケルビ』が数頭いるくらいで、このあたりには肉食生物はいないようだった。
耳をそばだてて足音などを聞いてみても、近くに何かいる気配はない。
シンは腰にぶら下げた袋からピッケルを一本取り出すと、
岩場の中でも鮮やかな色が剥き出しになっている所へと近寄った。
こういう所から鉱石が取れるのだと、さっきの本に書いてあったのだ。
ルナマリアとレイもそれに続いて、草をはむケルビの脇を通り抜ける。
「すげぇ、鉄鉱石ってこうやって取れるんだな」
周りの石をピッケルで丁寧に削り、灰色に輝く鉄鉱石を取り出す。
ずっしりとした重みが手に伝わってきて、達成感を感じた。
『砥石』も、このあたりではよく取れるようだ。好調な出だしだと、その時は思った。
鉄鉱石の塊と数個と、削ったときに出来た、
手頃な大きさの石ころを腰のアイテム用のポーチに入れる。
今は何もかもが貴重品なのだ。それがただの石ころであろうとも。
その時、一度振り返ったルナマリアが、崖際に生えている大きなキノコに気が付いた。
先程図鑑で見た『特産キノコ』と『アオキノコ』が、あんな所に生えているではないか。
喜びの色を露わにした彼女は、そちらに向かおうと一歩踏み出し、
ぐにぃ……と何かを踏みつけた。柔らかくて、まだ温かい何かを。
「え……っ!?」
ぷぅ〜んと、彼女の鼻に覚えのある臭いが漂ってくる。彼女の顔が、青ざめる。
彼女の動向に気が付いた男二人は振り返って、彼女の足下を見やり、青ざめる。
黒くてこんもりとした、生命体の生理活動によって生み出される物体。
それを、思いっきり彼女は踏んづけてしまっていたのである。
首だけ振り向けて、涙を目元に溢れさせた彼女は、
「どぉしよぉ……踏んじゃったよぉ……」
さめざめと立ったまま泣き始め、
男二人は別の袋にその『フン』を回収する羽目になる。
これも必要な貴重品(?)なのだというから、男連中は泣くにも泣けなかった。
ルナマリアのハカマを洗うために一度坂を下りて、
滝と川のあるエリアへと移動し、彼女に一度川辺の石に座らせ、
三人で臭いが落ちるまでごしごしと川の水で洗う。
「二人ともごめん、油断してた」
「いや、臭いに気付かなかった俺も悪かった」
誰が悪いという訳ではないのだが、思わずそういう言葉がでてしまう。
少し萎えてしまった気持ちも、川の音が流してくれるのではないだろうかと、ふと思う。
ひとしきり洗い流した後、川辺にネンチャク草が生えているのを見つけ、
シンはそれを回収して先程の石ころに巻き付け始める。これで素材玉の出来上がり、らしい。
一方レイは、別の登り坂を見つけて二人を呼びよせる。
携帯している地図によれば、この上には広々としたエリアがあるらしい。
こういう湿気の多いエリアの近くであれば、キノコも見つけられるはず。
そう判断した三人は、坂を上って行く。
ユクモ村近辺に生えるという木が並ぶ広々とした場所が、三人の目の前に現れる。
中心にはかつて山の主であったろう大木の切り株があり、
近くに新たに生え始めていた苗木のあたりには、ハチが巣を作っている。
あたりを見回してみると、キノコの生えている箇所が確かにある。
キノコの収集はルナマリアに任せて、シンは近辺の枯れた木などから木材を収集。

159 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/08(水) 22:58:01.62 ID:???
レイはハチの巣からハチミツを、とそれぞれが持ち場へと駆け寄って行く。
時間を食ってしまった以上、依頼をこなしつつ必要なものも早めに回収しなくてはならない。
「けっこうべと付くな……」
レイはハチミツのベタベタに悪戦苦闘していた。
回復薬の効能を上げたり、そのほか薬品に手広く使われるハチミツは、
是非ともこの場で収穫しておきたい品であった。しかしレイは一つだけ、引っかかっていた。
こういう森でハチミツが絡んでくると、どうしても一つの生き物の名前が頭から離れないのである。
アイテム袋にハチミツを詰めた小袋を詰めながら、気のせいだと彼は頭から消し去った。
その心配が、ものの見事に的中しているなどと、考える事もなかった。

 |  |     *、、、、
 |  |       | | | |
 |  |       _|_|_|_|
 |  |      〈〈〈〈 ヽ
 |  |___∩〈⊃  }
 |  |ノ     ヽ !   !
 |  | ●   ● |  / 
 |_|   ( _●_) ミ/
 |  |   |∪|  /
 | ̄|   ヽノ /
 | ̄|      /
※《 青熊獣アオアシラ 》

「……………………」
シンは、目の前の茂みの向こうに二足で立っている、
7mはあろうかというあまりにも巨大な熊の姿を、呆然となって見上げていた。
回収した『ユクモの木』をポーチにねじ込んで顔を上げたとき、目に入ったのである。
心臓を鷲づかみにされたような恐怖が、シンを襲ってくる。
レイとルナマリアと呼ぼう。そう思って口を開けても、恐怖のあまり声が出ない。
ジャギィと出くわしたときとは比べ物にならない、圧倒的存在感。
シンは、熊の顔を見据えたまま後ろに一歩一歩下がっていく。
確か、熊は背中を向けて逃げては行けないと言われていたような記憶がある。
人がクマを恐れるとき、クマも人を恐れていると言うが、
コイツには通用しなさそうだとシンは直感で理解していた。
手に持っていた残りのユクモの木を、後ろへと放り投げ、
地面へと落ちたそれから発した音に、レイとルナマリアも振り返る。
「「 ……………… 」」
二人も、声を失って立ち上がる。
しかし、シンの近くへとジリジリと寄っていった。
一人でなく、三人いるぞと奴にアピールすれば、奴も去って行くかも知れない。
シンの背後に回ったレイが、シンの耳元で、
「シン、素材玉を一個よこせ」
「素材玉を? 何に使うんだよ」
「……フンを使う」
モンスターのウ●コで何する気なんだと聞く余裕もなく、
シンは後ろ手でポーチから素材玉を手渡す。
ルナマリアは、すでにハンマーを構えて臨戦態勢に入っていた。
シンも同じように背中からユクモノ戦斧を抜き、アックスモードで構える。

160 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/08(水) 23:00:42.13 ID:???
大きなクマは一度地に前足をついて四足になると、のそりのそりと彼らに近づいてくる。
テリトリーに進入してきた異分子を、排除する為に。
その動きにはに恐れなど微塵も感じなかった。
「レイ、まだか?」
「すまん、もう少し時間をくれ……」
「……レイ、もう無理みたいよ」
ルナマリアがレイに早口で言って、レイはクマの様子を見やって、
確かにアイテムを作っている暇はなさそうだと理解する。
弾丸入れから通常弾を取り出し、ユクモノ弩に装填させた。
〈 GUAAAAAAAA! 〉
「……来るぞっ!」


第二話fin


これで終了だよ、そして早速ミス修正だよ
>>159なんだけど
「7mはあろうか」じゃなくて「5mはあろうか」で
7mちょいだったら金冠クラスだし、上位じゃんよ

ちょっとインナー一丁でイビル挑んでくるノシ


161 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/08(水) 23:03:25.61 ID:???
追記だよ……連投スマン
ギルドカードについての話なんだけど
公式でどんな形状なのかという資料が無かったから
ゲームでは7枚あるアレをテキトーに解釈して書いた、正直言って反省している


162 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/09(木) 01:52:53.55 ID:???
でーじょーぶだ、デッキ組んでデュエル始めたりとかやらなければw
思う存分やっちゃえ!

163 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/09(木) 04:18:58.28 ID:???
乙でした。
自分はモンハンはMHP3から始めた人間なので、シン達に共感しつつ読んでいます。
この先の展開が色々楽しみです。

164 : 忍法帖【Lv=6,xxxP】 :2011/06/09(木) 07:20:04.54 ID:???
おつおつお
>今は何もかもが貴重品なのだ。それがただの石ころであろうとも。

わかる気がするわ
進めると集めなくなって肝心なときにBOXに無かったりするからな

165 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/09(木) 22:40:37.56 ID:???
遅ればせながら乙!
しかしクマーのせいであまり怖く見えない件w
続き期待してるよ

166 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/10(金) 21:23:15.95 ID:???
飛ばされた先がゴッドイーターじゃなくて良かったな
シンだったらラッキースケベスキルが邪魔をして
アマテラスの固いおっぱいを切り続ける羽目になりそうで

167 :127 ◆cxtthyVTkQ :2011/06/12(日) 16:22:30.25 ID:???
パソコンがお亡くなりになったので携帯から
しばらく書けないと思う、ちょっとしか投下してない身で言うのも
何だけど、ごめんm(_ _)m

168 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/12(日) 17:48:55.63 ID:???
あちゃー……まあ仕方ない、ガンガレ

169 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/12(日) 20:51:02.62 ID:???
なんで面白そうな話を書いてる人ばっかりいつもーーーッ(←ジェリド調に)

そういう方々に限って常にPCのトラブルや表稼業の事情で
遅延を余儀なくされるんだ…
一度ぐらい荒らしのPCやら携帯が爆発して死ねばいいのに。

170 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/14(火) 02:08:35.16 ID:???
言い訳乙w要は続き書けないだけだろwwwもう来なくていいから一生ROMってろwww

171 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/14(火) 06:29:15.18 ID:???
>>170
死ね

172 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/14(火) 07:14:04.23 ID:???
>>171
オマエモナーwww

173 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/18(土) 12:48:41.34 ID:XBqetIyW
>>170
期待していただけにショックもでかいんですね。わかります。

ともあれ、続きを楽しみにしてます。お早い復帰を。

174 :名無し三等兵:2011/06/18(土) 22:15:48.96 ID:???
マフティー先生…
早く見たい…(泣

175 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/19(日) 02:47:20.60 ID:???
一応考えたプロット

もし種死世界の大西洋連邦の大統領がマイケル・ウィルソンだったら?

1、ユニウス7粉砕に協力大統領パワーでユニウス7崩壊
2、プラントの戦争拒否
3、ジブリールに扇動というか実質りっちゃんの暴走でクーデターに乗っ取られる大西洋連邦
4、いつの間にか戦争状態になっている地球軍とザフトそっちのけで大西洋連邦軍と戦うわれらが大統領
5、りっちゃんを倒し大西洋連邦を奪還した大統領、一人でヘブンズベースせめてジブちゃんたちを一網打尽
6、大統領の危険さに大西洋連邦に宣戦布告したザフトをちぎっては投げちぎっては投げの大活躍
7、大統領一人勝ち


文章にすんの難しい

176 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/19(日) 09:12:31.34 ID:???
>>175
おい
















おい、それスゲー見たいw
誰か書いてw

177 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/19(日) 14:19:05.85 ID:???
マフティー先生・・・続きが読みたいです・・・


178 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/20(月) 17:03:29.39 ID:???
ビームバリアに突っ込んで自滅した元へタレのお神輿テロリストって印象が強いから
マフティークロスの展開は違和感があるわ
理想も立場も借りもんの癖に他所の世界で偉そうに説教出来る立場かと

179 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/20(月) 19:15:22.30 ID:???
>>178
君、自分の面を鏡で見たことあるかい?

180 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/22(水) 14:29:19.74 ID:???
イケメンが映るけどそれがどうかした?

181 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/22(水) 21:15:36.43 ID:???
お前の印象なんかどうでもいい、死ね。

182 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/22(水) 22:57:00.32 ID:???
プッw何時のイケメンだよ!?

183 :通常の名無しさんの3倍:2011/06/25(土) 15:44:16.01 ID:???
もしもウルトラマングレートに出てくるシラリーとコダラーが現われたら

184 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/01(金) 21:53:44.79 ID:???
>>175マダー

185 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/08(金) 20:27:00.88 ID:???
QBがCEに来たら。

議長「ふむ…。すると君は、宇宙意思に従ってこの星を訪れた地球外生物ということかね?」
QB「そうさ。僕は地球の女の子に契約をしてもらって、エネルギーを回収したい」

QB「どうかな。君の組織力を使ってこれはという人材を紹介してくれないかい。
 君だって地球連合に勝利するための強い兵士は一人だって多く欲しいはずだ。
 僕は契約さえして貰えれば、猿同士の縄張り争いに興味なんか無いし」
議長「つまり…。ザフトの少女兵を君に積極的に回せば、君は地球内に勧誘には
 行かないと約束して貰えるのかな」
QB「どうする? この件で僕と契約するかい?」
議長「分かった。受けよう」


しかしQBの個体が1体ではないのは周知の事実。
既に別のQBがジブリール卿に接近し同様の契約を持ちかけているとは議長は知る由も無かった。
魔法少女同士を争わせ続ければ契約者はもう増え続けるという計算である…。

ちなみに魔法少女は全員「種割れ」技能を修得できる。
しかしその種は当然グリーフシードなので、技能使用後は無条件で魔女になる。

186 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/08(金) 21:52:19.49 ID:???
流石抜け目無いな

187 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/09(土) 00:02:37.13 ID:???
ウルトラマンゼロかゼットン呼んで来いw

188 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/10(日) 07:53:22.90 ID:???
>猿同士の縄張り争いに興味なんか無いし

ひどいよQB
本当のこと言うことないじゃない

189 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/10(日) 15:18:45.75 ID:???
メトロン星人「こいつら互いを信用しないにも程があるだろ・・・」

190 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/10(日) 22:19:25.97 ID:???
メフィラス「とりあえず星が無事な内に何とかしないと」

191 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/10(日) 23:17:51.42 ID:???
初代メフィラス「二つ返事で『はい地球あげます』などと言いそうな者ども
         ばかりというのも興を削ぐなあ…」

192 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/11(月) 21:50:56.58 ID:???
グレンダイザーとデュークがCE地球に落ち延びて・・・

魔神が目覚めて地球は核で滅ぶ

193 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/11(月) 22:56:45.67 ID:???
>>192
なぜゴルゴが?

と一瞬考えてしまった

194 :190:2011/07/12(火) 18:27:37.02 ID:QsvjwTmD
>>191
そっちか!

バルタン「早く地球人を駆除せんと星がもたん…」


195 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/12(火) 21:13:38.95 ID:???
ヤプール「人間を滅ぼすのは、人間だ…人間を滅ぼすには、人間を使うことだ!」

・・・なぜだろう
実際の台詞なのにまったく違和感がない

196 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/14(木) 21:13:02.75 ID:???
>>194
シャア「地球がもたん時が来ているのだ!(迫真」

197 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/14(木) 21:38:54.10 ID:???
ウルトラマンとかゼットンって、ツイッターでQBだけは許せねぇとか言ってたな


198 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/15(金) 17:44:56.74 ID:???
ゼロは注意程度だったが、ゼットンはマジギレしてたなw

199 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/25(月) 00:10:42.62 ID:???
あぁ、ペテン師だらけのマフティーが読みたい…

200 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/25(月) 13:05:39.22 ID:???
>>198
きっとゼットン星人の少女もQBに騙されたんだろうw

201 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/25(月) 18:15:24.57 ID:???
>>199
166氏のマフティーは、今のとこTVとあまり変わらなく見えるAA一行
(本人達以上にクライン派はかなり悪質な狂信者とされているようだが)について
乱入してきた際、既に大幅な内面の成長を遂げたアスランやシンがどう反応するか、
また、「最初の大戦を孤軍奮闘し伝説となったガンダムと木馬」という事で
それなり興味もあるだろうと思われるハサウェイ達がどう感じるか…といった辺りに
ある意味ドSな期待があるわけだが、しかしそれをやると確実に荒らしの殺到のが
目に見えてるのがなあorz

202 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/25(月) 22:37:13.94 ID:???
QBやヤプールみたいな宇宙人からしたら、
やっぱ種の世界は元の世界よりも行動しやすいんだろうなぁ

203 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/25(月) 23:33:34.87 ID:???
あまりの野蛮さ、低俗さに、どん引きするか善の心に目覚めたりして


204 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/25(月) 23:38:36.95 ID:???
個人の意思というものを感じられない種世界の人間のほうがQBには理解しやすかったりしてw

205 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/26(火) 00:09:46.33 ID:???
ウルトラマンエース「優しさを失わないでくれ。弱い者をいたわり、互いに助け合い、
          どこの国の人達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。
          例えその気持ちが何百回裏切られようと・・・」

206 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/26(火) 00:14:01.46 ID:???
>>204
多分QB来ないよ
エネルギー回収できるような奴がいなさそうだし・・・

207 :聖戦士ダンバインSEED DESTINY:2011/07/28(木) 19:56:04.72 ID:???
 日の光に輝く海面が何処までも広がる大海原。その上空をダンバインは飛んでいた。
 その傍らを飛行する物。それは、スカイグラスパーと呼ばれるモビルアーマー。道案内と護衛に付いてきたという体裁ではあるが、それだけが理由では無い。
「……警護についての考えってのがこれかぁ」
 出発前にユウナ・ロマ・セイランが言っていた台詞を思い返しながらシン・アスカは呟く。そして、呆れ混じりの溜息と共に続けた。
「代表首長様がモビルアーマーを操縦できるとはなぁ……」
 スカイグラスパーに乗っているのは、カガリ・ユラ・アスハその人。
 確かに、同行するのであれば警護も出来るだろう。だからと言って、代表首長をつい先刻雇われたばかりの護衛一人だけつけて、オーブ政府にとっては未知の存在であるアの国の艦隊の元に送り出すというのは、シンも流石にどうかと思うのだが。
 それとも、そんな突飛な事をしなければならない程に、カガリは危険な立場にあるという事なのか……
「それにしても、お姫様ってのは何処の世界でも戦闘訓練を受けるのか?」
 ドレイク・ルフト国王陛下の娘、リムル・ルフト姫が敵方に寝返って、オーラバトラーで戦っていた事を思い出してシンは嫌な気分になる。彼女を連れ戻す為に戦った事も一度や二度ではない。
 何となくシンは、カガリが色恋に血迷って裏切る事がない様に祈った。その点に関して、ユウナがもっとしっかりとカガリの心を掴んでいてくれればと思わないでもない。
『聖戦ザッ! 目ガッ域は近ビッ!』
 シンの思考を遮り、通信機が雑音混じりに声を上げた。
 アの国の艦隊が居る目標海域に近づいたという報告だろうか。
 ともあれ、カガリがご機嫌だというのは、ほとんど聞き取れない通信機越しの声でもわかった。と言うか、感情の他には何も聞き取れないのに等しい。
「……通信機は使えないか。どうりで、アの国艦隊が沈黙してるとみなされたわけだ」
 アの国の艦隊は南太平洋上に出現。
 現状、大西洋連邦と大洋州連合が互いに牽制しあいながら艦隊を追っている。公開情報ではないが、プラントの潜水艦隊が偵察に動いている兆候もあったらしい。ついでに言うと、オーブも艦艇を派遣している筈だ。
 今の所は、各国ともコンタクトを取ろうとしている様子だが、通信には一切答えていないという。とは言え、答えない理由は、知っている者からすれば単純だ。
 ニュートロンジャマーによる通信障害。
 CE世界の軍用通信機なら、制限付きではあっても何とか通信できる。
 しかし、アの国の軍勢が使っている通信機の類は、もう一つの地上で購入した物。もう一つの地上は、CE世界よりも技術はかなり遅れていた。もちろん、ニュートロンジャマーの通信障害に抵抗出来る訳も無く、完全に通信不能に陥っている。
 実際問題、シンのダンバインの通信機も、通信相手のスカイグラスパーが目視できる距離にあってさえ、ほとんど通信の体をなしていないくらいだ。
 つまり、外からどれだけ呼びかけようと、それに気付きようもないわけで、そうとなれば無論、反応を示す筈もない。
 目の前まで行って旗を掲げるくらいの原始的な方法をとれば別なのだろうが、各国とも謎の艦隊を相手にそこまで接近するつもりはないのだろう。しばらく遠見に観察して危険な相手かどうかを探ってからというのは、至極まともな判断だ。
 それでも何時かは何かの行動を起こすのだろうが、こちらはその前にコンタクトを取る事が出来れば良い。他の国が惑っている今の内だ。
 だが、そう易々ともいかない様ではあった。

208 :聖戦士ダンバインSEED DESTINY:2011/07/28(木) 19:59:28.08 ID:???
『ジジッ士殿! 哨戒ザッ、接ガーッ!』
 カガリからの通信。何か近寄ってきたのだろう。
「どっちからだ?」
 言いながらシンは、コックピットから外を見渡す。と、前方遠くMSが4機、接近してきたのが見えた。
『連合のジジッジッウィンダム……一応、敵じガッないが。こっちに停止するよう通信をギュィーッ!』
 面倒かもしれない。こちらが、彼らにとっては所属不明のアの国の艦隊と同じ存在だというのは、ダンバインの姿を見ればわかることだろう。設計が明らかにこの世界のMSとは違うのだから。
 となれば、単機と甘く見て手を出してくるかもしれない。
『無視しギュイィィィジジジッ!』
 カガリのスカイグラスパーが速度を上げる。
 無視して突っ切ろうという腹か? それは悪くないとシンも思った。アの国の艦隊の勢力圏に入る事ができれば、どの軍も手を出してはこないだろう。とはいえ、相手もそれを許すまいとはしてくるだろうが。
 シンはスカイグラスパーに合わせて速度を上げたが、さすがにスカイグラスパーの方が速い様で、ダンバインは少しずつ置いて行かれる。
 カガリの方でそれに気づいたのか、カガリのスカイグラスパーは速度を落としてダンバインと並んだ。しかしこれでは、ほかの軍のMSを振り切るなど無理だ。
 やがて接近してきた連合MSのジェットストライカー付きウィンダムは、スカイグラスパーとダンバインを監視するようにわずかに離れた位置につく。
『停止ジッ……と攻撃すザザッ!だって? ここは公海上だろ!?』
 カガリの怒声が通信機から漏れ出した。
「拙いな。戦いになるぞ」
 シンは呟く。戦いたくはないのだが、カガリの護衛も引き受けてしまっている以上、攻撃を受けるのなら反撃をせざるを得ない。
 仕方なしに、ウィンダムの動きに気を配りながら、操縦桿を慎重に握り直す。
 と、ウィンダムの持つビームライフルが僅かばかり動いたと感じた。
「避けろ!」
 通信機に叫びながらダンバインを跳ねるように動かし、そしてオーラショットを放つ。
 その一撃は一機のウィンダムを貫き、宙で爆散させた。
「狙いが甘いぞ」
 ウィンダムの放ったビームは、見当違いの空を貫いている。と、通信機からはカガリの怒声が飛び込んできた。
『馬鹿! 今のジッ威嚇ザザッだ!』
 先走ったかと苦く思いながらも、シンはカガリに言い返す。
「カガリ様は高みへ! 武器を向けて撃ったんだから、敵は交戦の意思ありだ!」
 味方を一人殺られたウィンダム達はまさに完全な敵となり、ビームを放ちながら距離を詰めようとしてきていた。ならシンプルに、敵は倒すという事でかまわないだろう。
 カガリのスカイグラスパーは天へと駆け上がり、高度をとって敵の攻撃から逃れようとする。シンのダンバインはウィンダムが放つビームをかいくぐりながらオーラソードを抜いた。
 と、その時、足下の海面で何かが蠢く。

209 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/28(木) 20:01:42.56 ID:???
おや、懐かしい。支援

210 :聖戦士ダンバインSEED DESTINY:2011/07/28(木) 20:01:45.16 ID:???
「下!?」
 シンがダンバインに回避運動をとらせるのと同時に、海中から撃ち放たれた4条のビームが空に線を描いた。
 シンのダンバインに2条、ウィンダム達の方に2条。回避運動の甲斐あって、ビームは全て何もない場所を射貫く。
 ウィンダム達もとっさに反応して生き延びていたが、おかげでダンバインへの攻撃の手は止まっていた。その隙にシンは、海面をざっと見渡す。
「海の中か!?」
 シンは、海中にもMSの姿を見た。
『ZAFTのガガガッ!新型ピッギガッ!ッシュギッ!ザッー!』
 上空を旋回していたスカイグラスパーのカガリから、シンはその名を教えられる。
 アッシュ……ZAFT最新鋭の水中用MS。連合による攻撃が始まって焦ったのだろう。ダンバインを連合に渡すくらいならば、自分達がというわけだ。
 アッシュは一度攻撃を浴びせると水中深く沈んで姿を隠す。いずれ再び浮かび上がり、攻撃をしてくるだろう。
 と、海面に注視していたシンのダンバインをビームが掠め、オーラバリアに触れて散る。
 再度の攻撃が行われる前にダンバインを押さえようと、ウィンダム達が攻撃を仕掛けてきたのだ。
「面倒だな!」
 シンは舌打ちを小さくして、海面から出来るだけ離れるように飛び、ウィンダム達へとオーラショットを向ける。
 ある程度散開してきていたので、その内の一機を選んで狙い撃った。
 撃たれたウィンダムは持っていた盾でオーラショットを受け止め、直後、盾ごと腕をむしり取られて宙で体勢を崩す。そのまま落ちていく所を、仲間のウィンダムが急行して拾いあげた。
 この状況で不利と考えたのか、残るもう一機のウィンダムはダンバインから仲間をかばう位置について、明らかに牽制とわかる射撃を行ってくる。おそらくは逃げるつもりなのだろう。
 シンはそれを察して、攻撃の手を緩めて相手が逃げるに任せた。
「こいつ等はこれで終わりで……!?」
 と、仲間を拾い、抱えながら逃げようとしていたウィンダムが、抱えていた僚機とともに海上から伸びた二筋のビームに貫かれ、爆算した。
 見下ろせば海面、ZAFTのアッシュが波間に姿を見せている。
「背を見せた敵を撃つ!? わざわざ無駄な事を!」
 シンは僅かに嘲りの混ざる声を漏らし、オーラショットを放つ。その一撃は、再び波間に沈もうとしたアッシュをとらえ、爆散させた。
 海面に炎と油が広がる。それを見ながら、シンは残りのウィンダムに向けてオーラソードを振り、今の内に逃げるよう示した。
 先ほどまで戦っていた敵であるダンバインに逃げるよう促され、残るウィンダムは一瞬だけ戸惑ったが、すぐに背を見せて空を飛んでいく。
 シンに素直に従ったのかもしれないし、単に一機のみでは任務を遂行できないと理解していただけかもしれない。
 ともかくシンは、最後のウィンダムが逃げる間を、海上の監視に費やした。
 残るアッシュが自分を、あるいはウィンダムを攻撃するかもと考えたのだ。
 だが、アッシュは姿を現さない。かわりに、海中からミサイルが数発打ち上げられ、ダンバインを襲った。

211 :聖戦士ダンバインSEED DESTINY:2011/07/28(木) 20:03:48.92 ID:???
「なんとぉ!?」
 シンはとっさにダンバインを下がらせながらオーラソードを振り抜き、直撃コースで飛来したミサイルを叩き切る。
 直撃は防げた。だが、残りのミサイルは近接信管を発動させ、ダンバインを囲んで炸裂する。
「オーラバリア出力全開!」
「そう上手くいくかっての!」
 無責任に声を上げるフレイにシンは怒鳴り返す。
 ただ、フレイの声は何の助力にもならなかっただろうが、オーラバリアはミサイルの爆発に耐えきった様だった。爆発の炎と煙はオーラバリアに押しとどめられ、ダンバインには届いていない。
「これなら、煙幕代わりになる! 面倒だから、戦場を離脱するぞ!」
 ダンバインの周りを煙が覆っていた。この様子ならば、敵からはダンバインは見えていないだろう。
 シンはこの時とばかり、ミサイルの飛んできた方向に背を向けて一気にダンバインを飛ばせる。
 果たして煙幕の効果があったか、アッシュからの追撃はなく、ダンバインは戦場を脱した。
「聖戦士殿! ギッ無事ザザッだっキィーンか?」
 高高度から降りてきたカガリのスカイグラスパーから通信が入る。シンは、それが戦闘終了の合図に思えて、安堵の息をつきながら答えた。
「無事ですよカガリ様。それより、アの国の艦隊まではまだですか?」
「ザッー、ギッガリガリガリ!」
 返答は酷いノイズ。その不愉快な音に顔をしかめながらシンは問い返す。
「何だって? もう一度頼む!」
「ジッう少し……いや、見えたぞ!」
 カガリの声が明瞭に聞こえた。そして、遙か前方の雲間……
「見つけた……俺の国の船だ!」
「シンってば、大げさよぉ? 昨日まで飽きるくらい一緒に居たのに」
 感動を押さえきれずに声を上げたシンに、フレイが呆れた様な声を上げた。だが、そんなフレイを一切気にとめず、シンは雲間に浮かぶアの国のオーラシップの一群とその周囲を飛ぶオーラバトラー達に目を向け続けていた。

212 :聖戦士ダンバインSEED DESTINY:2011/07/28(木) 20:07:01.12 ID:???
聖戦士ダンバインSEED DESTINY……以上

とりあえずここまで。

気が向いたらまた続き書く。

213 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/30(土) 12:16:35.35 ID:???
乙です!思えば最近ダンバインとかスパロボに出なくなったなぁ…。リーンの翼ともどもまた参戦しないかなぁ。
ABなら主兵装がビームなCE世界で無双できるって考える俺はスパロボ脳だw

214 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/30(土) 13:54:21.90 ID:???
おつおつお
ザクレロの人だったんだなぁw

215 :通常の名無しさんの3倍:2011/07/30(土) 20:18:26.56 ID:???
ま、待ちに待ったダンバインが来たッ・・・・・・・・・!!

216 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/03(水) 23:43:56.24 ID:???
おや?スパロボスレが見れない。どうなってんだ?

217 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/08(月) 20:14:30.19 ID:???
トランスフォーマーの出てくる作品はありますか

218 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/08(月) 20:49:07.93 ID:???
見たこと無い

219 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/08(月) 21:00:02.99 ID:???
CCAアムロのνガンダムに擬態したのなら見た

220 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/13(土) 01:36:56.70 ID:???
νガンダム「アムロ、私にいい考えがある」

アムロ(またか…)

221 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/13(土) 21:19:45.55 ID:???
ヨウラン「おめでとう」
ヴィーノ「おめでとう」
レイ「おめでとう」
タリア「おめでとう」
デュランダル「おめでとう」
ミーア「おめでとう」
アスラン「おめでとう」
メイリン「おめでとう」
ラクス「おめでとう」
キラ「おめでとさん」
スティング「おめでとう」
アウル「おめでとう」
ステラ「おめでとう」
マユ「おめでとう」
両親「「おめでとう」」

シン・ルナ「「・・・ありがとう」」

友に ありがとう

議長に さようなら

そして全ての種たちに おめでとう



シン「・・・丸パクリの丸パクリじゃねーか!!」
キラ「え?何が?」
シン「何がて!?これ・・・ちょ、まるっきりエ●ァネタやった銀●じゃねーか!!」
キラ「そうだよ、●さんも言ってたでしょ、こういう気になるオチにしときゃ気になる続きは劇場版で〜って期待をあおれるんだよ」
シン「もう企画倒れしてるよ・・・!!」

222 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/21(日) 22:16:32.45 ID:???
書けないが、そういえば種死とEVAのクロスは見てないな。そもそもクロスが難しいのだけどこれ

223 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/23(火) 01:24:57.30 ID:???
ここって型月関連とのクロスとか荒れるかなぁ?
人外が人間には耐えれないGが出てくるMSに乗ってデスティニーやフリーダムと
同等に渡り合うっての。

224 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/23(火) 02:46:25.27 ID:???
♪ 我が心 明鏡止水〜されどこの掌は烈火の如く〜

225 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/23(火) 20:43:49.36 ID:???
そもそも人外なんぞに繊細なMSの操縦なんてできんの?

226 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/23(火) 23:40:37.08 ID:???
>>223
琥珀さんがラクシズを乗っ取る話なら書きたいw

227 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/24(水) 00:51:47.11 ID:???
割烹着の悪魔の腹黒さに比べたら桃色教祖などまだまだw

228 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/26(金) 14:43:42.96 ID:???
最終兵器ジャイアントラクスを製作するんですね、わかります

229 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/27(土) 02:44:19.19 ID:vQ+S/d5h
>>222
やるとしたらどうなんだろね。
補完計画を阻止するために、デュランダルがミネルバを送り込んでくる
みたいな?

230 :代理:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(1/13):2011/08/29(月) 13:37:10.50 ID:???
:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(1/13):2011/08/26(金) 10:17:27 ID:1eRsjnWg0
アスラン・ザラは当惑していた。

半分以上は広義の「公務の一環」だと言っても差し支えなさそうな、ミーア・キャンベル演ずるラクス≠ニの会食の一時を終えて。
そのメイン・ダイニングから出て来たホテルの中。一緒に出て来たミーアが隙あらば腕を組もうと狙いながら、ずっとまとわりついて離れない。

彼女には本当の事――実際には彼とラクスはもう婚約関係にはない、普通の友人同士に過ぎないのだと言うのを教えてやれれば良いのだろうが、
あくまで「芝居」(それも二重の意味で)だと言う意識である彼と、あくまでも本当の自身≠フ感覚上にイメージされる「二人の関係」で認識している彼女〈ミーア〉とでは、同床異夢な齟齬が生じるのはある意味必然の話なのだった。

会食中の一時には、芝居の枠を越えてのよき雰囲気にと確かに踏み込んではいたが、基本的な相互の齟齬自体が解消されたわけでは無いのだから。
こうして再び彼女なりに「周囲の人々の目」と言うものも意識しての(同時に個人的にも役得とばかりに、それにとちゃっかり便乗してもいるわけだが)振る舞いを再開する様にとなれば、
また会食に入る前の構図へと回帰するのは自明の理と言う事だ。

いや、先程の場合はそれを目にする人々が(ラクス℃ゥ身の事は本物だと疑ってはいないものの)彼女〈ラクス〉とアスランが、実際にはもう婚約者同士では無いと言う事を知っている「限られた人々〈戦友〉」達だったから、まだいい。

議長やラクス≠轤熄h泊する――と言うよりは、そこへと彼ら戦功者が招かれたと言うべきだが――場所であるだけに、大多数の一般将兵達の目に直に晒されているわけでは無いのがまだ救いだが、
それでも「本当の事」は知らない多くの人々の目から逃れられると言うわけではないのだ。

ましてや、無論必要であり、またやむを得ないだろう務めであるとは言え、先程デュランダル議長本人から直々にお膳立てをされる様な格好にとなってしまっていたと言う事もある。

何だかんだ言っても、性格的には元来他人に対してはあまり邪険には出来ない性質〈たち〉である上に、逆に成長して視野を広げた結果として、
その辺りの事も考慮しなければならないと言うのも判らないではなくなって来てもいるだけに尚更……と言う部分もあったと言うのは、アスランにとっては些かならず皮肉な話だったと言えよう。

一方、そんなアスランの困惑ぶりには気付く事もなく、彼は大いに気にしている行き交わすプラント政府関係者やザフト軍人の人々に対しては、むしろより関係を見せ付けるかの様に彼へのアプローチを仕掛け続けるミーアであった。

「アスランは、もうお休みになられますの?」
通りすがりに思わず聞こえてしまった他者がドキリとしそうな一言を、ミーアはさらっと口にしてみるが、この場合は相手が悪かった。
「ああ……」
当のアスランから返って来たのは、言外に含ませた秋波には全く気付いてもいない、どこか上の空の様な生返事だけだった。

どだい、相手が朴念仁な事には定評があると言ってしまっても過言では無い様な処があるアスラン・ザラである。
ましてや、様々な事情故のこの状況にかなり当惑している最中なれば。

こう言っては酷なのかも知れないが、そんな彼の様子に気付いてやれもしないと言う意味では、その点においてはミーアにもやはりある意味では
「自分の物差し」だけを無自覚無意識なままに、勝手に相手へ期待し〈押し付け〉てしまっている。と言う部分は有るのだと言えるのかも知れない。

とは言え、無意識にしている事なればこそ、自覚もまた期待するのは難しいと言う意味で、彼女はめげずにそれを続けようとする。
「じゃあ、後で……」
お部屋に――と、彼女がそう言い掛けた処でアスランのその眼前にその人物の姿が現れたと言うのは、ミーアにしてみれば実に間の悪いお邪魔虫。逆にアスランにとっては恰好の渡りの船と言うところであったろう。


231 :代理:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(2/13):2011/08/29(月) 13:38:14.40 ID:???
「ハイネ!」
中庭を見下ろす回廊のバルコニーの手すりに、正面からもたれ掛かる様にと佇んで夜風に当たっている、オレンジの髪のザフトレッドの青年士官はその声にと振り返る。
「お、アスラン」

そうして不意にアスランに水を入れられた格好のミーアは、思わず一瞬の渋面を浮かべそうになるが、
実際にそうするよりも早くハイネから続けて声を掛けられて、嬉しそうな表情で敬礼されてしまっては、そんな内心の本音など脊髄反射的にどこかに吹っ飛ばして、ラクスらしい*椁ハの笑顔を浮かべる――
「これは、ラクス様も。今日のライブは本当に素晴らしかったであります!」
――などと言われてしまっては、仕方が無いではないか!

もちろん、そうした素直な感謝や賛美の念を向けられると言う事自体は、彼女自身にとっても嘘偽り無く大きなやりがいと喜びになってもいるのだけれども。

「二重の芝居」の裏の方――より重大な、ラクス≠フ正体――について、無論の事この時点でハイネが知っているわけでは無く、
普通のいい意味でのそつの無さのあらわれに過ぎない応対だったのだが、それだけに裏表の無い率直なものでもあり、故にミーアの側も正面からそれを受けとる以外に無かったと言う事だ。

そしていささか過剰過ぎな、婚約者に対してのラクス≠フ「芝居」に露骨なくらいに辟易〈持て余〉しているアスランの様子がハイネの目にはありありと見えていた。故に――
(助け船を出してやるか?)
そんな風に思って、ハイネはせいぜいお邪魔虫をやってやるかねと言う感じにアスランを誘う。
「そうだ、アスラン。ちょうど良かった。向こうで皆が集まって飲んでるぜ。お前も来ないか?」

そう水を向けられて、アスランの反応は実に迅速だった。
「ああ、そうだな。ぜひ行こう!」
過ぎるくらいに大きく頷いてそう言うや、さっと一足飛びにラクス≠フ圏内から飛び出すと、ハイネと肩を組んで競歩選手の如くに足早にその場から遠ざかり始める。

「…………」
あまりにも見事すぎる飛び出しに、流石のミーアも完全に虚を突かれた風情で為す術なく見送るしかなかったくらいだ。
それこそ、誘い水を送った側である筈のハイネまでもが、思わず「いいのか? 婚約者なんだろ?」と口に出してしまわないといけなくなる程に。

それに対しては、「いいんだ!」と実にシンプルに断言して。
アスランは脱兎の勢いのままに視界から消えて行き、きょとんとした顔のままのラクス≠セけがぽつんとただ一人、その場にと残されたのだった……。

――確かにこの場はそれでどうにか切り抜けた。
しかしそれが逆にこの後刻、更にとんでもない方向へと化学反応を起こす事に繋がろうなどとは、(様々な意味合いで)まだ若きアスラン・ザラには想像する由も無かったのである。



ハイネの言う通り、バーカウンターを併設したラウンジの一つを丸々占拠する様な格好で、
同じく今宵はここへの宿泊をあてがわれた彼らの戦友達が、めいめい小グループを形成しながら集まってそれぞれに寛いだ雰囲気で歓談している。
ハサウェイとイラム達、マフティーの首脳陣とレイだけは議長と会席中の為に姿が無かったが、
それ以外のガルナハン作戦からこちら、戦いの道行きを共にして来たミネルバとディアナに乗艦のザフトとマフティー、両軍のパイロット陣の面々があらかた顔を揃えていた。

232 :代理:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(3/13):2011/08/29(月) 13:57:20.53 ID:???
「おお、アスラン。待ってたぞ!」
ハイネと共に姿を現した彼の姿を目にして、異口同音の歓迎の声が上がる。
婚約者≠ニしての務めは務めとして、戦友達との付き合いもまたおろそかにはしませんよ?と言う態度を、ちゃんと示してもいると見なされたと言う事なのだが。

――もっとも、夕刻のやり取りを目の当たりにしていた〈事情を知る〉その中の一部の者達は、いささかげんなりとした風情を漂わせてもいるアスランの姿に気付いてそっと声をかける。
「お疲れさま。あちらは上手く行ったのかしら?」

そう尋ねて寄越す、ジェスと共にこの場に加わっていたルルーに、とりあえずは……と微苦笑を浮かべながら頷き返すアスラン。
日に日に打ち解けて行きつつある戦友〈仲間〉達と共に居る方が、やはりずっと気楽と言うものだった。

「とりあえず、改めて乾杯と行こうじゃないか」
ハイネも戻ったし、アスランもやって来たと言う事でと。
ハイネ隊No.2のグロスが音頭を取って、座の一同はもう何度目かになる互いのグラスを響かせ合う。

そうして再び和気あいあいと始まった場の雰囲気を、遅れてやって来た格好のアスランはハイネと並んで座るカウンターの丸椅子を後ろに回して、黙って眺めやる。

ようやくアスランもこの場にとやって来たわけなので、シンやメイリン達はアスランの方へと行きたい処ではあったのだが、彼らは彼らで一緒の卓を囲む相手とのやり取りの最中でもあったのと、
連れだって来たわけでもあるし、まずはヴェステンフルス隊長と同じフェイス同士で始めたい処なんだろうなと言う遠慮をした。
その両方の理由でそういう格好にとなっていたのだった。

それはアスランの方も似たようなものだったが、それはそれとして、確かにハイネともこうしてじっくり飲んでみたいと言うのもまた間違いのない処ではあったので、別段困ったりはしていなかったのだけど。


「慣れない事をして、やっぱり疲れたか?」
無言でグラスの中身を一口呷って、ふうと一つ息を付いたアスランに、ハイネがそんな声をかける。

「ん? ああ、そうだな。確かにちょっと……いや、それなりに疲れたかもな」
相手が気さくなハイネであればこそ。と言う部分は間違いなくあっただろうが、当のアスラン自身も遅れて内心で軽く驚くくらい、意外にもそんな感じの軽口が自然と出て来る。
いちいち自覚をする程でも無いような事ではあるのかも知れないが、そういう小さな変化をもたらす源となるものこそは彼の内で確かに育まれつつあるものの湧出であったのは間違いなさそうだった。

そういうものを直感的に感じ取って、ハイネはこの年少の戦友に対して若干の苦笑も交えて微笑する。
「ま、そうは言ってもな。むしろ本番は明日の夜≠セろ? 気疲れとか言ってる暇はあんま無いかもしんないぜ」

「まあ、そうだよな。確かにそうなんだよな……」
と、アスランが苦笑と共に応じて言うのは、デュランダル議長を迎えたこのディオキアで明晩に予定されている、「この地域の解放を祝う」と言う触れ込みの祝宴への出席の事だ。

それに先だっての、昼間の市議会でのデュランダル議長の演説や、市内の大学への視察と講演。そしてディオキア市長をはじめとする、この地域の要人達との会談などの一連の行事全てをひっくるめての話であるが、
このディオキアの様な、地球連合側に三下り半を叩き付けてプラントとその友好勢力の陣営入り〈助け〉を希望するこの地域の都市や小勢力。
それに本音では地球連合側のやり方には辟易していて、その力をなお恐れはしつつも、積極的に解放者たるプラント側に味方する道を選択したガルナハンやディオキアにと倣うべきか?を天秤に掛けているであろう者達も、
その辺りを見極める為の密使の任を帯びた立場の人間を、それぞれ送り込んで来る筈だ。

233 :代理:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(4/13):2011/08/29(月) 13:58:49.13 ID:???
ある意味ではそれ自体が地球連合――そのバックにいるブルーコスモス・ロゴス達への心理戦の側面も持つ、紛れもない政治的なメッセージともなっているわけなので、
その場にこの地域の解放の立役者ともなった彼らザフトの特務隊とマフティーの面々も出席するのは、むしろ当然必須な話でもあるわけだった。

本音を言えば、未だにそうやって作って演じても見せる必要に対しての若干の躊躇が無くなっているわけでは無いのは、性分とは言え
アスラン自身にとっても「我ながら、情けない話だよな……」と言う事になるのだが。

そして脇で聞いていてそれを思いやれないではないハイネだからこそ、そんな戦友の気持ちへの配慮もして見せるのだった。
「とは言え、変に溜め込むくらいならさ、そうやって吐き出しちまった方がいいんじゃないの? 変に無理するって事もないだろうしな」
そうしていいとこ悪いとこのTPOってもんだけ判ってりゃさ……。
言外にそんな風に示してくれる気遣いは、嫌みも感じさせなければ押しつけがましくもなく気負いをほぐしてくれる様なもので。

そういう配慮が自然に出来ると言う処がハイネと言う青年の美点なのだなと、アスランはかなわないな……と言う無条件降伏の態度で、どこか羨望を抱きつつもありがたくそれを受けさせて貰うのだった。


そうしてアスランは黙したままでしばし、じっと自らの視界の内にと広がるものを眺めやる。
そこには大きく変わった彼自身の有り様と、その居場所とを象徴するかの様な情景が広がっていた。

ミネルバにと成り行きから乗り込んで、どこか懐かしくもありながら同時にある種の距離感をも感じてしまった、シンやルナマリア、メイリンの姉妹達新しい世代≠フザフトの少年少女兵と出会ったのが始まりで――。

身を隠していたオーブの一市民と言う立場から、ザフトへの復隊を決意し着任したミネルバで再会するシン達と、そしてハサウェイ総帥以下の異世界から紛れ込んで来た客人〈マフティーの青年〉達との新たな出会い。

再び身を投ずる事にとなった戦いの道行きを共に歩む事となった、そんな彼らの存在がその周囲はもちろんの事、アスラン自身にも予想だにする事が出来なかった様々な善き影響を与え続けてくれていた。

自分自身をも変えてくれたそんな大きなうねりのただ中にと身を置いて、自身もまたそれが拡大し〈広がり〉続けて行く様を同時に感じていられると言う事実から得られる充足感とでも呼ぶべきものは、まさに例えようの無いものだった。

今や名実共にミネルバの仲間として完全に同化した感のある旧ニーラゴンゴ空戦MS隊のパイロット達――インド洋会戦を共に生き延びた面々がいて。
マハムールからこの黒海沿岸に至る広大な地域の解放戦を共に戦った、ハイネ達がそこに加わって。

そしてナチュラルとコーディネーターの区別無く、真の自由と平和の為の戦いだと言うその有り様を間近にて見届けんとやって来た、
自身がそんな垣根などあっさりと踏み越えてもいるジャーナリスト達、ジェスとルルーの二人もが現れた(そのジェスには同時に、腕ききの傭兵であるコーディネーターの相棒も付いて来ている)。

様々な異なる立場にいた者同士が、今こうして垣根を超えて共に集い、大きな義の為にと想いを重ねて和している。
かつての大戦の終盤に加わっていた、キラやラクス達と共にあった(俗に言う)「三隻同盟」にも匹敵する――否、それ以上にもまばゆく感じる様な現実だと言えよう。

しみじみとそんな情景を眺めやっていたアスランの横顔に、ハイネが笑いながら声をかける。
「なんて言うかさ、嬉しくなって来る様な光景だよな……」
「え?」
思わず彼の方へと向き直って聞き返すアスランに、苦笑気味に応えるハイネ。
「恥ずかしい話だけどさ、ついこないだまでは俺にもやっぱりどこかにあったんだよなぁ……。『コーディネーター〈俺達〉は、ナチュラル共とは違うだろ?』って感じの、差別感覚≠チて言うの?」
「ハイネ……」
彼らしいと言えば、やはりらしいと言えるかも知れない率直な物言いで軽めに嘆じて見せるその横顔は、口調以上に真摯なものだった。

234 :代理:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(5/13):2011/08/29(月) 13:59:56.10 ID:???
「ま、それも今回こうして地球へと降りて来て、ハサウェイさん達マフティーの人達や、ガルナハンなんかの俺達に助けを求めて来たこの地域に暮らしてる人々と実際に会ってみるまでだったけどな。
俺自身も、俺の隊の皆も、遅まきながらもそれでやっと気付いたんだよな。俺達はそれまでただ敵としてのナチュラル≠オか知らなかった――現実はそんな単純なものじゃないって事を、ホントの意味で知りもせずに判ったつもりになってただけだった……ってさ」

「……ああ」
ハイネが漏らした素直な述懐に、自身も同様に頷くアスラン。
ナチュラルに対しての優越感情と言う、プラント生まれの世代のコーディネーター達の大多数が刷り込まれてしまっている¥h痾から、かつての大戦を通しての出会いと体験によって解き放たれる事が出来たアスランには、
ハイネが口にする彼らが新たに抱く様にとなったと言うその想いも、我が事の様に既視感も伴った共感として受け取れるものだった。

「苦しい状況下にあるラドル隊〈友軍〉の支援に〜と言うつもりだけで降りて来た地球でな。むしろ、本当の意味で助けて貰ったのは、俺達の方だったかも知れないよなって……今は、そんな風にさえ思えるかな」
そう言って微苦笑するハイネの横顔に、アスランは自分自身の想いを鏡に写して見ているかの様な想いにさせられる。

「判るよ。俺も、そうだったから……」
どこか遠くを見るように――かつての大戦の時の自身や、仲間達の姿を同時に思い起こしながら頷きを返すアスランに、ハイネの浮かべた表情から苦笑の成分だけが消えて行った。
「……そうか。なら、こうやって俺達が戦っているのにも。少しは意味はあるって事なんだろうな」

けして深刻ぶってはいないのだけど、戦争と言う行為そのものはどう見たとて誰かには悲劇や破壊をもたらさずには無い、悲劇的なものであると言う事実を承知してもいる。
そうであるからこそ、そんな業を背負う者の一人としてその只中にと身を置いて。けれどもやはり一方でそれだけではない「何か」をも、同時にそれによって残せるのなら。それを通して見つけられるなら。
戦うと言う道を選んだ者として、それこそが何よりも報われる真実であるのかも知れない。
それをもう一度確かめる様にと、ハイネは自身も一つ頷いてから続けた。
「そうだよな。だったらそれも、必然って事かね……」

(?)
当然ながらそんな彼の呟きを訝しむアスランに、ハイネは告げる。先程、議長から受けた内示の事を。
「ああ、さっきな。議長から打診を受けたんだ……」
「内示を?」
「そう。俺達の隊に、解散と異動の打診をさせて貰えないだろうか? と言う事だったよ」

「それは……」
そう言われたアスランの方も驚いた。
フェイスでもある隊長のハイネ率いる彼の隊と言えば、現在のザフトMS隊の中でも間違いなく指折り級のエース部隊である。
瑕疵もなしにそれをわざわざ解隊させようと言うのは、些か尋常で無い話ではあった。

そして、ハイネが受けたと言う内示の後半分――解散をさせての異動と言うのは――も、一体どこへ? と言う疑問が浮かんで来るのも当然の成り行きだと言えよう。

そんなアスランの浮かべている、ある意味では当たり前とも言える疑問の表情に対して、ハイネはしばしの逡巡を伺わせる微苦笑を返し、やがてそれを深化させながら答えた。
「んー、まあ……そのな、アスラン。この話も、お前さんにも関係あると言えば間違いなく有る話なんだけどな」

「俺に?」
予想通りの反応を示すアスランに、ハイネは微苦笑を浮かべたまま頷く。
「ああ。その場合の俺の新しい配属先は、ミネルバになるって言われたよ」

「こっちにか!?」
その答えにもまた、アスランは予想もしなかったと言う驚きを与えられる。
元よりグラディス艦長と自分の二人のフェイスが鼎立すると言う、ザフト全軍を見渡しても他に類を見ないであろう特殊な構成を見せる格好となっていたミネルバ隊≠ノ、更に三人目のフェイスを加えようと言うのだから。

235 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/29(月) 14:00:27.90 ID:???
キター!支援

236 :代理:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(6/13):2011/08/29(月) 14:01:09.55 ID:???
そんなアスランに、ハイネは今度は明確に苦笑を浮かべて応じる。
「まあな。お前さんさっき議長に、この先は単なる一軍人の枠を越えた、政治的な部分での働きもさせて欲しいって志願しただろ?」
「あ、ああ……」
頷くアスランに、それが理由だよとハイネは告げた。
「そうするとさ、そっちの+αの部分も入って来る分だけ負担も増えて、隊長≠ニしての純粋な軍務の面では、遂行に支障が出る可能性も有る。なんで、その分も手当てしとこうって話だな」

そう語られて、アスランはようやくハイネが言う「自分にも関係が有る話だ」と言う所以に得心が行った。
それでなくとも、謎多き驚異の同盟軍〈マフティー〉と共にの最前線での連戦を重ね、いみじくも議長の言う通り
今やザフト――プラントのみならず、反地球連合の立場や意識を抱く人々にとっての抵抗と解放のアイコンたる存在と化しつつあるミネルバ隊≠フ立場と言うものを考えてみれば、
ここで更にその構成を強化しておくと言うのは、確かに定石だとは納得の行く話ではあった。

(それで、どうするんだ?)
と言うのを表情のみで問い返すアスラン。
軍人である以上は、本来ならば命令一本で済む話であり、否やも何も無い筈ではあるのだが――そこはやはり、特別待遇のフェイスに対してならではの事と言えよう。
フェイス直卒のエース部隊などと言う代物をわざわざ置く意味合いなどの面から考えても、例外的に与えられている拒否権を行使して断る事も出来る筈なので。

しかし、ハイネから返ってきた答えは何の迷いも躊躇いも無い、その声音も表情も実に晴れやかなものだった。
「そりゃあ勿論、全隊一致で了解さ。反対する理由は何処にも無いからな」
あまりにもあっさりと断言されてしまって、そうなる原因を造ってしまった立場だとも言えなくもない当のアスラン自身の方が逆に(いいのか?)と、戸惑ってしまいさえするくらいに。

「ま、ウチの隊はそこそこ大所帯だからな。今度の地球上での戦いで俺達の隊も、今まではほとんどお前らミネルバ隊だけの独占状態だった、
マフティーさんとの共同戦闘で、異次元のMSとその運用や戦術≠チてものを、実際に身を持って学ばせて貰ったろ?」
「ああ」
ハイネの言葉に頷くアスラン。

ガルナハン戦後も結局そのまま、なし崩し的にミネルバに再配属のままの格好で来てしまった旧ニーラゴンゴ空戦隊の面々や、交代で共同戦闘や訓練に派遣されて来るマハムール基地(ラドル隊)所属の各隊もいはしたが、
マフティー側のハイレベルな運用や戦術をミネルバ隊と互せるレベルにまで対応して学び取れているのは、やはりエース級揃いのハイネ隊だけだった。
――もっとも、そんな両フェイス直卒のエース部隊でも、まだまだマフティーに本気を出させる処まではとても行けてはいないと言う辺りに、逆に彼らは異世界人達のその凄みと言うものをより深く感じさせられもするのだが。

「そんな画期的な戦術・運用面はもちろんだがな――それだけじゃなくて、当の俺達自身が今回の事で目から鱗を落とさせて貰ったナチュラル達との在り方≠チて事までも含めての、あらゆる意味でだよな。
それを持ち帰ってザフトの中に――ひいてはそれを通してプラントそのものにも、これからはそういうのをこそ広げて行かなきゃ行けないだろう? って話さ」
だから、お前さんが何か気にしなきゃいけない様な事なんて何一つ無いんだぜ?
屈託無い朗らかな表情を浮かべながら言うハイネは、言外にそう示していた。

「…………」
それを聞かされて、アスランは無言を返す事でもって自身もそれを首肯する。
コーディネーター〈自分達〉――プラント社会の側にもやはり色濃く存在している、「対立と不和の要因」を希釈し中和する為に。必要な為すべき手を、たゆまず繰り出し続ける事。

「戦争を終わらせ、平和を希求すると言うその思いが本物であるならば。ではそれは、一介の戦士としてただ(戦場でのみ)戦う≠ニ言う事、それのみで果たして本当に叶え得る事なのか?」

初めてハサウェイ達に会って投げかけられた、その際には答える事が出来なかった問いの言わんとする処への理解とそれ故の納得感が、アスラン自身の中でまた一つ深化する。

237 :代理:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(7/13):2011/08/29(月) 14:03:12.70 ID:???
ハイネも言う通り。問題の真の解決法とは、表層の事象への対処療法――もちろん、それはそれで必要不可欠なものではあるけれど――のみで止まるものではなく、
同時にその症状の原因となる内なる病根≠ヨの処置を考えると言う事が行われなければ意味がないのだ。

「例えその想いは同じでも、ミーアの声≠ヘただの一人の声でしかないわ……。でも、それがもしラクスの声≠セったなら?
それは現実に沢山の人達に届いて、同じ思いを呼び覚ます事が出来るわ。そしてそんな大勢の人達の抱いた想いを繋いで大きなものにまとめ上げる事が出来る、そんな力≠備え持っているんだもの」
つい先程まで向かい合っていたミーアが口にした述解を、アスランはもう一度自身の内で思い返して頷く。

(ガルナハンで〈あの時〉も、そうだったよな……)
圧制下にあった住民達による地球連合軍将兵への報復を、押し止めようとして果たせなかったシンと、それを止めさせてのけたハサウェイの、その始終を間近に見て思い知らされた事。

真の意味で平和を希求する。その為ならば、心情的な抵抗や躊躇はなお強くとも、(否応なしに)自身もまたそれを期待され得る立場に在る人間なのだと言う事実を認め、受け入れて。
実際に他者に影響を及ぼし得る立場≠ヨと、自分自身も腹をくくって踏み込んで行く以外には無いのだと。

自らの意志で選ぶ事にしたとは言え、苦しい困難な途となるであろう事は明白だった。
けれどもそれは、決して孤独なだけの途行きでは有り得ない。
かつての大戦の時とはまた違う、思いを同じくする多くの仲間達と共に確かに歩んで行く道であるのだと言う事。今のアスランにはそれが確信出来た。

「そうだな……。こうやって俺達自身が現に変わって行けたんだ。今度は俺達が、それを自分達自身でも広げてかないといけないよな」
ふっと微笑みを浮かべるアスランに、ハイネも同様の笑みを返す。そうしてそのまま一つ頷くと、促すようにと続けた。
「ならさ、きっともうお前ら≠熨蜿苺vだな」

「え?」
不意にそう言うや、ハイネは椅子からさっと立ち上がる――少々アルコールが効いていると言う事なのか? ほんの僅かだけ足元が泳いだのは、見えなかったことにしておこう――
釣られる様に目線でそれを追ったアスランの目に、いつの間にかこちらにと近付いて来ていて、声を掛けようかどうかと迷っている風情のシンの姿が映った。

「おう、シン。待たせて悪かったな。俺はもういいから、後はゆっくりやってくれ」
そんなシンに声をかけながら肩を叩いて促すと、そのまま彼方へと歩み去って行くハイネ。

恐縮する様にぺこりと一礼をして彼を見送りはしたものの、やっぱり遠慮感と躊躇感をない交ぜに突っ立ったままのシンの姿に微苦笑を浮かべて。
アスランは空いた隣席を指し示しつつ、(来ないか?)と言うジェスチャーを送るのだった。



差しで飲み交わす。その片割れを入れ替えてからこちら、それまでとは一変して互いの間にはただ沈黙だけが落ちていた。

「…………」
自分からやって来た筈のシンが一言も発さなければ、それを待つ立場となるであろうアスランの方もまた、音無しの構えでいると言う形であったから。

端から見ている方がむしろ、じれったいとさえ感じてしまいそうな格好ではあるだろうが、
もちろん当のシン自身とて、そんな自分に戸惑いを覚えてはいるのだった。

(隊長とこうやってゆっくり話せる機会が来たら、話してみたいと思っていた事は沢山有った筈なのに……)
そんな風には思いはしながらも、けれど不思議とそんな沈黙に居心地の悪さこそは互いに感じてもいなかったのだ。

238 :代理:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(8/13):2011/08/29(月) 14:04:51.61 ID:???
客観的に考えてみれば、ある意味それも当然の話で――
ローエングリンゲート要塞攻略戦のその前夜に持つ事が出来た一時の語らいを通して、
それまでは自身の胸の内にとだけ秘めたままでいた過去の境遇〈痛み〉と、そこにと根ざした現在〈いま〉の自身の抱く想い、戦う理由と言うものをもう一度見つめ直していたのだけれど。
同時にそれによって、今までは知る事の無かった相手の境遇やその抱く想いをも知らされ、そうして相手をより理解する事から始まる自身への振り返りが、また違った意味で自らを成長させる事にと繋がっていたのだから。

その上、そんな想いを更にもう一ステージ(それ以上かも知れないが)高める結果となった、先程までのデュランダル議長に招かれての会談の一時の事もあった。

そうやってもう、互いに相手に対して心を開ける様にとなっていればこその状況であったのだと言えるかも知れない。

――とは言え、流石にいつまでもそうやっているわけにも行かないと、シンは意を決して口を開く。
「隊長」
「うん」
呼びかけられて、改めて彼の言葉を謹聴の構えになったアスランへと、シンは語りかける。

「隊長。……ありがとうございます」
絞り出す様にしてどうにか、ようやく口に出して言えた一言。
ほんの一言だけのごくごく短かなそれにはしかし、言い尽くせない様々に去来する感謝の想いが込められていた。

ザフトに戻って来てくれて。
ミネルバに――自分達の隊長として来てくれて。
こんな自分を見捨てずに、教え導き、支え励ましてくれて。
自分に本当の意味での戦う者としての覚悟と意義とを気付かせる、そのきっかけまでもを与えてくれて。

(アスラン・ザラと言う青年〈あなたと言う人〉と出会えて、本当に良かった……)
それが今のシンの中に有る、偽らざる率直な想いだった。

そんな存在と出会えたと言う事もまた、一つの運命みたいなものだったのかも知れない……。
現在のシンは自身の隊長に対して向ける心情を、そんな域にまでに持って行っていた。

縁あってアーモリー・ワン緊急出撃後のミネルバの艦内で出会い、その後の地球へと落ち行くユニウス・セブン破砕を巡る一連の流れの中で
文字通りに身体を張っているその姿に、敬意に値する人だと感じさせられればこその、「あなた程の人が、なんでオーブなんかに?」と言う疑問も同時に抱かされもしたその人が、
やがて自分達の指揮官として出戻って来た。

考えが足りなくて視野も狭い自分には、そんな彼の豹変的な立場の変化の経緯がろくに想像も出来ないで
――と言うより、そんな事をしようとすらしていなかったわけだけど――
その結果、一パイロットとしての技量自体は認めながらも、上に戴く存在としては反感と反発を強く抱いてしまっていた。

そんな形で始まった上官としての彼との関係は、マフティーの人達の存在と言う中和要素が在っても当然ながらしっくりとは行く筈もなく。
今でもなお心に刻んで忘れえぬ痛恨事である、インド洋での会戦で犯してしまった大きな過ちと言う最悪の結果をも呼び起こしてしまいさえした。

だが、そんな誰からも見捨てられても文句は言えない様な最低の自分を、叱りつつも諭し、あるいは支えてくれた共に戦う仲間達のその中に――それも大事な時に、大事な所に、彼もまた居てくれた。
そんなアスランが向けてくれていた気遣いにも、自分はそれとは知らぬまま確かに救われていた。助けられていた。

239 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/29(月) 14:05:17.15 ID:???
支援

240 :代理:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(9/13):2011/08/29(月) 14:27:43.09 ID:???
そうしてどうにかもう一度立ち上がる事が出来た、ガルナハンの戦いの前夜。
思いがけずも聞かせて貰った、アスラン〈彼〉と言う人の過去と現在〈いま〉、そしてその胸中に抱いている想い。
それらを知った時、自身の内でそれまで彼に対して抱いてしまっていた疑問やわだかまりの念のその根本は、自然と全て氷解して行った。

いや、それだけではない。そんな氷解は彼に対しての事だけでなく、自分自身がこれまで嵌り込んでいた自らの心の内にと張っていた不可視の壁をも同時に溶かし去ってくれていたのだ。
だから自分も言えたのかも知れない。ルナマリアの温もりが初めてそのきっかけを与えてくれた、ずっと自身の想いの内に凍り付けさせたままで来ていた慟哭〈痛み〉を。

そうして生まれ変わった様な目で見てみたならば、これまで気付かなかった、気にもしなかった様な事までも。全てが違って見えて来た。

シンは今、決して帰らぬ過去にとただ捕らわれるだけの状態から脱し、生き残った者としての責務でもあるかも知れない「新しい生き方」と言うものを日々探し始めている。
自身の心境がそんな状況〈ステージ〉へと移りつつあるのだと言う事を、理屈では無しに実感している――またさせられもしているが――そんな日々を過ごしている処だった。

アスランに対しても、もう素直に心を開ける様にはなれては来ていても、弁舌の面で内なるそんな想いを上手く口に出しては言えないのだけれど……それでも――
そんな想いが込められた短く、けれども本当に深い、「ありがとうございます」の一言であったのだ。

「…………」
そんなシンの率直な――それ故に深く真摯な想いを受けて、アスランに出来る事は一つだけだった。

(た、隊長?)
そう戸惑いを覚えるシンの目の前で。アスランはその上体を彼の方へと
はっきりと傾けて、そのまま身じろぎもせずにじっとそうしていた。

「シン。本当に……すまなかった」
そしてそのまま詫びの言葉を口にするアスランに、逆にシンの方が驚かされる。

何で、あなたが……?
それを言うのなら、詫びなきゃいけないのはむしろ自分の方なのに。
予想だにしなかった事態を目の当たりにして、シンは少々狼狽え気味にさえなっていた。
「よ、止して下さい隊長! 貴方が俺に、そんな事をしなきゃいけない理由なんか……」

(こうする筈の約束≠ェ今までかかってしまったのは仕方がない事なのだし……)
自分の方が狼狽えながらアスランに顔を上げさせようとするシンは、彼のその謝罪が何に対してのものであるのかを取り違えていた。
そのまま続いたアスランの言葉に、シンは彼の真意を悟らされる。

「いや、違うんだ。シン。……俺は、君に謝らなければならない。ミネルバで君と初めて出会った時の事。あの時、俺は……君に対して公正では無かった」
そう謝られてシンは自身でも思い返す。アスランが言う、カガリ〈アスハ〉を間に挟んでのほとんど睨み合いにも近かった、ミネルバでの彼らの最初の出会いの事を。

「いえっ! でも、あの時の隊長の立場じゃ、それはむしろ当たり前の事で……」
様々な感情が同時に惹起されて、シンは言葉もその表情も複雑に入り交じったものを浮かべてしまう。

241 :代理:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(10/13):2011/08/29(月) 14:29:14.27 ID:???
アスランがそうして気にしてくれていたと言う事実と、こうしてその時の自身の気持ちに対してわざわざ詫びて理解を示そうともしてくれたと言う誠意に嬉しい驚きも感じつつ、
今ならば判るし自身でも認められもするけれど、確かにあの時の自分のアスハ≠ノ対する態度は、公的な意味で指弾されるのは仕方がないものであったのは間違いないのだから。
――もちろん、(為すべき義務は何一つ果たしてすらもいないと言う意味で)そんな資格も無いくせに、その対価である筈のそうした公的な特権にだけはしっかり守られて恥じないアスハ℃ゥ身を認められると言うわけではないにせよ、だ。

それはそれ、これはこれ。と言う意味で。
相手がどうなのか?と言う事と、翻って自身の方はどうなのか?と言うのは別の話であると言う事をシンは悟り、その辺りの分別を付けられる様にとなって来ていたのだとも言えるだろう。

そんなシンの様子に、アスランはようやく上体を戻すと、ほんの僅か苦笑を浮かべて応えた。
「そうだね。確かに今でも、もし目の前でああ言う態度をされるのなら、やっぱり同じ様な事は言わなきゃいけないだろうし、言うだろうけど……」
そこまで言うと、再びその表情は真摯なものにと戻る。

「――それでも、な……」
義務や責任と言っても良いだろう、立場としての為すべき事が有るのは当然ではあるけれど。
それでも同時に、一人の人間としては≠竄ヘりそうした他者の痛みや想いと言うものへの配慮や共感も抱いていなければ、抱ける様でなければならない筈であるのに。
あの時の自分には、そんな事さえ本当の意味では判っていなかった。

たまたま接点を生じた処から、シン・アスカと言う個人としての形でもって浴びせられたカガリ――彼女が自ら背負う事を決めた筈の、オーブの理念〈アスハと言う名が背負うもの〉――への糾弾の声。

そうした「向き合わなければならなかった筈の現実〈もの〉」(それも、本来ならばもっと早くにだ)と、その心に何の準備も無しにいきなり向き合わされてショックを受け、ただ打ちひしがれているだけだった彼女を慰めようと自分は言った。
「考えてもしょうがない……カガリ。わかっていた事だろ? あんな風に思ってる人間もいる筈だって」
などと言う、それこそ判っているつもり≠ナなければ言えない様な、無自覚の――それ故にこそ傲慢な言葉を。

そんな言葉を口に出来た自分の、その脳天気さと無神経さは、我が事ながらただただ恥ずべきものだと言うしかない。
ガルナハンの戦いの前夜、シンの口から自身の辛い過去の記憶を直に語って聞かされて。それでようやく思い知らされた、そんな風に思っている人間≠フ抱く慟哭〈痛み〉。それは自身にも同様の覚えがよくよく有る筈のものなのに……。

幾ら特別な好意〈感情〉を抱いていた相手に対しての事だからと言って、その時の自分はただ目の前のひとりぼっちで泣いている彼女≠フ事だけをしか、実質的には見ていなかった――いや、それに対する相手の立場の事など、見ようとすらもしていなかったのだ。

「……そして、もう一つ――」
そう続けるアスランの表情に陰りが混じる。
あるいはシンに――そして、彼と同様の立場に追いやられた幾多の人々に対しても――詫びるのならば、こちらの方がより比重は大きくなるのであろう事にも触れねばならなかったから。

「君の家族が亡くなった――いや、殺された%年前のオーブでの戦いの時。俺自身もまた、君達のその頭上で戦っていた人間の一人なんだ……。
あの時、そこで戦っていた俺達≠フ目に、その意識の中に。自分の足下で、君達一家の様なただ必死に戦火から逃れようとしていただけの人々の存在は、欠片さえも見えて≠ヘいなかった……」
(………………)
アスランの沈痛な表情を、シンもまた同様に、無言で受け止めていた。

「だから、そうして直接的な意味で君から家族を奪った仇は――きっと、俺達≠ネんだ……」
「…………」

俺達≠ニ言う、その物言いにこそ、アスランのその真情がありありとにじみ出ていたと言えるだろう。
あの時――オーブ側に立つ格好で戦闘に介入した彼のジャスティスガンダムと、その前から地球軍の新型GAT〈ガンダム〉・タイプMS3機と戦っていたキラの駆るフリーダムガンダムは、オノゴロ島の上空を舞っていた。

242 :代理:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(11/13):2011/08/29(月) 14:30:38.99 ID:???
シンから聞かされた、その時の彼らの状況からすれば、島の地上と上空、その両面に展開して攻撃を仕掛けて来ていた地球軍ガンダム達へのキラからの反撃の火箭が
避けられるか流れ弾となって、運悪くその先にいたシンの家族を着弾に巻き込んでしまった可能性が高い。

飛行可能な機体特性を活かして常に上空にいたあの時の自分達と、それにずっと頭を押さえられる格好のまま空と地上の双方から押して来ていた敵機地球軍ガンダム達それぞれの展開位置を考えれば、
地上の敵機を狙っての攻撃を放つと言うのは「自分達の側」にしかあり得ない射角だった。

無論の事、アスカ一家を狙って撃ったなどと言う事はある筈もないけれど、結果的には同じ事で。
そうやってそれに巻き込まれた人達≠フ事を、考えた事が有るのか!? と言う、今にして思えば(遅ればせながらどころの話ではないけれど)当たり前の、シンからの糾弾。
そんな事に何一つも気付いてすらいなかったと言う意味では、誰が直接的にやったかなどは問題ではない。

偶々そこではキラによるものにとなったのかも知れないけれど、ほんの小さな運命のボタンのかけ違えがあれば、それはアスラン自身の手によってのものとなっていても何らおかしくは無いのだし、
あるいはそれは地球軍ガンダム達のいずれかによって起こされた事であったのだとしても、やはり同じ事である。

そんな状況の――その場所を戦場にして戦ってしまった≠ニ言う事実。
罪だと言うのならば、その事自体がそうなのだから。

だから、自分にも間違いなくその時の事に対しての罪が有る。
なにも親友〈キラ〉を擁護する為にと言うのではなく、今へと至るミネルバに戻って来てからこれまでの幾多の経験を通して学び、変化し始めた自身の認識と想いのままにアスランは
シンに――そしてその背後にいるであろう、彼ら一家と同じ立場へ追いやられた幾多の人々へも――じっと頭を下げていたのであった。

(隊長……、あなたは…………)
そしてそれを受ける側であるシンもまた、何も言えなかった。

二年前の喪失の記憶が余りにも重過ぎるが故に。
ましてやそんな、傷を負ったままの心へと更に塩を擦り込むが如き、アスハの娘=qバカ〉が何らの反省や後悔も見せずに声高に叫び立て続ける上っ面だけのきれいごとを聞かされれば、やっぱり心には憤怒の衝動が激しく湧き上がる。

それは仕方がないし、当然の事だとは思う――けれど、同時に今のシンはもう、そうして自身の内なる怒りをただひたすらに燃え上がらせるだけの自分≠ナは、いられなくなっていたのだった。

それが自身にとって許せるか、許せないか? 納得が行くのか、行かないのか? と言う物差し自体があるのは言うまでも無い事ながら、
自らもまた多くの血を流させる存在〈罪人〉となり、その事で自身も深く傷付いてようやく実感した、「その中身の是非はあるにしても、相手には相手なりの言い分や理由が有るのだ」と言う客観的な事実に接した経験。

そして何より、自分にとって恨み募る存在であり、否定すべき対象であるアスハ≠セが、
同時にそのアスハ――正確に言えばウズミ本人ではなく、そいつを盲目的に全肯定し、その思想・施政面〈愚行〉の後継者たらんとしているその娘だが――は、
自分自身が今や認め、相応の敬意を払う存在となったアスラン〈隊長〉が、
互いの立場を微妙なものへと変えた今でも、なお心を残し、大切に思っている存在でもあると言う事もまた、否定できない一つの現実だった。

そう言った要素にも目を開けるくらいに。やはり日に日に成長をしつつあるからこそ、シン自身もまた、かつてのままの自分ではいられなかったと言う事なのかも知れない。

だから、シンはそこで言えたのだ。
明らかに変わりつつある、現在〈いま〉の互いの間だからこそ言える――逆に言えば、少し前までならば絶対にあり得なかった筈の――事を。

243 :代理:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(12/13):2011/08/29(月) 14:31:44.82 ID:???
「……ありがとうございます、隊長。もう……充分です」
アスランが示してくれた誠意へと、逆に自らの方が軽く頭を下げ返してそう応じるシンに、アスランの表情にも僅かな驚きの想いが浮かぶ。
「シン……」

あなたの、そんな気持ちだけで……もう――
そう言いたげな表情で、シンはアスランへと呟いた。ここでもまた、彼に対してより開ける様にとなったその心が言わせる想いを、率直に。

「隊長、例えもし隊長が言った通りだったのだとしても……俺にはもう、あの時の隊長や、フリーダムのパイロット――友達だったんですよね?――を恨んだり、憎んだりする事はできません……」
シンは自分自身でもはっきりと自覚できる、静かな心境〈想い〉のままに応じていた。

「だって、そんな俺自身がもう、そうやってこの手で血を流している人間になってるんですから……」
(そんな資格がもし有ったとしたって、俺はもうそんなものはとっくに自分で投げ捨てちゃってますよ……)
口にはしなくとも、その先に続く自嘲混じりの想いはアスランへとはっきりと伝わって来る。

「変な話かもしれないけど、俺も自分でそう言う側にと廻ってしまったからこそ、判る様になってしまったんですよ……」
大きな過ちを犯してしまったインド洋での会戦の後の事から思い知らされた、被害者だった筈の自分が、いつしか加害者にもなっていたと言う現実。

遅すぎると言うしかないけれど、自分自身がそうなってようやく気が付く――そうならなければ、決して理解する事が出来なかっただろう事も有るのだ。
戦うと言う道を選ぶとは、そういう事なのだと。

単なる無力な、一方的な被害者のままならばあるいは、誰かをただ責めるだけの立場ではいられるのかも知れない。
けれど彼らはもう、選んでしまった。
圧倒的な理不尽に突然踏みにじられ、大切なものを奪われる痛みを、悲しみを味わわされて。それに対する怒りと、そしてそんなものに抗おうとせずにはおられないと言う生き方を。
だからこそ……。

「今なら俺にも判ります。いえ、判る様な気がします……。さっき、デュランダル議長に招かれて皆で話し合わせて貰った事――本当に、こんな事をいつまでも繰り返したくないと思うなら、ただ何にも考えずに戦ってるだけじゃ駄目なんだって。
だから、それ以外の方法で俺なんかにも出来る事がもし何か有るんなら……俺も、隊長と同じくその為にも精一杯、やってみようと思うんです……」
「シン……」
どこか吹っ切れた様な表情を浮かべて言うシンをまじまじと見つめて、やがてアスランの方も、そうだなと言う様に頷いた。

「隊長、すみません。こんな事を言ってしまって申しわけないですけど……」
あなたの気持ちを知っていながら……。そんな想いの前詫びの言葉を付けて、シンは言う。
「正直、俺は今でもアスハ≠フ事は許せないし、納得は出来ません……」
「…………」
無理もない事だものなと、黙ってそれを受けるしかないアスランに、しかしシンは示してみせて来てくれるのだった。
今現在の彼に出来得る、最大限の譲歩〈誠意〉を。

「でも、俺は今、隊長の事は本当に信じられるし、尊敬しています。アスハ≠ヘ、そんな隊長〈あなた〉が今でも変わらずに大切に思っている存在でも有るって言うのも、やっぱり事実で……。
そうだとするなら、もしかすると俺が気付いてもいなかったり、まだ見えて無かったりするって言うだけで、アスハ≠ノもアスハなりの、何かしらの真実ってものは、少しは有るのかもしれない……。
それでも、やっぱり納得は出来ないかもしれないし、どうしても許す事は出来ないかもしれないですけど……。少なくとも、俺自身今まで全くそんな事をしようともしてなかった、そういう事にも目を向けてみる。その努力くらいは……してみようと思います」

244 :代理:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(13/13):2011/08/29(月) 14:34:01.11 ID:???
そうして、殺したからって殺されて。殺されたからって殺し返して、それで最後は平和になるのかよ!?
――アスランから聞かされた、彼の原動力の一つともなっていると言うその問いかけは、それが憎いアスハ≠ェ口にした言葉であるものなのにも関わらず、その言葉にだけは、シン自身にとっても否定し得ない共感を覚えさせられる力が有った。
自らが戦う側――殺す側にと転じた今だからこそ判る、判る様にといつしかなってしまっていた哀しい真実として。

「すみません。今の俺にはまだ、これが精一杯です……」
そんなでも、いいですか……? と、言いたげに。すまなさそうな表情で言うシンに、アスランはふっと微笑み返す。
「充分以上だよ……。ありがとう、シン」

(やっぱり、俺達はどこか似た者同士なのかも知れないな……)
そんな内心の想いがにじみ出た微笑に、シンもようやくその表情をゆっくりと微笑へと変える。
そして、互いに背負った心の重荷をまた一つ。前へと向かって下ろす事が出来たと言う実感にと導かれる様に、軽やかな音を立てて互いのグラスを重ね合う。

それは、シンにとってはどうしたって複雑な感情を抱き続けたままにはならざるをえない、アスハ〈過去の象徴〉との向き合い方を自ら変える――一歩を踏み出すきっかけの象徴の様なものだったし、
アスランにとっても、今こうしてザフトのフェイスとして――結果的には、それ以上≠フ先へも向かう事にとなったわけだけど――の道を選ばせた理由の一つたる、
カガリが抱き大事にしたいと思っている「理想」を真に現実のものとする為に、必ず向き合わなければならないシンの様な人々の事を伝える、その橋渡し役をいつか務める事が自分の使命でもあるのだと言う決意を、新たにさせられるものでもあった。

どこか相手に自分と似ているものを感じるからこそ、共感し〈引かれ〉合うものを感じ、時には反発し合う事もあった互いの関係を、こうしてまた一つ確かなものとして。
それを通して同時に、自身の内に有る決意をもより強くする二人だった……。


――そんな彼らの間に満ちる静かな緊張がふっと失せて、代わりにその前よりもより深みを増した和やかさが戻って来たのを確かめて。
一つの山とも言うべきものを越えられて。その心地よい余韻をしばし味わっていたアスランとシンの下へと、待ちかねていた突撃をかけて来る尖兵が現れる。

「ちょっとシン! それに隊長も! いつまで二人だけで難しい顔付き合わせてるんですか?」
そう言って割り込んで来たルナマリアの顔は赤らみ、何と言うかもう、すっかり出来上がっていると言う雰囲気だった。

ほぉーら、行こうよぉ〜!
と言う感じに、恋人の袖を取ってぐいぐいと引っ張って行こうとしているその先では、すっかり打ち解けて寛いだ雰囲気で彼らの方へと注目している「仲間たち」の姿があった。

「って、ルナ! お前ちょっと飲み過ぎじゃないのか!?」
ルナマリアに半分腰を浮かせかけられているシンの肩にと、先に立ち上がったアスランの手がぽんと置かれる。
「隊長」

振り返ったシンへと、アスランは笑いかけた。
「行こう、シン」
「……ええ!」
シンもそれにと頷き返して、立ち上がる。

吹っ切れた表情で、アスランとシンは彼らを待つ仲間達の輪の中へと入って行く。
戦友同士の宴の盛り上がりは、まだまだこれからが本番だった。

245 :代理:【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (18)】(あとがき):2011/08/29(月) 14:35:41.64 ID:???
85 :166:2011/08/26(金) 10:47:29 ID:1eRsjnWg0
こんにちは。お久しぶりでございます。
機動戦士ΞガンダムSEED Destiny筆者の166です。

本当に長い間お待たせしてしまいましたが、久しぶりの投下となります
(18)の方をお届けさせて頂きました。

前回の投下が昨年の9月下旬でしたから、実に約1年近く経ってしまいましたね・・・
間に震災も挟みましたし、長いことお待たせさせてしまうだけでなく
ご心配まで頂いてしまいまして大変申しわけありませんでした。

昨冬は仕事がデスマーチ状態。
今夏も思いっきり仕事をバッティングさせられてしまい
夏冬のお祭りも不戦敗状態が続いてしまう様な状況下にありましたもので、
オンライン上のこちらの方も、このまま1年以上更新できなくなっちゃうんじゃないか?
とか自分でも結構あせる様になってしまいましたが・・・(汗)
どうにか続ける事が出来ましてほっとしております(苦笑)

前回は主人公サイドの裏側での出来事を絡めての強かなペテン師達(褒め言葉)を描きましたが
今回はそれと同時に展開していた良くも悪くもまっすぐな連中の姿を描くターンとなりました。
キャラによってはこの章での山場を越えた者も出て来まして、このディオキア編もそろそろ
終わりが見えて来る処までは進みつつあります。

最近は友人の手伝いで、TRPGのリプレイの執筆等にも手を出したりもし始めたもので
リアル事情+αのそちらに時間を割かせて頂く場合も出てきてしまう分の影響は
どうしても出てきてしまうとは思いますが、こちらも決して止めるとか言う事はありませんので
気長にお付き合いを頂けましたらと思います。

それではまたです。

246 :166氏代理:2011/08/29(月) 14:41:58.28 ID:???
代理投下させていただきました。166氏お久しぶり&いつもながらGJでした。

247 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/29(月) 20:07:28.81 ID:???
GJ!

248 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/29(月) 20:50:32.66 ID:???
待っていた甲斐がありました!!
GJ!

249 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/29(月) 23:16:42.56 ID:???
GJ!!!!
待ちかねたぞマフティーの人!!!!!!

250 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/29(月) 23:49:32.48 ID:???
シンとアスランが一段と信頼を深め、シンは自由やアスハへの憎悪を
実際に直面したらどうなるかはともかく乗り越えていこうとする心構えを
持つに至ったし、アスランもシンの家族の横死の経緯と責任を十分に
認識し、お互いにそれぞれ共有するまでになっている。
この調子だといざAAと直接対峙した際に最早会話自体がそもそも成立するかどうか
危ういほどの内面の成長の差が…

251 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/30(火) 00:21:00.57 ID:???
ここまで質的に向上してしまうと、襲撃への議長の関与の証拠として
「まだ正規軍で配備され始めたばかりのアッシュ」を挙げても即座に
「いや今回もそうだが前回も俺自身新品ガンダムの強奪をやらかしたし、
 そもそもフリーダムだって分捕って運用してきた訳だろ?」
と冷静に論破しそうだな。

252 :通常の名無しさんの3倍:2011/08/30(火) 10:52:16.74 ID:???
読み始めたの最近で、もう更新されない途切れた物語と思ってたから
続きが読めて感動してる

253 :通常の名無しさんの3倍:2011/09/05(月) 23:15:22.46 ID:???
ミーアのとんでもない化学反応ってのが気になる。
まあ14話での初遭遇の際の記述からして、サクッとラクシズに篭絡されるとか
いう訳ではなかろうが…まさかとは思うが
「あんなにサッとハイネと…ひょっとしてアスランってウホッ!?(ガーン)……wktk////」
なんて途方も無い誤解と新境地への開眼とかじゃないだろうなw

254 :通常の名無しさんの3倍:2011/09/06(火) 23:50:41.16 ID:???
ちっと質問なんだが
作中で出てきたオリ機の再現すんならやっぱ作者様に許可取らんとマズいよな
元が四年前ぐらいに落ちて此処に統合されているはずのスレだけど

255 :通常の名無しさんの3倍:2011/09/07(水) 00:06:54.56 ID:???
立体化?
何作るの?

256 :通常の名無しさんの3倍:2011/09/07(水) 18:34:25.10 ID:???
ちっとGAT-110105を
作者さんいれば許可貰いたい

257 :通常の名無しさんの3倍:2011/09/07(水) 20:04:21.69 ID:???
えーっと……確か

http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1180431985/704
704 :初代1 ◆Df1g..k2ps :2007/09/13(木) 04:34:37 ID:???
初代1が書く阿部さんSEEDシリーズはこれで終わりです(てゆーかこの続きはもはやスレ違い?)。
長い間(本当に長いよ・・・・・・半年?)お付き合いいただきありがとうございました。


機動戦士阿部さんSEEDシリーズ 完。





あ、ちなみにこの作品には著作権もクソもないので、続きを書きたいとかこの設定で別の話を書きたいとかいうキトクな
方はご自由にどうぞ。


って言ってらしたから別に許可なしでいいんじゃないの?

258 :通常の名無しさんの3倍:2011/09/07(水) 21:22:14.11 ID:???
>>257
おお 情報提供感謝
では遠慮なくやらせてもらうか

259 :通常の名無しさんの3倍:2011/09/27(火) 01:38:32.76 ID:???
うーんマフティー読んでるけどインパルスはウィンダム隊を結構拘束してると思うけどな。
殴りかかるべき戦力だったということはあるけど(棒

260 :通常の名無しさんの3倍:2011/10/05(水) 08:39:13.16 ID:???
hosyu

261 :通常の名無しさんの3倍:2011/10/06(木) 22:52:45.59 ID:???
ダンバイン読みたいなー。
年内にもう一度来てくれるだろうか。


262 :通常の名無しさんの3倍:2011/10/09(日) 23:42:43.68 ID:???
ザクレロの投下があったばかりだから当分先じゃね

263 :通常の名無しさんの3倍:2011/10/13(木) 02:41:10.91 ID:???
シンがアスランへの信頼を一層深め、かつ自分の私怨を乗り越えようと
心がけてるとすると、AA一派と遭遇して怒りを表明するとすればそれは
「俺達の隊長に恥かかすな、顔に泥塗るんじゃねえ」
という面の方が強くなると思う。
いよいよキラやラクスからすればTV以上に理解できなかったりして?

264 :通常の名無しさんの3倍:2011/10/25(火) 12:46:50.20 ID:???
アスラン、政治家になることも念頭に置きだしたし、シンだって憎む相手にもそうしなきゃならなかった理由があったはず
って少しだけど前向き出したってーのにバカ二人に
「恨み買う覚え全くないのに僕ら殺されかけたから散発的にテロ活動しない?」
と誘われたら遠慮なくブチギレるだろうなぁ

265 :通常の名無しさんの3倍:2011/10/25(火) 12:52:40.28 ID:???
もしもCEにうさぎ宇宙人が現れヒョンヒョロを要求してきたら

266 :通常の名無しさんの3倍:2011/10/26(水) 00:25:13.90 ID:???
基本、核の使えないCEにバルタン星人が来たら

267 :通常の名無しさんの3倍:2011/10/27(木) 03:55:54.15 ID:???
>>265
声が田村ゆかりで「しんちゃんIS乗ってみないかい?」とか言ってやってくるんですね、わかります

268 :通常の名無しさんの3倍:2011/10/27(木) 14:50:42.63 ID:???
>>265
あれは「成立しないコミュニケーション」を画いたブラックユーモア作品だから
元々会話が成立してない種世界だとごく普通の光景になっちゃうw

269 :通常の名無しさんの3倍:2011/11/01(火) 14:21:17.96 ID:???
>>263-264
マフティーサイドの反応も気掛かりだわな。
反連邦組織多しとはいえよほどのザビ家原理主義派とかでもなければ
初代WB隊の伝説には一目置いてるものだと思うし、
クライン派の厄介さはわかっていても似たような経緯を辿ったAA組に
興味なしとはしないだろうが、いざ実物、それもTVと大差ない実態を見たら……

270 :166:2011/11/01(火) 14:55:38.74 ID:???
一応、IF作品ですので、それによるバタフライ効果はこのもう少し先辺りから
徐々に出ては来始める予定ではおりますよ。

例えAA組と言えども、何かしらのは(笑)

271 :通常の名無しさんの3倍:2011/11/02(水) 21:29:46.73 ID:???
お待ちしています!!!

272 :通常の名無しさんの3倍:2011/11/02(水) 22:40:27.39 ID:???
幕間1や17話ではクライン派ターミナルの狂信性の一端がTV以上に
明確に描かれていたが、そういった手合いとのつきあいをどう考えているかが
ここでのキラクスへの判断基準のひとつになるかな。

273 :通常の名無しさんの3倍:2011/11/05(土) 19:53:47.74 ID:???
>>266
穏健派のバルタンなら盟主王と有意義な交渉をしてくれるさ

274 :通常の名無しさんの3倍:2011/11/11(金) 00:41:17.01 ID:???
プラントコロニー群と親プラント国家がこっそりバルタン星と同じ環境になっているんですね、わかります

275 :通常の名無しさんの3倍:2011/11/11(金) 18:08:06.06 ID:???
「まぬけな三枚目がハゲになりさがる」という一幕もあるとすると
キャラデザ・作監は楳図かずお先生ですねやはりわかります。

276 :通常の名無しさんの3倍:2011/11/17(木) 00:31:42.56 ID:???
もしも、CCAアムロが種・種死の世界にいたらスレにおいて、CEに地球連邦が来たら面白くね?という話題があり、下記のスレが立つことになりました。
一応、統合スレにお知らせすべきでは…と思いご連絡申し上げました。気が向いたら下記のスレも盛り上げてくださいませ。では失礼。

http://toki.2ch.net/test/read.cgi/shar/1321454156/

277 :通常の名無しさんの3倍:2011/11/25(金) 00:27:12.32 ID:???
age

278 :通常の名無しさんの3倍:2011/12/12(月) 10:00:48.02 ID:???
ユウ・カジマ(ジム乗り時代)がキラ・ヤマト(種死)と出会ったら、おっそろしく相性が悪い気がする。
戦闘方法じゃなくて、人間関係的な意味で。
主義主張で戦うんじゃなくて
“軍人だから” あくまで“一兵士、駒として戦う”ユウ
かたや
“自分やラクスが思う理想の世界”
の為に、“一個人として戦う”キラ
遭遇った時から、なんかこいつムカつく
みたいな。


279 :通常の名無しさんの3倍:2011/12/12(月) 11:04:59.51 ID:???
そうか

280 :通常の名無しさんの3倍:2011/12/20(火) 16:05:48.50 ID:???
最近倉庫に登録されてるヤマトやモンハン等のクロスは、現行スレは
こことされてはいるが実際はどこに投下されてるのか?
ひょっとして倉庫へ直接登録なのか、それとも過去に投下されたが
登録されてなかったもののサルベージ?

281 :通常の名無しさんの3倍:2011/12/21(水) 01:32:42.85 ID:???
>>280

『狩猟戦士モンハンSEED DESTINY』 127 ◆cxtthyVTkQ
>>127

『MONSTER HUNTER SEED DESTINY G』 wtrgnsi
多分直接

『宇宙戦艦ヤマトinSEED』
多分直接、更新依頼のページのこいつと同一犯か
?新規タイトルで、「クワトロin宇宙戦艦ヤマト」というクロスオーバー作品を立ち上げたいと思います。 許可願えますか? -- 古代進? 2010-10-16 (土) 01:50:54

282 :通常の名無しさんの3倍:2012/01/08(日) 03:37:22.16 ID:???
種リマスター見てたら、もし1stでガンダムに乗ったのがアムロじゃなく種初期キラだったらとか思いついたがスレ違いかな?
スレタイとは外れてるけど>>1とは違わないような気もするし……

283 :通常の名無しさんの3倍:2012/01/08(日) 09:08:30.79 ID:???
でも舞台設定が 種世界に来きたら だから別がいいかもね

しかし、キラが やめてよね! をやったら即ブライトかセイラさんに張り倒されて独房行きだろうな
OS変更なんてしなくても動かせるしジョブジョンって予備パイロットも居るし

284 :通常の名無しさんの3倍:2012/01/11(水) 01:51:43.60 ID:???
初期キラはある程度の理不尽なら一定以上の反抗はしなさそうだから
煽ってくるフレイがいないならやめてよねには至らなそうだ

285 :通常の名無しさんの3倍:2012/01/13(金) 14:12:41.06 ID:???
たとえばガルシアの理不尽には怒ってもワッケインの融通のきかなさは許容範囲って事か
ワッケイン確かに確かに非情なこと言ってはいるが法的には正しいからな

286 :通常の名無しさんの3倍:2012/01/13(金) 16:12:09.19 ID:???
ガルシアはアレが手柄になると思ってたようだけど
大西洋からユーラシアに正式に抗議入ったらスケープゴートにされるよなw

287 :通常の名無しさんの3倍:2012/01/29(日) 14:00:03.28 ID:???
ユーラシア的にできるのは傭兵やおそってきたMSから分捕った武器やMSの供給をしたついでに同盟国のよしみで分解調査ぐらいじゃあない?
それが終わったら護衛をつけての出港許可を出すこと前提で
完全拿捕したら確実にカナードの件もあってあれるあれる。
ただキラ的にはユーラシアのほうがましかもしれないが


288 :通常の名無しさんの3倍:2012/02/20(月) 23:34:57.14 ID:???
マフティーはまだか、あの詐欺師達は(良い意味で)

289 :通常の名無しさんの3倍:2012/02/20(月) 23:51:54.84 ID:???
自分達のUCでの言動を悪く言えば棚上げ
よく言えば自己批判による反面教師にしてるよなあいつらw

290 : 忍法帖【Lv=23,xxxPT】 :2012/02/24(金) 22:31:13.19 ID:???
「ファントムペイン+ブライト艦長率いる第13艦隊」
 vs
「ザフト(ミネルバ)+マフティー」
の戦闘をwktkしながら待っているのは俺だけか?

291 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/23(金) 12:46:37.85 ID:???
いつも倉庫とかのクロス作品を楽しませて頂いてます。
最近、スタートレックとSeedのクロスを書き始めたんですが、
こんなの需要ありますかね?

292 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/23(金) 21:16:40.28 ID:???
どうぞ、自分は歓迎します

293 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/25(日) 00:26:02.26 ID:???
291です。とりあえず、拙いですが書いてみました。
スタートレックヴォイジャー in Gundam SEED

第0話「産声」

 激しい衝撃が走る船内。しかし、それはすぐに収まった。
 この船の艦長であるキャスリーン・ジェインウェイ大佐は、
 前方の窓に映る無機質な空間を凝視していた。

「ミスター・パリス。…現在位置は。」
「…予定通りの位置です。」

 艦長の問いにパイロットであるパリスは慎重に答えた。
 その彼の言葉を補足する様に、セブンも彼女の後方から報告する。

「トランスワープ・ネットワークが消滅した。」
「…喜ぶのは後よ。ミスター・トゥヴォック。」

 艦長の指示に常に冷静に対応するのは、保安主任であり、
 この艦の兵器システムを操作するトゥヴォック少佐。
 彼の操作でトランスフェイズ魚雷が発射された。再び衝撃波が艦を襲う。
 連邦の一般的な宇宙艦の常識を遥かに超える規格外の大きさは、
 一つのコロニーやステーションと表現しても良いくらいのものだ。
 小型のものでも連邦最大級のギャラクシー級やソヴェリン級宇宙艦を越えるのだ。
 そんな規格外のサイズをした球形のトランスワープ艦「ボーグ・スフィア」が、
 遂にトランスワープチューブから出現した。
 しかし、それは現れて間もなく内部から爆発を起こして崩壊した。
 そして、その爆炎の中から一隻の艦が飛び出す。

「…やった。」

 艦長は静かにそう言った。
 その言葉をクルー達は静かに受け取った。
(つづく)

294 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/25(日) 00:29:41.89 ID:???
(つづき)

 かつては連邦は勿論、
銀河最大級のネットワークを持つ巨大な侵略組織として君臨したボーグ。
 しかし、それもジェインウェイ提督と艦長の協力により、
彼らの要のネットワークである「トランスワープ・ハブ」を破壊する事に成功した。
 しかも、彼らの女王とも言えるボーグ・クィーンを元に感染させた神経溶解ウィルスにより、
同化ネットワークすらも破壊する事に成功した。
 そして、彼らは生還する。

 イントレピット級恒星間宇宙艦U.S.SヴォイジャーNCC74656は、
実に7年あまりに及ぶ漂流の旅の末、ついに宇宙連邦本部のあるアルファ宇宙域に到達した。
 それは全人類未踏の地よりの生還であると同時に、
宇宙歴の歴史に新たなる一歩を踏み出した軌跡ともなるであろう。
 だがその時、左サイドでコンソールを操作していたハリー・キム少尉が艦長に報告する。

「艦長。」
「はい、ハリー。」
「その、…おかしいです。座標は確かにアルファ宇宙域を示しているのですが、
 …長距離スキャンをかけても何らの亜空間通信もキャッチできません。」
「…何かの間違いじゃなくて。…セブン、あなたの方ではわかる。」
「わかった、私がやってみよう。」

 セブンはキムのもとへ普段通りの見事な姿勢で歩いてゆく。
 彼は彼女が来るとその場を譲った。
(つづく)

295 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/25(日) 00:33:35.94 ID:???
(つづき)

 彼女はコンソールに触れ、
 ボーグプロトコルで船内システムにアクセスし調査を開始する。

「…確かにマルチフェイズでディープスキャンを実行したが駄目だった。
 ん、…まて、これは電子信号だ。
 パリス中尉の作成したホロマトリクスの中に酷似したものを見た事が有る。
 推測するに21〜2世紀程度の短距離伝送技術のようだ。
 …だが妙だな。所々奇妙な劣化をしている。」
「奇妙な劣化?…あなたにしては曖昧な回答ね。どういうことなの。」
「電子を撹乱する何らかのフィールドの干渉を受けているようだ。
 いや、まて、…艦長、艦内外で微量のクロノトンを検知。
 クロノトンの崩壊率からみて、100〜300年の時間のズレが生じている可能性がある。
 だとすれば、この電子信号の劣化はその当時の物と判断できるのではないか。」
「クロノトン!?…近くに船は。」

 彼女の話に艦長は驚きを隠さなかった。
 そもそも彼女の話す「クロノトン」とは時間流に直接干渉する放射線を放出する物質で、
クロノトンフィールド内は時間的位相のずれが生じ、時間流を退行させる。
 その詳しい構造や原理はまだ連邦では解明されていないが、
異種族の間では既に実用している種族も存在する特殊物質。
 有害な放射線は人体が被爆すると時間的退行を起こし、存在を消滅させる可能性もある。
 この物質を使う種族がいるとすれば、それは確実に連邦より高度な技術を持つ可能性があり、
艦長が安堵出来る様な話ではなかった。

(つづく)

296 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/25(日) 00:36:39.48 ID:???
(つづき)

「無い。それ以前にこのクロノトンは壊れたスフィアも干渉を受けていた様だ。
 ボーグのデータベースには、アルファ宇宙域にクロノトンを制御出来る生命体はいないはずだ。
 いや、我々を除いてだがな。」
「…セブン、詳しい調査が必要ね。天体測定ラボで引き続き調査を。」
「了解。」
 セブンはブリッジを出て行った。
 ハリーが持ち場に戻りスキャンを開始すると、再び何かを発見した。
「艦長、この時代にも存在するはずのクリンゴンやバルカンの恒星間通信も見つかりません。
 それと、地球周辺宙域より発せられたと思われる、
先程セブンが指摘した電子撹乱フィールドの干渉を受けた電子信号を幾つか感知。
 劣化していますが、修復を試みてみます。…出来ました。再生します。」

『…僕はこの母なる星と、未知の闇が広がる広大な宇宙との架け橋。
 そして、人の今と未来の間に立つ者。調整者。コーディネイター。』

 その通信は随分前に送信された物の様だが、ブリッジを騒然とさせるには十分なものだった。
 内容は発信者ジョージ・グレンによる自らの遺伝子操作の告白と、
その輝かしい経歴という結果。
 そして、その方法である遺伝子操作の仕方についての詳しい技術的な資料だった。
 彼はこの情報を送る事で宇宙時代の幕開けをさせたいと願っている様だが、
やり方には少々無理が有る様に感じられた。
 いやそれ以前に、この通信内容が仮に「本物」であるとすれば、
少なくとも「我々」が知る歴史を辿った宇宙ではないということだ。

(つづく)

297 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/25(日) 00:42:58.93 ID:???
(つづき)

 その時、不意に産声が上がった。

「医療室からブリッジ。ドクターからパリス中尉。
  君に会いたがっている人物がいるぞ。」
「…行った方が良いわ、トム。」
「はい、艦長。」

 溜息混じりのブリッジに、新しい命の産声は救いだった。
 トムが去った後、艦長は副長へ操舵席への移動を求めた。
 副長はそれに応じて席に着いた。

「…コースセット、故郷へ…と言いたい所だけど、
 まだ何が有るか分からないから、身を隠せるアステロイドベルトへ。」
「はい、艦長。コースセット、アステロイドベルトへ。」

 ヴォイジャーはゆっくりと太陽系への帰還を始めた。

※291です。下手な文章ですが、お楽しみ頂けたら幸いです。
最初はスタートレック・ヴォイジャーの最終話の内容となってます。
2ch投下は初なので、なんだか作法がよくわかってなくて申し訳有りませんが、
徐々に慣れていけたら良いなと思います。宜しくお願いします。

298 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/25(日) 03:52:59.09 ID:???
ふむん、まずは投下おつ
ジョージグレンの告白は過去の電波を拾ったということかな?
にしてもヴォイジャークルーはまた苦労を背負い込むのか……w

2chは基本的に荒らしが涌きやすいんで、投下後いきなり誹謗中傷食らった場合はまず自分が落ち着いてから
誹謗中傷のレスを専用ブラウザのあぼーん機能で抹殺してみよう、そのあとしばらく経ってからもう一度スレッドを見てみるといい

専用ブラウザは以下のものがオススメ
JaneStyle
ttp://janesoft.net/janestyle/
JaneXeno
ttp://www3.ocn.ne.jp/~korwatch/janexeno.htm
V2C
ttp://v2c.s50.xrea.com/

いずれもヘルプなどをよく読んで、あぼーんを使いこなせるようにしておくと幸せになれるかも

299 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/25(日) 22:36:34.72 ID:???
291です。
>298
 労いの言葉有り難うございます。
 ジョージ・グレンの電波はそんな感じです。
 クルー達の今後は次の回で動き出します。
 一応毎週一話ずつ編集して投下しようと考えています。
 あまりハイペースだと途中で作るの追いつかなくなると思うので、自分の低
い技術レベルを考えても徐々にやっていくのが無難かなと。

 2chの使い方のご指導も有り難うございます。
 当方マカーですが、専用ブラウザ使ってますのでフィルタリングとかはまだ
使ったことないですが、必要に応じて使ってみようと思います。
 でも、誹謗中傷はともかくとして、色々な人の考えに触れたりする事自体は
有意義だと考えています。少なくとも、2chって玉石あっての場所ですし。
 それと、率直にご意見とかも参考にしたいと考えています。コメ返しは全て
に出来るか分かりませんが、読んではいるだろう程度に考えて頂ければ。w

 あと、この物語については、真面目にやりつつ実はアフォ(?)くらいで
やれたら良いなぁと考えているので、割と不真面目な描写が多くなったりする
のはご理解頂けたら有り難いです。基本息抜き的な遊びですので。w
 その他、改行については今回みたいな整形改行が良いのか、それとも0話の
様な点や丸で折るのが良いのか迷ってますが、どっちが良いですか。
 特に希望が無ければ0話と同じ感じで適当に折っていこうと思います。では

300 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/27(火) 04:31:05.92 ID:???
つつぎ・つづく よりも、 1/x・2/x の方が良いなぁ……

301 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/29(木) 20:40:10.98 ID:???
>300
わかりました。
そうですね。その方が投下分がわかりやすいですね。

302 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/31(土) 00:22:38.68 ID:???
291です。
第1話を投下します。
-1/7-
 第1話「平行世界」

 ヴォイジャーのクルー達は宿敵であったボーグのトランスワープ・ハブを通り、
念願のアルファ宇宙域への帰還を果たした様に思っていた。
 しかし、実際はクロノトンの影響によるものか定かではないが過去のアルファ宇宙域であり、
奇妙な事にこの時代に既に活動しているはずのバルカンやクリンゴンの恒星間通信反応も存在しなかった。
 そして、あの謎の通信である。

 ヴォイジャーは太陽系内のアステロイドベルトに艦を進めてプローブを発射した。
 それによると、この時代はコズミック・イラ71年で、西暦に直すと21世紀末頃の時代に当たる様だ。
 歴史的経緯は20世紀頃までの進化は我々の宇宙とほぼ同一の歴史を共有していると言えるが、
それ以降の歴史は…よく言えば穏便な進化をしたとも言えるが、
悪く言えば旧時代の悪弊を引きずったまま進んでいるのかもしれない。
 テクノロジーレベルは核融合炉にまだ手の届かない段階だが、
核分裂反応を制御するニュートロン・ジャマーと呼ばれる抑制技術を有していることや、
モビルスーツと呼ばれるロボット兵器が登場している等、一部は我々の歴史には無い進化を見せている。
 中でも前述のジャマーの影響によりバッテリーが急速な進化を見せており、電力の利用効率は上昇中の様だ。

 現在の政治状況は地球連合と呼ばれる政府と、ZAFTと呼ばれるコロニーコミュニティが対立しており、
ここでもジャマーが深刻な影響を見せており、地球内部の国家群はエネルギー不足による大量の餓死者を出す等、
大きく劣勢に回っている様だ。

-つづく-

303 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/31(土) 00:24:03.56 ID:???
-2/7-
 ジェインウェイは一人でホロデッキに来ていた。

「コンピューター、ジェインウェイ私的データベースα22のγ1を起動。」
『α22のγ1を起動します。』

 天井のスピーカーから聴こえたコンピューターの声が消えると、
中世ヨーロッパの図書館の様な本棚で埋め尽くされた部屋が周囲に現れた。
 彼女はその場に立ったまま再び呼びかける。

「コンピューター、地球の歴史、
21世紀までのシミュレーションデータを用意。」

 すると、彼女の呼びかけに合わせる様に空間に地球の3次元モデルが現れる。
 そのモデルはゆっくりと回転し、周囲に幾つもの歴史情報を表示したウィンドウを空間に浮かべた。
 薄暗い室内に様々な映像が地球の周りを回転しながら映っていた。
 
『用意しました。』
「では、第三次世界大戦までの歴史のCEとの相違点を提示して。」

 コンピューターは彼女の呼びかけに呼応し、
地球の周りを回る映像の中から関連情報をピックアップし彼女の周りに浮かべた。

『コズミック・イラ、との違いを分析しました。
 分岐の始まりは1992年より始まる優生戦争に始まります。
 この当時のCE年代に同様の戦争は起こりませんでした。
 宇宙連邦の歴史はその後2026年から始まる第三次世界大戦により、
2053年の集結までに6億人の死者と20億人を越える
先進居住可能領域を核物質による汚染で失い、
事実上の無政府に至るまで続きました。
 コズミック・イラとの共通性は20世紀末まで保たれ、
 21世紀以降の歴史は独自の歩みを進めています。』

-つづく-

304 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/31(土) 00:34:34.84 ID:???
修行が足りないので、暫く後に出直して参れと怒られちゃいましたw

-3/7-

「その、我々とCEを分岐させた理由はわかるかしら。」
『その命令は完了出来ません。
 具体的な事例を元に比較することは出来ます。』
「では、我々の第三次世界大戦と彼らの戦争では、何が違うのかしら。」
『具体的にはどのような情報を指しますか。』
「そうねぇ、彼らの目的やその結果…とかならどうかしら?
 例えば、企図した勢力や勝者は誰か…とか。」
『CEでは民族、宗教、資源、金融の4種の複合的影響を行使する政治勢力によりブロック体制が構築され、
表向きのイデオロギーの裏で経済的な利益を模索した当初勢力が、最終的な勝利者として君臨しました。
 この鉄の結束は16世紀に遡るナポレオン戦争の当時から続く一連の世界統一行動と一致し、
CE年代の統一政府樹立に至るまで継続されています。
 宇宙連邦の歴史でも同様の勢力が企図し、同様の世界戦略が行使された歴史がありますが、
それらは戦時中に崩壊し、全ての権力者が消滅し、最終勝利者が存在しません。』
「コンピューター、両年代の主だった人物を挙げて。
 そうねぇ、象徴的人物で良いわ。」
『宇宙連邦の歴史では、ゼフラム・コクレーンです。
 CEの歴史では、ブルーノ・アズラエルです。』
「ブルーノ・アズラエル?」
『世界経済を動かすロゴスの最高指導者です。』

 コンピューターが表示した映像には、
見事な口ひげを蓄えた老紳士の詳細な情報が映し出されていた。

-つづく-

305 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/31(土) 00:40:55.27 ID:???
今改めて読み返したら、3/7のナポレオン戦争時代は18世紀ですね。
すみません。16世紀は脳内訂正でお願いします。

-4/7-

 艦長日誌
 …これまでのプローブ等の調査をまとめると、ここは地球であって地球ではない。
 我々の歴史とはかなりズレた方向に進んだものであるということ。
 そして、クロノトンの影響で約200年程の時間を遡っていること。
 更に残念な知らせは、
周囲に我々の宇宙歴に登場したはずの恒星文明の存在も見られない事が確認された。
 いわば、我々はこの宇宙に真に独ぼっちとなってしまった様だ。

「…パラレルワールドと言うには、随分と違う世界ね。」

 溜息をつくジェインウェイ。
 彼女は自室に入りソファに座ると、
持っていたパッドをテーブルに置いてコーヒーカップを手にした。
 一緒に入って来たセブンと副長が彼女に促されて隣に座った。

「その通りだ。違い過ぎる。
 クロノトンの干渉が平行世界を生み出すなど、ボーグのデータベースには無い。
 だが、平行世界そのものが存在しないわけではない。
 時空連続帯は幾つもの可能性を束にした様な物だ。
 我々が知る宇宙もその一つの可能性であると言える。」

 セブンは普段通り淡々と話している。いや、彼女に淡々といった自覚はない。
 彼女の言葉に再び溜息が出るジェインウェイ。

「…ふぅ、泣く子も黙る時間規則。
 一つ破ればこの結果…ということかしら。」
「でも艦長、だとすればおかしいですよ。
 もう来てもおかしくないはずの彼らが来ない。」
「彼ら?」
「タイムパトロールです。」

-つづく-

306 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/31(土) 01:03:19.47 ID:???
-5/7-

 副長の指摘はもっともだ。
 彼らは既に幾度か「彼ら」に会っている。
 それはヴォイジャーが連邦の歴史上で重要な位置を占めているからなのだろうか。
 だが、だとすると、ジェインウェイ提督のタイムスリップは「認められた歴史」という事になる。
 時間規則は知り得た情報を利用してはならない、
干渉してはならないといった様々な制約が有るはずだが、この判定の差は何であろうか。
 そして、もし許されたというのであれば、このトリップも許されたのであろうか。

「…それではまるで、
私達がここに来る事は予め決められていた事だとでも言いたいの?」

 彼女の問いに、副長自身も自分の発言に苦笑を禁じ得なかった。

「…それは、わかりません。
 ただ、彼らが動いてもおかしくないことは事実です。」
「…そうね、チャコティ。でも、クルー達にはどう説明するの?
 私達は帰ってきました。全く違う地球へ…と。
 もう7年も時間を掛けたのに、今度は全く見通しが立っていない。
 提督はまさか、こんな場所での滞在も入れて時間が掛かると思ったから、
私がいうのもなんだけど…あの無茶な行動をとったとでも言うの?」

 実際問題、こんな荒唐無稽な話を大真面目に話すこと自体がおかしな話だ。
 勿論、これまでが常識で説明の付けられる事ばかりであったかと問われれば、そうではない。
 だが、少なくともゴールは見えていたはずだ。
 困惑する彼女をよそに、セブンは何ら表情を変える事無く語る。

-つづく-

307 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/31(土) 01:17:24.53 ID:???
-6/7-

「筋が通らない話でも無い。
 提督がボーグを倒すことを考えていたのであれば、
それは遅かれ早かれ行われたことだろう。
 優先順位を考えれば、あの先のボーグとの戦闘による損害と比較すれば、
ここの障害に問題にする程のものはない。」

 確かに正しい答えだが、頭では理解出来ていてもどうにもやり切れない話だ。
 文字通りの命がけのミッションだったのだ。
 なのに、その後にこのような結果が待っているのだと知っていたら、
歴史を変える手段は他にもあったのではないだろうか。
 事後に後悔しても仕方の無い話だが、身を犠牲にして得た結果へのショックは大きかった。
 とはいえ、まだ評価を下すべき時ではない。
 
「…セブン。確かにここは地球ですものね。
 でも…私達が生きて行く上では補給が必要になる。
 幾つかの資源は艦を動かして調達しに行くとして、食料の調達も必要ね。
 だけど、プローブの情報から見て…彼らの戦争状況は深刻なものよ。
 このモビルスーツというロボット兵器を利用した戦争は、
私達の歴史には登場しなかった考え方ね。」

 ジェインウェイはパッドに映る情報を読み見ながら、コーヒーを口にしていた。
 彼女はいつも考え事や作業に集中するときは、決まって濃いめのブラックコーヒーを飲む。
 カフェインが覚醒を促すこと勿論だが、
彼女の必勝スタイルとでもいうべきだろうか、願掛け的意味合いもある。
 セブンは自分のパッドを艦長の座るテーブルの上に置くと話し始めた。
 そこにはシリンダー型のコロニーの映像が出ていた。

「艦長、その点については興味深い情報がある。
 コーディネイターはMSの運用を始めて暫く経過するが、連合にはまだそうした兵器は無く、
どうやら連合は我々の技術的進化に近い様だ。
 その連合がヘリオポリスと呼ばれるコロニーでMSを作り始めた。
 しかし、制御システム周りはあまり良い出来ではない。
 そこで、我々は彼らと接触する事で協力し、補給を受けてはどうだ?」
「…セブン、それでは私達の存在を知られてしまう。
 私達はイレギュラーな存在よ。
 極力この世界の歴史への干渉は避けるべきだわ。
 それに、彼らはまだワープ以前の文明よ。
 ファーストコンタクトをするには艦隊の誓いに反するわ。」

-つづく-

308 :通常の名無しさんの3倍:2012/03/31(土) 01:28:15.14 ID:???
-7/7-

 ジェインウェイの反対に対し、セブンは副長の方を見て目配せする。
 彼は悪戯っぽく微笑しながら彼女に告げた。

「艦長、それではバレなければ良いわけですね。」
「チャコティ?」
「私達は一つの革新的技術を持った会社だとします。
 我々が商品を売る事で対価を得て、それで何を買うかは自由です。
 見た所、技術革新スピードはZAFTの方が上の様ですが、
我々が彼らが言うナチュラルとして連合に与すれば、
コーディネイターを上回る切っ掛けになり得ます。
 …この先どの程度の時間をこの時間枠に滞在するか分かりません。
 彼らに恩を売る事で居場所を作る事自体は視野に入れておくべきでしょう。」
「…まったく。それだけ考えているのなら、もう準備を進めているのでしょう?
 分かったわ。許可します。その代わり条件があります。」
「艦長?」
「…私も参加させる事。」
「はい、艦長。…いえ、社長。」

 副長はにっこり微笑んで了承した。
 彼女もまた笑みを浮かべると、コーヒーの香りを楽しんだ。

 物事は道が決まれば動き出すのは早い。
 副長には予め構想されたプランを叩き台に進めさせる事を許可し、
その為に地球との移動に必要なシャトルの製造はベラナを中心に動く指示を出した。
 彼女は出産後すぐではあるが、我々の時代の医療技術は産後すぐの行動も可能だ。
 何よりクリンゴンのハーフの彼女は元々体力もあれば回復力も強い。
 動かない方がどうにかなりそうという彼女の意志を尊重する事にした。

-第1話終わり-
 とりあえず、一話を投下しました。
 お楽しみ頂けましたら幸いです。

309 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/01(日) 12:16:56.90 ID:???
投下乙
ヘリオポリス襲撃前なのかー
GAT-Xに技術ブチ込むのは間に合わないか、ここでもたぶん強奪されるからその方がいいだろうけど
文章は見やすいけど-つづく-は最後のだけでいいかと

310 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/08(日) 00:27:36.22 ID:???
291です。
つづきを投下させて頂きますです。
第2話「起業」
1/6
 艦長日誌
 私達は、この世界の新興のコンピューターメーカーを買い取り、
それを元に複数の機械メーカーを吸収しVST社と名付けた。
 その社を作るまでの過程で興味深い情報と出くわした。
 買収予定の複数の社の情報を探っている時に、
私達はこの世界に幾つかの関連を持っていることを感じさせるものと出会ったのだ。
 その一つが私達が買収した会社の経営者「シャノン・オドンネル」の存在だ。
 …彼女は、私のご先祖様の名前と同じなのだ。
 いや、名前だけではない。容姿は私と瓜二つだった。

 彼女の経歴はとても興味深い。
 なぜなら、彼女は米国空軍に在籍した経歴を持ち、その当時の階級は大佐。
 そして、彼女の働いた偉業は火星への初のコロニー建設計画を主導した功績を持つ。
 …そう、私が以前勘違いしていた「理想のご先祖様」とほぼ同一の偉業を成し遂げていることだ。
 彼女は若くしてその偉業を達成すると退役し、
その後はコンピュータープログラムや機械技術等の開発の為の会社を長く経営していた。

 私は彼女の会社を買収した。
 勿論、それはこの世界への足掛かりとなる事は言うまでもない。

 社名を命名したのは副長だ。
 Voyager Starship Technologyの頭文字を取ったものだが、
この会社がヴォイジャーの技術によって商売をするという意味では、
これ以上にぴったりな名前が見当たらなかった。
 この件についてはパリスやキムも必死に提案していたが、
彼らの提案した名前は…正直検討に値しなかった。
 この会社が我々の帰還への第一歩となるのかは分からない。

 だが、我々は止まる事は出来ない。
 なぜなら、ここは私達の故郷ではないからだ。
 私は必ずクルーを故郷へ返すことを提督と誓った。
 それは紛れも無く「我が誓い」である。

311 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/08(日) 00:30:23.80 ID:???
2/6

「OSを売るより、エネルギーを売った方が儲かるんじゃないんですか?」

 作戦室で話し合う私達の前で、パリスがそう提案した。
 そこにトゥヴォックがいつも通りの冷静さで反論する。
 眉間の皺はご愛嬌だ。

「君の言うことはその通りだが、我々は商売をしに来たのではない。
 飽くまで帰還までの繋としての仮の姿だ。無闇に技術を売ってはならない。
 何より我々が売った技術が、我々へ牙を向ける可能性も考慮する必要がある。」
「しかし、連合は現実にエネルギー不足で多数の死者を出しているんだろ?
 だったら、核融合炉くらい売っぱらっても罰は当たらないだろ?」

 パリスの意見は一理あった。
 私も彼ほど若かったなら、確かにそうした行動を独断でもとるだろう。
 しかし、トゥヴォックの指摘もまた正しい。
 技術は平和的利用をされるとは限らない。
 子どもに新しい玩具を与えたとして、常に大切に扱うとは限らない。
 好奇心は時に残酷な行動となり、我々が意図した遊び方をするとは限らない。
 子どもに正しく教えるには順序が必要だ。
 何より、私達は既にフレンドシップ・ワンという過ちを知っている。

「トム、私はあなたの気持ちも分かるけど、ここはトゥヴォックの言う通りにすべきよ。
 でも、そうね、人道的見地で見過ごせない部分があることは確かだわ。
 なら、彼らの身の丈に合ったものを売れば良いわね。
 確かセブンの見つけた謎の電子撹乱技術…、
ニュートロン・ジャマーを頃合いを見て無効化することが近道になるんじゃないかしら。
 どう、セブン?」


312 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/08(日) 00:44:00.81 ID:???
3/6
「それは可能だ。核分裂反応を抑制するこの技術は正直興味深い。
 この技術があって何故融合炉へ進まないのかわからないが、
彼らに作れないということであれば、我々が提供する商品となるだろう。」
「では、トムはその方向で動いてくれる?」
「分かりました。やってみます。」
「あの、艦長。」
「どうぞ、ベラナ。」
「新しいシャトルについてですが、1から建造するより現行のコクレーン型へ、
連合規格に合わせた偽装を施してはどうでしょうか。
 デザインは地球人のデザイナーに依頼して予め作らせてみました。これを。」

 トレスは手に持っていたパッドを私の元へ渡した。
 私はパッドの内容に目を通す。
 
「シャトル・アーチャー?フフ、良いわ。出来るだけ『地球人仕様』で宜しく。
 やだわ、…なんだか私達が宇宙人みたいね。でも予定通りに完成しそう。
 さて、人選だけど、私とセブンとトゥヴォックで行くことに決めたわ。
 艦と社の事は副長に任せます。以上、解散。」

 会議が終わると食堂へ向かった。
 食堂はニーリックスがいなくなってからは、クルーが交代で持ち回って運営している。

 今日はイチェブが担当の日だ。
 彼は元ボーグドローンであったこともあり、優秀に様々な物事を理解する事が出来る。
 そんな彼も最初は試行錯誤の連続だったようだが、最近はその甲斐も有って評判が良い。

「ハイ、イチェブ。調子はどう?」
「はい、艦長。今日も見ての通り盛況です。みんな僕の作る料理を褒めてくれます。」
「そうね。私もあなたの料理大好きよ。
 ニーリックスがいなくなってからここも暫く寂れていたけど、
今はこうしてあなたみたいな新しいスターが生まれて良かったわ。今日の料理も美味しそうねぇ。」
「はい、艦長のために特別に濃いブラックコーヒーも用意してあります。」
「あらあら、気が利くわね。」

 彼からカップを受け取り一口飲むと、その味のあまりの濃さに目が覚める思いだった。
 でも、この濃さが堪らない。黒いのが良いの。
 まるでコールタールみたいにドロドロとどす黒いこの液体が。何故かしら。
…ドクターなら重度のカフェイン中毒患者とでも言うのだろう。
 頭で分かっていても習慣はやめられない。

313 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/08(日) 00:51:09.97 ID:???
4/6
「艦長、あの、一つ良いですか?」
「なぁに?」
「僕も、…その、上陸任務に一緒に連れて行ってもらえませんか?」
「あなたを?」
「はい。連合の開発しているというモビルスーツに興味が有ります。
 一度見てみたいんです。」
「…うーん、そうねぇ。分かったわ。今回はセブンもいるから、
学ぶ良い機会かもしれないわね。許可します。」
「有り難うございます。艦長。」

 艦長日誌補足
 数日後、我々は連合軍との契約により、
スペースコロニー「ヘリオポリス」への上陸任務に向かった。
 このコロニーはオーブという中立国のもので、
我々は連合の計らいでロンド・ギナ・サハクという首長の許可を得た。
 我々の出自は、大西洋連邦のアメリカはカリフォルニア州出身ということになっている。
 これらの偽装工作は副長の指示のもと、セブンが完璧にこなしてくれた。

「よくいらっしゃいました。
 私は連合軍第八艦隊所属、マリュー・ラミアス大尉です。」

 彼女は技術士官のラミアス大尉。若いがこのプロジェクトの重要なメンバーだ。
 繋ぎ姿の彼女は穏やかな表情をしており、軍の人間というよりはエンジニアなのだろう。

「初めまして、私はVST社のCEOをしています、キャスリーン・ジェインウェイです。
 早速ですが、現在の状況を確認させて頂けませんか。
 私達はハルバートン閣下の直々の要請を受けて参りました。
 システム関係でお困りとお聞きしていますが、詳細は伺っておりません。
 我々がお役に立てる内容なのでしょうか。」

 この話は本当だ。
 私達はVST社の製品開発を進め、幾つかの汎用的OSを組み立ててオンラインに配布した。
 それらのOSは市場に出回っているデバイスに容易にインストール出来、
しかもあらゆる操作性を向上させる高性能振りを発揮した。
 特に低容量/低消費電力であらゆる機械を制御出来るシステム開発力は注目され、
様々なメーカーから正式に採用したいと申し出があった。
 そして、その中に連合軍准将デュエイン・ハルバートンの名もあった。
 彼らは我々に対し新しい軍用システム開発で協力して欲しいという申し出をしてきた。
 具体的な開発計画等は全て伏せられていたが、我々は既に彼らの意図は知っていた。
 よって、なるべく手短に済ませたいというのが本音だ。

314 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/08(日) 00:56:42.08 ID:???
5/6
 彼らは我々を連合が使用するコロニー内の施設へ案内した。
 そこは外見上は小高い丘になっている場所だが、
中身はなかなか大きな基地施設となっていた。
 中立を謳う国家がコロニーへこれだけの設備を許可する辺り、
彼らの中立も相当の圧力が有るのだろうか。
 順当に考えるならば利害が一致しているからだが、なかなかの綱渡り振りと言える。
 施設内部のドックらしき場所へ案内された私達は、遂に問題となっているロボットの前へ来た。

「…これが、モビルスーツ。」
「はい、GAT-Xシリーズです。
 ボディは既に出来ていますが、問題はOSで…仏作って魂入れず状態なんです。」

 私は暫く見入っていた。
 このような大きなロボットを実際に目にする日が来るとは思っても見なかった。
 しかも、それが私の知っているはずの「地球の文明」が生み出したというのだ。
 純粋に科学者としての私は…この歴史が作り出した産物について、
例えそれが兵器だとしても感嘆の声を漏らさずにはいられない。
 だが一方で、トムが作るホロノベルと同レベルの文明であると考えると情けなくもある。

 私達は早速作業に取りかかった。
 予め用意していたデータの入ったロムスティックを、
試しにX102-デュエルへインストールした。
 トレスとセブンがホロデッキで幾度も試行錯誤して開発したこのシステムは、
我々の連邦のデータベースでも四肢の駆動を前提にした兵器システムは無いため、
工場作業用アンドロイド等の駆動システム周りを参考に手探りの作業だった。
 セブンは操縦に神経リンクインターフェースを採用した設計も考えていた様だが、
それではあまりにオーバーテクノロジー過ぎた。
 そのためこの開発は如何にローテクで「不自然に高性能ではない」ということが前提であった。

315 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/08(日) 00:59:52.50 ID:???
6/6
 その結果として生まれたこのOSは、
幾つかのモードパッケージというモジュールに分ける事で軽量化し、
必要なシステムをシンプルにまとめ、
状況に応じて変更して行く学習能力を持たせたものとなった。

 そもそも、
CE年代のシステムはまだ我々の情報を処理しきれる程優秀なプロセッサは勿論、
内部ストレージ間のバススピードやバンド幅も足りず、
RAMの制限や各種ASICの性能もかなりのロースペックである。
 それらを処理するには全ての命令をコンパクトに纏め、
最小限の要素で処理させる必要が有る。
しかし、連合の採用するシステムは古いシステムの柵に縛られ、
それらを最適化出来ていなかった。
 我々が為した処理はそうした非効率を取り除き、
全ての命令をシンプルかつコンパクトにすることだった。
 それらは何ら特別な事ではなく、
この時代の人間にも充分に可能な範囲の仕事だろう。

 操縦周りについては幾つかの作業は自動化し、簡易ボイスコントロールを導入する事で、
コマンドラインの変更もキーボード入力以外でも行える様にした。
 これにより完成したX-102デュエルへは、試しにイチェブを乗せて動かす事にした。
 彼はこの日の為に試作したシステムをホロデッキでテストしてくれていた。

 事前のテストでは問題無く動作している。
 実機のテストでも問題無く進む事を祈るばかりだ。

6/6おわり。
3話につづく。
>309
「つづく」の件了解です。
ちなみに暫くジェインウェイ視点になっております。

316 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/14(土) 01:37:32.79 ID:???
291です。つづき投下します。
1/8
第3話「G・U・N・D・A・M」

 コンソールのスイッチを押す。
 薄暗いコックピットがモニターの光で照らされる。

「システム起動。」

 しばしのリードタイムを待ち、システムが起ち上がった。
 起動画面が表示され、そこには頭文字の部分が赤く塗られて一つの単語になっていた。

「…GUNDAM。」

 彼の呟きに呼応したわけではないが、システムが語りかける。
 その声は機械的な特徴はあるが、女性のものだ。

『ようこそ、Globe Union New Droid Attack Motion-controllerへ。
 私の事は、ガンダムとお呼びください。
 システムのセットアップを開始します。
 認証を開始…生体認証イチェブ・オドンネルを確認。
 システムの最適化まで暫くお待ち下さい。その間、このシステムについてガイドします。』

 システムはガイド用プログラムを表示した。
 画面下部にはセットアップの進捗状況を示すバーが出ており、パーセンテージでも進み具合を確認出来る。
 イチェブは既にこのガイドを幾度か見ているが、最初の儀式の様なものなのでそのまま再生するのに任せた。
 Globe Union New Droid Attack Motion-controller、
…地球連合の新しいアンドロイド用攻撃モーションコントローラと書き換えたのはセブンだ。
 彼女からすれば連合のシステムがその名とかけ離れた内容だったこともあるのだろう。

『なお、このガイドは本システムのボイスコントロールではなく、録音を再生しています。
 実際のボイスコントロールとは違う事を予めご了承下さい。
 まずは、ドロイドコントロールはシステムのMotionモードを設定出来ます。
 X-102デュエルは近接戦闘モード「ファイティング」、射撃戦闘モード「シューティング」の、
二種類の戦闘モード。ロー、ミドル、ハイ、3種のエネルギー管理モードが選べます。』

317 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/14(土) 01:41:10.18 ID:???
2/8
 ガイドの通りこの内容は録音だが、言語サブルーティンを強化すれば滑らかに話す事は可能だ。
 しかし、あえてそうしなかったのは、この時代のシステムの性能に合わせて必要最低限に留めた結果だ。
 何より連合の機体はエネルギー管理にシビアでなくては運用が難しいため、
エネルギーセービングにはかなり力を入れられた。しかし、ただ省エネなだけでは芸が無いこともあり、
3段階の切り替えでパフォーマンスを操作し、全ての動きをそのモードに合わせた形で最適化している。
 また、二種の戦闘モードは命中精度管理を徹底し、無駄な攻撃をさせない事で温存する意味合いもある。

『通常はオートマティックに設定されていますが、状況に応じてマニュアルでの駆動が可能です。
 本システムはあなたの行動を学習し、あなたの行動パターンに合わせて最適化します。
 また、行動を予めインプットし、私とあなたが分業することも可能です。
 コマンドの設定は通常入力の他、私との会話でも行う事ができます。』

 我々がボイスコントロールを導入する事にしたのは、
このOSが我々のGUNDAMであることと無関係ではない。
 伊達に「Droid」の言葉が入っているわけではないのだ。

 我々はこのOSを入れる事で、大尉の言う「魂」を入れるに等しい結果を作り出す。
 単なるマシーンとしてのMSではなく、いわば「相棒」とでも呼べる様な存在になれば良い。
 モビルスーツは戦場に立てば兵士の相棒なのだ。…という講釈を垂れたのはトムだったが、
セブンはその話をいたく気に入ったらしく、彼女に褒められるトムを見てベラナも気を良くし、
普段は滅多に見られない彼女らの息の合った共同作業となった。
 …トムもたまには良い事を言うものだと言っては、彼に失礼だろうか?

『…システム、の、セットアップが完了しました。
 現在、デュエル、は、バッテリー、100%、フルセット、の、装備、を、装着しています。
 装備、の、サブバッテリー、により、通常駆動余力、は、40%増加します。
 コンバットモーション、は、ファイティングに設定。エネルギー管理、は、オートマティックです。』
「…GUNDAM。行動を開始する。」

 イチェブは操縦桿を握り機体を動かし始めた。
 すると、仰向けに横になっていた機体がゆっくりと上体を起こし始める。

318 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/14(土) 01:46:11.84 ID:???
3/8
「…すごい、どうなっているんですか。
 あんなに滑らかに起き上がるなんて…」

 ラミアス大尉が目を丸くして驚いている。
 だが、その声からは興奮も伺える。
 彼女からすれば開発に関わってきただけに、
この機体が「滑らかに」動く事自体が大きな事件なのだ。

 無理も無い。
 我々が始めて彼らのシステムをハックした時も、
…そのあまりの出来の悪さに失笑したほど。
 彼女にとってもそれは同じで、そのイメージが良い意味で裏切られたのだ。
 ただ起き上がるだけですら「人間らしく」滑らかな挙動を目指した結果、
見た目にも無理が無いだけでなく、ボディへの負担も軽減されている。
 興奮しない方がおかしいというものだろう。

 イチェブはゆっくりと立ち上がらせると、デュエルで体操をする様に両腕を上げ、
深呼吸をする様に下げて行く。そして、緩やかに屈伸をして腕を振り、
足を片方ずつ上げながらバランスをとるなど、徐々に高度な動きをさせてみせた。

「…えぇ、あぁあ…何が、どうしたらこんなになるんです。」

 ラミアス大尉がセブンに詰め寄るが、その時工場外部で爆発音がした。
 大きな爆音と共に揺れが周囲を伝い、それがただ事ではない事を私達へ教える。
 ラミアス大尉は先程までの表情が嘘であったかの様にキリッと真面目な顔に変わると、
私に一言失礼と告げて周囲に指示を出し始めた。

 私はセブンにシャトルのトゥヴォックへ繋ぐ様に促す。
 この日の為にセブンとイチェブには、
インプラントを通したシャトルとの通信機能を持たせていた。
 これによりセブンはサイバネティック・インプラントを通して、
外部との通信を会話無しで行う事が出来る。
 この場は彼女を通して話す方が何かと都合が良い。

319 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/14(土) 01:52:39.78 ID:???
4/8

「(セブンよりシャトル・アーチャー。何が起きている?)」
「シャトル・アーチャーよりトゥヴォック。2機のMSが侵入した。
 その他に工場区画に何者かが侵入した模様。
 連合のサインは無いため、ザフトの攻撃と思われる。
 基地周囲生命反応内に特異な遺伝子配列を持つ者が十数名いるが、
外部区画より侵入している者はそのうちの数名だろう。
 そちらへ向かっている。転送タイミングを言ってくれ。」
「(待て、今はまずい。艦長に報告する。別命有るまで待機してくれ。)」
「了解。」
「艦長、侵入者は数名のザフト。こちらが目的だろう。
 転送タイミングを任せると言っている。」
「トゥボックには待機してもらって。
 私達がここで動くのはまずいわ。今は流れに任せましょう。」
「分かった。既に待機する様に伝えている。」

 セブンの言葉に私は思わず目を丸くした。だが、こういう成長こそ私は嬉しい。
 私達はとりあえずこの場を避難する算段をつける必要がある。
 しかし、この場を動くのはなかなか難しい。
 まだテストすら終わっていない機体をそのまま渡しては、
連合の分が悪いのは間違いないだろう。
 ならば、先に全てのMSにシステムをインストールしてしまう事にした。

 私はラミアス大尉にロムスティックを渡すと、
全ての機体に基地システムから同時にインストールさせた。
 これで何とか機体の制御は我々の方で行える。
 仮にこのうちのいずれかが奪われる様な事があったとしても、
我々の手の中にカードを収めておく事ができる。
 彼らが如何に自然に存在するより高度な行動が出来るとしても、
それらは同じ条件が与えられた場合での話であり、
全く違う条件に適応するのはそう簡単には行かないものだ。
 ならば、我々が出来る事はそうした条件を与えることだ。

320 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/14(土) 01:58:26.00 ID:???
5/8
「セブン、イチェブにはそのままMS内で待機し、
場合によってはそれを動かして交戦する可能性がある事を知らせて。
 私達も白兵戦の用意をするわ。」

 私はラミアス大尉に掛け合ったが、
さすがに軍の施設内での戦闘といえど、民間人への武装の所持は許可されなかった。
 これは仕方ないと考え、フェイザーを麻痺にセットして構えることにした。
 ラミアス大尉は私の手に持つものを見て怪訝な顔をした。

「あの、それは何ですか?」
「護身用のスタンガンです。」
「え、そんなものを!?」
「万が一の備えは必要でしょ。か弱いレディには。フフ、大丈夫。
 ちょっと派手な視覚効果が売りの我が社の試作品です。
 上手く使えれば軍に売り込む事も考えてまして。ただ、飽くまで試作品ですから。」
「はぁ。」
「大尉、頼りにしてますわ。」
「え、えぇ。」

 大尉の困惑した表情が印象的だったが、とりあえずこの場はこれで用意はできた。
 侵入者は少数だがなかなか捕まる気配は見えない。
 かなりの手練が侵入しているのだろう。
 こういうシチュエーションを嫌いじゃない自分がいる。

321 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/14(土) 02:02:37.45 ID:???
6/8
 来た。
 大きな爆発で建物が揺れ、視界の前方で爆風が吹き荒れ煙に覆われた。
 幾人かの悲鳴が聞こえるが、ラミアス大尉が檄を飛ばしている声もする。
 私は研ぎすまして侵入者を探る。その時、上の方で声がした。

「…やっぱり…地球軍の新型機動兵器。…うっ…お父様の裏切り者ー!」

 上を見上げると若い女の声。
 となりには少年の姿も見える。
 何故こんなところへ。

「…子供!?」

 案の定、ラミアス大尉も驚いていた。
 無理も無い。軍の施設内にいる子供は不自然だろう。
 その時爆発が起こり、二階の梁の一部が崩壊し少年達の近くに落下した。
 少年は少女を庇って避けると、その足でそのままどこかへ姿を消した。
 その間、ラミアス大尉は兵士達に機体を動かす様促している。

「ハマダ!ブライアン!早く起動させるんだ!」

 二人の兵士が走って向かった。
 周囲からは機銃を使う音が聴こえる。
 彼らを援護してやりたいが、フェイザーを見せるのは極力避けたい。
 この場はひたすら彼らの無事を祈る他無かった。
 大尉は的確に銃を発砲して相手を牽制し、二人の兵士を援護している。
 彼女の射撃の腕は一流と言って差し支えないだろう。
 援護された兵士達も心強いに違いない。
 その時、


322 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/14(土) 02:10:52.11 ID:???
7/8
「あ!?危ない後ろ!」
「さっきの子、まだ……!」

 少年の呼びかけに大尉は自分を狙うザフト兵の姿を認めた。
 彼女は素早く身を逸らして躱すと、躱し様にザフト兵を撃ち殺した。
 そして、上方の少年に言う。

「来い!」
「左ブロックのシェルターに行きます!お構いなく!」
「あそこはもうドアしかない!」
「え!?うわぁ。」

 爆発で壁面が破壊され、構造物が落下した。
 少年はそれを見事な程軽やかに避けた。
 その動きは半ば人間離れしたとでも言うべきか。
 階下の状況にどうしたら良いか迷っている少年に対し、大尉は声を掛ける。

「こっちへ!」
「あっ。」

 少年の声は勿論、その表情で彼の言わんとすることを察知した彼女は、
銃口と共に背後を振り向いた。
 そこには緑色の服を来た侵入者が大尉目掛けて構えていた。
 だが、彼女はそれを確認した瞬間には引き金を引いていた。
 相手が撃ってくる前に正確な射撃で返り討ちにしたのだ。
 それを見た後方の赤服の侵入者が叫び声を上げて走り銃を撃ってくる。

「ラスティーーーー!うぉぉぉおおおおおお!!!」
「がぁあああ!!!」

 彼の銃撃はMSに乗り込もうとしていたハマダを撃ち抜いていた。
 彼の悲鳴に思わず大尉が叫ぶが、

323 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/14(土) 02:23:51.83 ID:???
8/8

「ハマダ!?!ぅわああ!!」

 不意の攻撃に対応が間に合わず彼女も腕を撃ち抜かれる。
 そこに先程促されて降りてきた少年が駆けつけた。
 だが、彼は何故か敵を前に呆然と立ち尽くした。
 いや、彼だけではない。
 侵入者もまたそこに立ち止まっていた。

「…アス…ラン。」
「…キラ。」

第3話終わり。
第4話へ続く。

 投下終了です。ようやくSEED世界のメインキャラ登場です。
 ヴォイジャークルーしか出て来ない世界と思ったかもしれませんが、
 今後は割と種になっていくと思います。ただ、種の形は梅干かも知れませんが。

 あと、まとめ倉庫のwikiに私の作品のリクエストが出ていて驚きました。
 リクエストしてくださった方、有り難うございます。
 なんか緊張するなぁ〜。どんな風に掲載されるんだろう。

 機動戦士ガンダム00 C.E.71を楽しくいつも読ませて頂いてます。
 文章上手い方ですよねぇ。私もあんな感じに上手く書けたら良いけど、
 さすがに真似出来るレベルじゃないっす。戦闘シーンとか神ですね。

 連載するのって大変だなと思います。
 でも、週一でこちらもまったりやって行けたら。
 …そして、楽しんで頂けたら幸いです。

324 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/14(土) 02:49:49.17 ID:???
投下乙です

てっきりヴォイジャークルーの手助けでどうにか本編のレベルまで持ってこれるのかと思ったら
ドロイドレベルまでいっちゃったよw……ってこれMUSOU展開じゃなさそうだし奪われたらヤバそうな……

ところで本編の記憶があやふやになってるんだけどラスティって撃たれた時赤服じゃなかったっけ?

325 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/14(土) 11:26:42.75 ID:???
>324
 労い有り難うございます。

 OSについては…まぁ、ドロイド入りました。w
 ラスティについては…あれ、そうでしたっけ?私もうろ覚え。
 で、wikiを見たら「うげ!?赤服だ!!!」
…ということで、脳内変換を宜しくお願いしますw

 それと、3/8の
「我々が始めて…」のところは
「我々が初めて…」ですね。見落としてました。申し訳ないです。
 こちらも脳内変換でお願ry

326 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/20(金) 21:50:33.94 ID:???
1/8
第4話「不完全」

「…不用心だぞ。」
「ぐあぁあ!!」
 
 侵入者は目前の少年に気を取られてセブンの接近に気付かず、
そのまま腹部にもろに彼女の手刀の一撃を食らった。
 彼女の一撃は彼を軽々と遥か後方の壁面へ強かに打ちつけた。
 一見すればか弱い女の手刀だが、実際は強靭な異星人を無慈悲に滅ぼすボーグの一撃である。
 いくら強化されたコーディネイターといえども所詮は地球人である。
 ヒロージェンやクリンゴン程のタフさは無いかと考えていた。
 しかし、彼は我々の想像していた以上にタフな様で、
多少はよろめきつつも素早く立ち上がり、イージスの方へと駆けたのだ。
 ラミアス大尉が銃で牽制するも、彼は打ち付けられたダメージなど無かったかの様に軽やかに身を躱し、
そのままの勢いでコックピットに入られてしまった。
 と、その時、ラミアス大尉がストライクのコックピットへ少年と共に入っていく姿が見えた。
 彼女が動かすというのか?
 …ともかく私はセブンと共にその場を後退し、イチェブのいるデュエルのもとへ向かった。

 彼はデュエルを操縦し侵入者の攻撃を防いでいた。
 侵入者はデュエルへ向けて発砲するが、
フェイズシフト装甲が機能している彼の機体には傷一つ付ける事は不可能だ。
 だが彼らはそれらを想定していたのか見事な連携でデュエルのメインカメラ付近を、
彼らの持っていた手榴弾を天井に投げて爆発させ、視界を煙で封じている隙にバスターのコックピットへと侵入した。
 ハッチが閉まり、程なくPS装甲が起動するとゆっくり立ち上がった。

327 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/20(金) 21:52:07.65 ID:???
2/8
「何故俺がお前にお姫様だっこされねばいかんのだ!!」

 イザークは先に入ったディアッカの腕の中に収まる様な姿勢で入っていた。
 これは、バスターに乗り込む際に後から入ったことからシート後方に回っていたのだが、
起き上がる際にコックピットを転がり、そのままでは危険な彼をディアッカが抱き止めた結果の産物だった。
 彼からすればお前が言う事かと反発したい所だが、ぐっと堪えて冷静に答える。

「…イザーク、狭いんだから大人しくしろよ。しかし、…なんだこのOS、
事前の情報とまるで違うぞ。でも、ロックはされていないから動かせる。
っつーか、何だよこれ。俺達のOSよりよっぽど使いやすいぞ。」
「はぁ、なんだと?ナチュラルが俺達を超えただと?笑わせんな。」
「いや…だけどよ、俺が何のカスタマイズもしないどころか、
OSが俺に合わせて自動でセットアップしてるんだぜ?見てみろよ。」

 そう指摘され画面を見たイザーク。彼もシステム側の対応を見て顔色が変わった。
 確かに全ての挙動が異常な程にスマートで洗練されている。
 少なくとも事前に知らされていた「出来損ない」とは雲泥の差で、
予め書き換えの為に用意したデータすら越えており、簡単に言い表すなら次元が違うとでもいうべきか。
 システムの指示通りにセットアップを進めたディアッカは、
システムが告げたボイスコントロールを試してみたくなった。

「えーと、…ガンダム、武器はあるか?」
「はい。武器、を、表示、します。」

 コンピューターは彼の言葉に反応して画面にデュエルの3Dモデルを出すと、
幾つかのパーツがグリーンのハイライトで表示され、それぞれを選択するとズームアップして武装の画像を表示し、
名称と簡単な解説及び詳細な情報へのアクセスボタン等が示されていた。

328 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/20(金) 21:54:10.11 ID:???
3/8
 彼は一つ一つ表示して行く。

 「220mm径6連装ミサイルポッド」
 両肩に装備されるミサイルポッド。
 本機の白兵戦能力の低さをカバーするために搭載された武装。
 煙幕や放電ガス弾など搭載ミサイルによって多彩な用途がある。

 「350mmガンランチャー」
 右腰アームに接続される電磁レールガン。散弾による複数目標への攻撃など、
「面」の破壊に特化された武装。通常の質量弾頭の他にも、
AP弾(徹甲弾)やHESH弾(粘着榴弾)などの各種特殊弾頭も射出可能。

 「94mm高エネルギー収束火線ライフル」
 左腰アームに接続される大型ビームライフル。
 他のGAT-Xシリーズに比べ大口径高出力を誇り、並の戦艦の主砲を上回る。

 「対装甲散弾砲(連結時)」
 ガンランチャーを前に、収束火線ライフルを後に連結した広域制圧モードでの利用が可能。

 「超高インパルス長射程狙撃ライフル(連結時)」
 収束火線ライフルを前に、ガンランチャーを後に連結した高威力・精密狙撃モードでの利用が可能。

 「その他」
 本機は他のGAT-Xシリーズとドライバ互換を持ち、他機向けの武装の利用も可能。
 本機は試作機のため、他機向けの武装登録は別途ドライバのインストールが必要。

「…おいおい、親切なのは良いが全部飛び道具ばかりかよ。
 とりあえず逃げるぞ。」

329 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/20(金) 21:55:52.11 ID:???
4/8
 バスターは急いで逃走を始めた。
 だが、ディアッカがまず驚いたのは敵の攻撃ではない。
 その挙動の迅速さは勿論、動かし易さだ。特にこのOSは「学習機能付き」という説明通り、
彼の操作に合わせてシステムが自動でバランスを調整して行くのがわかる。それもこれも、
彼がただ操縦しているだけなのに見違える様に動きがスマートになって行くのだ。
 どんな機体も最初は慣れるのに時間を必要とするものだ。それはそれぞれに特有の癖があるのは勿論、
操縦者自身にも個人的な癖があるからだ。それらは大抵は操縦者が機械に歩み寄る形で慣れて行くものだが、
このガンダムというシステムは逆なのだ。OSも操縦者に歩み寄ってくれている。
 ディアッカは作戦中という非常事態にありながらワクワクするものを感じていた。

「…イザーク、少し揺れるが我慢しろよ。」
「うるせぇ、お前は集中しろ!」
「…はいよ。舌噛むなよ。」

 デュエルが進路上に立ちふさがった。武器は持っていない。
 丸腰同然のバスターからすれば、相手も武器を構えていないのは有り難い。
 そのまま突破するためにタックルを仕掛ける。しかし、デュエルは衝突する手前で避けた。
 バスターは相手がいなくなり、その勢いのまま壁に激突した。

「っつー、どんな操縦だ!」
「っいや、それは相手に言ってくれよ。」

 激しい衝撃でイザークは正面に向けて強かに腰を打ち付けられた。
 シートベルトを着用したディアッカは無傷だ。
 彼は文句を垂れるイザークを膝上に乗せながら、逃走の動きは怠らない。
 姿勢を立て直したバスターは壁を背に構えながら時を待った。
 と、その時、イージスが立ち上がるのが見えた。
 そして次の瞬間、X105の方の壁面が爆発して吹き飛んだ。

「来た!!」


330 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/20(金) 21:58:40.09 ID:???
5/8
 バスターが走る。
 そして、それを追う様にイージスもそこから出て行く。
 イチェブは牽制しようと動くが、セブンがそれを止めた。
 これは私の指示だ。
 彼はそれに従うと彼らを見送った。
 私達がするべき道は他にある。今は生きているラミアス大尉を生かすべきだろう。
 だが、ラミアス大尉の乗ったストライクは起動する様子を見せない。
 何故だ。

「…そんな。OSのインストールが上手く行っていない。
この子だけケーブルが断線していたんだわ。でも、私にも動かすくらいは。」

 ラミアス大尉は必死に動かそうと元のOSを弄っていた。額から汗がしたたる。
 激痛を堪えて操縦桿を握ると、何とか立ち上がらせゆっくりと前進させて、
破壊された壁穴から外へと出た。
 その動きはとてもゆっくりとしていて、見るからに姿勢も悪く不格好なものだ。
 そして、それを待っていたかのごとく、
外には緑色に塗装されたジンと呼ばれるZAFTのMSが待ち構えていた。

『ヘリオポリス全土にレベル8の避難命令が発令されました。
 住民は速やかに最寄りの退避シェルターに避難して下さい。』

 コロニー全域で緊急避難放送が流れていた。
 至る所で住民達の避難が進んでいる。そんな中、前方のジンが発砲した。
 ストライクに乗るラミアス大尉は寸での所でPS装甲の起動に成功した。
 灰色の機体がトリコロールカラーに塗られた様に鮮やかに変色する。
 装甲は正常に稼働し、弾丸を弾いて機体を保護した。
 しかし、その一方でコックピット内のカメラは、逸れた弾丸から逃げる一般市民の姿を捉えていた。
 そこには少年の友人達の姿もあった。


331 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/20(金) 22:00:59.22 ID:???
6/8
「あー!?サイ、トール、カズイ!」

 ジンのパイロットは、連合のMSが彼の攻撃を弾いて無傷で立っていることに驚いていた。
 彼の目にもハッキリと弾丸が弾かれたことが確認出来ていた。

「こいつ、どうなってる。…こいつの装甲は!?」

 そこに通信チャネルが開いた。声の主はアスラン・ザラだ。

「…こいつらはフェシズシフトの装甲を持つんだ。展開されたらジンのサーベルなど通用しない。」
「アスラン、まだいたのか!お前は早く離脱しろ!いつまでもウロウロするな!邪魔だ!」
「な、じゃ、邪魔!?……ラスティは失敗した。油断はするな。」
「…余計なお世話だ。お前の将来は絶対ズラだ。
 もたもたしてるなら、俺がズラの似合う男にしてやろうか。」
「…離脱する。(なんで俺はズラ扱いばかりされるんだ!
 額が広いからって、必ずズラになるとは限らないだろう。くそぉ。)」

 イージスが通信を切る。そして後方カメラより離脱するのが見えた。
 ジンのパイロット…ミゲルは、ストライクを睨んで不敵に笑った。

「ふん、いくら装甲が良かろうがっ!」

 ジンがサーベルを構えて突進する。ズシンズシンと響いてくる足音。
 ラミアス大尉は必死に動かそうとしている様だが、
少年の目にはとてもまともに動きそうなシステムには見えない。

332 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/20(金) 22:13:44.48 ID:???
7/8
「(あっ、…これってまだ)うわぁあああ!!」
「あ、きゃぁああ!!」

 激しい振動が伝わり、突然後方に強かに打ち付けられる。
 ジンのサーベルは実際に通用しなかったが、
その打撃でストライクはそのまま後ろに倒れてしまった。
 ストライクのコックピット内では、大尉の上から身を乗り出して少年が操縦を試みた。

「君!?」
「ここにはまだ人が居るんです!こんなものに乗ってるんだったら、何とかして下さいよ!!」

 少年は操縦桿に触れながらシステムの挙動を確認し始める。

「そんな動きで、生意気なんだよ!ナチュラルがモビルスーツなど!」

 前方に立つジンが振りかぶってサーベルを下ろしてきた。
 少年はなんとか機体を横向きの姿勢に変えて避ける。
 続けざまに来る攻撃を再度避けながら、システム情報を確認し終えた。

「無茶苦茶だ!…こんなOSでこれだけの機体を動かそうなんて!」
「まだ全て終わってないのよ、仕方ないでしょ!」
「…どいて下さい。」
「え?」
「早くっ!!」

 ラミアスは少年のあまりの気迫に席を譲った。
 少年はシートに座るとキーボードを出してシステムを弄り始めた。
 そこになおもジンの攻撃が続く。
 しかし、少年は巧みに操縦桿を握るとその攻撃をかわし、その合間に設定を急ぐ。

333 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/20(金) 22:15:47.85 ID:???
8/8
「あ、あ。(この子…!?)」
「キャリブレーション取りつつ、ゼロ・モーメント・ポイント及びCPGを再設定…、
 チッ!なら疑似皮質の分子イオンポンプに制御モジュール直結!
 ニュートラルリンケージ・ネットワーク、再構築!メタ運動野パラメータ更新!
 フィードフォワード制御再起動、伝達関数!コリオリ偏差修正!運動ルーチン接続!
 ん?なんだこれ、ようこそ、Globe Union New Droid Attack Motion-controllerへ?
 別のシステム?ダウンロード率52%…全部バイナリ!?なんだこれ、使え…るのか?
 とりあえず、新しいコアとこのバイナリを直結、コアで読み込んで翻訳、
…ユニマトリクス・コア?新しいコアだったのか?他には、ボーグ709運動サブルーチンと、
ポジトロニクスブレインも僕のコアに直結。ボイスコントローラは…不完全。よし!
 システム、オンライン!ブートストラップ起動!」

 にわかにストライクの挙動がスマートになり始めた。

「何なんだあいつ、急に動きが…ッチ、ヤバくなる前に斬る!」

 執拗なサーベルによる斬撃から両の手をクロスして耐えるストライク。
 少年は受けながらそのまま腕をクロスした姿勢で強く押し返した。
 ジンは突然の押しに対応できずよろめいて後退した。

「うっ、武器…!アーマーシュナイダー…?これだけかっ!」
「くっそー!チョロチョロと!」
「こんなところでっ、やめろぉっー!!!」

 少年は機体を立ち上がらせると、アーマーシュナイダーを構え突進する。
 よろめいたままのジンは防御姿勢を取れず、姿勢を正そうとした時には既に遅かった。
 ストライクのアーマーシュナイダーはジンの主要な駆動部を破壊。
 ジンのシステムはフリーズした。

「っち、ハイドロ応答無し。多元駆動システム停止。ええぇい!」
「あっ!まずいわ!ジンから離れて!」
「え?」

 ジンの自爆命令が起動し、ストライクはもろにその爆発の衝撃を受け後方へと飛ばされた。

第4話終わり
第5話に続く
投稿失礼しました。291でした。

334 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/20(金) 23:03:58.82 ID:???
投下乙
とられたー!
キラがまたスパゲッティにしたー!
ところでST世界におけるヅラ関連の技術ってどうなってましたっけ……(ピカード艦長を回想しながら)

335 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/20(金) 23:46:10.19 ID:???
>334
 乙有り難うございます。
 確か、ホロドクターは整形外科的な特殊メイクも趣味だったはず。
 ピカードの毛を遺伝子治療無しにふさふさにする事自体は可能だったと思われます。
 ヅラについてはレプリケータがある以上、どんなものでも作れますし。

336 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/21(土) 11:48:51.17 ID:???

ストライクはまだOSいじってなかったのか

337 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/27(金) 21:06:14.47 ID:???
291です。投下開始します。
>336
 乙有り難うございます。ストライクは断線してましたw
1/13
第5話「協力」

 艦長日誌補足
 施設を攻撃された連合軍は、我々の目前で三機の試作機を奪われた。
 我々はイチェブの乗っていたデュエルと、
ラミアス大尉達のストライクを確保した上で近くの公園へ移動した。
 トゥヴォックとの交信を試みたが攻撃の影響か上手くリンクがとれず、
仕方なく我々はキラ少年の操縦するストライクのシステムのアップグレードを試みた。
 しかし、彼が独自に組み上げたシステムは独特の構造を持ち、
我々が用意してきたシステムにこの場で改修するには、長い時間が必要で現実的ではない。
 しかも、システムへのアクセスは彼と密接に結びついているため、
現状では彼にセブンと共に作業させ、
オプションの武器システムへのアクセスを確立させるのが精一杯だった。
 彼の驚異的な能力には驚かされたが、我々の前に問題が山積していることに変わりない。

「こんな感じで良いですか?」
「そうだ。それで良い。お前は優秀だな。」

 コックピット後部から覗き込む様な体制のセブンの言葉は、
丁度耳元で囁く様に聴こえ、彼は思わず頬を赤らめた。

「…有り難うございます。でも、ハンセンさんも凄いです。」
「私はこうした作業には慣れているからな。
 お前の様に初めて触れる物をすぐに理解出来ることは、優秀だと言って良い。
 …お陰でOSはこの機体と一体的に動作していて、我々が作ったシステムへの改修を拒んでいるがな。」
「す、すみません。」

338 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/27(金) 21:08:56.87 ID:???
2/13

「気にする事は無い。私はお前の考えたこの構造に興味が有る。
 システムは論理的に正しい構造をしているほど効率的だと思っていた。
 だが、お前の考えた構造は、論理的であるより有機的…とでもいうべきか。
 まるで生命体の様にこの機体と結びつくことで性能を向上させている。」
「そう、なんですか?」
「わからないのか?…まぁ、もっとも我々もMSというものの運用を理解していない。
 肉体を駆使する以上の効率を…人間が操作するロボットが達成することが可能なのか。
 それは今後のお前次第だがな。」
「…。」

 少年の表情は晴れない。
 セブンは彼の肩にそっと手を置いた。

「どうした。…怖いのか?」
「…はい。」
「そうか。…お前が無理をすることはない。
 我々にはイチェブもいる。お前が一人で頑張る必要はない。」
「イチェブさんも民間人ですよね?なぜ、MSを操作出来るんですか?」
「イチェブは事前に我々のシステムをテストした。
 それに、お前よりは感情をコントロールできる。」
「感情をコントロール?」
「そうだ。感情をコントロールすることで、
必要以上の感情が表に出る事による不安定さを低減している。
 …のはずだが、人間とは時に脆い様だ。
 常にそうあることが正しいはずだが、
私の人間性が感情を操作できなくすることもある。悩ましいな。」

339 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/27(金) 21:11:00.17 ID:???
3/13
 セブンは自分で発言しながら、少し前に自己の死と向き合った事を思い出していた。
 自分には幼少の時代に同化された時点で、殆どの人間的感情は失われたと思っていた。
 その最たるものが死への恐怖だ。確かに自分1人ならば無視も出来ただろう。
 だが、現在の自分には他者との関係…特に愛する心を知ってしまった。
 そうした他者が痛む姿を想像する事すら出来る自分に、彼を諭すのは無意味に思えた。
 確かに死の恐怖は乗り越えられる壁かもしれない。
 しかし、理屈では理解できても残される痛みは大きいのだとつい最近感じておきながら、
自分を棚に上げて他者を諭す傲慢さが人間性であるなど、彼女自身認めたくない気持ちもあった。
 キラ少年の方はそんな彼女の心の中の声は知る由もないが、
彼なりに彼女の言葉に耳を傾け、自分の答えに置き換えて同意する。

 人は誰しもが機械の様に感情を制御したいと思う時があるものだが、
それが上手く行かないと嘆くこともまた人間らしさだ。
 彼女はそれを弱さや愚かさだと否定したがるが、そうした一面も含めて人間は形作られる。
 どんな一面も欠かせないものであり、彼女が個性ある個人である証だ。

「…そうですね。」
「私の作業はこれまでだ。後はお前が使い易い様に調整するといい。」

 セブンはそう告げてストライクのコックピットを降りた。
 少年とセブンがストライクのシステム修正にあたっていた頃、
私は彼の友人達に手伝ってもらっていた。

340 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/27(金) 21:18:34.65 ID:???
4/13
「これでいいですか〜。」
「えぇ、皆さん有り難う。」

 キラ少年の友人達はこの土地の工科大学生で、
彼らはシステム制御についての知識が有った。
 彼らの協力を得て気絶した大尉を機体から下ろした我々は、
彼らに周囲にある武器の入ったコンテナ車を集めさせ、
それぞれのシステムをアップグレードする作業をしてもらっていた。
 作業自体は難しくはない。
 我々の持っているロムスティックをそれぞれに接続すれば、
あとは全て自動でインストールとセットアップが進む様に作られている。
 少年達はサイ・アーガイルという少年を中心に纏まっている様で、
彼の指示で分担が決まるとあっという間に作業は進んだ。
 なかなかのチームだ。
 そんな中、ラミアス大尉が目を覚ました。

「うぅ、」
「気が付きました?キラー!!」

 ミリアリアという名の赤い髪の少女が、彼女の目覚めに気付きキラ少年を呼ぶ。
 彼はその呼びかけに答え、ストライクのコックピットから降り始めた。

「うぐっ!」

 起き上がろうとする彼女の体に激痛が走り思わず呻く。
 そんな彼女の体をミリアリアはそっと支え優しく話しかける。

「あぁ、まだ動かない方が良いですよ。」
「はぁぁ。」

 彼女はそれに頷き、呼吸を整えてゆっくりと起き上がった。
 ミリアリアは自力で体を支えられるのを見て取ると、近くの荷物から水筒を取り出す。
 そこにキラ少年がやってきた。

341 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/27(金) 21:21:54.53 ID:???
5/13

「…すみませんでした。なんか僕、無茶苦茶やちゃって。」
「お水、要ります?」

 キラ少年は恐縮した表情で彼女の前に立った。
 ミリアリアは彼女へカップに注いだ水を差し出す。
 ラミアス大尉はそれを受け取り一口飲み、

「…ありがとう。」

 と、彼女に謝意を告げた。
 その時、後方で楽しそうな話し声が聞こえる。

「すっげーなぁ、ガンダムっての!」
「動く?動かないのかぁ?」
「お前ら!あんまり弄るなって!」
「なんでまた灰色になったんだ?」
「メインバッテリーが切れたんだとさ。」
「へぇ〜。」

 少年達が嬉しそうにはしゃぎながらMSを見つめていたその時、

「その機体から離れなさい!」
「んー?…うわぁ!?」

 彼女は突然立ち上がり様、胸の中にしまっていた銃を出して構えていた。
 銃口はMSに触れる少年達に向けられている。その表情は固い。

342 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/27(金) 21:28:14.60 ID:???
6/13

「何をするんです!止めて下さい!
 彼らなんですよ、気絶してる貴方を降ろしてくれたのは!…うっ。」

 話している途中で銃口を向けられ口ごもるキラ少年。
 ラミアス大尉は周囲に睨みをきかせる。その視線は隙無く周囲に向けられている。
 その表情は当初受けた印象とは打って変わって軍人そのものだ。

「…助けてもらったことは感謝します。でもあれは軍の重要機密よ。
 民間人が無闇に触れていいものではないわ。」
「…なんだよ。さっき操縦してたのはキラじゃんか。」

 トール・ケーニヒ少年が仏頂面で呟いた。
 だが、その後にすぐ銃口が向けられ押し黙る。
 私達は車の影で暫く動向を伺っていたが、
見るに見かねて彼らに間の手を出すことにした。

「…ラミアス大尉。
 あなたをここへ運んできたのも、そして介抱したのも彼らよ。」
「ジェインウェイさん!?それにハンセンさんも。」
「…まずはあなたのその手に持ってるものを下ろしてくれないかしら。
 冷静に話し合えば解決出来る事よ。上手くすればあなたの得にもなる。どう?」

 彼女は私の提案に暫く思案してから口を開いた。
 その手の銃はそのままに。

「その提案を聞きましょう。内容次第で判断させて頂きます。」

343 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/27(金) 21:31:53.92 ID:???
7/13

 彼女の頑固振りには驚かされるが、優等生な頑固さは嫌いじゃない。

「見た所、貴女が一人で頑張った所で何を出来るかしら。
 ここにいる軍人は貴女だけ。
 私達2人は軍の招聘で来た民間人で、その子達は学生さん。
 そしてここはオーブのコロニー。
 あの子達を見て分かると思うけど、とても屈強な軍人には見えない。
 貴女がその銃で撃ち殺してしまうのも一つの手だけど、
そうすればどんな人でも抵抗するでしょう。
 そして、そうなれば貴女も無傷ではいられない。
 幸い、学生さんは工科大生で、私達も技術者よ。
 しかも、貴女を介抱して協力もしてくれている。
 なら…このまま一蓮托生も選択肢に入らないかしら?」

 私は彼女の目をしっかりと見据えた。
 彼女は私の言葉に応じたのかゆっくりと銃を下ろした。

「…良いでしょう。
 その代わりあなた方は軍の機密に触れる以上、身辺の自由は制限されます。」
「私達は構わないわ。どの道このままでは死を待つだけ。
 それに貴女に言われるまでもなく、
私達の自由は既に軍の招聘を受けた時点で制限されているんじゃなくて。
 勿論学生さん達は別だけど。
 どう、皆さんは彼女の言う事が聞けるかしら?」

 私は周囲の少年達に聞こえる様、最後の呼びかけは大きな声で聞かせた。
 彼らはそれを聞いて全員がコクコクと首を縦に振った。

「どう?」

 彼女は溜息を吐いて苦笑いを浮かべると、ベンチに座り込んだ。
 私達は彼女に歩み寄り、同じベンチに腰掛けた。
 もう威嚇する意志は無い様だ。

344 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/27(金) 21:38:13.73 ID:???
8/13

「貴女も無茶をするわね。」

 私は思わず笑った。
 私の唐突な笑いに彼女も拍子抜けしたのか微笑んだ。

「…それを仰るなら貴女も充分無茶ですよ。
 銃口を向けている相手にあれだけ堂々と。
 でも、失礼しました。確かにあなた方は私達が御呼びしたお客様でしたわね。」
「あら、軍人としては立派よ。
 でもそうね。時と場合によるんじゃないかしら。
 何かの行動をするのなら、相手をよく見てからでも遅くはないと思う。
 言葉や行動は起こしてしまったら最後、取り返しはつかないものよ。」
「…すみません。」
「良いのよ。それより、これからどうしたものかしら。
 集められるものはこちらで集めました。
 システムのアップグレードも貴女が気を失っている間に済ませたわ。」

 私の話を聞いて彼女は目を丸くしていた。

「え、そんなことまで為さってたんですか!?…あ、有り難うございます。
 しかし、アップグレードって、何をされたんですか。」

 彼女の疑問にはセブンが答えた。

「主に我々のシステムとの互換性を保持させるための仕組みとスリム化だ。
 お前達のシステムはとても非効率な構造をしている。
 その為に無駄なエネルギーを消費するのだ。
 我々のシステムはそうした非効率を全て排除する。
 これによりバッテリーの効率は50%改善した。」
「ご、50%!?そ、そんなにですか!?」
「そうだ。機体の構造設計自体を見直せばまだまだ改善の余地はあるが、
ソフトウェアではこれが限界だろう。」

 彼女は暫くあんぐりと口を開けたまま微動だにしなかったが、正気を取り戻して尋ねる。

345 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/27(金) 21:46:59.31 ID:???
9/13

「そ、その他には何かなさったんですか。」
「我々は彼らの協力のもと、奪われた機体に対してトラップを発動させた。
 システムの設計上のガードに過ぎないため、どの程度の役に立つかは分からないが、
 少なくとも彼らが我々の意図に反して複製するなどの行為は不可能に近い。
 それまでの間に我々と遭遇する事があれば、奪還する機会も作れるだろう。」

 彼女の説明を静かに聞いている彼女に私も畳み掛ける。

「我が社の技術には絶対の自信があります。そして、彼らは皆工科大生。
 こんな状況だけど、私達はまんざら運が悪いとも言えないわ。
 システムのコントロールも失っていないし、何より私達は生きている。」
「私達は生きている。運も悪くない。…確かに。
 でも、…ジェインウェイさん、あなた方は一体何をしたのですか。
 システムのコントロールを失っていないって、コピーをガードしても、
それだけじゃ問題の解決にはならないんですよ。」
「…そうねぇ。でも、無いよりマシじゃないかしら。
 貴女が言う通りこれらは軍の重要機密。
 こんな事もあろうかと、念には念を入れて予め作っておきましたの。
 …泥棒にはお仕置きが必要でしょう?」
「え?」

 ラミアス大尉は複雑な表情で私達を見ていた。
 だが、現段階ではこれで充分だろう。
 彼女が我々を少なくとも敵とみなさなければ良いのだから。
 思わぬ展開になったが、標さえ間違えなければゴールへは向かえるだろう。
 問題はゴールした後であって、ここではない。

346 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/27(金) 21:53:45.36 ID:???
10/13

 その頃、宇宙空間では2機の機体が交戦していた。
 宙空を縫う様に飛ぶ連合のエースのみが乗るモビルアーマー「メビウス・ゼロ」。
 それを追うのはZAFTの高機動MSシグー。
 この二機に乗るパイロットは、知る人ぞ知るエースの中でもトップと呼ぶに
相応しい腕を持つ一流のパイロット達だ。

「……くそー!ラウ・ル・クルーゼかっ!」
「…お前はいつでも邪魔だな、ムウ・ラ・フラガ。
 尤もお前にも私が御同様かな?」

 コックピット内部ではアラームが鳴り続けていた。
 MAの持ち味である機動性の高さも、高機動のシグーの前には霞む。
 しかし、彼が生き残っているのはそれだけの理由ではない。
 ゼロには唯一連合がZAFTより高性能と言える武装が装備されていた。
 機体後部に装着された4基の有線式自由照準リニアガン「ガンバレル」がそれだ。
 この兵器は彼の脳波とリンクして照準を定めるオールレンジ攻撃が可能だ。
 しかし、その為には特殊な空間認識能力が要求されるため、
誰もがこの兵器を扱えるわけではない。
 そうした意味では兵器としてガラクタ同然とも言える汎用性の無さだ。
 だが、それ故にこの兵器は連合で開発されたのだろう。
 効率と合理を優先するZAFTでは採用されないアイディアであるからこそ、
完成した際の優位が確立される可能性も高いのだ。

 ゼロ単体の機動力は通常のメビウスに劣る。
 それは4基のリニアガンもエンジン出力に含まれるためだ。
 メインエンジンのみになった場合の機動性の低さは本機の無視出来ない弱点だ。
しかし、4基のリニアガンが自由に照準を付けられる事で、
その弱点を補う様に計られている。
 MS開発で大きく遅れをとる連合にとって、
これは手っ取り早いMSとの性能差を埋める手段だ。

 彼の命令でこの時もその攻撃能力が発揮されるはずだった。
 だが、彼が相手にするパイロットは他のパイロットとはひと味違った。
 4基のリニアガンが機体から放され、後方を追うシグーを狙う。

347 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/27(金) 23:41:01.07 ID:???
おんや中座かな?

348 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/27(金) 23:51:41.59 ID:???
>347
おさるさん規制されてました。w
連投13分割はさすがに規制される様です。

11/13

「大人しくここで沈んでくれると良いんだがな。」

 シグーのパイロット、ラウ・ル・クルーゼは不敵な笑みを浮かべる。
 彼はその攻撃を「まるで分かっていた」かのごとく躱し、
躱し様牽制射撃を加えると、そのまま加速を付けてコロニーポート内部へ侵入する。

「えぇい、ヘリオポリスの中にっ!」

 ゼロにのるムウ・ラ・フラガもまた、それを追って内部へと突入した。

「…こちらX-105ストライク。
 地球軍、応答願います。地球軍、応答願います!」

 キラ少年には歩きながら通信を任せ、私達はトレーラーの中で話していた。
 トレーラーの通信設備はX-105との交信が可能になっていることもあるが、
これから我々が拾い集めた装備を宇宙艦に届けることになったのだ。
 そもそも我々はここから出ようにもその手段が無い。
 特に大尉や少年達は我々と違い転送による救出は望めない。
 …勿論、それは私の決断次第だが。
 脱出方法は幾つかあるが、この場で選択し得る手段はただ一つ。彼らの新造艦のみだ。
 彼らが建造した新型宇宙艦にMSを届け、それらを月の連合軍に運ぶのが大尉の任務。
 それまでの間は我々は彼女の任務に従い、行動を共にしなければならない。
 幸い我々に不安は無い。最悪な状況には変わりないが何か攻撃が有ったとしても、
こちらにはフル装備のデュエルがある。
 我々の防衛はイチェブに任せた。

「ジェインウェイさん達が装備を粗方集めていて下さったのは本当に助かりました。
 しかも、アップグレード作業まで。」
「これが私達の仕事です。
 失礼ですが…X105の調整時にこちらでデータベースをチェックさせてもらいました。
 勿論、守秘義務は守らせて頂きます。
 まぁ、どの道同じですから、一を知ろうと百を知ろうと一緒です。」
「場合によっては、あなた方は軍の厳しい監視下に置かれる可能性もあるんですよ?」
「既にハルバートン閣下に要請された時点で、
我々には相当の監視が入っているものと理解しています。
 我々が敵に与しないように…と。
 でしたら、こちらから積極的に誠意をお見せした方が良いかと判断しました。
 ご不満かしら?」
「いいえ。そう仰って頂けると、正直私も有り難いです。」

349 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/28(土) 00:06:42.32 ID:???
12/13

 彼女の表情は先程と比較すると和らいだ。必死だったのだろう。
 まだ非常時には変わりないが、一人で背負っているという気負いも無い分、
気分的にも気が楽になったのかもしれない。
 私は悪戯っぽい笑みを浮かべる。

「フフ、もっとも、私達もボランティアではありません。
 それ相応の対価はキッチリと社の方へ入れて頂く所存ですわ。」
「まぁ、商売がお上手ですこと。」

 彼女が笑いかけたその時、上方で爆発音がした。
 車内にまで聞こえる程だ。唯事では無いだろう。
 大尉はブレーキを踏んでトレーラーを止めると慌てて外へ出た。
 私達もそれに続く。
 見上げるとコロニーの軸となるコアより爆煙が吹き出しており、
多数の瓦礫が上空を舞散っている。
 それらはコロニー内の大気と人工重力が作用しているのだろう。軸を中心に拡散している。
 落下物の被害も甚大だが…もはやその程度で済まされるのかすらわからない。
 そして、その空を二機の機体が飛んでいるのが見えた。

「メビウス!それにシグー!?」

 ラミアス大尉が表情を曇らせた。
 私も状況が変わった事を理解し、セブンにイチェブへ動く様伝えさせる。

「(セブンよりイチェブ、敵襲はわかるな。
 …我々に抵抗する者には、無意味だと悟らせろ。)」
「(デュエルよりイチェブ、了解。)」

 デュエルがビームライフルを構える。
 シグーに乗るクルーゼは二機のMSの姿を見て色めき立った。
 この二機の内の一機はミゲルの報告にあった機体だろう。
 彼にとってはどちらであろうと同じ事だ。全て破壊するのだから。

「ほぉ、…あれか。」
「残りの機体か!?」

350 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/28(土) 00:31:55.69 ID:???
13/13

 フラガの目にもそれらが認められた。
 しかし、こちらは手負いで追われる状況。対応出来る余力がなかった。
 彼は既にポート内部での戦闘で全てのリニアガンを失い、
ゼロ単体での飛行を迫られている身だ。
 それに対して無傷のシグーは武装の無いストライク目掛けて発砲する。
 しかし、その攻撃はストライクの間に飛び入ったデュエルのシールドにより弾かれた。

「な…」

 しかも、その跳躍しざまにライフルをシグーへ向けて射撃。
 その射撃は全て無駄無く命中し、シグーの右手と左肩を破壊。
 続けざまに左足の付け根に向けてグレネードを発射し破壊したのだ。

「…んだと!?ぐぅ、この私がこんな物に。ぇえい!」

 クルーゼはコックピット全体に響き渡るアラート音を半ば無視してシステムを再構築し、
緊急用のプログラムに書き換える。
 それでも全ての制御は思う様にはいかない。

「私はここで落ちるわけにはいかんのだよ。ッチィ!」
「…抵抗は、無意味だ。」

 イチェブは強い思念を込めて敵機へ言葉を送信した。

「ん、戦闘中にメッセージ通信だと!?…な…」

 それを見たクルーゼは何故かその言葉が脳深くから発せられ、
奇妙な恐怖感が彼の中に湧き起こるのを感じていた。
 それは動物が本能的に感じる危機感の様なものなのだろうか。
 彼自身感じた事も無い感情を、困惑しつつも押さえ切れないことに苛立つ。

「…こ、この私が怯えている…だと!?」

 その時、彼の視界に一筋の光が走った。
 我々も唐突に生じた爆発音の方に目を向けると、小高い丘の地面を破壊され、
 そこから一隻の艦艇が目前を横切る様に飛翔したのだ。
 私の横に立つラミアス大尉が呟く。

「…アークエンジェル。」

 彼らの新造艦の名だ。

第5話終わり、第6話へ続く。
GW中は暫く更新出来なくなるんで、次回は早めに投下すると思います。
読んでくださいました皆様、いつも有り難うございます。

351 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/28(土) 00:45:25.82 ID:???


つくづくこういう大人な会話が出来る人間がいると話が違うわ
そもそも、ボーグはメタル刹那以上にやばいわけで
スタートレックもギャラクシークエストも好きなわたしには大好物です

352 :通常の名無しさんの3倍:2012/04/28(土) 20:09:49.59 ID:???
291です。
>351
 乙有り難うございます。
 確かに仰る通り種はジェインウェイに限らず、
 大人キャラが混入すると雰囲気は変わると思います。
 個人的な希望としてはアーチャーやピカード混入も見てみたいです。
(私はピカードのキャラを掴み切れないのでパスしました)
 Trek in SEEDネタは大人混入ネタになって、
 両作品のキャラ年齢のバランスは悪くないと思ってます。
 ただ、テクノロジー差はなかなか難しい部分ですね。
 普通に無双できちゃうんで。

353 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/03(木) 23:48:33.80 ID:???
1/9
291です。GWで今週末は書けないので、先に投下しておきます。
あと、まとめWiki見ました!凄いですね。編集された方に感謝です。
第6話「乗りかけた船」

 ZAFT軍クルーゼ隊母艦「ヴェサリウス」

「ぐはぁあああ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、
……ぉのれぇえええええ!!!!この私が負けた…だと!?
 あんなガラクタに一太刀も合わせずに…」

 クルーゼは燃える様な怒りを露にしつつ、頬を伝う雫の流れを感じていた。
 彼の脳裏に響き渡ったあの恫喝の声は、
聴こえなくなった現在でも、まるで近くから囁く様に彼を締め上げる。
 彼はこれまでこれ程の恐怖を感じた事は無かった。
 この手で誰かを手にかけることがあろうと、何らの感情も起こさずにやってのけてきたのだ。
 時には愉快さすらも感じながら。
 しかし、この時の彼はこれまで全てこなしてきた自分が、
初めて大きな敗北を喫したことにショックを受けていた。
 それは己の出自の次に認めがたい出来事だった。

 彼は壊れた機体から出ると、駆けつけた医療班を手で振り払い遠ざけた。
 この怒りに更に追い打ちを掛けるのは自分自身の身体だ。
 この様な時に追い打ちを掛ける様に軋むこの身体が心底恨めしい。
 彼はふらつきながらも自力で通路を歩いて行く。
 その場に居たものはそのあまりの気迫に圧され、誰一人として彼を止める者は居なかった。
 その姿はこれまで彼が見せていた余裕は微塵も無く、
その鬼気迫る雰囲気を感じ取り遠巻きに立ち尽くす他無かったのだ。

 僚艦のガモフには連合からMSを奪取した「赤服」を着た者達が帰還していた。

「第5プログラム班は待機。インターフェイス、オンライン。
 データパスアップ、ウィルス障壁、抗体注入試験開始。
 データベース、コンタクトまで300ミリ秒。
 第2班、パワーパックの極性に注意しろ。第4班は……」

354 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/03(木) 23:50:45.69 ID:???
2/9
 艦内アナウンスが流れる。
 慌ただしく作業を進めている作業員達の姿がある中で、
独り黙々とコックピットに座り、
キーボードを操作しながらモニターを凝視するアスランがいた。

「うわ!」
「あ!すまない!ついそっちまで弄ってしまった」

 作業員の驚きの声で慌てて操作を止めるアスラン。
 彼は先程までの戦闘を考えながら作業していて、
つい自分のエリアを超えたアクセスをしてしまったのだ。

「ああ、大丈夫です。外装チェックと充電は終わりました。
 そちらはどうです?」
「こちらも終了だ。……しかしよく出来たOSだ。これを連合が?」
「……確かに。このプログラムはまだ解析不能です。
 とても強固なプロテクトが掛かっていまして、
先程から様々な侵入プログラムを入れていますが、最初の2層は突破出来たのですが、
その後は尽く負けて、最後に出てくるメッセージが…」
「……抵抗は、無意味だ……か。馬鹿にしてくれる」
「……お前はまだ良い!」

 作業中の彼に声を掛けたのはイザーク・ジュールだった。
 アスランは振り向くでも無く作業をしながら彼に応じる。

「…イザーク、気にする事は無い。俺達は初陣だ。
 帰還するのも大事な任務だ。君が無事で良かったよ」
「フン。しかし、連合の奴らめ。
 こんな高性能な物を奴らが作れるはずはない。
 裏切り者が俺達に当てつけてくれる」

 アスランはイザークの物言いに引っかかるものを感じていた。
 彼の言う裏切り者とは連合に協力するコーディネイターのことを言う。
 いくらブルーコスモスと呼ばれる主義者の組織があろうと、
彼らも全くゼロから動く程愚かではない。
 主義主張が有ろうと力が無くてはダメだということくらいは理解している。
 その為に連合軍には少なからぬコーディネイターのエンジニアが開発に協力している背景がある。

355 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/03(木) 23:53:26.93 ID:???
3/9
 元はと言えばそれらコーディネイター達もプラントへの移住を望んでいた人々だが、
プラントが彼らの侵入を拒絶した背景もある。
 特にコーディネイターとナチュラルのハーフといった「亜種」に対する拒絶は大きい。
 勿論それらの問題も解決は可能だ。
 スペースコロニーは建設すれば幾らでも増設可能で、彼らを受け入れること自体は可能だろう。
しかし、可能性と現実は別ものだ。実際はその増設にも多大なコストがかかる。
 また、そうした地球出身のコーディネイターがスパイ活動をするのではないかという猜疑心もあった。
 如何に遺伝子を改変しようと、人の心までは変えようが無かったのだ。

 アスランには母を殺されたという明確な戦う理由がある。
 だが、イザーク程には好戦的な考え方はしていなかった。
 怒りや憎しみは勿論感じるが、それらは個人的な理由があるからであって、
それ以上の問題を持ち込めば混迷するだけだ。
 イザークの様に怒りを燃やせば、…行き着く先はブルーコスモスと何が違うのだろう。
 それは自身の父の変わり様を見てより強く感じていた。
 故に自戒する様に自重する。

「背景がどうなっているのか、俺には分からない。
 ただ事前の情報と大きく違ったのも間違いない。
 だがな、隊長が……被弾して帰還されたのは紛れも無い事実だ」
「にゃにぃ、隊長が!?本当か!」

 アスランからもたらされた予想外の言葉に驚くイザーク。
 彼からすればトップエースであり憧れの隊長が敗退するなど信じられない話だった。
 いや、彼だけではない。ZAFT内で彼が敗北するなどという想像ができる者は居ないだろう。

「あぁ、君らが帰還する前に機体の右手と左肩、そして左足を損傷して帰還されたそうだ。
…とても話せる雰囲気ではなかったと聞いている。
 それ以前に、それをやったのがデュエルという機体だったそうだ。
 …俺達が奪ったものと同シリーズだ。この意味はわかるな?」

 アスランは作業をやめてイザークの方を振り向いた。
 その時彼は一瞬二度見した。

「…フン、今更お前に言われるまでもない。必ず破壊する」

 イザークの自信に満ちた目がアスランに向けられる。
 彼の力強い答えを聞き、冷静に視線をモニターに戻すと話しを続ける。

356 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/03(木) 23:56:16.43 ID:???
4/9
「そうだ。そうしなければ、明日には俺達が撃たれる。
 次は大きな戦いになるかもしれないな。
 ……ところで、何故君は……その、ディアッカに抱えられているんだ?」

 そう、彼は何故かディアッカ・エルスマンにお姫様だっこされていた。
 しかも、彼の手はご丁寧(?)にもディアッカの首にまわっていた。
 それがあの自信に満ちた顔で抱っこされながら話しているのだ。
 ……彼じゃなくても誰だって二度見くらいはしてもおかしくはない。
 一瞬自分の目を疑いもしたが、現実とは……残酷なものだ。
 彼の指摘にイザークは今更ながら慌てふためいた。

「にゃ!?にゅ!?そ、それは!!!」
「はは、変な誤解はしないでくれよ。
 こいつ、慣れない姿勢を続けたせいでぎっくり腰になったんだぜ。
 で、一つも姿勢を動かせないと駄々捏ねてよぉ。ったく、世話焼けるぜ」
「そ、それは元はと言えばお前の操縦が悪いからだろぉ!」
「へいへい。全部俺が悪いんだよな?申し訳ございませーん。ってなわけだ?」
「ちょ、おま!?なんだその投げやりな!」
「…は、ははは」

 アスランはやり切れない思いを感じつつ、作業を取りやめて自室へと戻ることにした。

 艦長日誌補足
 シグーは撤退して行った。
 私はイチェブに対し深追いを禁じ、敵を追い払う事に留めた。
 我々の目前に現れた艦艇はアークエンジェルという連合の新造艦だ。
 優美な造形はおよそ軍の艦艇とは思えないデザインだが、
この艦が連合の中でも特別な存在である事は理解出来る。
 ラミアス大尉はこの母艦へ我々が集めた武器を運ぶ気だったようだ。
 艦に着いた我々は、
出迎えたバジルール少尉達から艦の深刻な人員不足についての説明を聞いた。
 どうやら最初の攻撃でブリッジクルーとなる士官は粗方亡くなり、
彼ら下士官と艦内で既に行動していたエンジニア等のクルーだけが助かった様だ。

357 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/03(木) 23:59:17.98 ID:???
5/9
「…しかし、さっきのアレ、凄いな。君はもしかしてコーディネイターか?」

 ヘルメットを片手にイチェブへ話しかけているのはフラガ大尉だ。
 その彼にイチェブは淡々と答えた。

「いえ、僕はあなた方の言うコーディネイターではありません」
「じゃぁ、ナチュラルか。いや、疑っているつもりはないんだが、
俺はこの新型に乗るはずだったひよっこ共の動きを見ていたから、
まさか同じ物であんなに凄い動きが出来るとは思えなかったんだ」
「元々のOSの性能であれば、あなたの言う通り何も出来なかったでしょう。
 でも、我々の社のOSを入れた今は問題有りません」
「我々の社?」

 イチェブの言葉に首を傾げる大尉に、私は改めて説明することにした。

「彼の言う通り、GAT-XのOSは我が社のOSに全て書き換えました。
 それにより誰でも操縦出来る程度には改善しました。
 彼は私の甥で、我々のテストパイロットとして乗ってもらいました。
 元々機械操作が得意という甥の好奇心を汲み取って手伝わせていたのですが、
今回は良い働きをしてくれたと思います。」

 大尉はその話を聞いてヒューっと口笛を一吹きして驚いてみせる。

「へぇ、それで初めての戦闘であれですか。良い甥っ子さんをお持ちですね。
 うちに欲しいくらいだ。しかし、ジェインウェイさん、
あなた方は今日始めてこいつと対面したはずじゃなかったんですか?」

 彼の視線が私を見据える。傍目には穏やかな表情を保っているが、彼も軍人だ。
 これほど「出来過ぎた話」に警戒をしない方がおかしいというもの。
 とはいえ、如何におかしかろうが事実は曲げようが無い。
 傍らにいるラミアス大尉やバジルール少尉も警戒しているのが伺える。
 私は心の中で溜息を吐くと、目線を滑走路に立つデュエルに移す。
 飽くまで私は「商売人」なのである。役割を越えるわけにはいかない。
 彼らの警戒を解くためには話すほかないのだ。

358 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/04(金) 00:03:49.14 ID:???
6/9
「……元々私達はモビルスーツのシステム開発に興味を持っておりました。
 そのため、自社でシミュレートして幾つかサンプルを作っておりましたので、
この短期で交渉を進められたという背景があります。
 たぶん、我々以外にも幾つかの社が候補にあがっていたと思いますが、
それらの社はいずれもそうした意欲を持っていたのではないかと」
「それであれだけ動くOSを一見もせずに作れるもんなんですか?」
「システムというものはある程度の汎用性が求められます。
また、対象となるものがロボットであるなら、
ロボットに必要とされるものを用意すれば開発はできます。
 問題はそのシステムとの最適化の度合いで、
既存のコードからネイティブに適応させるための変換を行う仕組みを用意する事で
動作させる事は十分に可能です。勿論、その完成度は各社で違うでしょうね。
 当社の技術がそれだけ優れているからこそ、ハルバートン提督は我が社を指命されたと自負していますわ」

 フラガ大尉は顎に手を当てて暫く考え込んだ様な表情を見せる。
 いまいち理解は出来ていないそぶりを見せるが、それでいい。
 私が嘘を言っている様に感じていなければいいのだ。

「……はぁぁ、ビジネスって奴は貪欲ですねぇ〜」
「それくらいの貪欲さがなくては、他社を圧倒する事はできませんわ。
 さて、一つ提案がありますの」

 次は私が攻める番だ。
 彼らは私の唐突な話に目をぱちくりとしている。

「提案?」
「はい。この艦が人員不足であることは理解しました。
 でしたら、文字通り乗りかけた船です。我々も一時的に軍へ予備的にご協力しましょう。
 私達にはどの道この艦に乗って脱出する以外に生存の道はなさそうですし、
困ったときはお互い様ということで、いかがです?
 その代わり、一宿一飯の恩は忘れないつもりですわ」
「……どうする?」

 私の提案に連合の士官である3人は相談した。
 バジルール少尉は状況を考慮して申し出を受ける方向で検討して良いと言い、
ラミアス大尉は軍の仕事に民間人を巻き込むのはどうかと不安な表情を見せる。
 しかし、フラガ大尉が現状ではこうした申し出は有り難い。
 不安が有ろうと選択肢は多くない現実を考えれば、
ここは申し出を受け入れるべきだと言ったことで、多数決上も受け入れで決まった。
 そして、私の提案が受け入れられたのを見て、少年達も同調し艦を手伝うことになった。
 余談だが先程話した通り、彼らの艦の殆どの上級士官は攻撃により死亡しており、
この艦の指揮は先任大尉はフラガ大尉だが、
艦に関する知識はラミアス大尉の方が専門ということもあり、彼女が指揮することになった。
 その副官としてバジルール少尉が就いた。
 フラガ大尉が粗方陣容が決まった所で私に尋ねる。

359 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/04(金) 00:06:59.68 ID:???
7/9
「ところで、ジェインウェイさんは軍での経験はおありですか?」
「はい。私は以前の職は米国空軍で働いておりました。
 当時の階級は大佐です」

 3人は勿論、周囲の少年達も驚いた表情を見せた。

「た、大佐!?…ぇえ!?!
 ……しかし、U.S.Airforceにジェインウェイという名の女性士官は聞いた事が…」
「オドンネル、……といえば分かるかしら。シャノン・オドンネル」
「あ、聞いた事ある!
 確か火星コロニー計画のイントレピット号の指揮官にそんな名が」
「あらご存知?大昔のことなのに。
 フフフ、その職の退職金で今の事業を初めたのですよ」

 ここに来て彼女の経歴が役に立つ時が来た。
 余談だが、当の本人には別の魅力的ビジネスを提示し、
 この時代の人類未踏の向こうを旅行気分で楽しんでいる事だろう。
 この任務にはキム少尉を当てている。しかし、繰り返す様だが、
この世界は私と何らかの因果があるのだろうか。
 こうした偶然はそう重なる物ではない。

「そういうことなら、
ここはオドンネルさんが我々の艦を操艦された方が良いのでは」

 ラミアス大尉が恐縮しつつ話す。
 他の二人も先程とは打って変わって姿勢が良くなった。
 無理も無い。
 米国は大西洋連邦の盟主であり、そこの大佐となれば彼らの上官である。
 ……何事も保険は用意しておく物だ。

「お三方、私はもう大昔に退役した部外者ですわ。そう恐縮為さらないで。
 それに私の名はキャスリーン・ジェインウェイでよろしく。
 …正直、へこへこされるのも困るのよ。指揮はフラガ大尉の仰る様に、私も全くの門外漢。
 ですから、ラミアス大尉が為さって。
 ただ、希望を話すなら、そうねぇ、最新鋭の宇宙艦の運用を見学したいと思っておりましたの。
 だから、ブリッジに何時でも入れる許可を頂けましたら幸いですわ。
 その許可を頂ければ、掃除婦でも何でも仕事を見つけてやらせて頂こうと思います」

 私の話にラミアス大尉が笑顔で答えた。

「そういう事でしたら、分かりました。
 私達もあなたのご意見を伺いたく思う場面が有ると思います。
 その時はお知恵を拝借出来れば幸いです」

360 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/04(金) 00:09:19.62 ID:???
8/9
 大尉は深々と私に頭を下げた。
 私は微笑んでそれをなおし、固く握手をした。
 その後は荷物の積み込みや出発準備で大忙しとなった。
 そして、やれることを仕上げ出航準備も整った頃。

「キラくん!」
「あ、ラミアス大尉」

 ラミアス大尉は通路を歩くキラ少年を呼び止めた。
 突然呼び止められて戸惑う少年。

「ちょっと良い?」
「あ……はい」

 彼女は人気の無い場所へ移動すると、彼に小声で切り出した。

「あなた、コーディネイターよね?」
「……はい」

 彼は観念した様に固く目を閉じて歯を食いしばった。
 しかし、彼の想像する様なものは何も起きなかった。
 それどころか、

「……やっぱり。でも、私はブルーコスモスみたいな偏見は無いわ。
 ただ、この艦の中にはそうした偏見を持つ人もいると思う。
 だけど、あなたが悪いわけではないのだから、堂々としていて。
 正直私があなたを巻き込んでしまったみたいなものだから、何か有ったら私に言って頂戴」
「…有り難うございます。あ、の、ラミアス大尉」
「マリューで良いわ。キラくん」
「あ……はい。マリューさん」

 彼女は彼の立場を心配して気遣ってくれたのだ。
 連合軍の中にも普通に接してくれる人がいる。
 それはたぶん、もの凄く小さな可能性の一つなのかもしれないが、
その可能性がここで起きてくれた事を正直に感謝したい気持ちになった。
 だが、そんな気持ちで居続けられる程、現実は甘くない。

「あ、でも、一つ言っておくわ。私はあなたが嫌ならいつでもMSを降りて貰う。
 これはサービス心で言っているんじゃなくて、私達はアレに命を預けているの。
 …確かに強引なこと言っていると思う。
 だけど、あれは中途半端な気持ちで乗っていい物じゃない。
 あなたは、それでもあれに乗る?」

361 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/04(金) 00:14:03.53 ID:???
9/9
「…わかりません」
「そうよね。唐突に言われて、はい、やります!…とは行かないわよね。
 でも、だからとノリだけで乗られても困るし。
 やる気が無いなら乗らない方が一番だと思うわ」
「…ぼくは…」

 キラ少年が何かを言いかけたとき、ラミアス大尉は彼の口もとにそっと手を当てて止めた。
 彼女の表情は穏やかで、口元に触れる手の温もりが心地よい。

「…正直な所、今この艦には大尉のメビウスとイチェブ君のデュエルと、
あなたのストライクだけしかない。ここであなたがやめて戦力が一つ減るのは痛いわ。
でも、あなたは軍人じゃない。便宜的にあなた達は志願した事になっているけど、やめても良いの。
 あなたの代わりを務める必要があるのは私達の方なのだから。」

 ラミアス大尉の言葉はとても有り難い話だった。
 しかし、だからと事態が好転するわけではない。
 彼女の言っていることは本当だ。
 自分がやめて機体が一機使えなくなるということは、
危険に晒される可能性が増える事を意味する。
 この戦いを回避すれば、いずれはVST社の人々によってOSの問題は改修されるだろう。
 だが、この時点での改修はジェインウェイ社長は無理だと断じていた。

「僕は……戦います」
「キラ君?」
「僕がここで逃げても、いずれ誰かが代わってくれるかもしれない。
 でも、戦わなかったら…そのいずれはやって来ないかもしれない。だったら、僕は戦う。
 みんなを守りたいし、死にたくない。死なせたくない!」

 その時、警報が鳴った。
 CICに就いたミリアリアの声が艦内に響く。

「総員、第一戦闘配備。
 パイロットはモビルスーツで待機してください。
 作業員の皆さんは戦闘モードに移行してください。繰り返します…」
「…僕、行きます!」
「そう。わかったわ。みんなで生き残りましょう!」
「はい!」

 二人は決意を胸に、それぞれの持ち場へと駆けて行った。

第6話終わり。第7話に続く。
では、今週末分は本日投下させて頂きました。お楽しみ頂けましたら幸いです。
GW後の投下は5/12頃は不在ですので、5/15日くらいを予定しています。
皆様よいGWを。ノシ

362 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/04(金) 00:34:13.42 ID:???
投下した後に気が付きましたが、

 この怒りに更に追い打ちを掛けるのは自分自身の身体だ。
 この様な時に追い打ちを掛ける様に軋むこの身体が心底恨めしい。

という部分は

 この怒りに更に追い打ちを掛けるのは自分自身の身体だ。
 この様な時に軋むこの身体が心底恨めしい。

と脳内変換でお願いします。表現が稚拙で申し訳有りません。
あと、wiki見ていて、第5話の5/13冒頭

「…すみませんでした。なんか僕、無茶苦茶やちゃって。」

「…すみませんでした。なんか僕、無茶苦茶やっちゃって。」
に脳内変換でお願いします。うは。

他にも誤字脱字がございましたら、ご報告頂けましたら有り難いです。
それを見て脳内変換方法(おい)を告知させて頂きます。本当にすみません。

あと、今回はwikiの編集を参考にちょっとだけ工夫しました。
wiki編集者の方には本当に感謝です。

363 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/04(金) 07:45:16.25 ID:???
>この艦の指揮は先任大尉はフラガ大尉だが
フラガ大尉はパイロットを乗せてきた艦のクルー

364 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/04(金) 09:30:02.89 ID:???
マフティー先生は何処ェ…

365 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/09(水) 00:22:15.66 ID:???
バーニィが種・種死の世界に来てしまったら、というのが頭に浮かんだ
スレ違いかもしれんが、バーニィがステラとかそういう人たちを見たらどうおもうんだろう

366 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/09(水) 00:50:38.61 ID:???
バーニィには何も出来ないんじゃないかなぁ・・・
正確には、行動に出るけど命を落としてしまう・・・
悲しいかな、バーニィに歴史を変える事は多分出来ない
第三者として目の前の出来事を見過ごす事も出来ない

ヘリオポリスに転生しても、ストライクに乗ったりするかねぇ?
鹵獲したジンあたりに乗ってる方が似合うよね?

367 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/09(水) 01:08:42.60 ID:???
種死だったらアスランの乗るはずだったザクでガンダムに挑む姿が見える

そして戦死

368 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/09(水) 04:30:19.91 ID:???
もしも種世界の海に突如秋ノ島新島が隆起してきたら

369 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/09(水) 23:57:03.80 ID:???
もしもヘリオポリスでアークエンジェルに乗り込んだのが武蔵の外道共だったら

370 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/11(金) 18:26:29.67 ID:???
>>362
遅ればせながら乙です。スタトレ未見ながら、海外SF好きなので雰囲気で楽しめてます。
技術的な交流もさることながら、種の既存キャラが丁寧に描かれていてGood。
やっぱキャラクターが魅力的だと読む方も目が滑らないというもんです。
切れるクルーゼには違和感を覚えもしましたが、今後の描写次第で
むしろ斬新なクルーゼ像として肯定的に捉えられそうな安心感もあり。
続きをwktkしながら待たせていただきます。全裸で。

371 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/11(金) 22:51:56.92 ID:???
>>362

同じく乙
マリューが割りとすんなりなじんでるな
というか船長のまえだとなぜかより若く見えるのは正確のせいか
ちょい敵側がエキセントリックすぎるのと妙なネタがちょいと雑味かな
アスランのヅラネタとかは話しの雰囲気的に微妙というか浮いてる
それいがいは、掛け合いもクロスとしてのキャラの反応もとてもいい
とくにキャラ同士の差は見てて面白い あとボーグマジスゲー

372 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/16(水) 22:20:08.93 ID:???
291です。暫く旅に出ておりました。
コメントへのレスは後ほど。
1/7
第7話「抵抗は無意味だ」

 ヴェサリウス艦橋
 クルーゼはスクリーン越しにブリーフィングをしていた。
 スクリーンの向こうはガモフのパイロット待機ルームだ。

「…我々はあの新造艦を今後足付きと呼ぶ。足付きには我々が取り損ねた2機のMSがある。
 アスラン、ディアッカ、ニコル、君らが持ち帰ってくれたお陰で、私の失態も首が繋がろう。
 そして、ミゲル。君の持ち帰った戦闘データも興味深い。諸君らも知っての通り、
あれのOSの出来は……次元を超えている。
 連合があれほどのシステムを整備して立ち向かってくる時、
……それは我々の破滅の時と言っても良い代物だ」

 クルーゼの言葉は、スクリーンに映る面々は勿論、艦橋のクルー全員が同意する話だった。
 彼らは鹵獲した機体のOSをハックしようと何度も試みた。
 しかし、それは全て失敗に終わり、全ては…

「……抵抗は、無意味だ。
 ……ですか。馬鹿にしている」

 アスランの発言もまた、この場の皆が共通に認識する屈辱的ワードだった。
 とはいえ、それが嘘ではないから始末に悪い。
 ニコルも深刻な面持ちで語る。

「でも、確かに我々の力では及ばない高度なプロテクトがされていました。
 あのプログラムは本国の最先端の演算システムを用いても、
 ……天文学的計算を要して解けるか……といったレベルでしょう」
「ニコル、お前は悲観的過ぎる。
 イザークぐらいカラッと熱いくらいが丁度いいんだぜ?」
「にゃ、にゃにぃにゅぐぐg」

 イザークは反発する途中でディアッカに口を押さえられてしまった。
 そのディアッカはクルーゼに問う。

373 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/16(水) 22:24:49.17 ID:???
2/7
「隊長、鹵獲機体、使うんですか?…機体の解析は済んでいます。
 それに、今の所使う分には問題も無いし、何よりあのOSは親切な程使いやすい。
 でも、中身は全くのブラックボックスだ」

 クルーゼもディアッカの言う事は理解していた。実際にシステムを触れもしたのだ。
 彼の言う通りOSはこちら側を受け入れるどころか、細かい微調整もしてくれる程至れり尽くせりだ。
 これほどのシステムを遊ばせておくのは勿体ない。だが、それだけに罠の危険性もある。

「……勿論、罠かもしれんな。だが、あれらを野放しでジョシュアに持ち帰らせてみたまえ。
 ……戦況は一層厳しい物となるだろう。ならば、使える物を使う他あるまい。
 我々は元々圧倒的に量を不足している。奴らに時を与えるだけで、……我らは時をも敵に回すだろうよ」
「……では、使うんですね」
「その通りだ。だが、念には念を入れる。私もただしてやられてばかりでは癪だからな。
 向こうがその気ならばこちらも対応するまでだ。作戦は予定通り執り行う。出せる機体は全て使う。
 ジンには本国と掛け合ってD装備の許可を取得済みだ。これより…我々は鬼ともなろう」
「……隊長。了解しました」

 ディアッカはクルーゼの決意を悟った。
 それを聞いていたクルー達もまた、クルーゼの非情なる決断を受け止めていた。


 地球連合軍アークエンジェル艦橋では、ラミアス大尉が息を切らして部屋に入った。
 艦はバジルール少尉のもと発進準備が進められていた。
 彼女の遅れに入口に立っていたフラガ大尉が怒鳴る。

「遅いぞ!」
「すみません!状況は?」
「……ヘリオポリス外壁に攻撃、そこから数機のMSが侵入したのを、
ヘリオポリスのモニターシステムから探知した。その中には鹵獲された機体も含まれている」

 彼女の前に話しながら現れたのはアニカ・ハンセンことセブンだ。
 彼女の隣には私も付いていた。

「ハンセンさん!?それにジェインウェイさんも。その情報はどうやって?」

 彼女の疑問は当然だろう。
 本来のアークエンジェルにはそのような情報を収集する機能は無い。

374 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/16(水) 22:32:14.50 ID:???
3/7
「我々はコンピューターシステムとサイバネティクスのスペシャリストです。
 我々の方でコロニーのシステムをハックしました。まぁ、緊急時ですから問題ないでしょ?
 さて、この出航、私もここでしばし見学させて貰いますよ。
 あと、アニカ(セブン)には整備チームに参加させて貰っても良いかしら。
 彼女の技術力は必ず役に立ちます」

 私は彼女の目を見据えた。
 彼女は半ば圧倒された様子で私の提案を了承した。

「…わ、わかりました。そのようにお願いします。大尉のモビルアーマーは?」
「ダメだ。出られん」
「では、フラガ大尉にはCICをお願いします。ミリアリアさん、艦内通信を開いて」
「はい」

 ラミアス大尉は艦長席のマイクを手に取ると、姿勢を正して話し始めた。

「アークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスより全クルーへ告ぐ。
 本艦は再び戦闘に入る。シェルターはレベル9で警報を維持しており、
我々の目標はヘリオポリスからの脱出を最優先とする。
 戦闘ではコロニーを傷つけないよう留意せよ!…先の攻撃にも耐えた皆の武運を信じる。以上」

 アークエンジェルが発進した。
 セブンにはまずは機関室へ向かわせた。

 ……彼女にはこの間にエンジンの出力効率の改善を指示している。
 連合軍が開発した機器はとてもエネルギー消費効率が悪い。
 セブンはこの効率をシステムの改良で3割の改善を見込んでいる。
 完全な整備にはシャトルを呼ぶ必要があるが、差し当たって3割の消費効率改善は十分だろう。
 言い換えればそれだけ杜撰なシステムで無駄に浪費しているとも言えるが、
長い航海を想定してもエネルギーが潤沢にあって困る事はない。

 状況次第では何らかの策を練らねばならないが、
本当に緊急の状況に陥ったならばヴォイジャーがある。
 アステロイドベルトからではあるが、ヴォイジャーには我々の行動をモニターする様に命じてある。
 その気になればこの距離ならば瞬時に到達する事が出来る。
 だが、出来ればそうならない様にしなくてはならない。
 なぜなら我々の存在を知られる事による新たなる問題の方がずっと大きいからだ。

 ……少なくともここは地球だ。
 地球人とは事を構えたくないものだ。

 MSハンガーでは整備員達が忙しく駆け回っていた。

375 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/16(水) 22:34:42.02 ID:???
4/7
「3番コンテナ開け!ソードストライカー装備だ!」

 マードック軍曹の威勢のいい声が飛ぶ。
 ハンガーの作業員達は大忙しで戦闘準備をしていた。

「……ソードストライカー?剣か。ビームだと穴を空けちゃうかな」

 キラは緊張しつつシステムを調整していた。
 そこにデュエルに乗るイチェブが話しかけてきた。

「キラ」
「イチェブさん」
「イチェブで良い。怖ければ無理をするな」
「うん、でも、倒さなくちゃ」
「…そうだな。だけど、ジェインウェイ社長ならこういう。
 生きて帰れと」
「うん」
「大丈夫だ。僕がお前を射たせはしない。全ての障害は排除する」
「……うん」

 ブリッジではトノムラが敵の機体を探知した。

「接近する熱源1。熱紋パターン、ジンです!」
「なんてこったい!拠点攻撃用の重爆撃装備だぞ!あんなもんをここで使う気かっ!?」

 フラガは機体情報を見て驚愕した。
 彼らの武装はとてもコロニー内での戦闘を考慮した物ではなかったからだ。
 トノムラが続けて探知した情報を読み上げる。

「タンネンバウム地区から更に別部隊侵入!うち、一機はX-303、イージスです!」
「ストライク、デュエル、発進させろ」

 バジルール少尉の命令下、二機が出撃する。
 続けて少尉は誘導弾兵器コリントスを装填しレーザー誘導で敵面前での誘爆を仕掛け、
MS隊の発進を支援する。
 彼女の判断は実弾兵器がPS装甲へ与える効果が薄い事を考慮した上での目くらましだが、
この判断が結果的に良かったのは彼女にも運が味方しているからだろうか。
 比較的戦えるデュエルが先行し、不慣れなストライクは母艦付近で待機する体制をとった。

376 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/16(水) 23:06:32.71 ID:???
支援

377 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/16(水) 23:18:08.90 ID:???
5/7
「オロールとマシューは戦艦を!そして、ズラ!
 無理矢理付いてきた根性、見せてもらうぞ!」
「……あぁ、だが、俺の名前はズラじゃない。ア・ス・ラ・ン・ザ・ラ・だ!」
「なんか言ったか、知ってるぞ?……お前のお父上も隠れだってこと。
 いくら優秀にコーディネイトしても…頭は超えられない壁だったようだな」
「……俺の事は良いが、父上のことは言うな。……本人も相当気にしている」
「…………そうか。……すまない。…………ってなわけで、落ちろ!!!」

 彼らは散開して攻撃を回避しつつ各自アークエンジェルへの攻撃を開始した。
 しかし、その攻撃を尽くビームの正確な射撃が相殺する。

「でたな、化け物兵器め!」
「……抵抗は、無意味だ」

 イチェブのデュエルはアークエンジェル付近から相当の距離が有るにもかかわらず、
正確にミサイル誘導を利用して追い込み、ビームに当てていた。
 OSのアシストもあるが、彼の場合はボーグの正確な計算能力もある。
 全ての分岐予測を一度に複数命令発行出来る彼の頭脳は、行く通りかの敵の行動予測を瞬時に立てられる。
そして、それら全ての「敵の抵抗可能性をゼロ」にするのがボーグシステムの対応能力だ。
 勿論、本来はそれらの計算のために敵を予めスキャンする必要があるが、
この時代の現行モデルのデータは既に全て取得済みである。スキャンをするまでもないのだ。

 イチェブの正確な精密射撃振りにキラは感心していた。
 何より彼が一番感心したことは、敵を倒すのに自分の武装だけに頼る必要は無いということだ。
 こんな簡単なことではあるが、張りつめた状況では冷静に思考を回すのは難しい。
 それだけに、イチェブという仲間が居る事がとても頼もしく思えた。
 イチェブも攻撃しながらキラの様子を伺っていた。
 彼の精神はとても弱いが、OSを書き換える等の知識や行動力は非凡な物を持っている。
 彼程の理解力があるなら、自分の行動からヒントを掴むだろうと考えていた。

378 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/16(水) 23:22:02.68 ID:???
6/7
「厄介なのはデカ物よりお前か!
 なら、これならどうだ!!!」

 ミゲルの命令でジンから次々に砲撃が走る。
 それは一見するとアークエンジェルへの攻撃に思えたが、微妙に照準がズレていた。

「ん」
「あぁ!?」

 イチェブは敵の攻撃が的外れであることを悟り、
無駄な消費を避けて無理に撃ち落とさなかった。
 しかし、キラは気付き驚愕した。
 イチェブも彼の驚きを瞬時には理解出来なかったが、
まずい事態になったのは悟った。
 キラの周囲を過ぎ去った弾丸は大地に着弾し大爆発を起こす。
 そして、同時に大地を急速に亀裂が走った。
 避難民達の逃げたシェルターでは悲鳴が起こり、不安が渦巻いた。

『警報レベルが10に移行しました。
 このシェルターは救命艇としてパージされる可能性があります。全員…』

 亀裂の入った地域に設置されていたシェルターが、
大地の崩壊に合わせてパージされ始める。
 そのパージの動きは次々と連鎖して起こり、
構造を繋いでいたバランスが崩壊し始めた。
 遠心力が渦を描く様に構造物を宇宙へと解き放って行く。

「ズラ!!お前何処へ行く!」

379 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/16(水) 23:58:29.99 ID:???
7/7
 ミゲルが叫ぶ。
 アスランが先行するのを見て、それが明らかに作戦と違う行動だったからだ。
 そのアスランはイージスを駆り、自慢の機動力で戦艦からの攻撃を巧みに避けてキラに迫る。
 彼は幼なじみがあのストライクに乗っているのか、実際にこの目で確かめたい頭で一杯だった。

「ちょ、ズラじゃない!って、くそ。
(ミゲルとの通信をカットし)キラなのか!!」
「アスラン!?」
「キラなんだな!」

 キラはイージスのパイロットがアスランであることに戸惑っていた。
 いや、この予想はずっと彼の頭の中にもくすぶっていたことだ。
 しかし、実際にお互いを認識をしてしまった現在では、もはや不安等は関係無かった。
 問題は幼なじみと戦わなくてはならないという残酷な現実だ。
 死にたくはないが、死なせたくもない。
 あんなに一緒だったのに、どうして違う色を纏わなければならないのだろう。
 ……本当は同じコーディネイターなのに。

「ズラ!手柄は貰ったぁーーーー!!!」

 二人が半ば放心しているその時、アスランのコックピットに通信の声が入る。
 ミゲルは二人がどういうわけか分からないが立ち止まったのを好機と捉えたのだ。
 アスランの後方から現れた彼は、サーベルを構えキラをその間合いに捉えた。

「ぐぅ!」

 警報音が鳴り響く中、キラは咄嗟に反応してそれを受け止める。
 強い衝撃と共にGが掛かるのを感じた瞬間、唐突にそれが消えた。
 デュエルのビームは正確にミゲルの機体を貫通させていたのだ。
 ジンは頭部から垂直にビームで打ち抜かれ爆散した。

「ミゲルゥウーーーーーーーーーー!!!」
「ウワアアアアアアーーーーーーーー!」

 ミゲル機の爆発により両機が爆風で弾かれる。
 そのままキラとアスランの両機は、大地に開いた大穴から宇宙空間へと放り出された。
 アークエンジェルの艦橋では彼らが弾き出されても何らのしようもなく絶句した。
 イチェブが残りの敵機を攻撃するが、敵のジンはコロニーコアを砲撃し破壊して離脱した。
 全てのバランスが崩れ、最早誰にもこの崩壊を止められない。

 ついに、ヘリオポリスは完全崩壊を始めた。

第7話終わり 第8話へ続く。

380 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/17(木) 00:19:12.77 ID:???
291です。
投下終了です。有り難うございました。

>363
 認識していますが端折っちゃいました。すみません。

>370 & 371
 お楽しみ頂けている様で有り難いです。基本的には私の好きに書いているネタ話なので、
全体的には微妙なネタもちりばめて行きますが、真面目にもやって行きますので。(汗
 キャラの立ち位置とかについては、今後の展開で違う路線に行く人も出てくると思います。
 それの善し悪しはともかくとして、ある意味「違う宇宙」を楽しんで頂けたら幸いです。

 次の第8話の投下は明日か明後日辺りを予定しています。
 あと、そのうち簡単な資料とか作れたら良いなと考えてます。
 いつも見てく下さっている皆さんやWikiの編集の方、有り難うございます。

381 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/17(木) 22:02:44.85 ID:???
GJ!
元ボーグパネェな。
アスランのズラ疑惑はザフトでは有名なのか気になる。

382 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/18(金) 08:17:01.59 ID:???
アスランの親父にまでズラ疑惑が・・・悲劇やな

383 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/18(金) 15:34:52.83 ID:???
wikiで知って昨日一気読みしました。
スタトレは全然知らないけど大人なキャラが多くて好みです
てか危機対処の安心感が異常w
文章も読みやすいし久しぶりに先が楽しみなSSだ

384 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/18(金) 18:00:19.12 ID:???
>>382
わざわざ禿げるよう遺伝子調整するわけないから、答えはそうなるなw

385 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/18(金) 23:17:50.77 ID:???
291です。つづきを投下します。1/8
第8話「ヘリオポリス崩壊」

「X-105ストライク、応答せよ!X-105ストライク、
聞こえているか?応答せよ!X-105ストライク、応答せよ!」
「…………ヘリオポリスが…壊れた…どうして…」

 バジルール少尉の声が通信装置の向こうから聴こえてくる。
 だが、彼にはそんな声は耳に入らなかった。
 目前に広がる光景を見れば、誰もが声を失うだろう。
 つい数時間前までは平和に暮らしていた大地が、無惨にも崩壊を続ける状況を見つめているのだ。
 だがその時、何かが気になった。

「……あれは、ヘリオポリスの救命ポッド?
 ……それに、あれは?」

 キラは機体をそっとそちらへ向かわせた。

 艦長日誌補足
 我々はアークエンジェルの乗員として志願し、形式的に連合軍に所属する形をとった。
 満足な物資の積み込みも出来ずに敵襲に追われ出航することになったこの戦艦を、
我々は無事にハルバートン氏が率いる第八艦隊へ届けなくてはならない。
 しかし、ZAFTによる攻撃は常軌を逸する行為であった。
 彼らは拠点攻撃用武装を施したMSを投入し、あろうことかコロニーコアを破壊。
 ヘリオポリスは崩壊を始めた。……多数の民間人の犠牲は避けられないだろう。

「こうまで簡単に……脆いとは……」

 フラガ大尉が思わず口に出したその感想は、端的に目前の状況を言い表していると言える。
 数時間前の堂々としていた姿は見る影も無く、コロニーは外郭部が細かく崩壊し、
周辺宙域はデブリの海と化した。
 彼の呟きに構わず、バジルール少尉は宇宙に消えたX-105ストライクへの呼びかけを続ける。

「X-105ストライク!X-105ストライク!キラ・ヤマト!
 聞こえていたら…無事なら応答しろ!」
「…あ!…こちらX-105ストライク、…キラです」
「はぁ……無事か?」

 バジルール少尉が彼の声に思わず安堵の溜息を吐く。
 彼女も内心は気がかりだった様だ。

 キラ少年の方は声は落ち着いているが、内心はざわついていた。
 それでも現状を漂っているわけにはいかない以上、現実に戻る他無い。

386 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/18(金) 23:27:28.98 ID:???
2/8
「……はい。」
「こちらの位置は分かるか?」
「はい。」
「ならば帰投しろ。……戻れるな?」
「……はい。(……父さん、母さん、無事だよな)」

 キラ少年の無事が確認されたことで、ブリッジでは皆安堵の息を漏らしていた。
 彼の帰還は時間の問題だが、問題はこれからどうするかだ。

「で、これからどうするんだ?」

 フラガ大尉が腕組みをしながらラミアス大尉を見た。
 視線を向けられた側の表情は険しい。

「本艦はまだ、戦闘中です。ザフト艦の動き掴める?」

 トノムラにセンサーを確認させるが、彼の声も芳しくない。

「無理です。残骸の中には熱を持つものも多く、これでレーダーも熱探知も……」

 彼女の問いも虚しく、敵の動きは掴めそうになかった。
 しかし、フラガ大尉は冷静に彼女に問いを投げかける。

「ほぉ、向こうも同じと思うがね。追撃があると?」
「……あると想定して動くべきです。尤も今攻撃を受けたら、こちらに勝ち目はありません」
「……だな。こっちには、あの虎の子のストライクとデュエル、
俺のボロボロのゼロのみだ。艦もこの陣容じゃあ、戦闘はなぁ。
 最大戦速で振り切るかい?かなりの高速艦なんだろ?こいつは」
「向こうにも高速艦のナスカ級が居ます。振り切れるかどうかの保証はありません」

 フラガは自分で振っておきながら、八方塞がりな状況に苦笑を禁じ得なかった。
 それでも振った以上は何らかの答えを出さなくてはいけない。

「……なら素直に投降するか?」
「……え?」
「へっ、……それも一つの手ではあるぜ?」

 ある種の義務感とでも言うべきか、彼も自分で言葉にして尚更馬鹿馬鹿しくも感じていたが、
選択肢にはこれも間違いなく存在する。

 人は普段、自分のしたい方向のみをピックアップする傾向があるが、
実際には「選びたくない選択肢」もまた存在するという現実を直視する必要がある。
 緊急ではない場合やさして重要ではない時であれば、自分の選びたい物だけを並べるのも構わないが、
このような緊急事態では大尉の「馬鹿馬鹿しい答え」も時に選ばざるを得ないのだ。
 彼は自ら三枚目的な選択肢を選んで、彼女達にやんわりと現実を直視させた格好になる。
 なかなか良い視点を持っている若者だ。……とはいえ、彼にもそれ以降の考えは無かったらしい。

387 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/18(金) 23:33:06.06 ID:???
3/8
 私は二人のやり取りを静かに聞いていたが、
事の成り行きに不透明感が増したのを見て彼らの話に割って入った。

「……お二人とも、ちょっと良いかしら?」
「ジェインウェイさん」
「若者が二人揃って随分悲観的な話ね。あなた達、今がチャンスなのよ。
 進路は月へ行くのなら、一心不乱に月を目指すべきよ」
「しかし、本艦は物資の積み込みも満足には……」
「だったら、望み通りに物資を積み込めば良いのよ」
「それは、何処で?」

 彼らの視線が私に集まる。
 私は不敵に笑顔を作って言った。

「…ゴミ拾いなんてどうかしら」
「ゴ、ゴミ拾い?……それって、……まさか!?」
「……そう、有るじゃない。ユニウス7という巨大な廃棄物が。」

 私の言葉に周囲が動揺する。
 ラミアス大尉も戸惑いながら私に返答する。

「……しかし、墓荒らしの様な事をしては」
「あら、生きるためには仕方の無い事よ」
「そうですが……でしたら、近くにアルテミスがあります。そちらを目指す方が……」
「フフ、………敵はこう思うでしょうね。
 溺れる物は藁をも掴む……新兵レベルの安易な判断で最短の補給場所を目指すに違いないと。
 ……そう、今あなたが話したのはそういう事よ?」
「新兵レベ!?……確かに、仰る通りです」

 私の言葉に彼女の表情が引きつる。しかし、図星だ。

「だったら、彼らの裏をかくなら今よ。
 少尉を回収後すぐに急発進し、ユニウス7経由で月を目指すの。
 ユニウス7はデブリ帯なのだから、身を隠すにも丁度良いわ。
 手順としてはデコイは3方向へ飛ばす。一つは月、もう一つはアルテミス。
 最後はアメノミハシラへ。そして、私達もデコイにならなくてはだめよ」
「私達がデコイになる?」
「そう、敵は私達が素人集団と侮っているわ。なぜなら、彼らがわざわざ上級士官を殺したのだから。
 彼らはそれを元に思考し、我々がデコイを使ってアルテミスへのサイレントランを決め込むと見るでしょう。
 だから、私達は盛大に盛り上げたデコイである必要があるわ。素人程デカイ花火を上げたがるものだから」
「……成る程。さすが大佐」
「元よ。元。煽てても何も出ないわ。
 さ、善は急げよ。もたもたしていたら年老いちゃうわ」

388 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/18(金) 23:43:02.54 ID:???
4/8
 私の提案に感心するラミアス大尉。
 そこにまだ納得出来ないという表情のフラガ大尉が問いかける。

「……しかし、予想が外れた場合は?」

 彼の不安は尤もだ。実戦を経験している場数から言えば、彼女よりずっと冷静な視点を持っている。
 その彼を納得させられなければ、彼ら全員を納得させられ様もない。

「……敵の戦力は鹵獲したXシリーズが3機に、ジン数機と壊れたシグーかしら。
 他にも何が有るか分からない。対して我々の戦力は2機。数の上では圧倒的に不利ね。
 でも、戦闘は数じゃないわ、頭よ。Xシリーズは私達の方がずっとよく知っている。
 シグーは壊れている。残りは世代遅れのジンのみ。……十分に戦えるわ」
「その条件そのままなら、確かに逃げ切れなくはないのかもしれない。
 でも、あなたの言う想定は変動するし、増援のリスクもあるのでは」
「その通りね。でも、よくよく考えてみることね。
 連合がこの宙域に大っぴらに艦艇を回せないのは何故かしら?」
「……それは、ここがオーブ領域だか……あ!?」
「そうよ。連合が回せない艦艇を、ZAFTが大っぴらに出して来れるわけがないのよ。
 彼らが出して来た今回の艦艇も、作戦行動に必要な最低限として計画されたでしょうね。
 これ以上の艦艇を宙域に浮かべれば、幾ら何でも連合は勿論、オーブ艦隊にも警戒される。
 だから増援は政治的にも戦術的にも送れないのよ。
 …とすれば、彼らの使える戦術は現段階で有る物に限られる」
「しかし、あの拠点攻撃装備はどう見るんです?」
「本来の使用目的はXシリーズとこの艦を破壊するために許可された物と見るべきね。
 敵の指揮官は随分と非道の様だけど、ZAFTはコロニーコミュニティよ。
 コロニーの大切さは、それこそ血のバレンタインでよーく知っているはずだわ」
「……お見それしました。降参です。そこまで考えて仰っているなら、俺が口を挟む余地はありません」

 彼は先程までの険しい表情はやめ、明るい笑顔を見せた。
 彼との会話は周囲のクルー達にも良い影響を与えた様だ。
 私に対する視線が……勘違いでなければ良いが、羨望の様なものを含んでいる。
 この雰囲気のうちにさっさと決めてしまいたい。

「納得してくれた様ね。
 何を言っても……仮に戦闘出来ると踏んでいても、無用なリスクを払うのは得策じゃないわ。
 私達は識別信号も持たない漂流者なんでしょう?なら、一刻も早く仲間と合流するべきね」

 その時、バジルール少尉が突拍子も無い剣幕で大声を上げた。

「なんだと!!!ちょっと待て!誰がそんなことを許可した!!!」

 あまりの剣幕に驚きつつ、ラミアス大尉が彼女に尋ねる。

389 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/18(金) 23:53:51.37 ID:???
5/8
「バ、バジルール少尉、何か?」
「…ストライク帰投しました。ですが、救命ポッドとシャトルを保持してきています」

 両大尉が少尉に負けないくらい大きく驚きの声をあげた。
 バジルール少尉とキラ少年のやり取りは続く。

「…認められない!?認められないってどういうことです!
 ポッドは推進部が壊れて漂流してたんですよ?シャトルもシステムエラーで動かないそうです。
 それをまた、このまま放り出せとでも言うんですか!?避難した人達が乗ってるんですよ!?」
「すぐに救援艦が来る!アークエンジェルは今戦闘中だぞ!避難民の受け入れなど出来るわけが……」

 受話器越しに熱く会話するバジルール少尉の肩に、ラミアス大尉がそっと手を置いた。

「いいわ、許可します」
「…艦長?」
「今こんなことで揉めて、時間を取りたくないの。…収容急いで!」
「分かりました、艦長」

 しかし、分かったという彼女だが、その割には不満顔だ。
 ラミアス大尉はバジルール少尉の目を見る。

「少尉、言いたい事はわかるけど、私達も軍人である前に人よ。
 それに、私達は彼らの世話になってこの艦を建造した。
 彼らには借りがある。…とハルバートン准将なら仰られるんじゃないかしら」
「……」

 少尉は沈黙し、反論する事無く彼女の命令に従った。
 心の内には何らかの思いも有るだろうが、軍人らしく留めたのだ。
 この少尉の姿勢は褒めるべきことだが、私はそれより大尉の決断に通じるものを感じた。
 荒削りだけど正しく教えれば、彼女は軍の中に蔓延する人種差別の波を押し返す力となるかもしれない。
 軍はボランティアや正義の味方ではないが、人道を忘れてしまえば獣とさして変わらない。
 非道さは戦争に付き物かもしれないが、手段と目的を履き違えることは避けたい。
 どんな軍隊であっても、その力を行使する最大の目的は防衛のための戦力として存在すべきであり、
我々が力を使う最大の理由は命を守る事でありたいものだ。
 しかし、私がその手助けをすべきかどうかは正直わからない。

 我々はキラ少年が回収してきたポッドとシャトルの前に来ていた。
 そこにあったのは、我々のシャトル「アーチャー」だった。
 セブンによると、トゥヴォックはシャトルのエンジンがシステムエラーにより故障した様に偽装したようだ。
 私はシャトルが自社の物である事をラミアス大尉に告げ、予め謝意を告げていた。
 彼女はシャトルが我々の物であると知って安堵していた為、
中から出てきたトゥヴォックとも問題無く交流を済ませた。

390 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/18(金) 23:58:03.61 ID:???
支援

391 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/18(金) 23:59:33.67 ID:???
6/8
 残るは民間人のポッド。
 一応安全の為に武装したクルーを数人ドア付近に立たせてハッチが開けられた。
 出て来た人々は何の危険も無い普通の民間人達だった。
 我々は武装したクルーを引かせて、彼らに計画通りに乗船の誘導をした。
 その時、キラ少年の肩に乗っていた緑色の羽を伸ばした小鳥型のロボットが、
開かれたポッドの入り口へと向けて飛び立った。思わず少年がその後を追う。

「……あっ!……あ、ああ…」
「トリィー、トリィー」

 小鳥は1人の赤いロングヘアの少女のもとに止まった。

「……あ!」

 少女は突然自分の肩に止まった鳥に驚いていた。
 そこにキラ少年が彼女の前へ現れる。彼女は彼を見てどこかで見た既視感を感じ記憶を探る。
 少年は放心した様にその場に立ち尽くしていた。

「……」
「あー、貴方、サイの友達の」

 彼を見ていてようやく彼女の記憶の中に見知った顔が思い出された。
 少年の方は彼女が自分の事を覚えていた事に、急速に心拍数が上がるのを感じていた。
 それだけじゃない。体中の熱が上昇するのを感じる。彼は意を決して口を開いた。

「フ、フレイっ!…だっ。ほんとに、フレイ・アルスター。
 このポッドに乗ってたなんて」

 自分でも何を言っているのか半ば分からなくなりつつも、
偶然救出したポッドに彼女が乗っていた事が心底嬉しかった。
 そんな彼の感情はおかまい無しに、彼女はこの場にいることに戸惑っていた。

「ねえ、どうしたのヘリオポリス!どうしちゃったの、一体何があったの」
「……」
「あたし、あたし……フローレンスのお店でジェシカとミーシャにはぐれて、
一人でシェルターに逃げ、そしたら……」
「……」

 少年もどう説明して良いか戸惑っていた。
 フレイは少年が要領を得ないことに苛立ちを感じつつも問いかける。

「これ、ザフトの船なんでしょ?あたし達どうなるの?なんであなたこんなところに居るの?」
「こ、これは地球軍の船だよ」
「うそっ!?だってモビルスーツが」
「あ、いやぁ、だから、あれも地球軍ので……」
「……え」
「で、でも良かった。ここには、サイもミリアリアも居るんだ。もう大丈夫だから」

392 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/19(土) 00:06:25.26 ID:???
7/8
 一方その頃、ZAFT軍クルーゼ隊母艦「ヴェサリウス」の艦橋では

「このような事態になろうとは…。いかがされます?
 中立国のコロニーを破壊したとなれば、評議会も……」

 アデスは作戦の失敗に戸惑っていた。
 D装備の許可が出たといっても、それは艦艇へ向けてのものと理解していたのだ。
 幾ら何でも積極的にコロニーを破壊するなど許される様な話ではない。
 しかし、実際にクルーゼは部下にコアへの攻撃を指示したのだ。
 だが、当の本人は意に介していない。

「アデス、君は何を勘違いしている。
 地球軍の新型兵器を製造していたコロニーの、どこが中立だ」
「……しかし、我々のした事は」
「……フッ、住民の殆どは脱出している。我々は彼らを攻撃したのではない。
 連合との戦闘で『運悪く』壊れたにすぎん。さして問題はないさ。
 血のバレンタインの悲劇に比べればな。それに、君も同意しただろう?」
「…う」

 クルーゼの言葉は嘘であることは間違いないが、
それが全て間違っているわけでもなかった。
 アデス自身、本国がD装備の許可を出している時点で、
最高評議会がこの事態を想定していたと考えられることは理解出来ていた。
 しかし、自分達がされた事を他国の無辜の民にしてしまった事は、些か心咎めるものを感じていた。
 とはいえ、血のバレンタインの言葉はその先を言わせないだけの力が有った。

「敵の新造戦艦……足付きの位置は掴めるかね?」

 クルーゼの質問に、オペレーターは崩壊熱等による探知不能を告げた。
 そこにアデスが問う。

「まだ追うつもりですか?しかし、こちらには既にモビルスーツは」
「あるじゃないか。地球軍から奪ったのが3機も」
「あれを投入されると?」

 クルーゼは頷く。しかし、アデスは彼の自信が不安で仕方なかった。
 最初の侵入し、MS奪取まではまぁ良かった。
 だが、動かしてみればOSはブラックボックスで、相手側の機体には翻弄されていた。
 そして、極めつけが隊長ですら敗退して戻ってきていることだ。
 得体の知れない力の差を感じているとも言えた。

「しかし……」

393 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/19(土) 00:08:52.11 ID:???
8/8-1(※目算誤って分割通り行きませんでした。汗)
「OSがブラックボックスだから怖い……とでも言うのかね?それこそお笑いぐさだ。
 我々は相応の準備は済ませたのだ。何も怖がる必要はない。
 考えても見たまえ、彼らはナチュラルだ。
 確かに彼らが我々より鹵獲機体に詳しいことは間違いない。
 それは先の戦闘データが示している。
 だが、彼らはまんまと我々の攻撃にやられ、ブリッジクルーは木っ端みじんだ。
 足付きが素人のクルーでどこまで出来るか…フフフ、宙域図を出してくれ。
 ガモフには索敵範囲を広げるよう伝えろ」

 ガモフの廊下で一人の赤服の少年が立っていた。

「…キラ」

 アークエンジェルの食堂では加藤ゼミの面々が再開を祝っていた。
 フレイ・アルスターは婚約者であるサイ・アーガイル少年と抱き合い、熱々っぷりを見せつけていた。
 そんな姿をキラ少年が黙って見つめていた頃、
ブリッジではユニウス7へのサイレントランの準備が進んでいた。

「では、デコイ発射と同時に、ユニウス7への航路修正の為、補助エンジンの噴射を行う。
 3番デコイとして本艦がメインエンジン噴射。その後は艦が発見されるのを防ぐため、慣性航行に移行。
 第二戦闘配備。艦の制御は最短時間内に留めて交代監視……でいいですね」
「ユニウス7までのサイレントランニング、奴らが上手く騙されてくれればその後は通常航行に戻れるが、
それまで最低でも5時間ってとこか。…後は運だな」

 ヴェサリウスの艦橋でも追尾の準備が進められていた。
 アデスは一抹の不安を拭い切れず、再度クルーゼに進言した。

「奴等はヘリオポリスの崩壊に紛れて、既にこの宙域を脱出しているのではないですか」
「いや、それはないな。どこかでじっと息を殺しているのだろう。網を張るかな」
「網……でありますか?」

 アークエンジェル艦橋でバジルール少尉が威勢良く命令する。

「1番、2番、3番、デコイ宙域待機!」
「デコイ、1番、2番、3番、待機完了!」

 ラミアス大尉が艦長席からクルー達を見回し、すっくと立ち上がる。

「本艦はこれより1番デコイ発射と同時にユニウス7への進路へ航路修正、
2番デコイの30秒後にメインエンジン噴射、その30秒後に3番デコイ発射でいきます」
「1番デコイ発射!」

 バジルール少尉の威勢の良い命令の声が艦橋に響く。
 デコイの発射に合わせて補助エンジンで艦の針路修正を完了した。

394 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/19(土) 00:12:42.48 ID:???
8/8-2
 ヴェサリウス艦橋では作戦会議が行われていた。

「…ヴェサリウスは先行し、ここで敵艦を待つ。
 ガモフには、軌道面交差のコースを、索敵を密にしながら追尾させる」
「アルテミスへでありますか?しかしそれでは、月方向へ離脱された場合……」

 クルーゼの作戦にアデスが疑問を呈した時、オペレーターが彼らに報告する。

「大型の熱量感知!初現、解析予想コース、地球スイングバイにて月面、地球軍大西洋連邦本部!」
「…ん!?」

 アデスは実際にクルーゼの言う通りにデコイの発射を見て驚いていた。
 アークエンジェル艦橋では…

「メインエンジン噴射!ユニウス7への慣性航行開始!
 ……ふぅ、みなさん、ご苦労様です。
 あとは5時間をリミットに交代で監視に当たってください。
 では、私は少し休ませて貰います」
「あ!?」

 CICに座る少年達が駆け寄る。
 ラミアス大尉はクルーへ労いの言葉を掛けて席を立ち、
ブリッジを出ようとしたところで気を失い倒れた。

 ヴェサリウスでは尚も作戦会議が行われていた。
 アデスは初現の方向が月であったこと、
3射目もユニウスセブン経由で月方向であったことに危機感を感じていた。

「隊長!一つ目と三つ目は月方向だったんですよ?本当に良いんですか?」
「…そいつは囮だな」
「しかし、念のためガモフに確認を」
「いや、やつらはアルテミスに向かうよ。
 考えても見たまえ、テスト問題の選択肢の不正解肢の常套は同じ方向の答えだ。
 本当の正解肢はそれ以外にあるものだよ。ならば答えは2つに一つ。
 そして、アメノミハシラは彼らを受け入れまい…となれば、残るは一つではないか。
 フフ、ヴェサリウス発進だ!ゼルマンを呼び出せ!」

 その頃、ガモフの廊下ではまだ赤服の少年が宙空を眺めていた。

「(ラスティ……ミゲル……)」

第8話終わり。第9話へ続く。

395 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/19(土) 00:12:47.97 ID:???
支援

396 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/19(土) 00:23:57.01 ID:???
投下終了です。有り難うございました。
wikiの編集者の皆様、7話の早速の掲載有り難うございます。

前回の7話の5/7の

行く通りかの敵の行動予測を瞬時に立てられる。……は
幾通りかの敵の行動予測を瞬時に立てられる。……に訂正です。申し訳有りません。

ご覧下さいました皆様、いつも有り難うございます。
アスランのヅラネタについては、今後暫くお休みになると思います。
ヅラの活躍を楽しみにされていた方(いないって!)には申し訳有りません。
ヅラ先生の次回作の活躍を乞うご期待!(謎

397 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/19(土) 18:14:42.09 ID:???
>>368
監視者「マーズ、地球人は危険だ、地球を爆破しろ」
マーズ「そうだね」
地球あぽーん

398 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/19(土) 20:10:08.44 ID:???
GJです!
ザラパパにヅラ疑惑が出てきたらザフトは荒れるな。

399 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/22(火) 11:48:07.15 ID:???
マフティー先生ェ…

400 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 18:09:44.53 ID:???
忙しくて暫く投下する余裕有りませんでした。
その代わりというか、今回は長めです。
1/14
第9話「サイレントラン」

 沢山の民間人が集められた一室で、アークエンジェルのクルーが呼びかける。

「避難者の皆さんの中に、お医者様はいらっしゃいませんか?
 ……あ!、お医者様ですか?」

 クルーの呼びかけに一人の男性が彼の方へ振り向いた。

「はい、そうです。」
「お手数ですが負傷者が居るんです。後で診て頂けませんか?」
「良いですよ。今すぐ伺いましょう」

 クルーの呼びかけに応え、一人の医師が立ち上がった。

 艦長日誌補足
 我々は崩壊するヘリオポリスから救出した『ポッド』の人員の扱いを検討した。
 避難民の収容場所として充てられたのは比較的広めのスペースのあるブリーフィングルームだ。
 多人数を収容するには十分とは言えないが、この艦でこれ以上の広さを持った部屋となるとそう多くない。
 彼らには悪いが自由に動かれても問題がある。
 予め設備を撤去してフラットにした室内に、簡単な区割りをしてブースを設営した。
 設備の設営に当たったのは、普段は整備をしている整備チームだが、さすが工作の腕は一流だ。
 何を作らせても安心といったところだろうか。だが、それでも全ての人数が満足に眠れるわけではない。
 しかも、彼らの監視役にも人材を割く必要があるが、この艦は深刻な人員不足にある。
 そこで私はバジルール少尉に、予備的に協力してもらえる人員がいないか募集する様提案した。
 何も全てをクルーに任せる必要は無いのだ。彼らも生き残る為ならば協力するだろう。
 また、艦内の必要任務に協力する者や、積極的に協力する者には個室を設定する事で、
 彼ら自身の向上心にも訴え、狭いブリーフィングルームの過密化を回避した。

401 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 18:13:37.59 ID:???
2/14
 この提案をした当初は少尉も難色を示したが、彼女も背に腹は代えられない現実を受け入れる。
 募集はこの艦が喪失している医者やエンジニアといった必要不可欠な人員を中心に集め、
その他女性等には厨房を交代で任せ、男性にはこれら市民のいる「市民区」の保安員として編成し、
彼らにこの区域の保安や人員管理は勿論、掃除等の身の回りの管理も任せる事にした。
 これにより不足人員を満たすと同時に移動導線を確定し、
避難所の人員を無闇に分散し野方図に動かれる心配が無くなった。
 こうした采配については、私は既に一度経験していることもあり問題無く進める事ができた。
 それを見てバジルール少尉も安心した様で、滞り無く艦内整備は進んでいった。

 余談だが、この艦での私の役割は彼等の要請で『アドバイザー』という役職がつき、
階級上の便宜も彼らと同等ということになった。
 トゥヴォックも設定上は空軍時代の私の直属の部下で副官という設定なので、
 階級上も当時の階級は少佐に設定されていることから本来は『彼らの上官』だが、
 私と同じ扱いとして民間保安員の育成を請負っている。
 セブンは技師として整備チームに協力…というより、彼らのトップとして君臨している。
 ……彼女の美貌に整備陣も骨抜きの様で、マードック軍曹を中心に見事な忠誠っぷりだ。
 残るイチェブは既にパイロットとしてキラ少年と共に少尉の階級が与えられている。
 そんな我々の部屋は4人で同じ部屋を寝室として宛てがわれる事になった。
 トゥヴォックはせめてもう一室要求すべきだと進言していたが、
私は民間人である身分を理解して行動するべきだと、彼の善意の提案ではあったが却下した。

 サイレントランから5時間が経過したが、
アークエンジェルは非常消灯を継続し慣性航行を続けていた。
 予想通りZAFTは我々のもとへは来なかったが、ラミアス大尉は倒れ、艦の状態も万全とは言えない。
 私達はその間にこの艦で未完成な部分の補完や調整をする事にした。
 セブンは丁度機関が停止状態にあることから機関部を再調整し、
上手く行けば以前の出力効率より70%は向上するだろう。
 技術を刷新するわけにはいかないが、最適化することは可能だ。
 要は地球人が現状の技術で理解出来て、
自分で整備出来る範囲に留まるならば何をやっても良いと言える。

402 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 18:14:56.93 ID:???
3/14
 彼女の話によると、この艦には巨大なレーザー核融合パルス推進装置があるそうだ。
 原始的ではあるが核融合炉の原型が既にここにあるということは興味深い。
 彼らがニュートロンジャマーから立ち直るために、
何故核融合炉へ進もうとしないのかはわからないが、推測するに燃料の重水の問題だろう。
 月は現状で連合の支配下にあるが、全世界を賄う程の量には達しないだろう。
 そうなると火星や木星への航路が開けなくてはならないが、
宇宙の制空権はZAFTにあると言っても良い現状を鑑みるに、彼らは強行に対抗せざるを得ないのだろう。
 しかし、そこはZAFTも譲れない一線か。

 食堂では加藤ゼミの学生達が休憩時間を楽しんでいた。
 私とトゥヴォックも離れた窓側の席に座り、ゆっくりと珈琲を飲んでいた。
 カズイ少年が好奇心をもって発言する。

「どこに行くのかな、この船」
「あぁ、一度、進路変えたよね。まだザフト、居るのかな」

 彼の問い掛けに答えたサイ少年の発言は、5時間経過後に行われた針路修正の事を言っている。
 サイレントランが終了してからも、安全を取って最大24時間の慣性航行を行っている。
 通常航行で走る選択肢もあるが、周辺宙域にZAFT艦が居る可能性を考え慎重に行動しているのだ。

「この艦と、あのモビルスーツを追ってんだろ。じゃあ、まだ追われてんのかもなぁ」
「えー、じゃあ何?これに乗ってる方が危ないってことじゃないの。やだぁ、ちょっとぉ」

 トール少年が言っている割に楽しそうに話すのに対し、アルスター嬢は露骨に嫌がっている。
 それを聴いてキラ少年の顔が曇った。
 彼を気遣う様にミリアリアさんはアルスター嬢を嗜める。

403 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 18:16:47.99 ID:???
4/14
「壊された救命ポッドの方がマシだった?」
「そ、そうじゃないけど……」

 彼女はばつが悪そうに答える。だが、発言を修正した所で、
放たれた言葉が作り出した雰囲気は変わらない。
 皆落ち込み沈黙する。

「……親父達も無事だよな?」
「避難命令、全土に出てたし大丈夫だよ」

 カズイ少年の言葉は、その場の全ての者が共通に感じていることだろう。
 そして、サイ少年の言う通り、確かに避難は速やかに行われていた。
 だが、果たしてあの崩壊で全員が無事でいられるだろうか。
 少なくとも我々が戦闘したエリア周辺に避難した住民の安否は定かじゃないだろう。
 仮に戦闘で損傷を受けずとも、運が悪ければフレイ・アルスターの乗っていたポッドの様に取り残されたり、
瓦礫と衝突して破壊される危険性はある。
 その時、廊下から一人の男がカリカリとして入ってきた。
 その表情は随分とストレスが堪っている様に伺える。

「キラ・ヤマト!」
「は、はい。」
「マードック軍曹が、怒ってるぞぉ。人手が足りないんだ。
 自分の機体ぐらい自分で整備しろと。」

 フラガ大尉は腕組みをして彼らの前に立ち、キラ少年の方を見る。
 振られた側は唐突な話に驚いていた。

404 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 18:18:27.30 ID:???
5/14
「僕の機体……?え、ちょっと僕の機体って……」
「今はそういうことになってるってことだよ。
 実際、あれには君しか乗れないんだから、しょうがないだろ。」
「それは…しょうがないと思って2度目も乗りましたよ。
 でも、僕は軍人でもなんでもないんですから!」
「いずれまた戦闘が始まった時、今度は乗らずにそう言いながら死んでくか?」
「……。」
「今、この艦を守れるのは、俺とイチェブ、そしてお前だけなんだぜ?」
「……でも……僕は」
「君は、出来るだけの力を持っているだろ?
 なら、出来ることをやれよ。そう時間はないぞ。悩んでる時間もな。」

 キラ少年の顔は困惑の表情を隠せなかった。無理も無い。
 年端の行かない少年に、それも数時間前までは普通の学生だった彼に、
いわばいつでも戦地へ行ける様に整備しろと言っているのだ。
 どちらがおかしいと言われれば命じる側だろう。とはいえ、フラガ大尉の言う事もまた正しい。
 何もしなければ射たれる可能性があるならば、何とかしてそのリスクを取り除く方がずっと正しい選択だろう。
 ただし、理屈の上では分かったとしても、果たしてこの少年は耐えられるのか。
 そこにサイ少年が大尉に尋ねた。

「あの!……俺も戦うことは出来ませんか?」
「へ?君が?」

 唐突な提案に、今度はフラガ大尉の方が戸惑った。
 一方、そう発言した少年の顔は真剣そのものだ。

「はい、キラ1人に背負わせるのは忍びないです。
 出来る事なら代わってやれる体制は、作れないんですか?
 キラが出来ないなら、俺が……」

405 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 18:20:16.55 ID:???
6/14
 その眼差しに嘘偽りは無く、心からキラを守りたいという意志が見てとれた。
 大尉としても出来る事ならその提案は受け入れてやりたいところだが、
 意志が有る事と出来る事は違う。現実とは理想通りには行かない。

「ん、あーーー、気持ちは嬉しいがなぁ、ストライクは彼にしか動かせないんだ。」

 彼の発言に、真っ先に反応したのはサイ少年ではなくアルスター嬢だった。

「え!?なに?今のどういうこと?あのキラって子、あの……」
「君の乗った救命ポッド、モビルスーツに運ばれてきたって言ってたろ。
 あれを操縦してたの、キラなんだ。」
「えー!あの子……?」
「ああ。」
「でもあの……あの子……なんでモビルスーツなんて……」

 アルスター嬢は困惑していた。
 まさか自分を助けた人物がキラ少年だったと聴いて、尚更先程の発言に恐縮する思いだった。
 でも、疑問も湧く。フラガ大尉は彼にしかMSは操縦出来ないと言った。
そして、MSはZAFTのコーディネイターが作ったもの。
 大尉はMAに乗っているという話であるから、余計に彼女の腑に落ちない。
 そこにカズイ少年が呟く。

「キラは……コーディネイターだからね。」
「カズイ!!!」

406 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 18:26:30.77 ID:???
7/14
 カズイ少年の言葉にその場の全員が驚き、思わずトール少年が彼の名を呼び制す。
 しかし、もはや修正はきかない。
 目を伏せるキラ少年を見て、サイ少年はその痛々しい程に沈んだ彼を何とかしたかった。
 でも、気の利いた言葉は浮かばない。
 それでも、彼の代わりに言ってやらなくて何が友達だろうか。
 彼はそう考え、自分自身で言える出来る限りの言葉を探した。

「……うん……キラはコーディネイターだ。でも、ザフトじゃない!
 俺達と同じオーブの普通の学生だ!なのに、命がけで戦場に立ってくれたんだ!」

 彼の言葉にアルスター嬢は何も言えなかった。
 だが、そこにあえて発言する者が居た。

「……そうか。坊主はコーディネイターだったのか。
 じゃなけりゃ、出来損ないのOSを書き換えるなんて無理だよな。
 あ、俺は言っとくが偏見とかは無いからな。そりゃ、驚いたけどさ。
 まぁ、この艦にはブルーコスモスかぶれも居るかもしれないが、
少なくとも俺はそんな奴は許さない。でもな、与えられた運命から逃げようって奴は、
俺は軽蔑するぜ?……みんな逃げたくても逃げられないんだ。
 なら、立ち向かうしかないっしょ?」

 キラは自分の中でラミアス大尉とのやりとりを思い出していた。
 彼女もまた彼と同じ様に自分の存在を認めてくれた。ならば答えは一つだった。

「……僕、整備を手伝いに行きます。」
「おう!行ってこい!」

 キラ少年が立ち上がり足早に出て行く。
 フラガ大尉の言葉は彼らにも良い刺激となった様だ。

ーーーーーー
ここでしばし投下休憩します。たぶん、おさる規制されちゃうし。
次の投下は暫く後のいつもの時間帯辺りを予定しています。

407 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 21:21:30.12 ID:???
乙。続き待ってます。

408 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 21:52:56.03 ID:???
8/14
「……うん、あたし達の仲間。キラは大事な友達よ。
 私達も頑張って支えなきゃ!さぁ、仕事に戻りましょう!」

 ミリアリアさんもまた、そう話すとキラ少年の分の食器を持って返却口へ返しに立った。
 それを合図とする様に、その場にいる皆が立ち上がってそれぞれの持ち場へと出て行く。
 残されたのはアルスター嬢1人だった。
 彼女は全員がその場から消えた後も、暫くその場に座っていた。

「……ちょっと良いかしら?」

 私はトゥヴォックを残し、一人彼女のもとへ歩み寄り問い掛けた。
 彼女は唐突な私の呼びかけにワンテンポ遅れた返事を返す。

「あ、……はい。」

 私は彼女の向かい側へ座った。
 俯き加減の彼女の表情は暗く、自分自身でも色々と思うところは有るのだろう。

「すまないけど、あなた達のやりとりを向こうで見ていたわ。落ち込んでいる様ね。」
「え、あ、……大丈夫です。」

 口では大丈夫といっても、実際は大丈夫ではないからこうして座っているわけで、
彼女の言葉をそのまま受け入れるならば、そもそも私がここに来る事は無い。
 私は彼女の目を見て言った。

「そうかしら。……あなた、コーディネイターは嫌い?」

409 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 22:02:35.14 ID:???
支援

410 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 22:21:32.78 ID:???
9/14
 少々唐突では有るが、彼女にストレートに投げてみた。
 案の定、直球に戸惑っている様子だが、素直に返答してくれた。

「え!?………わかりません。でも、戦争を始めたのはZAFTだってパパが」
「そう。でも、それは連合が核でプラントを焼いたからでしょう?」
「……。で、でも……」
「えぇ、ZAFTはそれ以上の報復をしたわ。エイプリルフールクライシス、
……世界中でエネルギー不足で亡くなった人は数億人を数える。人類への大罪ね」
「……はい」
「でも、それは組織が悪いのであって、人ではないの。
 勿論、人が組織を作るものだけど、人1人では何も出来ないでしょう?
 それはナチュラルもコーディネイターも同じじゃなくて?」
「……」
「傷つけられた人の思いは大きな憎悪になる。
 でも、憎悪は新たな憎悪を生み出す起爆装置でもあるわ。
 ……憎んで戦えば、新しい憎しみを作ってしまうの。
 冷静さを欠いた人類は、これまで幾度となく戦争をして、
傷付き、そして懲りたはずだけど、時が過ぎると忘れてしまうのよ」
「……でも、戦わないと殺されちゃいますよ」
「……そうね。だから戦う。それは自然なことよ。私も何も戦うなとは言わないわ。
 なぜなら、人類は戦う知恵を付ける事で進化してきたのですもの。
 最初は環境に打ち勝つ為に、次は同族同士の縄張り争いに勝つ為に。
 そして今は、一体……何と戦っているのかしら?」

 彼女は私の問い掛けに真剣に考えていた。
 暫くの間のあと、彼女は思い切って口を開く。

「……人種の壁?」
「ふふ、違うわ。……エゴよ。所有欲であったり、商売としてであったり。
 ……始まりはプラントの独立を承認しなかったから。
 それは何故?……プラントは連合国家の所有物だったから。
 コーディネイターが優秀だというなら、そしてナチュラルが彼らに打ち勝つというなら、
 どうすれば良かったのかしら?」

411 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 22:23:22.71 ID:???
10/14
「………私達が譲るんですか?」
「いいえ。権利を主張するには義務を負わないといけないわよね?
 ……コーディネイターは独立が欲しいなら対価を払う必要があったでしょうし、
ナチュラルは彼らが干上がらない常識的な範囲で権利を認めてあげる必要があった。
 そうすれば、連合は傷付かず負債を背負わずに済むし、プラントは自分達の自由と権利を主張出来る。
 ……この戦いの始まりはその縺れ。差別は後付けに過ぎないわ」
「……パパは何も詳しい事は話してくれなかった。でも、薄々は感じていたわ。
 だけど、私にはパパしかいないのに、いつも仕事で……その理由はコーディネイター絡み。
 本当はコーディネイターなんてどうでも良いの。私は……一人になりたくなかったから」
「……そう。寂しいわね」

 私は立ち上がり、彼女の元へ歩み寄りしっかりと抱きしめた。
 彼女も私の胸にすがるように顔を埋める。
 戦争は多感な少年少女の心に歪みを作る。
 どんな時代にあっても、それだけは変わらない現実だ。

 その頃、アークエンジェルを追撃していたはずのヴェサリウスでは……

「アスラン・ザラ、出頭致しました!」
「……あぁ、入りたまえ」

 クルーゼの執務室に入ったアスランは、中の惨状に驚いた。

「……た、隊長?」

 クルーゼは一息ついて彼の方を振り向いた。
 相変わらずの仮面姿だが、汗がしたたっているのが見える。
 荷物はスーツケースが7つもあり、彼はその七つめを必死に閉じようとしていた様だ。
 …一体7つものスーツケースの中身は何が入っているのだろう。

412 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 22:26:27.44 ID:???
11/14
「ヘリオポリスの崩壊でバタバタしてしまってね。君と話すのが遅れてしまった」
「はっ!先の戦闘では、申し訳ありませんでした」
「ん?あぁ、その事か。懲罰を科すつもりはないが……まぁ、
尤も私にはその権限は無いが、話は聞いておきたいな。
 あまりにも君らしからぬ行動だったからな。アスラン」

 クルーゼの問い掛けに、アスランは俯いたまま何も話さなかった。
 いや、話せないでいると言った方が正しいか。
 彼は仕方なく問い掛ける方向を変えてみた。

「あの機体が起動した時も、君は傍に居たな?」
「……申し訳ありません。思いもかけぬことに動揺し、報告ができませんでした。
 あの最後の機体、あれに乗っているのは……キラ・ヤマト。
 月の幼年学校で友人だった、コーディネイターです」
「……ほぉ」

 クルーゼからすれば、彼の話などはっきり言えばどうでもよいことだった。
 とはいえ、将来を有望視されている部下が思わぬ大ぽかを犯した事は気になっていた。
 彼の行動は咎められ様も無い。所詮は新兵のミスとして多めに見られて不問になるだけだ。
 しかも彼らはエリートなのだから尚更だろう。だが、彼の口から出た名前には興味を覚えた。
 アスランはそんな彼の心中など知らず、ただ恐縮して理由を述べている。

「まさか、あのような場で再会するとは思わず、どうしても確かめたくて……」
「……そうか。戦争とは皮肉なものだ。君の動揺も仕方あるまい。
 仲の良い友人だったのだろう?」
「……はい」

413 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 22:35:57.18 ID:???
12/14
「分かった。そういうことなら仕方ない。
 だがな、戦場での動揺は命取りになると忠告はさせてもらう。
 君だけじゃない、共に戦う仲間にも危険が及ぶ。
 さて、君を呼んだのはこの話の為じゃない。今日からこの部屋は君の部屋だ。
 ……私はガモフで本国に帰る事になった。笑ってくれたまえ。
 先の戦闘の失態の結果だ」
「ええ”ーーーっ!あぁ、失礼しました」

 クルーゼの唐突な話に、アスランは普段の彼からは考えられない大声で驚いた。
 彼が驚くのは無理も無い。ZAFTでもトップエースと言えるあの隊長が左遷されるのだ。
 彼じゃなくとも驚かない方がおかしいというものだ。

 自分の出した声に慌てて恐縮してみせた所で、出した後では意味が無い。
 クルーゼも彼の驚き振りに苦笑混じりに受け止めつつ話す。

「フフ、入れ替わりで本国からナスカ級が一隻加わる。
 君らにはこの後も足付き追撃の任務についてもらう事になった。
 アスラン、いや、ザラ隊長。……後任を頼むぞ。アデスと共に頑張ってくれたまえ」

 クルーゼはアスランの肩をしっかりと掴んで引き継がせたことを認識させる。
 掴まれた方は目を白黒させているが、このくらいの反応がなくては彼も面白くないというものだ。

「は、はい!……って、それはいつからですか?」
「本日付けだ。本日より正式に君はこの部隊をザラ隊として指揮する。
 明後日にはナスカ級が到着する。艦長はグラディス女史だ。
 ……彼女はやり手と聞く。頼りにする事だ」
「……自分が、隊長……ですか」

 アスランは隊長が去ることだけでも驚きだったのに、まさか自分が部隊長になるとは思いもしなかった。
 いや、驚く程度では済まされない。これからは自分が決断して行かなくてはならないのだ。
 新兵として実戦を経験したのはごく僅かの自分に、本国は何を考えているのだろう。
 そもそもこのような指示を出すのは十中八九で自分の父しかいない。親馬鹿ここに極まれりである。
 とはいえ、それ以前に父はその程度で自分を据える程愚かな人物ではないことは理解していた。
 彼が考えているのは自分を手足として利用することである。
 いずれはその様な時も来ようかと思っていたが、まさかこのタイミングでとは……。
 このような重責が担えるだろうか?……などと悩んでいる余裕はない。
 やるしか無いのだ。

414 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 22:38:50.80 ID:???
13/14
 クルーゼとてこの件は腑に落ちない面がある。
 クラインは一体何をしているのか。
 ザラにここまで自由にさせて大丈夫かと言いたいところだ。
 だが、あの連合のMS用OSは充分に潮目を変えるだけの材料だったのだろう。
 自分自身でも正直驚かされた「ナチュラル」の本気というものを見たと言うべきか。
 世にコーディネイターが生まれども、所詮は作り物。自然には勝てないのだろう。
 ……そう考えると、どうもおかしく感じられてしょうがない。
 所詮は砂上の楼閣。……吹けば消える様な危うさは拭えないということか。
 半ば放心状態のアスランに、クルーゼは穏やかに声をかけた。

「……急なことで驚くのは無理もない。だが、本国の決定だ。私は従うまでだ。
 さて、すまんが私の荷物を運ぶのを手伝ってくれるかな?」
「はい、お持ちします!」

 アスランはクルーゼの大量の荷物を共にガモフに運んだ。
 ガモフに搭載されていた機体はブリッツ以外は全てヴェサリウスに移送し、
その後見送りすることもなく静かにクルーゼを乗せて帰って行った。

ーーアークエンジェル医療室

「……この怪我もありますが、相当疲労を溜め込んでいる様ですね。
 怪我の処置は問題無く済みました。
 体力の回復のために生食を一本射っておきますので、
半日程度は安静にさせた方が良いでしょう」

 ラミアス大尉は倒れたまま意識が戻らず眠っている。無理も無い。
 彼女はこの艦の艦長として慣れない仕事を精一杯やっていた。
 クルーの安全を守り任務を遂行することは、口で言う程優しい事ではない。
 この場にはフラガ大尉とバジルール少尉、そして私が立ち会っていた。

「半日の安静か。その間の指揮は、バジルール少尉。あんたの出番だぜ?」

 大尉は腕組みして立ちながら彼女に話しかける。
 振られた少尉の方は、普段通りの生真面目さで応対する。


415 :通常の名無しさんの3倍:2012/05/31(木) 22:41:35.41 ID:???
14/14
「分かっています。本艦は現状の慣性航行を維持し、
ユニウス7を経由して月を目指すのに変わり有りません。
 慣性航行の終了が大尉の復帰の時期と丁度重なるでしょう。
 私はその間までラミアス大尉の分まで頑張る所存です」

 この彼女の返答に、フラガ大尉は思わず吹き出した。

「っぷ、くく」
「…何がおかしいんですか?大尉」
「いやぁ、ほんとに真面目だなぁ〜って」
「……お言葉ですが、大尉が規格外過ぎるのです。私は至って普通です」
「……そうねぇ。少尉が本来の軍属の有るべき姿よね」
「ジェインウェイさん」

 少尉は私の間の手に目を輝かせていた。
 彼女はからすれば、上官が認めてくれるということは何よりの勲章なのだろう。
 大尉の方は私の言葉に面白くない様だ。

 確かに彼の言う事は一理ある。
 彼女がこの真面目さでどこまで耐えられるのか。鉄面皮といえど女なのだ。
 どんなに軍人として生真面目に頑張っても、それだけでは続けられないのも現実だ。
 彼もそうした事を理解しての彼流の諭し方なのだろうが、
彼女からすれば『彼には言われたくない』と言ったところだろうか。
 ここは私の出番だろう。

「でも、大尉の言う様にあまり肩肘張らずに頑張って。
 あなたまで気を張りすぎて倒れたら、
今度はそこの規格外の彼が指揮することになるんですから」
「ちょ、ジェインウェイさん!」
「ぷ、ふふふ。はい。気をつけます」

 非常照明で暗い艦内だが、ここでは明るい笑いの花が咲いていた。

第9話終わり。第10話へつづく。
投下終了です。支援など有り難うございました。

416 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/01(金) 00:04:42.47 ID:???
投下おつおつ
こうして見ると、大人というより”親”が要る環境だったんだなぁ、AA

417 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/01(金) 21:40:48.77 ID:???
乙!
艦長はほんまいい大人やでえ。

418 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/03(日) 22:35:56.89 ID:???
わずかの間でもパオロ艦長が生きていた事はホワイトベースにとっても意義のある事だったのだな


419 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/03(日) 22:47:58.40 ID:???
僅かな間とは言えちゃんとした大人が導いてくれて、
そして他に選択肢がなったとはいえ受け継ぐ事が出来たってのは得難い財産だったんだね
覚悟を決める猶予も与えられてた訳だし

420 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/07(木) 00:09:20.47 ID:???
291です。いつもご覧下さいまして有り難うございます。

>416、417、418、419
 いやぁ、書いていてそこまで考えていませんでしたが、
皆さんが仰る通り、確かにWBにパオロが居たのは大きいですね。
 良い大人って大切ですね。……でも、すみません。
 パオロとの大きな違いは悪魔艦長なんですよねぇ〜。

421 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/09(土) 23:59:44.61 ID:???
291です。第10話を投下させて頂きます。
1/10
第10話「焦りと困惑と」

 虚空に浮かぶ2つの船体に陽光が降り注ぐ。
 旧世紀には、この太陽の光すらも宇宙空間では殺人的な力を持っていた。
 日射しに含まれる有害な紫外線は勿論、太陽風として注がれる様々な放射線や、
電磁波の影響から人類は無傷ではいられなかった。
 故に月へ行くことですら、地球上で浴びる放射線許容量を軽く飛び越えることを
覚悟しなくてはならない有り様だった。
 それでも人類は困難を乗り越え、宇宙を新たな生活空間として獲得する。

「ランデブーポイントに到達しました」
「アーサー、スクリーンへ」
「はい」

 彼女の命令で前方スクリーンが宇宙の映像から切り替わる。
 そこには一人の少年の姿が見える。

「ナスカ級キグナス艦長、タリア・グラディスです。本日よりザラ隊へ合流します」
「ザラ隊隊長、アスラン・ザラです。貴艦の本隊への合流を歓迎します」
「本艦には本国よりの緊急補給物資を満載しています。まずはそれらの編成をしましょう」
「わかりました。では、私がそちらへ向かいましょう。後ほど」

 簡単な挨拶の後、スクリーンがオフされた。
 ナスカ級キグナスの艦長であるタリア・グラディスは、
髪をショートボブに揃えた理知的な女性士官だ。
 有能な士官ではあるが、それ故に軍内部には敵も多い。
 彼女自身は意に介さない方だが、立場上の障害になる事も多く、
このC.E.の時代に入った現在でも女性という立場はなかなか難しい。
 今回の派遣先も、そうした意味合いも含めてなかなか悩ましい任務だった。

「あれがアスラン・ザラですかぁ…若いですねぇ」

 彼女に質問したのは彼の副官のアーサーだ。
 彼は見た目は優男風だが、これでいて気弱で真面目という意外性を持つ男だ。
 アーサー自身も他の部隊でよりは、彼女の元で頭角を現したと言えるので、彼女への忠誠心は高い。
 彼女からすれば扱い易くて手堅い彼を気に入って使っている。
 何より反抗的ではないし、取っ付き易いキャラクターが持ち味だ。

422 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/10(日) 00:01:24.16 ID:???
2/10
「そうね。でも彼、本日付けでフェイスだそうよ」
「え、フェイス!?」

 フェイス(FAITH)とは、ZAFT内部で独自に判断して行動する権利持つ、
少数のエリートにのみ与えられる称号だ。
 フェイスはプラント国防委員会直属の特務隊となっており、
国家元首に相当する最高評議会議長または国防委員長が任命する権利をもつ。

「……あの隊は特別よ。本国の最高幹部の子息で編成されたトップエリート集団。
 これがどういう事か、わかるわね?」
「……コーディネイターの中のコーディネイター……ですか?」
「……えぇ。そして、最高の厄介……もとい、いつか国を動かすことになる存在よ。
 じゃ、アーサー、後は頼むわね」
「はい、艦長」

 グラディスは副官に任せて艦橋を出てった。

 艦長日誌
 私達はついに中継点であるユニウス7のデブリ帯へ到達した。
 ここには最も不足した水を始めとした様々な「物資」が散乱している。
 ラミアス大尉はまだ本調子ではないことから、この補給の采配はバジルール少尉に引き続き任せた。
 私はその際に避難民にも積極的に手伝ってもらう様提案し、
我々のシャトルも使用して大型のゴミもリサイクル利用のために収集した。

「…ハンセンさん、これって、ジンだろ?しかも、これ3体分はありますぜ?」

 ハンガーに積み込まれた巨大な廃棄物を前に、マードック軍曹が腕組みして尋ねた。
 尋ねられた方は涼しい顔で当然の様に語る。

「そうだ。かなりの損傷はしているが、使えるだろう」
「え、これを直すんですか?」
「そうだ。……いや、直すというのは違うな。新しく作ると言った方が良いか」
「3体もですか?」

423 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/10(日) 00:02:21.65 ID:???
3/10
「いや、まず作るのは1体分だ。残りは分解して予備のパーツとする」
「はぁ〜」
「不満か?」
「いや、不満とかは無いが、出来るのかい?」
「問題は無い。設計はある。これだ」

 セブンは手に持っていたパッドをマードックへ見せた。
 彼はその設計図を暫く黙々と見ていた。
 その視線はまるでパッドに釘付けにでもなったかの様に微動だにしない。
 そんな彼の姿に他の整備士チームの一同も、興味を持って彼のもとに集まり横からパッドを覗く。
 そして、彼同様に彼らも釘付けになった。

「………ハンセンさん」
「何だ?」
「これ、……真面目に作れるんですかい?」
「ん、問題無い。お前達の”高度な”技術力と、私の知識が有れば可能だ。違うか?」
「そ……うかい?……いや、そうだな!
 お嬢さんがそんなに仰るんなら、お、俺達も頑張らなくちゃぁ、なぁ〜?お前ら?」
「お、おす!!!」

 メカニック一同、スタイル抜群の彼女に「高度な技術力」と褒められて満更でもない様だった。
 しかし、一つ疑問が残った。

「あのぉ、一つ聞きてぇんだが、こいつを作って、そのぉ……一体誰が乗るんだい?」
「ん、それには私が乗ろう」
「えぇええええええええええええええええ!!?!」

 一同がざわめく。
 彼らの女神が戦うという話だけでも驚ける内容だが、
そもそも彼女がモビルスーツを扱えるのかどうかすら怪しい話だ。

「……なんだ。驚く事は無い。私が乗るのだ。お前達には期待しているぞ」
「え、いや、ちょっと、そんな、勝手にいいんですかい!?」

424 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/10(日) 00:06:12.44 ID:???
4/10
 マードック自身、仮に開発が許可されるとしても、彼女の搭乗許可が降りるとは思えなかった。
 しかし、彼らの不安を他所に、彼女は全く意に介さず涼しい顔だ。

「許可はジェインウェイ社長が取ってくれる。
 仮に私が乗らずとも、これを作ることによる戦力の増強は望ましい。違うか?」
「は、はぁ」
「整備の合間で良い。私も協力する。一緒に作ろうではないか」
「ま、まぁ、良いですぜ」

 表面的には上の判断がどうなるか怖々であったが、
内心は彼らの中にもこの新型を作ってみたいという闘志が湧いていた。
 というのも、セブンの見せた設計図はそれだけ「難解」な構造を採用した設計だったのだ。
 それもこれまで見た事も無い様な仕様で、全てが初めてだが挑戦する魅力を感じる何かがそこにあった。
 技術者としては、これを作るのは十分に手応えのある良い冒険と言えた。

 ZAFT軍ナスカ級キグナスの格納庫では、
2機のブルーとダークグリーンに塗られた機体の姿があった。

「これは…新型のシグー…ですか?」

 アスランが見たのはブルーに塗られた機体の方だ。
 どちらもデザインはこれまでのものとは違うものだ。

「いいえ、ZGMF-600-NX-V1 GuAIZ Assaultよ」
「NXナンバーということは、試作機。ゲイツアサルト?」
「そう。これはその先行試作型の一つよ。
 送られてきたGAT-Xシリーズのデータを参考に、
急遽高機動戦闘能力を高めた高出力エンジンを装備し、
 ビーム武装を本軍では初めて装備する機体よ。」

 機体の印象はこれまでのジンやシグーとは違ってスマートになっていた。
 刺々しいものはなく、そうした装飾的なものを付ける余裕が無かったのか、
 モノアイのフェイス部分を除けば、どちらかというと連合の新型に近いデザインをしている。

425 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/10(日) 00:09:12.45 ID:???
5/10
「ビーム兵器。……バッテリーの持ちは大丈夫なんですか?」
「心配ないわ……と軽く言える内容なら良いけど、使ってみなければ分からないわね。
 しかも、今のところ残念ながらこの機体は量産計画が無いの。
 だから予備パーツも少量しか無いのを留意して。これはイザーク・ジュールに配備されるわ」

 イザークには機体が無い状況のため、補充自体は素直に喜びたいところだ。
 装備内容については連合のデュエルに近い様だ。近接戦闘を意識した装備目録が目につく。

「そして、こちらはZGMF-600-NX-V2 GuAIZ Stealth」
「ゲイツステルス?」

 グラディスが指差して示したのは、黒に近いダークグリーンに塗られた機体の方だ。
 こちらのデザインは先程のブルーと比べれば、これまでの機体に近しい姿をしている様に思える。

「えぇ、連合のミラージュコロイドのデータを参考に散布システムを搭載したステルス機よ。
 こちらはニコル・アマルフィのブリッツの代替機として配備されます。
 基本性能はこちらが今後量産される正式型番ZGMF-600 GuAIZの素体として採用されるけど、
 ミラージュコロイドはこの機体のみのオプションだそうよ」

 アスランは彼女の話に内心驚いていた。まだシグーの配備ですら全体に行き渡っていない段階で、
このゲイツという機体を開発途上の段階ながら急遽仕上げてきたのだ。

「……プロトタイプを更に改造して配備……ということは、本国も相当焦っているんですね」
「……そう考えて良いわね。クルーゼの送ったデータは驚愕に値したと思うわ。
 あの彼が敗退し、しかも切れ者と評判の彼が判断ミスを犯して逃がした。
 ……首脳部がこれで焦らなかったら変なくらいよ。
 あ、そうそう、彼、降格は免れたそうよ。暫く謹慎だけど」
「そうですか。……良かった」

 グラディスは彼の心から安堵する様を不思議に思っていた。
 軍内外の評判はともかくとして、彼女自身としての彼への評価はそう高くない。
 どちらかといえば苦手な部類だ。あの嫌味ったらしい性格がもう少し明るければあるいは。
 いやいや、それ以前にあの仮面姿自体が怪しくて近寄りたくない。

426 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/10(日) 00:11:59.44 ID:???
6/10
「そんなに良い隊長だった?」
「えぇ、的確に物事を判断される方だと思います」

 彼の反応に、同性の年下には優しいのかも?……とあっさり納得することにした。

「……そうね。あと補充機だけど、シグーのアサルトシュラウド追加タイプがあるわ」

 補充機にシグーのASが追加されると聞いて、いよいよ彼の中でも本国の焦りが確信になった。
 シグーのASはまだ隊長機にしか採用されていない。シグー自体の数が絶対的に足りないのだ。
 そのシグーのしかもカスタム機をこちらに回すのだ。なかなかの緊急事態と言える。

「オロールにはシグーのカスタム機ですか。……本気度が違いますね。
 グラディス艦長はGAT-XのOSについてはどう思われます?」

 彼女は腕組みして片手で頬杖をつきながら考え込む様な姿勢になった。
 彼女自身、その内容に悩まされたのだ。

「……ここへ来るまでに資料を見せてもらったけど、あれは一体何?
 およそ私達の知っている方法で思いついたものじゃないわ。
 あまりに突飛過ぎて、どこから手を付けていいのかサッパリ分からないもの。
 クルーゼが報告書に『次元が違う』と書いたそうだけど、私も同感よ。
 でも、もの凄い高性能振りね。使いこなせれば相当のシステムだわ」
「はい、私もそう思います」

 アスランの相槌に、グラディスは思わず溜息をついた。

「……敵を褒めても仕方ないけど、
いくら高度な技能を持つコーディネイターと言っても、ただの人ね。
 人1人の限界は超えたとしても、多数の知恵には抗えない。
 私達の敵は、私達自身の奢りかも知れないわね。」

427 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/10(日) 00:14:59.32 ID:???
7/10
 彼女の言葉は彼も感じていた。
 ナチュラルと侮っていた連合に、こうもあっさりとテクノロジーレベルで抜かれたのである。
 一匹の鼠では歯が立たずとも、複数の鼠ならば一匹の猫は負けてしまう。
 猫も猫同士が連携すれば良いのだが、猫は群れる動物ではない。
コーディネイターはいわば猫なのだ。
 一人一人の能力は高いが、個人主義が強過ぎて協力することが下手だ。
現在の軍部は勿論、最高評議会さえまとまりが有るとは言えない。
 それでも何とか保ってきたのは、その強力な個性があらゆる分野で力を振るえたからだ。
だが、個性ある個人も複数の凡人を相手に勝ち続けるのは難しい。
 ……この一件がたまたま生じた幸運程度のものならば良いが。

「……とりあえず補充目録はこの他、我々の隊にあるジン・ハイマニューバが3機。
 いずれも高機動戦闘を得意とする機体よ」
「……次の戦いで、奴らに勝たなくてはいけませんね」
「そうね。進路は月の第八艦隊でしょう。
 先に先行するためにナスカ級の足が選ばれたと思うわ。急ぎましょう」

 二人はその後も部隊の調整を話し合い、今後の行動計画を練った。

 私はシャトルアーチャーに乗って、ユニウス7周辺の貴重な物質の収集に当たっていた。
 破壊されたコロニーの残骸であるこのデブリには希少金属類が多数含まれており、
その中には彼らには「まだ」扱えない物質も少なからず含まれている。
 水の確保は民間人達に任せ、私はトゥヴォックと共に遠くのデブリの収集を彼らに申し出た。
 彼らは心配してくれたが、私達の出動を快く受け入れてくれた。

「艦長、ポイント231、マーク4に微量ですがダイリチウム反応があります」
「まだ彼らには扱えないけど、いずれこれを扱う日が来るのよね」

 トゥヴォックの示した『ダイリチウム』とは、我々のワープドライブの燃料として利用している物質だ。
 ダイリチウムを生成した結晶を利用し、ワープドライブのプラズマを発生させ推力を生み出している。
 故に、この物質の存在が我々の時代のテクノロジーへのキーポイントと言える。

428 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/10(日) 00:17:20.50 ID:???
8/10
「……はい。しかし、我々がこれを収集したところで、大きな変化は無いでしょう」
「そうね。では、回収しましょう。フェイザー、スタンバイ」

 私はコンソールに触れ、フェイザーのターゲットをセットした。
 トゥヴォックがビームを照射する。前方の岩塊が細かく破砕された。

「トラクタビーム、照射」

 トラクタービームとは重力ビームのことで、ビームを照射する事で指定物を牽引出来る。
 トラクタービームは爆散する岩塊の破片を一定の範囲を抜き出す様な形で抑制した。

「トゥヴォック、貨物室にレベル9のフォースフィールドを張ったわ。転送スタンバイ」
「ターゲットロック、転送しました。無事にダイリチウムを収集できました」

 これで少しは燃料補給の足しに出来る。この先何が有るか分からない。
 ヴォイジャーが使えない状況下がいつまで続くのか分からない以上、
 シャトルを動かす為にこの物質を回収しない手は無いのだ。

「……ところでトゥヴォック、あなたはこの世界をどう思う?
 私達の居た世界とは似ている様でかなり違う。
 あなたのバルカンも存在しないし、クリンゴンも居ない。
 一見すれば地球が小競り合いを永遠にしていても平和と言える程の安定した宇宙よ」

 私の質問に、彼はセンサーモニターの操作をしながら考えていた。
 その表情に変わりはない。……そもそも彼らバルカン人には感情を表す表情があまり無い種族だ。
 それは彼らが歴史的に『感情を克服』することで成立した文明であるという背景がある。
 確かに感情は人の挙動を大きく乱す原因だが、一方でそのお陰で分かり合えるとも言えるのだが。
 彼らは本来は激しい感情を持つ種族であるが故、厳しい理性によりそれを抑制している。
それでも長い付き合いになると、その内に秘められた感情を感じる事ができる。
 とはいえ、彼ら自身もそれを許す心が無ければ見る事は出来ない。
 それが許されるのは、彼が私を信頼している証だろう。


429 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/10(日) 00:24:24.19 ID:???
9/10
 この時の彼は、困惑の色が伺えた。
 彼は静かに普段通りの落ち着いた語りで答えた。

「……地球人は好戦的な種族です。しかし、理性もまたある。
 我々バルカンは、あなた方の理性と旺盛な好奇心に興味を持った。
 それが我々とあなた方との関係の始まりと言えるでしょう。
 ですが、我々が居ないあなた方に今が無いとすれば、
……この世界の彼らにあなた方と同じ進化を見る事が出来るとは思いません」

 我々とバルカンが出会わなかったならば、実際に地球文明は生き残れたか分からない。
 バルカンの保護が有ったからこそ、現在の我々の発展があるのだ。

「そうね。この世界は可能性というにはあまりに異質だわ。
 でも、私達になる可能性がゼロではない。
 その一つがシャノン・オドンネルの様な類似ね。
 だとすれば、バルカンやクリンゴンが居ないと考えるのも、
……もしかしたら間違っている可能性もあるわ」

 私の答えに、センサーを操作していた手が止まった。
 そして、私の方をゆっくりと振り向いた。

「……その可能性はあります。
 ……我々はゼフラム・コクレーンのワープサインを見て、
地球文明へのファーストコンタクトを取りました。
 であるとすれば、我々と同一……または、我々と同レベルの恒星文明が、
ヴォイジャーのワープサインを目当てに来る可能性があります」

 トゥヴォックは自分でそう話しながら、普段より眉間の皺の数を増やしていた。
 彼も気付いたのだ。

「……私もそれを考えていたの。
 差し当たって問題となるワープサインは太陽系外までしか出していないわ。
 だから系内で発生させたわけじゃないから、地球文明のものと考えるとは限らない。
 でも、我々と同レベルの恒星文明が無いと考える方が難しいことを考えれば、
 そろそろ何らかの動きが有ってもおかしくはない。少なくとも警戒はしておくべきよね」
「……はい。……さすがは艦長、私も失念していました。
 事前のスラスターでの航行は、この様な可能性もお考えになっていたのですね」
「…それは偶然よ。私はただ、系内をワープ反応で不安定化させたくなかっただけ。
 でも、そう考えると正解ではあったのよね」

430 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/10(日) 00:30:39.65 ID:???
10/10
 その時、アークエンジェルから通信が入った。
 バジルール少尉の焦りを含んだ声が聴こえる。

「シャトルアーチャー、聴こえますか!」
「はい、こちらシャトルアーチャー。ジェインウェイよ。何か有りました?」
「ジェインウェイさん、ご無事ですか。
 今しがた、ザフトのMSを発見してヤマト少尉が撃墜しました。
 周囲にザフトが居るかもしれません。至急戻ってください」
「わかったわ。すぐ戻ります。通信終了」

 私達は通信を切ると、アークエンジェルへ方向を転換した。

 しばらくして私達が戻ると、ハンガーでは救命ポッドの様なコンテナが置かれていた。
 バジルール少尉の話では、キラ少年がザフト機を撃墜した際に周囲で発見したものだそうだ。
 彼女は再度の拾い物に随分と気分を害しているようだったが、
少年も悪気が有ってしたわけではない。
 彼女には警戒態勢を取らせながら開封すれば良いとなだめた。
 ポッドの入り口が開かれる。そこから現れたのはピンク色の丸い玩具だ。

「ハロ、ハロー。ハロ、ラクス、ハロ」

 そして、ゆっくりと出てきたのは一人の少女だった。
 長い桃色に煌めく髪を揺らし、とても整った美しい容姿をした少女が現れた。
 およそ我々の世界でも見た事の無い様な不思議な雰囲気を持った「人間」の姿に、
私も半ば呆気にとられながら見ていた。

「ありがとう。御苦労様です」

 宙空をふわふわと漂いながら出てきた彼女を、
周りを囲むアークエンジェルのクルー達もまた、ただ呆然と見守っていた。
第10話終わり。第11話へ続く。
投下終了です。有り難うございました。

431 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/10(日) 18:47:24.04 ID:???

ついに現れたか
果たしてこの種世界のラクスは何ラクスだろうか

432 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/10(日) 20:31:00.31 ID:???
乙です。
まとめサイトから流れ着いて一気読みしました。
セブン専用モビルスーツ楽しみです。

ヴァルカンやクリンゴンが存在しない理由を
どう説明づけるのだろうと思っていたら、
ここへ来ての存在するかもしれない展開。
彼らの登場はあるのか?これも楽しみです。

433 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/10(日) 20:48:24.31 ID:???
GJ!
その中身次第でこれからの方向を左右するラクスがついに来るか。
そういやスタトレ地球は優生戦争で遺伝子操作人類は負けて逃亡したんだったっけな。

434 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/12(火) 22:07:02.76 ID:???
291です。

 始めに10話の1/10に脱字発見です。(すみません

 彼女に質問したのは彼の副官のアーサーだ。  …は、
 彼女に質問したのは彼女の副官のアーサーだ。 …もしくは
 彼女に質問したのは副官のアーサーだ。  …辺りが良いかな。脳内修sry

>431
 労い有り難うございます。
 やっぱりラクスが気になるもんなんですねw

>432
 ご覧下さいまして有り難うございます。
 トレッキーの様ですね。
 一応「スタートレックin...」なので、それらしい事はやるつもりです。
 ただ、どうやるかはまだ終わりまで考えていません。
(半分くらいまでは考えてありますが、一応完走目指して頑張ります)

>433
 優生戦争ネタをご存知の方がいらっしゃいましたか。
 ある意味「最強のコーディネイター」の末路は出ているんですよねぇ。
 スタートレックはSEED世界と歴史が割と共通していたりと類似点があるので、
そうしたものを大切に出来たら良いなぁとは考えています。
 ラクスについては、私なりの解釈で彼女と遊べたら良いですねぇ。

 あと、Voy in Seedの説明書(?)みたいな基礎知識集を作ってみました。
 投下する場所とかで指定があればそちらに投下してみようかと思います。
 いや、スレ違いだと問題が有るかなと思いまして。(スタートレック解説ですので)
 私のにわか知識なので、間違いが有れば各自で訂正して理解してもらえたら。

435 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/13(水) 00:49:16.86 ID:???
>>431
実はいきなりQ連続体の一人だったりして
>>434
他のクロス・二次でも独自設定や用語集をスレにそのまま投下する例は
それなりにあったので今回もここに投下でよろしいのでは。

436 :432:2012/06/13(水) 23:02:57.56 ID:???
>>434
急いで結論付けなくても、展開の流れに応じてでいいですよ。
知識集があれば肉付けになっていいんじゃないですか?

そういえば、ミラージュコロイドと遮蔽装置って
技術的に共通点はあるのだろうか?

437 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/14(木) 00:30:49.35 ID:???
>>436
ミラージュコロイドって、確か粒子を散布して不可視化する技術じゃなかったっけ?
グリンゴンやカーデシアの遮蔽装置とは根本的に違うものじゃないかな

438 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/14(木) 00:37:57.36 ID:???
ちょい勘違いしてた、カーデシアじゃなくてロミュランだった
ちょっと違和感あったんで調べてみたら、遮蔽装置は初期型が重力レンズによるもので、次世代型は位相変換型とかだから全く違うので間違いない

439 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/14(木) 17:14:56.58 ID:???
ミラコロもヴォイジャー側に速攻で対策されそうだな。

440 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/15(金) 00:11:09.73 ID:???
カーンのスペックは凄かったな、キラなんて目じゃないレベル。

441 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/15(金) 20:23:18.18 ID:???
>>439
ミラージュコロイドって、可視光線を含んだ電磁波などを"吸収して反射しない”って特徴のある微粒子を、磁場で表面に固定する技術で見えなくするだけだからなぁ
技術的に見れば初代スタートレックに出てきたときの遮蔽装置より原始的、なんせ後ろにあるものが見えなくなるから光学的に観測が可能だし

そういや、赤外線を遮断して熱源探知を無効化できるって設定だが、廃熱とかどうするんだろうな?

442 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/15(金) 20:49:45.63 ID:???
まあアストレイでコンプリートセンサーで速攻攻略されてるからな。
ミラージュコロイドディテクターも開発されるし。

443 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/15(金) 23:09:59.51 ID:???
原理と存在を知らない…ならごまかしも効くかもしれないが、元々自分所で開発していた平気だから知らないわけがない
敵に奪われている以上、対策しないはずがないしブリッツは活躍できんな

ふと気がついたんだが、ジェネシスってミラージュコロイドで隠しているとか言う設定だったけどさ
普通、相手の本拠地や要塞近くなら光学観測するだろうし、どう考えても運んでくるときか建造中にばれるよなぁ
そんな要塞に使える都合が良い大きさとか運べる距離の小惑星自体、存在を知られていないとかありえないし

444 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/16(土) 22:14:57.72 ID:???
完成後ならともかく建造中をミラコロで隠すのは無理あるよな。

445 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 17:34:21.82 ID:???
291です。今回も分割が細かいので2〜3回のアップ時間に分けていきます。
レスとかはその後で落ち着いたところでやろうと思います。
第11話「尊厳」

「追悼慰霊団が行方不明!?…でありますか」
「……そうだ。お前にはしっかりと婚約者としての任を果たしてもらう必要がある」
「私がですか。しかし、では足付きの追撃は」
「……無論やってもらう。その為にナスカ級の足があるだろう」
「お言葉ですが、戦力の分散は得策とは思えません。
 相手はクルーゼ隊長すらも欺いた指揮官です。
 今後第八艦隊と合流でもされては現有の戦力でも十分と言えるか……」
「お前達に送ったZGMF-600シリーズの試作では足りないと言うのか。…情けない」
「!?………不確定要素は極力取り除きたいのです。
 援軍の要請が通らないのでしたら、私はピエロを降りる覚悟は有ります」
「………分かった。援軍は送る。その代わり、ピエロも全うしろ。以上だ」

 通信は一方的に途切れた。
 アスランは溜息を吐くと、椅子に深く身を沈めた。

 副長日誌
 アステロイドベルトを航行中の我々は、
コロニーヘリオポリスが崩壊して数日が経過するが、艦長達の消息は掴めない。
 そこで地球連合軍に対して問い合わせたが、彼らも捜索中で詳細を把握していないらしい。
 そんな中、全く違う筋からの連絡があった。
 その為に地球へ偽装したデルタフライヤーで赴き、転送で降り立った。

 VST社ロサンゼルス本社応接室

「ようこそおいで下さいました。私は副社長のチャコティ・デロリアです」
「おぉ、ネイティブアメリカンですか!すばらしい!
 あ、申し遅れました、僕はムルタ・アズラエルです。
 突然のアポを快くお引き受け下さり、有り難うございます」

 彼こそは地球連合を裏で牛耳ると言われる「ブルーコスモス」の現最高指導者である。

446 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 17:35:06.08 ID:???
2/15
 ブルーコスモス……彼らは地球中心主義者の集まりだが、元々は我々の世界にも存在した軍産複合体企業群だ。
 世界は彼らの意図する利益の為に啀み合い、時に戦い、そして殺し合った。
 その最大の事件が我々の時代の第三次世界大戦だった。しかし、彼らは自分達を過信するあまり力に溺れ、
落とし所を見誤った。
 世界を核で焼き払い合った戦争は全てを破壊し尽くし、彼らの富の源泉であったはずの産業すら破壊してしまう。
 それどころか「絶対の安全」すら確信していた彼ら自身のセーフポイントすらも、汚染によって失ったのだ。
 我々の世界では彼らに対する風当たりは相当のうねりとなり、世界の治安の崩壊と共に彼らの居場所も無くなった。
 だが、この世界での「彼ら」は健在で、第三次世界大戦を経験してもなお君臨し続けているという。
 それもこれも、我々の世界には現れた「ゼフラム・コクレーン」という革新者の登場がなかったためだ。
 それだけじゃない、彼らの存在がこの世界の技術的発展を阻害してさえいるのかもしれない。

 見た目の印象は気さくな優男だが、その目は笑っていない。
 彼はボディーガードを連れていたが、彼らは部屋の外で待機するよう指示され、
室内には私と彼以外は誰もいない。
 私は彼に椅子へ座る様勧め飲み物の希望を尋ねたが、彼は水だけで良いと答えた。
 警戒しているのか、それとも単に仕事熱心なのか。
 彼の元へ水差しとグラスを持ちテーブルへ置き、椅子に座ると希望通りに水を注いで勧める。
 彼はそれを笑顔で受け取り飲んでいた。私も自分のグラスを取り一口飲んだ。

「さて、本日こちらへ来させて頂いたのは他でもない、
御社の社長さんの安否についての話をさせて頂こうと思いましてね」
「さすがアズラエル理事。情報が早いですね」
「えぇ、連合の全てではないですが、ある程度の顔が利きますので、情報もそうしたラインから入ってくるのですよ。
 この度は本当にお困りでしょう。心中、お察しします」
「有り難うございます。しかし、あなたが自らいらっしゃるという事は、ただいらしたわけではないですね」

447 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 17:36:25.68 ID:???
3/15
 私の問い掛けに彼は一瞬目が点になったが、すぐに改めるとニヤリと微笑んだ。

「……あなたは良い頭をお持ちだ。私の部下に欲しいくらいです。
 仰る通り、私はあなた方の社長の安否も心配ですが、それ以上にあなた方が作られたOSに興味を持っています」
「左様ですか。しかし、あなたの期待に添える様な物はここにはありません。
 我々の試作システムは社長が全て持って行きました。
 それもこれも機密扱いを厳にされている連合に配慮しての対応でしたが、まかさこの様な事態になるとは思わず、
我々としても苦慮している所です」

 私の答えに彼は顔を曇らせたが、努めて平静を装う様に暫く間を置いてから口を開く。

「………つまり、ここには無い、ということですか」
「えぇ、家捜しされても構わないですよ。
 それくらいの徹底をしないと軍との信頼は築けないと社長は仰っていました。彼女も元は軍属ですから」
「……シャノン・オドンネル元大佐。記録でもかなりの『真面目』な方だと伺っていましたが、
それほどに大真面目な方でしたか………。いや、あなたは正直に話してくれた。
 これも連合への忠実な心得からと理解しますよ。……となると、守らなくてはなりませんね」
「……守る?」
「……とある筋から、ヘリオポリスのGAT-Xがもの凄い進化を遂げた……という情報を貰いました。
 そのシステムは御社製で、開発していたアークエンジェル、我が方の新造艦ですが、
……は上手く逃げ伸びているそうですよ。
 もしかしたら、御社の皆さんもアークエンジェルに乗っている可能性があります。とすると、
あの艦を落とすわけには行きませんね」
「どうされるおつもりで?」
「予定ではアラスカのジョシュアへ来ることになっていますが、タイミングが最悪です」
「最悪?」
「今から彼らへ援軍の準備をしても、たぶん無理でしょう。彼らが自力で勝ち抜く事を祈る他無い。
しかし……」
「しかし?」
「我々の協力次第では、奇跡を起こせるかもしれませんよ?」

 アズラエルはこの場に似つかわしくない笑みを浮かべると、グラスの水をゆっくり飲み干した。

448 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 17:38:17.97 ID:???
4/15
 艦長日誌補足
 アークエンジェルでは救出した少女の扱いに苦慮していた。
 彼女はプラントのアイドルであり、現最高評議会議長であるシーゲル・クラインの令嬢だという。
 彼女の扱いを誤ればZAFTは勿論、連合内部での関係も最悪な状況に陥る可能性がある。
 彼女の安全を考え、可哀想だが身柄は小部屋に拘束する形となった。

 加藤ゼミの面々は食堂のテーブルで話していた。
 その話題は勿論「彼女」のことだ。

「(……!あのジン、もしかして!)」

 キラは彼女のポッドを発見した時にいたザフト機を思い出していた。
 もしかしたら、彼らは彼女を救出に来ていたのではないのか。
 そして、自分は全く不必要な行動をしでかしてしまったのではないのか……と。
 しかし、であるなら何故彼女は「救難ポッド」に入っていたのだろうか。
 そんな事を考えていると、何やら争う様な話し声が聞こえてきた。
 声の主はフレイ・アルスターだ。

「嫌よ!」
「フレイー!」
「嫌ったら嫌!」
「なんでよ〜」

 フレイはしきりに嫌がっている。
 そんな彼女にミリアリアは執拗に手に持っているトレイを渡そうとしている。

「どうしたの?」

 キラは同席するカズイに尋ねた。

「……ん。あの女の子の食事だよ。ミリィがフレイに持ってって、
って言ったら、フレイが嫌だって。それで揉めてるだけさ」

449 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 17:39:19.22 ID:???
5/15
 どうやら昼食のトレイを持って行くので揉めているらしい。
 何故揉める必要が有るのだろうか。
 フレイが嫌ならミリアリアが行けば良いのに……と考えていた時、

「私はヤーよ!コーディネイターの子のところに行くなんて。怖くって……」
「フレイ!」

 その言葉は二重の意味でショックだった。
 片思いをしている相手からの拒絶でもあり、自分自身の存在の否定でもある。
 フレイはキラの存在に気付き、自身の失言に慌てて弁解を始める。

「……あ!……も、もちろん、キラは別よ……それは分かってるわ。
 でもあの子はザフトの子でしょ?コーディネイターって、
頭いいだけじゃなくて、運動神経とかも凄くいいのよ?何かあったらどうするのよ!……ねぇ?」
「……えー、……あぁ。え……」
「フレイ!」

 キラは彼女に唐突に問われ、しかも自分も含めた同類がまるで犯罪者の様な扱いに、
どう答えて良いか分からなかった。
 ミリアリアは再度失言を責めるが、彼女は矛を収める気は無い様だ。

「でも、あの子はいきなり君に飛びかかったりはしないと思うけど……」

 あまりの発言にさすがにおかしいと感じたカズイも呟く。
 実際、彼女がそのような行動をとる場面を見たら、滑稽なものである事には違いない。
 それはそれで見てみたいという個人的な感想はあるが、この状況で言う話ではないので心に留めた。
 しかし、彼の言葉にも彼女はヒートアップするばかりだ。

「……そんなの分からないじゃない!コーディネイターなんて、見かけじゃ全然分からないんだもの。
 凄く強かったらどうするの?ねぇ?」
「まぁ〜!誰が凄く強いんですの?」

 その場の全員が声の主に一瞬言葉を失った。
 そして、示し合わせた様に声のした方を振り向くと口を開いた。

「ああ”っ!?!」

 戸口に現れた声の主は、全員から驚かれ戸惑いつつもにっこり微笑んで佇んでいた。

450 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 17:40:38.10 ID:???
6/15
 その頃、アークエンジェル艦橋では。

「…しっかしまぁ、補給の問題が解決したと思ったら、今度はピンクの髪のお姫様か。
 悩みの種が尽きませんなぁ。艦長殿!」

 フラガ大尉の言葉は目下の難問である。
 このような重要人物を抱えて動く余裕等この艦には無いどころか、
自分達が無事に第八艦隊へ辿り着けるのかすら心もとないのだ。
 ラミアス大尉は暫くの沈黙をおいて口を開く。
 彼女にしてみれば静養から明けてすぐの難題である。
 その表情は晴れない。

「……あの子もこのまま、月本部へ連れて行くしかないでしょうね」
「もう、寄港予定はないだろ」
「でも、軍本部へ連れて行けば彼女は、いくら民間人と言っても……」
「そりゃー、大歓迎されるだろう。なんたって、クラインの娘だ。色々と利用価値はある」
「……できれば、そんな目には遭わせたくないんです。民間人の、まだあんな少女を……」
「そうおっしゃるなら。彼らは?……こうして操艦に協力し、
戦場で戦ってきた彼らだって、まだ子供の、しかも民間人ですよ」

 ラミアス大尉の言葉は確かに一理あるが、そうであったとしても納得出来ないものもある。
 バジルール少尉は健気に手伝うこの艦の少年達や多くの民間人を思うと、
彼女の言葉を承服できなかった。
 少尉の発言はラミアス大尉も痛い反論だった。

「少尉……それは……」
「……今、二人の少年がGに乗っています。
 彼らを、やむを得ぬとはいえ戦争に参加させておいて、
あの少女だけは巻き込みたくない……とでも仰るのですか。
 ……しかもキラ・ヤマトはコーディネイターだったんですよ。なのに我々に協力している」
「……」

451 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 17:41:52.13 ID:???
7/15
「彼女はクラインの娘です。
 と言うことは、その時点で既にただの民間人ではない……と言うことですよ。
 ……私はあまりこういう言い方は好きではないですが、人には与えられた運命があり、
それを選んで生まれてくるわけではない。彼女がその運命から回避されるならば、
我々の艦に協力する彼らもまた……故郷を失う運命を回避出来て然るべきでした。
 しかし、現実はそう甘くはない。違いますか?」
「……」

 バジルール少尉の言葉は正論だ。
 それもまた分かるが故にラミアス大尉は心が痛かった。

 その頃、私はセブンとハンガーへ来ていた。
 機体の整備状況の視察だ。

 彼女の話ではシステムの稼働状況は安定しており、テスト時と同じ良好な結果を出しているという。
 そこで、船全体のシステムを時期を見て完全に書き換えることを提案された。

「そんなことをして、彼らは対応出来るのかしら」
「心配には及ばない。UIは現行のシステムを完全に踏襲する。その上で我々のOSサービスを付加する形をとる。
 具体的にはOSコアを現行の非効率なものを排除し、我々のコアシステムに置き換える上で、
 現行UIを被せる形にする。これにより彼らのUIをマスターするコストを無視出来る上、
 我々の方でもシステムの細かい制御が可能になる」
「コアを書き換えて制御を可能となるのは良いけど、狙いは何かしら?」
「連合のシステムを遠隔的に制御出来る様にしておくことで、緊急時に我々が問題点を補正出来る。
 数値的な修正を細かく制御出来れば、これからの戦闘でより効率的な運用に我々が力を貸せる」
「……なるほど。誘導弾兵器の追尾に彼らの計算式を利用するより、
我々の方で電波誘導情報を無視して追尾させれば、彼らよりは確実に弾頭を当てられるわね。
 それにはセンサーの強化も必要だけど、
差し当たって命中精度が30%だったものが60%以上に向上すれば充分過ぎる性能ね」
「それもあるが、まぁ、社長の言う通りだ。必要の範囲を彼らの流儀に従うのがここでの動き方だったな。
 ならばそういう事で構わない」

452 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 17:42:34.73 ID:???
8/15
「……セブン、一応言っておくけど、あなたの言いたい事はわかっているわ。
 でも、以前トゥヴォックが言った通り、必要以上の彼らへの干渉も問題があるのよ。
 出来る限り彼ら自身が考えて、彼ら自身の持ち得る手段の範囲で物事を解決する様にさせる。
 ……私達が出来る行動は、その中で我々の安全を確保するに足る条件を整えるだけね」
「……効率的ではないが、個性を尊重するとはそういうことなのだな。理解することにする」
「えぇ。ほんと、あなたの言う通り回りくどい事だけど、これは親子の関係でも一緒よ。
 大人が何でも出来るからと、子供に何もさせなかったら育たない。失敗しようと、挑戦する事に意味が有る。
 そうしなければ何も経験できないし、過去から学ぶ事も伝えられない。何事も積み重ねなのよ」

 後の事はセブンに任せ、私はハンガーを出る事にした。

「わぁ……驚かせてしまったのならすみません。
 私、喉が渇いて……それに笑わないで下さいね、大分お腹も空いてしまいましたの。
 こちらは食堂ですか?なにか頂けると嬉しいのですけど……」

 彼女は皆の刺さる様な視線に晒されつつも、思い切って話しかけた。
 彼女の発言に相槌を打つかの用に、桃色の球体型ロボット「ハロ」も何かを言っているが、
誰の耳にも入っていない。

「っで、って、ちょっと待って!?」

 キラは彼女の登場に頭が一瞬真っ白になっていたが、
この事態に彼女の表情とは逆に青ざめる思いだった。
 カズイもじと目で呟く。

「鍵とかってしてないわけ……?」

 誰もが思う事だった。フレイがそれに続く。

「なんでザフトの子が勝手に歩き回ってんの、どうなってるのここの監視!」

453 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 17:57:10.62 ID:???
それでは、この辺でとりあえず、第一波おしまい。
第二波は夜にでも上げて行きます。レス始めます。

>435 &
>436
 では、後日基礎知識集をアップしますね。
 ミラージュコロイドについては他の皆さんが解説済みなので、その内容で。

カーンネタが出てきたり、ミラコロで話が続いていたりと、
話の種として楽しんで貰えていると思うと嬉しいですねぇ。
今回の話で一応彼らの動き方の方針の一つが見えてきますが、
悪魔艦長ですので、悪魔の囁きを吹き込まないとも限りません。(え

では、後半アップは9時以降を予定しています。

454 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 21:52:57.79 ID:???
9/15
 これまた彼女にしては的を得たもっともな発言だった。
 しかし、当の言われた本人は何とも感じていないようだ。

「あら?勝手にではありませんわ。
 私、ちゃんとお部屋で聞きましたのよ。出かけても良いですか〜?って。
 それも3度も。それに、私はザフトではありません。
 ザフトは軍の名称で、正式にはゾディアック アライアンス オブ フリーダム……」
「な、なんだって一緒よ!コーディネイターなんだから」
「……同じではありませんわ。
 確かに私はコーディネイターですが、軍の人間ではありませんもの。
 ……貴方も軍の方ではないのでしょう?でしたら、私と貴方は同じですわね。
 御挨拶が遅れました。私は……」
「……ちょっとやだ!止めてよ!」

 彼女の和やかな言動に、一際強い拒絶の声が彼女の発言を止める。
 言われた側からすれば何故止められたのか理解出来なかった。

「……?」
「冗談じゃないわ、なんで私があんたなんかと握手しなきゃなんないのよ!
 コーディネイターのくせに!馴れ馴れしくしないで!」

 キラは二人のやりとりをただ聴いているだけなのに、
自分もフレイに責められている様に感じていた。
 彼女の発言の端々に「コーディネイター」の単語が否定の為に使われている。
 自分が言われているわけではないが、気分の良い話でも無い。
 そしてこの時、加藤ゼミの面々はフレイの発言にある答えが浮かんでいた。

「あっ!!」

 ミリアリアが唐突に声を上げたが、その続きを言って良いのか躊躇う。
 彼女に衆目が集まるが、言葉を発する事が出来ずに沈黙が辺りを包む。
 そこに、空気を和ませる様にハロが無意味な言葉を発していたが、全く誰も聴いていない。
 ミリアリアの代わりに彼女の言いたい事を発したのは、カズイだった。

455 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 21:55:26.96 ID:???
10/15
「……フレイって、ブルーコスモス」
「違うわよ!」

 即座に否定するフレイ。
 思わずミリアリアが溜息をついた。
 他の面々も呆れと妙な疲れが全身を包むのを感じていた。
 その反応に焦った彼女は慌てて弁解を始める。

「あぁ、でも!……あの人達の言ってることって、間違ってはいないじゃない。
 病気でもないのに遺伝子を操作した人間なんて、やっぱり自然の摂理に逆らった、間違った存在よ」
「……はぁ」

 確かにその通りの一面は有るとしても、オーブで育った彼らからすれば、
所詮は「ブルーコスモス」の考えであって、それに同意して暮らしていたわけではない。
むしろ、オーブはそれを受け入れずに共存を選んだ国だけに、彼女の言葉は彼らには相容れないものがあった。
 一同は沈黙する。

「ほんとはみんなだってそう思ってるんでしょ?」
「……」

 その時、戸口から一人の女性が入ってきた。
 その人物はむっとした表情でつかつかと足早に歩いてくると、
フレイの前で止まり、唐突に彼女の左の頬へ平手打ちを放った。

「痛い!?」
「…これがラクスさんの痛み」

 再び返す手で右頬を打つ。

「痛っ!」
「…これがキラくんの痛み」

 最後に、もう一度左頬へ力強く打ち放つ。
 彼女はあまりの強さに床に倒れた。

456 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 21:57:17.97 ID:???
11/15
「きゃぁ!!」
「…これが、ここに居る私達の尊厳への痛みよ。恥を知りなさい!!!」

 入ってきたジェインウェイは、彼女のあまりの言い草に堪忍袋の緒が切れていた。
 頬を打たれ倒れ込んだ彼女は、震えた眼差しで自分を平手打ちした人物に釘付けになっていた。

「あなたの様な甘えた事を言う人間が誤りを起こし、殺し合いをするのよ。
 生まれの違いはあれど、人としての尊厳を忘れたら終わりよ。
 その結果がこの戦争だと何故分からないの。あなた達はまだ子供。
 その子供がこの体たらくでは、未来はお先真っ暗ね。
 ……でも、私の目の黒いうちは放置しない。罰としてフレイ、あなたは彼女の世話係よ。
 ……良いわね?」
「……はい」
「もっと、大きく!」
「はい!」

 収拾不能な程にこじれていた場の空気は、一転してジェインウェイの気迫で張りつめたものとなった。
 その後はそれぞれの持ち場に戻る事となり、フレイは言いつけ通りにラクスの世話係となった。

「またここに居なくてはいけませんのね」
「……ええ、そうよ」

 フレイは運んできた食事のトレーをテーブルに置いた。
 ハロが彼女の周りを無邪気に飛んでいる。

「フフ、びっくりしましたわ。あの方はどなたですか?」
「え?ジェインウェイさんのこと?」
「ジェインウェイさんという方なんですか。……凄く、怖かったですね」
「へ?」

457 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 21:59:26.65 ID:???
12/15
 フレイは彼女が唐突に何を言い出すのかと思ったが、
自分が打たれたわけでもないのに怖かったとこぼす彼女に拍子抜けした。

「……別にあなたが打たれたわけじゃないでしょう。おかげで私は頬が痛いわよ」
「……仰る通り、コーディネイターは病気ではなくとも遺伝子を操作した存在。
 私自身、自然に反していることは自覚しています。……でも、それは私が決めた事じゃありません。
 私の父や母が……そう望んで私を産んだのです」
「……」
「……私は、両親を批難しなくてはならないのでしょうか。
 ただ、私が彼らの望む結果を残すのかどうか……それはどんなにコーディネイトしたとしても、
そして私が努力を傾けたとしても、理想通りのものになるとは限りません。
 それでも世の親という人の願いは、子供に未来を託したがるのでしょう。それは、
あまり変わらないのではないでしょうか。私は……その中で生きていくしかありません。
 批判は甘受する他ありませんもの。例えば、私の遺伝子を『元に戻す』ことが出来るわけでもありませんし」

 彼女の話は確かに彼女自身が望んでそうした事ではないと分かっている。
 フレイ自身、彼女に無理を言ったところでどうにかなる話ではないと理解しているのだ。
 それでも納得がいかないものがある。

「……コーディネイターのこと、私は好きでも嫌いでもない。
 でも、あなた達のせいで沢山の人達が亡くなっているのも事実よ。
 勿論、それは私達にも原因が無いわけじゃないけど……。
 ジェインウェイさんが言った人としての尊厳じゃないけど、私は認めない。
 まるで100m走をドーピングして走る様なものじゃない。
 そして、それを認めろって言うのよ!……あなたが自分で決めた事じゃない事もわかるけど、
私達から可能性を奪う様な行動もやめて欲しいわ」

 ラクス・クラインは目をパチクリとして一瞬驚いた表情を見せるが、
穏やかな表情で微笑んた。

458 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 22:00:49.74 ID:???
13/15
「……やっと、率直にお話できましたね」
「へ?」
「私も、あなたのこと嫌いです。でも、言いたい事がはっきり言えることは大好きです。
 見習いたい。またお話ししてくださいますか?」

 まさかここでこのような反応が返ってくるとは思わず、今度はフレイの目が点になった。
 と同時に、どんなにコーディネイトしたとしても、自分と同じ「女」であることを感じた。

「……い、良いわよ。係だもの。あなたも随分と良い性格してるわね。
 見た目が綺麗な女って、ほんと性格最悪よね」
「フフ、仰る通りですわ。あなたもとっても素敵です。フフフ!」

 ラクスが悪戯っぽい笑みを浮かべて笑う。
 そんな彼女にフレイもまた馬鹿らしくなって思わず笑った。

「あ、ご挨拶が遅れましたわ。改めまして、私は、ラクス・クラインと申します」
「フレイ・アルスターよ」

 アークエンジェル艦橋

 トノムラが何らかの通信信号をキャッチした。
 彼は必死にそれを調整する。そして、

「……ん?んっ!はぁ!間違いありません!
 これは地球軍第8艦隊の、暗号パルスです!少尉」
「追えるのか?」
「やってますよ!解析します!」

459 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 22:02:38.09 ID:???
14/15
 通信を受けたCICの側で音声の解析が行われ再生される。

『こちら…第8艦隊先遣…モントゴメリー…アー…エンジェル…応答…』

 この声に一早く反応したのは艦長であるラミアス大尉だった。

「ハルバートン准将旗下の部隊だわ!」

 ラミアスの言葉に艦橋の一同から歓声が沸いた。
 ノイマンが操舵しながら問う。

「探してるのか!?俺達を!」

 彼に続く様にナタルもまた尋ねる。

「位置は!?」
「待ってください!……まだ距離があるものと思われますが……」

 ナタルはその返答に思案顔になるが、他の一同はようやくの朗報に浮かれた。
 一方、ザフト軍ザラ隊母艦「ヴェサリウス」内のアスラン執務室では、
キグナス艦長のグラディスとの話し合いがもたれていた。

「……というわけで、グラディス艦長の部隊はこのまま追撃を、
我々はラクスの捜索をしながら追うこととなります」
「随分とどっち付かずな采配ね。司令部はやる気有るのかしら」
「……私は、追撃が不可能であればピエロを辞めると申し出ました」

 彼女の発言は誰もが思う事だろう。
 国の一大事になると言って援軍を送っておきながら、ラクスを探す為に部隊を割けという。
 この矛盾した政策は、指導層の政治的立場の駆け引きの産物としか言い様がない杜撰さだった。
 そんな上層の命令をこの少年は突っぱねて見せたというのだ。
 グラディスはアスランの評価を見直した。

460 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 22:11:38.44 ID:???
15/15
「大胆な行動に出たわね。でも、お咎め無しということは、了承されたわけよね」
「はい。私の援軍の要請を受け入れてくれました。
 足付きが第八艦隊と合流する前には何とか到着させると返答が来ています」
「……援軍。こう言ってはなんだけど、上出来ね。
 侮る気は無かったけど、あなた予想以上に出来るのね。安心したわ」

 唐突な褒め言葉に、アスランも面食らう。

「え?あ、はい」
「でも、いつ届くのか。たぶん、差し当たってはそれが一番ネックね。
 もの凄い足の早さが必要よ。司令部はロケットでも飛ばしてくるのかしら。
 いずれにせよ、やるしか無いのだけど。で、編成の主力は私達の方へ移送し、
ヴェサリウスはあなたのイージスとバスターで行くのね」
「はい。その方が戦力のバランスを考えても丁度良いかと。」
「随分な自信ねぇ。あなた達二機で対応するのよ?大丈夫?」

 グラディスからすれば、アスランの考えた陣容は随分とバランスを欠いている様に思えた。
 船を預かる身からすれば、保有戦力が多いことに越した事は無い。しかし、
戦術としては随分無謀に見える。何しろ彼らはエリートと言っても実戦経験不足なのだから。
 それでもこの少年は表情一つ変えずにこちらを見据えてくるのだ。

「えぇ。……周辺宙域は我々のテリトリーで、敵は連合の足付きくらい。
 奴らの戦力は2機のMSに1機のMA。直接の戦力はMSのみと考えた場合、
 数の上でも練度の上でも我々の方が上です。それに何より彼らと遭遇しても、
敵は打って出て来ません。奴らは飽くまで逃げる側です」
「……そう。分かったわ、それではすぐにその様に……」

 その時、執務室に呼びかけが有った。
 アデスの声がする。

「ザラ隊長、前方に地球軍の艦艇が航行しているのを発見しました」
「数は?」
「……まだ遠過ぎて確認は出来ていませんが、数隻の艦影を確認しています」
「……わかりました。ブリッジへ行きます」

 アスランはグラディスへ目配せする。
 二人は執務室を出て艦橋へ向かった。

第11話終わり。第12話へ続く。
投下終了です。有り難うございました。

461 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/17(日) 22:56:18.75 ID:???
乙です。
この頃のAA内だと悪魔艦長が凄く常識人に見える。
ザフトやブルコスの皆さんには是非とも悪魔が被っている猫の被り物を引き剥がすべく頑張って欲しいです。

462 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/19(火) 18:45:12.67 ID:???
GJ!
おお!フレイが理性的になってる!これはいい方向に進んでるな。
ボーグとすら堂々と交渉した悪魔艦長がその本性を現すのはいつの日か。
それにしてもプラントのコーディネイターに生物的進化の頂点にいる生命体8472を会わせてみてえ。

463 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/19(火) 20:19:14.13 ID:???
メンデルで8472の遺伝子導入したコーディー開発しようとして大惨事になるだろw

464 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/20(水) 03:20:26.11 ID:???
>>463
カーン「人類の進化だと?まずは我々を超えてから妄言を吐くが良い」

465 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/20(水) 08:59:11.06 ID:???
まとめから来ました。
どうやってヴォイジャーのクルー絡ませるのかと思ったら、ソフトウェアの会社とは!
所々笑える所もあって面白いです。
特に、キラとアスランの衝撃の再開を手刀で邪魔するセブンの所とかwww

466 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/20(水) 21:25:59.49 ID:???
>>463
むしろ差があり過ぎてなんにもならないと思うぜw
だって8472はいきなり三重螺旋のDNAwww

467 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/21(木) 20:04:09.45 ID:???
291です。解説投下です。
1/7
Star Trek VOYAGER in Gundam SEED

●はじめに
 この物語はガンダムシードの世界に、スタートレックヴォイジャーが
最終話を終えた段階でやってきた条件で作られています。
 登場するキャラクター等は基本的には原作のキャラクターがそのまま
登場しますが、ストーリー展開上で新しく創出される設定も複数登場す
ることを予告させて頂きます。

●スタートレックヴォイジャーとは?
 アメリカSFドラマシリーズとしてはかなり古くからあるスタートレッ
ク。日本で言えば水戸黄門的と言っても良いくらいに何度も再放送され
るシリーズの中で、このヴォイジャーはファースト、ネクストジェネレー
ション、ディープスペース9…と続く第四作目として作られました。
 内容はファーストシリーズのテイストを復活させる事をメインに据え
て作られ、地球から7万光年離れた銀河の反対側に飛ばされてしまった
ヴォイジャー号が、シリーズ初の女性艦長であるキャスリーン・ジェイン
ウェイ大佐のもとに結束して、通常では早くて70年以上掛かる旅を
10分の1の7年で終えるまでの旅程を描いています。
 その過程では元々恒星間探査船でもあることから様々な恒星系に寄り、
様々な種族との関わりが描かれます。その中には友好的な種族も多数登
場しますが、敵対的な幾つかの種族との闘争も有りました。また、危機
は種族間闘争に限らず、宇宙の天然現象や船の技術的トラブルとも立ち
向かうことになりました。(全172話)

●ヴォイジャーの技術
 24世紀の宇宙に浮かぶ恒星間探査船U.S.Sヴォイジャー74656号に
は、ガンダムシードの世界には有り得ない高度なテクノロジーが多数使
用されています。それらの主な技術を紹介しましょう。

468 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/21(木) 20:05:24.23 ID:???
2/7
1、ワープドライブ
 「恒星間」というだけあり、ワープ技術が実用化されています。ワー
プスピードは光の速さを超えています。じゃないと光の速さで7万年掛
かる距離を7年で帰ってくることは不可能ですから。
 ワープ1が秒速30万km(=光速)だとしたら、ヴォイジャー号の最
大船速はその三千倍を超えるスピードで移動出来ます。
 しかし、ワープ航法は通常航法とは違うので、船自体は止まったまま
に等しいため、通常航行速度は一般相対性理論の縛りに縛られた格好に
なります。それでも光速の75%以上の速度を出せる技術があるため、
シード世界との技術格差はとんでもない開きと言えます。
 しかし、常に使える航法ではなく、恒星系付近ではワープ航法による
空間の歪みが亜空間の亀裂を誘発し、星を最悪破壊する可能性もある為、
通常エンジンでの航行をすることになります。
 また、ワープ速度も緊急時以外はワープ5(光速の二百倍以上)にす
る制限速度があり、フルスピードを出す事は稀です。
 ヴォイジャー号の最大船速は9,975となっていますが、これは通
常ワープ航法の最大速度のため、より高度なトランスワープ、量子スリッ
プストリームワープ等、新たな航法の利用でより遠くを一瞬で飛び抜け
る技術が出てきています。(※これらはヴォイジャーでは実用化されて
いません。試験的にはテストされていますが、失敗に終わっています。)

2、エンジン
 通常エンジン(インパルスエンジン)は重水素核融合炉から高エネル
ギーのプラズマを放出する形で推力を得る方式をとっていますが、緊急
時はメインエンジンである反物質反応炉から僅かにエネルギーを放出さ
せる事で瞬発的推力を得ることができます。
 通常エンジンでの航行は相対論の浦島効果に左右される事から、最大
船速は光速の25%に制限されています。
 また、加速によるGの制御のためにワープ技術にも使われる亜空間フィ
ールドによる空間の皮膜を船体に張る等して、船体に掛かる圧力の制御
と人工重力の安定を確立しています。

469 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/21(木) 20:09:45.19 ID:???
3/7
3、武装
 ヴォイジャー号には幾つかの武装が装備されています。以下に主な武装
を簡単に紹介します。

3−1、フェイザー
 フェイザーは手に持てるタイプから艦に装備するものまで様々なタイプ
のある武器です。ハンドフェイザー程度でも小型の核融合バッテリーによ
り強力なエネルギービームを放出し、出力の仕方次第で対象を麻痺させる
程度から物質そのものを消滅させる程まで調節可能です。
 艦に搭載されるフェイザー砲は、メインエンジンから直接エネルギー供
給を受ける事で星そのものを破壊するほどのエネルギーを照射可能です。
 しかし、同じワープレベルの文明では重力子線による亜空間の断裂を作
り遮断する防御シールドにより遮断されることもしばしば。その為、劇中
では必殺兵器というよりは、相手のシールドを弱めて打開策を探るといっ
た形で用いられることが多いです。

3−2、光子魚雷/トランスフェイズ魚雷
 上記のフェイザーを用いて弱めたシールドの弱点に向けて、一点突破で
貫通し爆発的エネルギーを叩き込むのがこの光子魚雷。正反重水素を用い
た反物質エネルギーを爆発力に利用しています。
 反物質そのものの破壊力は水爆を大きくした程度ですが、打ち出す速度
が速いため実際の破壊力は途方も無く強力です。本来は亜光速しか出せな
い光子魚雷はワープ空間では使用出来ない武器でしたが、最新型ではワー
プ中でもワープフィールドを個別に維持して射出出来る様に改良され、益々
破壊力が増しています。
 トランスフェイズ魚雷は全ての攻撃兵器が持つエネルギー伝達の周波数
を一度に複数発生させ、相手側のシールドシステムが魚雷の攻撃周波数に
対応する暇無く貫通出来る様に改良された魚雷です。
 ありとあらゆる防御シールドシステムを無力化するヴォイジャー最強の
攻撃兵器ですが、爆発力そのものは光子魚雷と同レベルです。

470 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/21(木) 20:11:44.12 ID:???
4/7
3−3、その他の攻撃に転用可能なもの
 普段は船の周囲の障害物から重力線等で保護するディフレクター盤は、
タキオンやグラヴィトン等のエネルギーを指向性ビームという形で照射出
来ます。これらは活用次第で攻撃兵器として転用可能です。
 また、船を牽引したり岩等を引っ張るトラクタービームも重力ビームの
一つのため、利用の仕方では攻撃に転用可能です。

4、シールド/装甲
 亜空間の断裂を生じさせ、エネルギーの流入を遮断するいわば真空の様
なものを作り出して攻撃から船体を守るのが防御シールドです。
 攻撃態勢に入るとヴォイジャーは船体をシールドで包み込み、シールド
が維持される範囲において全ての攻撃から保護されます。しかし、シール
ドが持つエネルギー周波数を解読されたり、それらシールドの保護周波数
を撹乱する様な兵器や、純粋な光子兵器(レーザー)からの攻撃は貫通し
ます。(※光子が貫通するのは、劇中で目視出来る様に設定されたため)
 装甲は通常装甲はデュラニウム合金で包まれ、フェイザーの直撃でも船
体を貫通する事はありません。また、仮にそうした攻撃で穴が空いたとし
ても、亜空間皮膜を張り船体構造を維持する構造維持フィールドにより船
内の空気の流出を止めることができます。
 その他、艦長の「装甲装備」の命令でヴォイジャー全体を包み込む強化
装甲を装備可能。この装甲は25世紀の技術のため公式説明はありません。

 筆者が推測するに、命令後に瞬間的にレプリケートして展開され、エネ
ルギー残量次第で再展開も可能と思われますが、展開中は攻撃を受けてい
る関係上消滅を待って再展開しないと、タイムラグで攻撃を受ける可能性
があるのだと思われます。装甲の構成材などについては不明です。

 何はともあれ展開中はあらゆる種類の攻撃から保護し、一定の許容限界
に達するまで装甲構造を維持出来るヴォイジャー最強の防御システムとな
っています。

5、コンピューターテクノロジー
 ヴォイジャーにはホログラムヴィジョンを実体として表示可能なホログ
ラムシミュレーションシステムやボイスコントロールコンピューターシス
テムを持ち、AIとの対話で全ての制御をコンピューターに命令できます。
 ヴォイジャーにはバイオ神経回路が搭載されており、AIは細かい判断を
瞬時に実行する応答性を持つ他、システム内にはホログラムドクターのプ
ログラムも搭載され、医者が居なくとも医療行為を実施して人命を助ける
事が出来る他、船内が無人化しても緊急指令ホログラムシステムにより船
体の自律航行が可能となっています。

471 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/21(木) 20:13:42.92 ID:???
5/7
6、レプリケーター
 物質を合成して設計通りの物を瞬時に作り出せる装置。メインエンジン
のエネルギー供給可能範囲で作り出せる物であれば製造可能です。
 レプリケーターはあらゆる物を合成出来るタイプの他に、食品のみを合
成するフードレプリケーターもあります。食堂にはフードレプリケーター
が有り、自動販売機感覚で利用されています。(※生体は製造出来ません)

7、人
 ヴォイジャーは宇宙連邦という組織の船です。連邦加盟恒星系は地球の
あるα宇宙域周辺の恒星系で、地球を本部に数多くの恒星系が参加してい
ます。

 ヴォイジャーに搭乗している主なクルーの出身は地球の他、バルカン、
クリンゴン、ボリアン、クタリア、ベタゾイド等。ボリアン以外は割と人
間に化け易いかな?(※ボリアン人は青い肌なので化けるの大変です。)
 ちなみにこの中でバルカンとベタゾイドは精神感応力を持ちますので、
ある意味ニュータイプや脳量子通信の人々と一緒のことを自分の意志で
制御可能です。
 ちなみに地球人といってもセブンはボーグでしたし、イチェブは違う
星(ブレナーリ人)の人々が生物兵器としてボーグに差し出した子でし
た。これも地球外の人と言えます。
 ボーグには銀河の様々な星の有益な技術の知識が集められているため、
ボーグドローン(ボーグに捕まり機械化=同化された人)化された彼ら
の頭脳の中は高度な知識で一杯です。(※ドローンはクィーンを頂点と
したツリー構造をしているので、その階級に応じた知識を共有している)
 その能力自体も生体構造を完全に元に戻せないセブンや、生体構成情
報を保持しないイチェブに限りボーグの能力を残しており、非凡な才能
を発揮できます。特にイチェブは24世紀の連邦より優れた遺伝子医療の
知識と技能を持つエキスパートです。

472 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/21(木) 20:22:44.27 ID:???
支援?

473 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/21(木) 20:28:42.09 ID:???
6/7
 人種の簡単な説明(Voy in Seedにも名前が幾つか登場していますね)

・バルカン人
 ヴァルカンと書く人もいますが、字数的にバルカンにしてます。(え
 強く高い感受性を持つため、彼らは幼い頃から感情を制御する事を学
びます。それは大昔にその感情のせいで大戦争となり殺し合った経験か
らです。
 彼らは地球人が初めて出会った異星人であり、保護者であり、師であ
り、友でありつづける人々です。(※彼らが戦争したもう一方の感情の
ままに生きる方はロミュラン帝国として分離し、連邦に幾度となく攻撃
を仕掛けてきた強敵です)
 ちなみに彼らには非常に限定された形ではありますが、一定の手続き
的手順を踏む事で精神感応力を使う事が出来ます。彼らは儀式的な手順
を設けることで、能力の使用を極力抑える様にしているのです。

・クリンゴン人
 宇宙連邦政府が長い間闘争を繰り返したのがクリンゴン帝国です。
 22〜23世紀は彼らとの闘争が主な戦争でしたが、現在は条約を結
び同盟国となっています。
 彼らの特徴は額の隆起と粗野な性格です。とても好戦的性格を持つの
はバルカンとは対照的ですが、彼らにも理性や文化とそれに根ざした誇
りが有り、独特の社会を築いています。
 彼らの文化の柱といっても良いのは武勇と名誉にあり、彼らの伝説的
英雄であるカーレスの名誉に近づく人生が何より尊ばれます。その為、
成長段階における儀式は戦う勇気と力が試され続けます。
 また名誉は死とも密接に関わり、どのように散るかという散り際の
美学的な死への拘りがある。

・ベタゾイド人
 生まれついてテレパス(精神感応力…人の心を読み取る力。テレパス
同士なら意思疎通も可能)のため、言葉で話さずとも話し合える人々。
言い換えればみんなニュータイプ。そのためとても高度な精神文化を持
ち、連邦の精神医療分野のエキスパートはベタゾイドが多数。また、外
交でもベタゾイドのテレパス能力は大活躍です。
 彼らの前で嘘をつくのはなかなか勇気のいる事です。

474 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/21(木) 20:33:38.43 ID:???
7/7
・ボーグ
 ボーグとは生命体をボーグシステムが取り込んで生まれたものです。
 ボーグドローンは銀河全域の様々な生命体を取り込み、その脳にある
知識や所有する技術を取り込んで行くため、様々な星の人々がボーグと
して活動しています。ちなみにボーグ化されると個性が消滅します。
 一度ボーグ集合体に取り込まれると簡単には独立できませんが、機械
システムである以上故障します。ですがボーグは故障を修理しないので、
故障したものは切り離されます。そうして切り離された人は個別に個性
を回復して隠れて生活している場合もあります。
 また、ヴォイジャーの様にボーグから取り戻せる力を持った、いわば
「ボーグより上手」の文明ならばボーグから帰還する人々もいます。

・その他
 上で出したボリアンやクタリアといった種族は基本的に温和な種族で
能力も地球人と大差ありません。ただ、スタートレックの中には様々な
種族が登場し、彼らが作品を盛り上げてくれています。

 その他、参考になるサイトは幾つかありますが、それらは各自で探し
て見てください。ヴォイジャー自体はスカパー等でたまに放送されてい
ます。レンタルビデオ店ではハイライトの数話だけが見られる程度です
が、SEEDをご覧の皆さんも良かったら参考に見て頂ければ、この作品
のキャラクターについてのイメージが湧くものと思います。

 以上、長くなりましたが参考になりましたら幸いです。
 有り難うございました。

475 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/21(木) 20:57:45.60 ID:???
乙。
思ってたより長くて本格的な解説だね。

VOYはちょうどスーパードラマTVで再々・・・放送の
最終回終えたところだから、続きとして読むのは実にタイムリー。


476 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/21(木) 21:03:05.20 ID:???
291です。

>472
 支援ありがとうございます。

>461
 乙有り難うございます。
 個人的に猫のかぶり物や着ぐるみを着た悪魔艦長のコスプレが見たいです。(そっち?

>462
 GJ有り難うございます。
 8472ネタはたぶん扱わないからコメント入れちゃいますが、
 >466の方も仰る通りに違い過ぎるってのはありますね。
 でも、それ以前に仮に引き合わせてみたところで、
 8472の方が「下等な生命体」とコーディネイターを見下しそうです。
 >464も仰る通り、カーンを超えるだけでハードルが厳しそうな気もします。
 ある意味コーディネイター全員キラ化してやっとお話になるのかなぁ。

>465
 ご覧下さいまして有り難うございます。
 最初にも書いてますが、基本遊びで書いたものなので所々不真面目ですが、
トータルでは真面目にやって行こうとは思っていますので、宜しくお願いします。

 さて、第12話は早ければ明日の夜に投下予定です。

477 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/21(木) 21:48:43.81 ID:???
あらためてみるとこのれだけの技術だってのに
量産体制が出来てるってのが毎度ぱない
これでワンオフじゃ無いってのがなあ

478 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/21(木) 22:39:37.66 ID:???
クソ強かったボーグキューブを一方的に破壊し、ボーグドローンも殺しまくった8472は衝撃的だった。
カーン様はエンタープライズの設計図を見て一目で理解出来ちゃうスーパースペック、マジ凄いよ。

479 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/21(木) 23:17:40.67 ID:???
解説乙です

明日の夜とは、凄まじいペースの速さですね!
楽しみです!

480 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:24:41.53 ID:???
続きは明日ですかね?
ちょっと残念

481 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:30:58.13 ID:???
291です。第12話の投下開始します。
1/10
第12話「地球人」

 ここはとある研究施設内の格納庫。
 その中をこつこつと靴音を響き渡らせながら、暗い施設内を二人の男が歩いていた。
 人の気配は彼ら二人以外には無く、
壁面に光る電気系統の赤い線状の光が薄ら明滅を繰り返しているのが見えるのみ。
 彼ら二人のうち一人は若く軍服を着た軍人で、もう一人は初老の男だ。
 とても厳格そうな表情をした初老の男は、
前方にそびえる巨大な構造物の前に立つと近くのコンソールを操作した。
 すると、その構造物にスポットが当てられ、全貌が明らかになる。

「……ほぅ、これが」
「……まだ開発されたばかりの技術だが、元々我々が作ったものだ。動作は保証する」
「ということは、使うのですか?」
「……無論だ。でなければ、君をここに呼びはしない」

 初老の男は一息溜息を吐くと、コンソールを弾く。
 端末のモニター上にはこの構造物の名称や、
詳しい仕様についての情報が表示されていた。

「……動作を保証するということは、何が問題なんです?」
「まだMSでの実証実験をしていない。
 動く事を念頭に置いて広範に指定しているが、唐突に抑制が働く可能性も無いわけではない。
 そして、装備だが……設計上予定しているXM1は省いた。あれはまだ掛かるからな。
 それに平行開発中の素体が採用するEEQ7Rも無い。有るのはビームサーベルのみだ。
 その代わり試作のフェイズコーティングしたシールドを持たせる」
「……ふむ、ぶっつけ本番の実証実験ですか」

482 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:36:43.30 ID:???
2/10
 若い男は顎に手を当てて思案顔で構造物を見ていた。
 その姿は彼が知るこれまでのものとは明らかに違うスマートさが見て取れた。
 それは装備が足りないという単純な理由もあるが、
それ以前に無駄な物が削ぎ落とされたことや、これが試作段階であることも大きいだろう。
 初老の男はそんな彼を見る事も無く、ひたすら指を動かしながら話した。

「……まぁ、そうだ。だが、突然止まる事は無い。装備が無い分はバッテリーに当てている。
 機関が停止してもなお動けるだけの力があるだろう。スピードで困る事も無い」
「ほほぉ、それは凄い。他に問題は?」
「……試作のため宇宙専用だ。しかも、速度は出るが……相当のGも掛かるだろう。
 ……本来であれば実戦投入するのも許可の出ない機体だ。
 だが、奴らを降ろすわけにはいかん。必ず仕留める気で行ってもらう」

 初老の男の厳しい視線が若い男を睨む。
 そのいけ好かない仮面の向こうにどのような表情を浮かべているのかは定かじゃないが、
現在の軍部で彼以上のパイロットは居ない。
 この男を信頼出来なかろうが、彼にはもはや選択肢を選んでいる余裕等ないのだ。

「ほぉ、それはそれは。……また随分な話ですな。
 それでは復帰のための口実の様でいて、お払い箱の理由ともなりかねない」
「……出すからには勝って貰わねば話にならん。お前が乗るのはそういう代物だ」
「……ふぅ。国防委員長殿も人が悪い。まぁ、私も軍人です。
 出るからには勝ちに行かせてもらいますよ」

 彼の視線は、スポットライトの光で白く輝く機体の瞳に向けられていた。
 その頃、遠い宇宙の上では、

「本艦隊のランデブーポイントへの到達時間は予定通り。
 合流後、アークエンジェルは本艦隊指揮下に入り、第八艦隊への合流地点へ向かう。
 後僅かだ。無事の到達を祈る!」

 アークエンジェル艦橋のスクリーンには、先遣艦隊モントゴメリー艦長コープマンと、
ジョージ・アルスター連邦事務次官が映っていた。


483 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:38:20.24 ID:???
3/10
「私は大西洋連邦事務次官、ジョージ・アルスターだ。
 まずは貴君等が民間人の救助に尽力を尽くしてくれたことに礼を言いたい。
 あー、それとそのー……救助した民間人名簿の中に我が娘、
フレイ・アルスターの名があったことに驚き、喜んでいる」
「え!?」

 唐突な話にラミアスは驚いた。
 まさかあのフレイが彼の娘だとは思いもしなかったからだ。

「出来れば顔を見せてもらえると有り難いのだが……」
「はは、事務次官殿、合流すればすぐに会えますよ」

 コープマンがアルスターのはやる気持ち押さえる様促すと、通信を切った。
 その脇ではサイ・アーガイルがアルスター次官の個人的印象を語っていた。
 彼の話の内容はあまり意味が無い様にも感じるが、
現状で次官の事を客観的に知っているのが彼だけに、
ラミアスもバジルールもただ相槌を打つ他無い苦しい物を感じつつ聞いていたのだった。
 勿論、フレイ・アルスターに聞く手もあるが、彼女ではダイレクト過ぎる。

 その頃ハンガーでは、

「……よっ!ん?ほぉー」

 マードックがコックピットで熱心にシステムを調整しているキラに声をかけた。
 彼は額に汗しながら集中していた所に突然声を掛けられ、不機嫌に答える。

「……なんですか」
「いや、どうかなぁって思ってな」
「……オフセット値に合わせて、他もちょっと調整してるだけです。
 ……あっ。でも、もういいのかなぁ」

 キラは集中して作業していた為考えもしなかったが、
冷静に考えてみれば第八艦隊とランデブーが成功すれば、もう自分が乗る必要は無かった。
 そう考えると自分のしている作業が急に無意味に感じられた。
 そんな彼の心中を見透かす様にマードックが唐突に笑う。

484 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:39:54.20 ID:???
4/10
「はっはっはっは。やっとけやっとけ。無事合流するまではお前さんの仕事だよ。
 何ならその後志願して、残ったっていいんだぜ。俺は歓迎するぜ。
 なんたって坊主は優秀だからなぁ」
「……冗談じゃないですよ。動かすのでも精一杯なんです。
 ……あ、でも、MSを設計するのは面白いかも……あ、
いや、でも、軍艦で働くなんて嫌ですよ!」
「およ、つれねぇなぁ。そんなに毛嫌いしないでくれよ。
 まぁ、降りるまでは宜しく頼むな!」
「……はい」

 渋々返事をするキラだが、その時マードックの背後から声がした。

「ちょっといいか」

 その声はこの場の女神ともてはやされている、長身でスタイル抜群の女性、
セブン(ハンセン)のものだった。
 彼女の声にマードックが場所を譲ると、彼は自分の持ち場に帰って行った。

「……どうした?」

 少年は無言でセブンの顔を見ていた。
 そんな彼を彼女は首を傾げて見ていた。

「OSの書き換えについてのことですか」
「そうだ。お前の乗るこの機体のOSの調整を始めたいと考えていた。
 時間のある内にした方が良いだろう」
「……あの、僕が乗る必要はもう無いですよね」
「……あぁ、そうだな。しかし、それにはOSを我々の物と書き換える他に方法は無い。
 だが、それについてだが、私はお前のシステムを消すのは惜しいと思っている」
「惜しい?」
「そうだ。システムと機体の有機的統合による親和性の向上、
……私の考えたシステムは以前話した通り、論理的プロセスによる合理的統合を目指していたが、
お前のシステム理論を伸ばしてみたいと考えた。だから、これを見て欲しい」

 セブンはハッチからコックピット内部に入ると、手に持っていたパッドを彼に手渡した。
 それは丁度彼女の胸元が大写しになる様な屈んだ姿勢で、思わず顔が赤らむ。
 いや、胸だけじゃない、顔も近い。
 狭い内部を考えれば仕方のないことだが、男の性とは悲しいもので、
多感な年頃の少年には内心気恥ずかしいものがある。
 とはいえ、彼女の提案を受け入れ難く感じていた彼にとって、
彼女のパッドの中身を読むのは苦痛でしかない。
 それでもこの状況で読まないという選択を取れる程に彼は我が侭なわけでもなく、
とりあえずパッドの情報を暫く読んでいた。そして、その内容は彼が想像した通りの内容だった。

485 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:41:23.84 ID:???
5/10
「……これは、僕のシステムコアにハンセンさんのOSをプラグインする様な構造。
……これじゃ、まるで……」

 そう、それは彼が組み上げたストライクのシステム構造を維持しつつ、
VST製のシステムとの統合をより洗練された形で無駄無く押し進めた物だ。
 元々キラが組み上げたシステムは「不完全な情報」を元に突貫工事の様な形で作ったものだ。
VSTのシステム情報のダウンロードは52%で、その内実際に使ったのは半分程度。
 後は殆どが不完全な情報で切り捨てる他無く、
組み上げられる物に関しては暇を見て自分で補完して使用している様な状況だった。

「不満か?我々はお前のシステムを高く評価している。
 この提案は我々の技術的アプローチをお前のシステムをベースに組み込む事で、
両者の利点を統合する最良の物だと思っている。
 それに、この実装をすればお前の負担もかなり軽減されるはずだ。どうだ」

 確かに彼女の言う通りの結果が待っているだろう事は想像に難くない。
 だが、問題はそこじゃないのだ。

「……これじゃ、僕はまだこれに乗って戦わなくてはならないわけですよね」
「……そうなるな。だが、現実に今すぐ交代可能な話ではない。
 将来的には交代できる汎用性は必要だが、現段階での必要は最大級の効率だ。
 それがお前は勿論、我々をも守ることになる。それでは、嫌か?」

 彼女の真っ直ぐな視線が注がれる。
 まともに彼女の目を見たら抗し切れる自信がない。

「……僕は兵隊じゃないんですよ。ただの、学生です」
「あぁ、そうだな。そして、私は民間人であり、今はこの艦の付属物だ。
 ここに居る限り、皆平等に死を考える。無論、可能性の上ではお前の方が危険だ。
 だが、お前に全ての負担を負わせたいとも考えていない。
 だからこそ、これをお前が受け入れて欲しいと思って持ってきた。それでもダメか?」

 キラは彼女の話を聞く前は自分だけが大変な思いをしていると感じていたが、
この艦には沢山の民間人が働き、彼の友人も沢山従事していることに思い至った。
 ハンセンも分かっていてあえて話している。……実際に話すのは相当に気の滅入る事のはずだ。
 それを自分の事ばかりで頭がいっぱいで、彼女や周りの気持ちに気が付かないでいたのだ。

「……すみません。僕が弱虫で」
「良い。気にするな。お前はよくやっている」

 セブンはキラの頭をそっとなで、微笑んだ。
 キラは突然の行動に再び頬を赤らめた。
 彼女はそれに構わずシステムの調整方法を簡潔に説明すると、その場を離れて行った。
 彼は身を乗り出して彼女の去る姿を目で追う。
 彼女の去り姿は相変わらずのプロポーションだった。

486 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:42:22.76 ID:???
6/10
 ザフト軍ヴェサリウス作戦室では、
テーブル上のディスプレイに航路図を表示して今後の作戦を練っていた。
 ここに居合わせているのは作戦指揮官クラスであるアスランの他にアデス、
そしてキグナスからはグラディスとアーサーが居た。

「地球軍艦艇の予想航路です」

 アデスは作戦室のテーブル上に表示されている予想航路図に地球軍の予想航路を出した。
 連合の艦隊3隻の艦影を確認しており、それらはユニウス7の暗礁宙域と月の間の機動を辿っている。
 アデスは宙域図にこちら側の艦艇の動きを重ねた。それを見て、

「司令部より近傍宙域からの応援として、
ラコーニとポルトが向かっているという連絡が来ていますが、
合流は予定より遅れています。しかし、もしあれが足付きに補給を運ぶ艦であるとすれば、
このまま見逃すわけにはいかないでしょう」

 アスランは航路上の味方艦の到達予定時刻を表示し、現状の判断を端的に述べた。
 いずれも到達にはもう1日程度の差があり、今すぐ無理に呼べるという距離ではない。

「仕掛けるんですか?……しかし、我々には……」

 アーサーが満足に戦力の揃わない状態での作戦に不安を漏らす。
 何より相手側は三隻。中に何が搭載されているかも不明だ。
 しかも、この先に現れるかもしれない足付きは手強い相手だと聴かされている。
 だが、グラディスは溜息を吐くと部下の発言を嗜める。

「アーサー、我々は軍人よ。司令部がやれと言えば、
それが例え不足があったとしても立ち向かわなくてはならないわ」
「それは……そうですが」

 アーサーが恐縮する。
 その時、グラディスは航路図をみて疑問が過った。

487 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:42:39.03 ID:???
うむ、エロ助吉良w

488 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:43:47.66 ID:???
あのイベントか……

489 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:44:20.11 ID:???
7/10
「……でも、彼らの航路、ユニウス7へ向かっているということは、
彼らはユニウス7を経由して向かってきている……ということかしら。
 それとも、別の作戦……もしかしたら、ラクス・クライン失踪と関わっているのかしら。
 確か、クライン嬢が失踪したのはユニウス7慰霊中よね」
「その可能性もあるでしょう。宙域到着にはおよそ8時間。軌道予想から推測すると、
月艦隊宙域とユニウス7の間三分の一程度を進んだ距離を目指している。
 場所としては中途半端な場所ですが、いずれにしろここに何らかの目的物があるのかもしれない。
 ……暫くは遠くからの監視に留め様子を見ましょう」

 アスランは予想図上に目印を表示し、その宙域までの間は潜行を決め込む事にした。
 相手側の動きがハッキリしない事も有るが、足付きが現れるならばそれに越した事は無い。
 無駄に動いて戦力を浪費するよりは、潤沢な物資を待ちつつ月艦隊との本戦に備える方が得策と考えた。

「では、ツィーグラーへは先行させ、艦隊決戦へ備える方向で連絡を取ってはどうでしょう。
 無駄に大艦隊ではこちらの動きに気付かれます」

 アデスの進言をアスランは了承する。
 この後、司令部とも連絡をとったアスランは、作戦合流ポイントを月周辺宙域と定め、
現有戦力は表向きはラクス捜索に当たっていることとした。

 艦長日誌補足
 私はアークエンジェルに格納されたシャトル・アーチャーよりヴォイジャーとの通信を試みた。
 しかし、宙域に散らばるデブリ内に含まれるマグネサイト等により干渉が大きく断念した。
 仕方なく我々は今後の方針を話すべく、アーチャーにそれぞれ菓子を持ち寄り集まった。
 表向きは小さな同窓会である。

「現状ではこの暗礁宙域を抜けるまではヴォイジャーとの通信は難しいでしょう。
 それより、差し当たっての問題は、我々は連合に与し過ぎではないかと危惧します」

 トゥヴォックはそう言い、持ってきた水の入ったポットからカップへ注いでいた。
 私は注がれたカップを受け取ると答えた。

490 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:45:29.71 ID:???
8/10
「貴方はそう言うと思ったわ。
 でも、状況的にはこうする他に私達が危機的状況から逃れるのは難しかった。
 彼らは経験不足により指揮能力を欠いていた。
 あのまま彼らに任せていたら、たぶん私達も彼らと一緒にこの世には無かったわね」
「社長の言う通りだ。我々は取り得る最善の選択をしていると考える」

 セブンの同意にトゥヴォックは眉間に皺を寄せて沈黙した。
 しかし、彼のこの表情は別に腹立たしくてそうしているわけではない。
 彼独特の普段の表情とでも言うべきだろうか。
 大抵この表情の時は、見た目とは裏腹に冷静に判断している。

「でも、トゥヴォックの指摘は重要な要素ではある。私達はどこまで彼らと共にすべきか。
 その前に幾つか不確定な想定をしなくてはいけないわ。
 それは、我々は本当に『我々だけ』なのか……ということね」
「我々だけ?」

 セブンが不可解と言いたげな表情だ。
 隣で配給のカンパンを食べているイチェブも気になる様子だった。
 それについてはトゥヴォックが私の代わりに説明した。

「社長は……我々以外のワープ以降の文明の存在を想定されている。
 ここは我々の時代でいえば、ゼフラム・コクレーンが活動していた時代に近い。
 であるならば、我々のワープサインを目当てに何らかの文明が、
地球人にコンタクトを取りにくる可能性を想定出来る。
 しかし、実際は……この地球にワープ文明は存在しない」
「……ならば、地球文明は無視されるだろう。ボーグは無価値な生命体を同化しない」

 セブンの指摘は尤もだ。
 ボーグに限らず、連邦に加盟した恒星文明は全て「ワープ未満の文明への干渉をしない」
という暗黙の誓いがあった。それはあの獰猛なクリンゴンですらである。
 この宇宙の文明も我々とそう変わらない文明が栄えていると想定すれば、
実際の地球にワープサインを発生させる明確な証拠が見つからない限り、
何もせずに立ち去るのが普通だろう。

「セブン、確かに地球にはワープ船は存在しないわ。
 それでもいつかは作る事になる。しかし、今問題なのは……私達よ。
 私達にはヴォイジャーがある。あの船にはワープドライブが存在するのよ」

491 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:46:23.32 ID:???
     \ |同|/       ___
     /ヽ>▽<ヽ      /:《 :\
    〔ヨ| ´∀`|〕     (=○===)
     ( づ◎と)     (づ◎と )
     と_)_)┳━┳ (_(_丿

492 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:46:58.00 ID:???
9/10
「……つまり、他の恒星文明がこの未開な地球へと来る様、
我々が誘き寄せる手引きをしている……と言いたいのか?」
「……そうね。その言い方は気に入らないけど現状を正しく言い得ている。
 今の状況は私達に都合良く言えば、いわば地球をワープ文明にしようとしているとも言えるわ」
「……そんなことが可能なのか。」
「……不可能よ。でも、何かは来るかもしれない。それがバルカンなら良いわ。
 歴史の流れは違えども、同じ道を辿らせるように導く事はできる。
 だけど、それがクリンゴンやロミュランの様な獰猛な文明だったら」
「……最悪、地球は壊滅するだろう」

 セブンの言葉は大袈裟な話ではない。
 ワープ文明の力を持ってすれば、地球を破壊することなど雑作も無い話だ。
 そこに、先程まで黙々とカンパンを食べていたイチェブが話しかけてきた。

「あの、社長、良いですか?」
「なぁに、イチェブ。どうぞ」
「僕が考えるに2つの道があると思います。
 一つはヴォイジャーを遠ざける。もう一つは地球人にワープ技術を教える。
 先程の話からすれば合理的なのは一番ですが、たぶん、時間は稼げますが無駄でしょう。
 ワーププラズマの痕跡を撹乱する事は困難です。
 恒星文明があるならば、それらはその足跡を辿れます。
 ……とすれば、二番目の選択肢もまた取る他無いと考えます」
「いや、もう一つの選択肢があるぞ」

 イチェブの話を聴いてセブンが言った。

「我々が地球人となるのだ。そうすれば問題無い。
 いや、我々は地球人……だったな?」

 私はセブンの話に首を傾げた。
 そんな私の反応に彼女は微笑んで答えた。

493 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:49:31.61 ID:???
乾パン硬いお

494 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:50:23.72 ID:???
0===。El
  (・∀・ ) 支援砲火よろし
 >┘>┘

495 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:51:12.20 ID:???
10/10
「……珍しいな。あなたでも分からないことがあるのか。
 我々が地球のカウンターパートをやれば良い。
 勿論、地球人もある程度知る必要はあるがな。
 だが、短期的にファーストコンタクトに必要な準備を整える時間は作れる」
「つまり、私達が恒星文明の地球側代表として応対し、
彼らとの交渉を纏め危機を回避する……ということね。
 確かに、それが一番合理的ではあるわね。
 フフ、まるで私が地球の提督みたいな話ね」
「フッ、忘れたか。貴方は時期に提督だ」
「……そうだったわね。
 予行演習……というには随分と無理な状況だけど。
 ……となると、これまでの状況はそれほど悪いポジションじゃないわね。
 このまま私達の地球でのポジションを確立する行動を進めましょう。
 その方が後々やり易くなる。でも、飽くまで私達は『ただの』地球人よ。
 では、会議終了。皆さん、持ち場に戻って頑張りましょう」

 私の言葉に皆が頷いたその時、突然船体が大きく揺れた。
 セブンが素早くコンソールのセンサーで外の状況を確かめる。

「左舷後方からZAFT艦。船種はナスカ級2隻。前方には3隻の連合艦艇が見える。
 ランデブー直前で仕掛けている所を見ると、つけていたのだろう」
「私はブリッジに、イチェブはデュエルへ、
トゥヴォックは船内の民間人が不安がらない様に保安をお願い。
 セブンはここで待機して私に情報を頂戴」
「了解」

 ボイジャーのクルー達はそれぞれの役割を担う為にシャトルを出て行った。

第12話終わり。第13話へ続く。
投下終了です。有り難うございました。

496 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 21:53:11.02 ID:???
投下おつ
さて、間に合うか……

497 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 22:00:46.12 ID:???

狂うぜが弩の試作機手に入れたか
ワープ文明相手にハッタリ外交を悪魔艦長が……w

498 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 22:08:56.23 ID:???
投下乙です!
キラとセブンの対話を見て何となくニヤニヤしてしまいました。
セブンは本当歩き方から美がにじみ出てましたからねw
他にワープ技術を持つ文明が居るのか?というのは、月のあれと関係しそうですね。何となく。
追いついてきた敵艦に対して、社長がどう出るのか注目です!

499 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 22:59:29.36 ID:???
GJ!
さすがは元ボーグ、セブンさんは合理で物事を考えるなあ。まあ、それがキラにいい影響与えてるんだが。
そういえば事務次官なんて超大物がなんで宇宙に上がってこんな宙域まで来てたんだろ?
そしてこの世界の異星文明相手に立ち回ることを決めたか。ボーグとかドミニオンが来ないことを祈ろう。
そういや遺伝子レベルで服従をプログラムされてるソキウスってジェムハダーに近いな。

500 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 23:18:49.61 ID:???
ある意味、種世界に一番似合うのはフェレンギ
多分、種&種死本編の流れにほとんど影響しない、連中の行動原理的に

501 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/22(金) 23:57:57.02 ID:???
経済的利益にうるさい小汚いという点で、ジャンク屋組合と絡んだら
かなり厄介なことにならないかい?

502 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/23(土) 00:17:59.76 ID:???
悪辣な敵でないと悪魔艦長が退屈しちゃうだろw

503 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/24(日) 02:57:18.58 ID:???
291です。
>475 & >479 & >480
 労い有り難うございます。そして、楽しみにして下さいまして有難う。
 タイムリーでしたか。お楽しみ頂けたら幸いです。
 資料は雰囲気を楽しむための基礎知識集として効果があれば良いかなぁ。
 30話くらいまでは週一で頑張ろうと思ってますが、それ以降はちょっと忙
しくなるから、隔週か月一になりそうです。

>477 & >478
 スタートレックは高度な技術を量産できる体制にあるのが凄いですね。
 特にレプリケーターは船内での独自開発に大きく道を開いてますし。
 ハイスペック宇宙人達については、この技術のハイパーインフレに対応する
重しみたいなものだから、強く困難な敵を間延びしないバランスで投下してい
くのはなかなか大変そうです。結局次の時代が開かれないのもボーグ以上の敵
をどうするかが定まっていないってのもあるんでしょうし。

>487 & >488 & >491 & >493 & >494
 支援書き込み有り難うございます。凄く助かります。
 494氏のボール良いなぁw

>496 & >497 & >498 & >499
 労い有り難うございます。
 中身については話の中で種明かしして行く事としますが、皆様方のコメント
は色々と参考になります。書きながら育てられているって感じます。

504 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/24(日) 21:04:00.21 ID:???
レプリケーターなら技術与えちゃってもいいような気がする、どんなことが起こるか予想できないけどw

505 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/25(月) 00:18:12.03 ID:???
その技術だけで大変な事になりそうだけどな。
多分転送の技術も渡っちゃうんじゃないかね

506 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/25(月) 04:51:54.88 ID:???
レプリケーターの技術を与えても、十分なエネルギーが確保できないなら活用範囲は限定的
ただ、十分なエネルギーが確保できるなら、材料となるものが大量にある地球上でどれほどの影響を与えるかは想像を絶する

現時点の科学的常識を完全に無視して、非効率的だといわれるものから希少資源を抽出するのも容易になるし、なにより加工の手間隙を抜いて材料さえあれば部品や製品が作り出される
レプリケーターの性能とか精度とかで制限かけるにしても、現存しない技術というのは安易に与えると世界の価値観すら変えかねない


507 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/25(月) 09:15:49.00 ID:???
>>470
>3−3、その他の攻撃に転用可能なもの
 普段は船の周囲の障害物から重力線等で保護するディフレクター盤は、
タキオンやグラヴィトン等のエネルギーを指向性ビームという形で照射出
来ます。これらは活用次第で攻撃兵器として転用可能です。
 また、船を牽引したり岩等を引っ張るトラクタービームも重力ビームの
一つのため、利用の仕方では攻撃に転用可能です。〜

具体的な活用例をちょっとしりたくなったりしてw
とくにトラクタービームの


508 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/25(月) 22:33:24.80 ID:???
>507
重力子線を照射するってことは、照射されている方向へ引力または斥力が働く形になるから、
トラクタービームの場合は品力を働かせて、その方向へ引っ張る対象を面で押さえるのか、
点で押さえるのかで力のかかり方が変わる。
シールドがある場合は面で全体を引っ張って捕獲する他に無いけど、
無い場合は点で押さえて船体の一部を強引に引きはがしたりもできますね。

509 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/25(月) 22:42:12.68 ID:???
レプリケーターって生産力ってどの位なんやろ?
「日産・一時間の産出力」で

510 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/25(月) 23:03:42.11 ID:???
いいのかいザフトはそんな最新鋭機を出しちまって?ジェインウェイ艦長はボーグだってホイホイ襲っちゃう女なんだぜ?

511 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/26(火) 07:32:29.64 ID:???
>>471
>レプリケーター
…ふと思ったんだが「何でも作成可」なら
金・銀・プラチナ沢山作って売却してればウェヒヒヒ…でね?

>フードレプリケーター
大トロとか豚トロ、雁肉などの「高価、且つ量が少ない」部位を
大量に作って売るなり食うなりで幸せ…w

512 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/26(火) 11:12:51.82 ID:???
>>511
一応突っ込みいれておくが、レプリケーターってのは万能工作機みたいなもんだ
材料となる分子を合成・配列して望んだ形に構成したり、逆にいらなくなったものを分解してリサイクルしたりできる
金・銀・プラチナを沢山作るには、その原料となる分子が必要だから錬金術のように他の元素を別の元素にしたりは出来ない

大トロだろうが松茸だろうが、食料品の場合には材料自体は主な元素がありふれたものだから、およそエネルギーの許す限り好きなだけ作って食べれる
ただ、レプリケーターは分子単位の分解・組立作業を行う機械なので、使用の度に大量のエネルギーを使用するのが欠点
あと、単純な分子構造のものなら少ないエネルギーで作れるが、分子構造が複雑だったり高度な精度を求めたりすると何倍ものエネルギーを使うらしい

513 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/26(火) 20:00:37.59 ID:???
確か大型のレプリケーターがあれば、時間さえかければディファイアント級の宇宙船もつくれるんだっけ
当然、必要な希少資源とか材料がなきゃ作れないだろうが、ほんと何でもありだよな

514 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/26(火) 20:22:38.14 ID:???
とりあえず最終回モードのヴォイジャーならスタートレックオンラインで出てきたアイコニアでもなけりゃ、
この時代の異星文明は余裕で蹴散らせるな。

515 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/26(火) 21:25:26.55 ID:???
というか、CEに限らずほとんどのガンダム世界なんて敵じゃないでしょ

516 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/26(火) 21:28:26.60 ID:???
Z.O.Eの「ベクタートラップ」(「収容能力→「ほぼ無限」な四次元ポケット見たいなのをイメージ)と
組み合わせたらほぼ無限な事できるな…

アステロいどベルとで小惑星を目いっぱい改修→そいつを元手に必要物に練成!…で…


517 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/26(火) 21:45:51.04 ID:???
ボーグと未来の技術で改造されたヴォイジャーは一撃でボーグキューブを破壊し、ボーグキューブの攻撃食らいまくってもノーダメだからな。
ウルフ359の戦いじゃボーグキューブ1隻がはほぼ損傷なしで同時代の連邦とクリンゴンの艦隊40隻中39隻破壊という惨敗した相手に。

518 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/28(木) 20:32:33.18 ID:???
金・銀・プラチナは無理でもルビー・サファイア等は作れるかと

519 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/28(木) 21:21:53.58 ID:???
それで作った所で採掘したほうが安上がりじゃないかな

520 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/28(木) 21:29:23.97 ID:???
ヴォイジャーに通用する武器って、どう考えても月光蝶ぐらいしかないよな。

521 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 01:13:31.85 ID:???
まぁターンXを作った文明ならワープスピードに到達していても不思議ではない
あの宇宙のどこかには伝説邪神並に性質が悪い機体が存在していても驚かないぞ

522 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 21:34:04.77 ID:???
>291です。今週分の第13話を投下します。
12分割なので、半分ずつくらいで投下時間分けます。
1/12
第13話「大佐」

「……くくく。大物を釣りたければ、相応しい餌が必要だ」

 仮面の男はゆったりと応接椅子に背を預け、ワイングラスを傾けていた。
 彼の対面に座るのは漆黒の艶やかな髪を伸ばした男だ。

「君が釣りをするとは知らなかったよ」

 不敵に笑う彼の視線の先には精巧なガラス細工で作られたチェスのセットがあった。
 ブロンドの仮面の男はニヤリと笑みを浮かべ、コマを一つ進める。

「……釣りは楽しい。燃料を投下してやれば、勝手に炎上する。
 炎上したあとに残されるものは、消し炭になった愚か者の末路。
 それを眺め、最後に笑うのは……楽しいじゃないか」

 黒髪の男は呆気にとられた表情で彼の事を見ていた。

「(おいおい、そっちか)……火遊びは程々にした方が良い。
 何より、釣りに撒き餌は御法度だ。本来はその腕で釣ってこそのものだろう」
「フフフ、分かっていないなぁ。私は端から釣果には興味が無いのさ。
 釣りは釣れるまでが良いのであって、釣り上がってしまえば終わってしまう。
 料理を楽しむほどに女々しくもなければ、食事を楽しむつもりも無い。
 獲物がじたばたと釣られ苦しむ姿にこそ、釣りの醍醐味があるのさ」

 ブロンドの仮面は背もたれに預けていた身体を起こし、
グラスをテーブルに置くと、盤面の自陣営にあるクィーンを手にとり、
それを上に上げて光にかざす様に見ていた。
 端から見れば、薄暗い部屋の中、大の男が二人で陰気なものである。

523 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 21:35:42.89 ID:???
2/12
「モビルアーマー、発進急がせ!ミサイル及びアンチビーム爆雷、全門装填!」
「熱源接近!モビルスーツ4!」

 地球連合第八艦隊先遣隊旗艦モントゴメリ艦橋では、
艦長コープランドがクルー達に矢継ぎ早に指示を出していた。
 しかし、敵側の攻撃は猛烈な物で、彼らは勿論、
彼らと合流するはずのアークエンジェルにも砲撃が向けられていた。

「…くぅ!」
「一体どういうことだね!何故我々に攻撃を仕掛けてくるのだ!」

 ジョージ・アルスター外務次官は突然の戦闘状態突入に焦っていた。
 月艦隊にも近いこの宙域では、これまでZAFTは無闇な攻撃をしてくる事も無く、
どちらかといえば連合軍の領域と考えていた。
 しかも、彼は特命を帯びてここに出向いている。
 仮にわざわざここへ自分を誘き寄せたところで、
ZAFTには何らの得になる事も無いはずだ。
 元々は彼らが提案したことであり、連合が意図するところではないのである。
 そのような状況でのこの攻撃だ。
 戸惑わない方がおかしいというものだ。

「艦首下げ!ピッチ角30、左回頭仰角20!」

 コープマンは彼の話を聞いている余裕は無かった。
 そもそも誰がそんなことを予測出来るか。
 もし可能であれば、この戦力で十分等とは思わないだろう。
 だが、軍とはそうだとしてもやらねばならない時が有る。
 時に危険な賭けをしてでも遂行しなければ活路を見出せない事が有る。
 そして、この時の軍の至上命題はアークエンジェルを無事に迎え入れる事である。
 それ無くしては軍の未来は厳しいのだ。

524 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 21:37:32.86 ID:???
3/12
「うぉぉ!」

 敵側の攻撃が右舷方向を擦る。
 強い衝撃が艦内全体を揺らした。
 コープマンの額から汗が滴る。

「アークエンジェルへ、反転離脱を打電!」
「なんだと…それでは…」

 コープマンの命令にアルスターは驚いた。
 その意味する事は…

「この状況で、何が出来るって言うんです」
「合流しなくてはここまで来た意味がないではないか!」
「あの艦が落とされるようなことになったら、
もっと意味がないでしょう!」
「だが、それとこれはっ…ぐぅぅ」

 身を盾にしてでもアークエンジェルを守る。
 コープマンの鬼気迫る決意に、アルスターの額からも汗の雫が滴った。

 艦長日誌補足
 アークエンジェルは地球連合との合流の直前というタイミングでZAFTの攻撃に遭った。
 地球連合の艦艇は、アークエンジェルと比較すると旧式の艦の様で対応能力に限界がある。
 それに対して、ZAFT側は火力も有り足の速いナスカ級が二隻だ。
 このままでは撃沈は時間の問題だろう。
 私は急ぎブリッジに入った。

525 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 21:40:45.20 ID:???
4/12

「状況は?」

 私は艦長席の隣に立ち、彼女に尋ねる。

「ジェインウェイさん、はい、今は艦後方からナスカ級2隻が、
我々と先遣隊双方を狙い撃ちする位置取りで攻撃してきています。
 我が方は現在MS隊の出撃準備を、
友軍からはモビルアーマー隊が展開を始めました」

 ラミアス大尉の説明に、私はアークエンジェルと連合艦艇、
そしてZAFT艦の主だったもののスペックを思い出し比較した。
 状況的には後方からの高速艦2隻による砲撃は痛打であるが、
アークエンジェルは彼らの主砲に耐える装甲をしている。

「ラミアスさん、モントゴメリに全軍砲撃停止を打電、
私達はアンチビーム爆雷散布の上で、
艦を反転させながら先遣艦隊とZAFT艦の間に入って」
「え!?……それでは我々が集中的に攻撃に晒されます!
 それに我々にその権限は……本隊の命令に反してます!」
「……良いのよ。責任は私が取ります。
 これでも私は予備役付。
 そして今は……一時的にせよ復隊扱いよね?
 ナスカ級の主砲はモントゴメリは貫けても、アークエンジェルは貫けない。
 装甲の耐久性能を逆手にとってこちら側の陣容を立て直す時間を稼ぐのよ。
 私達は盾になって徐々に後退しながら先遣艦隊と合流。
 MS部隊は相手艦へ特攻よ」
「と、特攻!?」

526 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 21:48:38.57 ID:???
5/12
 その時、サイ・アーガイルが叫んだ。

「あ!?!……そんな。
 ……旗艦、モントゴメリ撃沈」
「!?!」

 モントゴメリーは相手の砲撃に耐えられず、
我々が対応する前に火を上げて沈んだ。
 私はその姿に、異世界の艦隊とはいえ友軍の最後を敬礼で見送った。
 それに習う様にブリッジのクルー達が敬礼する。
 ……遂に彼女の力を使う時が来た様だ。

「……ラミアス大尉、友軍にシャノン・オドンネルの名で打電なさい。
 旗艦撃沈に伴い、本艦が指揮をします。私の前でやってくれた代償は、
……高くつくと思い知らせてあげなくちゃいけないわね」

 私の言葉にラミアス大尉は勿論、艦橋のクルー達も驚いて私の方を振り向いた。
 彼らの反応に私は微笑んで言葉を訂正した。

「あ、言葉が過ぎたわね。勿論、やるからには勝つということよ。
 大佐として命じます。命令を遂行して貰うわよ」

 クルー達は私の言葉に半信半疑ながら行動を始める。

527 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 21:51:56.41 ID:???
6/12

 ヴェサリウスでは敵艦の新たな動きに困惑していた。

「隊長、足付きが連合の援軍と我が方の間を横切り始めました」

 アデスが敵側の大胆な行動に驚く。

「……相手が腹を見せるというなら、こちらは喜んで叩くまでです。
 MS隊全軍出撃!私も出ます。
 不在時の艦隊指揮はグラディス艦長へ委任します。
 しかし、別命あるまでは、両艦はこの位置を維持して射撃に専念してください」

 スクリーン越しにグラディスが頷いて通信を切った。

「しかし、足付きの艦長は命知らずですね」

 アデスは敵側の判断に驚かされた事は事実だが、
実の所はこの若いアスランの冷静な判断にも驚かされていた。
 そんな彼が相手に対してどんな感想を持っているのか気になった。

「……戦争をやり慣れているというのは、ああいうのなのかな。
 矢面に立って戦うのは、いくら戦争屋と言っても嫌なものじゃないですか。
 ……甘いのかな。では」

では、あと半分は後ほどアップします。
23時くらいからを予定。

528 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 21:59:09.35 ID:???
支援

529 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 23:14:37.42 ID:???
後半を投下します。
7/12
 アスランの中では友と戦う葛藤や味方を失った不甲斐無さが鬩ぎあっていた。
 分かり合えるはずの友と戦い、守るべき仲間を守れない戦闘に意味は無い。
 父が常々言う戦うからには勝たねばならないという言葉は、
悲劇を繰り返さない割り切りとしての必要悪かもしれない。
 でも、その気で友を失って、仲間を失って、その果てには何が残るのだろう。
 そんな思いが過っていた。

「キラ・ヤマト、ストライク、行きます!」
「イチェブ・オドンネル、デュエル、出撃します」

 アークエンジェルからエール・ストライクとデュエルが発進した。
 ストライクはエールを装備し、
デュエルはストライクのシュベルトゲベールを持って出る。

「俺のメビウスは何とかならねーのか!」
「無茶言わないでくださいよ。
 大尉のゼロのガンバレルなんて特注品の部類ですよ!
 この艦は元々Gの為に作られたんです。
 本体は直せてもガンバレルの修復は無理ですよ。
 先遣艦隊ならメビウス積んでますから、
部品から改造して何とかってこともあるでしょうけど」

 フラガ大尉のメビウスは、ガンバレルの部品が無いために修理が出来ずにいた。
 出られずに苦って居たとき、彼はふとあるものに目が向いていた。
 それは、ハンガーの一部区画に白い布で覆われた区画が作られていたのだ。
 彼は気になってその幕の向こう側を見に行ってみる事にした。

「イザーク・ジュール、ゲイツアサルト、イクゾー!」
「ニコル・アマルフィ、ゲイツステルス、出ます!」

 キグナスから飛び出して行ったのは新型試作機ゲイツの二機だ。
 ゲイツアサルトはデュエルを参考に武装を改造した高機動戦闘対応機であり、
ステルス型はミラージュコロイドを搭載した機体だ。

530 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 23:16:00.81 ID:???
8/12
 しかし、アスランはあえてこの戦闘でミラージュコロイドの使用は採用しなかった。
 敵に無闇に新装備を見せるのは得策ではない。
 特にミラージュコロイドはその存在を知られる事自体がリスクになる。
 敵が開発した技術とはいえ、
「新型」が装備しているはずは無いと思わせておくだけでも十分な利益なのだ。
 この二機に遅れてキグナスからシグーASとジンASが出撃した。
 ジンの部隊を指揮するのはオロールだ。
 彼らは迂回して連合の先遣隊を目指す。
 そして、最後にヴェサリウスより出撃したのがバスターとイージスだ。

「アスラン、俺達は後方支援型だが、このままここらで高見の見物か?」
「……そうだな。それも良い。
 相手は2機だが指揮官は頭が良い様だ。
 俺達はこの戦場を見ている必要がある」

 ディアッカは思わず口笛を吹いた。
 アズランと呼ばれていたあのアスランが、最近は増毛した様だ。
 いや、そんなことはどうでも良い。
 元々頭が良い奴であった事は間違いないが、
ここに来て彼は化け始めてきた様に感じていた。

「このぉ!」

 ニコルのビームライフルが執拗にキラを攻撃する。
 最初は被弾していたキラだが、
徐々にニコルの攻撃を読み始めると回避を始めていた。

「(このパイロット、この短時間で僕の動きを読んだ!?)
 …そんなこと、認めません!」

531 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 23:22:51.22 ID:???
9/12
 左手のビームシールドからビームランサーを出して突撃する。
 キラはシュベルトゲベールを構えてその攻撃を受け止めた。
 彼の脳裏にはつい先刻の出来事が回想されていた。

「……戦闘配備ってどういうこと?先遣隊は?」

 フレイはストライクへ向かうキラの足を止め、必死に尋ねてきた。

「……分からない。僕にはまだ何も……」
「大丈夫だよね!?」

 正直、何も知らない自分が強く言い切れる事ではない。
 でも、彼女の必死さはわかる。
 自分自身もヘリオポリスで両親がどうなったか分からないことは不安だ。
 彼女の場合は近くに来ていて攻撃に巻き込まれている状況だ。
 より不安に感じるだろうし、肉親の安否を気遣うのは無理も無い感情だろう。

「パパの船、やられたりしないわよね?ね!?」
「……大丈夫だよ、フレイ。僕達も行くから」

 みんなで生きて帰る。
 彼女の笑顔の為にも、キラはここで押されるわけにはいかなかった。

「うぉおおおおおおお!!!!」

 キラはゲイツを蹴り上げると、
ブーストを掛けてシュベルトゲベールでシールドを突き上げる。
 ゲイツのシールドは重い突撃に耐えられず、
ひしゃげて中のビームジェネレータが破壊され爆発。
 その爆発で左手首が吹き飛んだ。
 ニコルは努めて冷静に構えながら後退。
 キラは後退しようとする相手へ更に攻撃を仕掛けようとするが、
 そこに一筋の光が走る。

「!?」

 バスターから発されたアグニの精密な牽制射撃に引かざるを得なかった。

532 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 23:27:13.67 ID:???
10/12

 その頃、イチェブはイザークと対峙する。
 イザークのゲイツはビームサーベルを構えて接近戦を仕掛けるが、
彼の攻撃をデュエルはひたすら回避していた。
 必死に攻撃を仕掛けるイザークだが、何度打ち込んでもまるで先読みされている様に、
ひらりひらりと受けて流して行くデュエルに苛立ちを隠せない。

「おにょぉれぇええ!!
 ちょこまかとぉぉ!正々堂々と打ってきやがれ!!」
「……そうか」

 イチェブはそう呟くと、イザークのビームサーベルを正面から受け止めていた。
 ビームの衝突が強烈な閃光を発して互いを引き離す。

「ぐぁっ!……な!?」

 イザークは焦った。
 前方に居たはずの相手が見当たらない。
 周囲を見回すが、警戒警報は鳴っていても姿が見つからないのだ。

「チ!(ミラージュコロイド搭載型なのか!?……熱源反応から探るのみだ。
 ……いない。というより熱源だらけじゃねーか!)って、うへぁ!?後ろだと!?!」

 なんと、イチェブはイザークを通り越してヴェサリウスの方へ迫っていたのだ。
 相手は艦の防衛を空にして、あえて敵へ特攻しようというのか。
 あまりの戦術に虚を突かれた格好だが、
それならばこちらも同様に攻撃するのみとばかり、
イザークはイチェブを追うのを止め、代わりに近くにいたストライクを攻撃した。


533 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 23:35:39.26 ID:???
11/12

 グリーンを退けたのも束の間、敵の新型ブルーが高速接近してくる。
 ビームサーベルが輝きながら光を増して行く。

「……ストライクのパイロット、まだまだ甘いな。
 こんな腕でぇ!!!」
「ぐぅっ!!!」

 なんとか受け止めるには受け止めたが、強い衝撃がキラの身体を激しく揺さぶる。
 第二撃も体制を立て直しながら受け止めたが、防戦一方に回るストライク。
 しかし、ストライク後方から砲撃が走る。

「何!足付きが射ってきた!?
 ……合流を済ませやがったのか!?」

 アークエンジェルを中心に後方に布陣した連合艦が一斉にジンへ砲撃を始めた。
 それを合図とする様にその後方で潜んでいたメビウス部隊も、
砲撃から逸れたジンを一斉に狙い撃ちし始める。

「……潮時か。収穫はあった」

 アスランは風向きが変わった事を悟った。相手側は完全な布陣を完成させ、
こちら側は編成されたばかりの部隊の初戦であり、統率も完璧ではない。
無理をすれば何とかなるかもしれないが、何とかなるでは損害が大きくなる事は否めない。
ここで損失を出して結果的に落とし損なっては意味が無いのだ。

「全軍後退!!!」

 アスランは全軍へ撤退命令を出した。
 その時イチェブが迫る。
 デュエルはシュベルトゲベールを構えて突進した。
 アスランは彼の攻撃を受け止めると、絶妙のタイミングでディアッカが砲撃。
 デュエルは左手を失った。しかし、その攻撃の姿勢は怯まない。

「深追いをしたお前が悪い!」
「……抵抗は無意味だ」

 次の瞬間、イージスのシステムが急に言う事を聞かなくなった。
 そして、その時を狙ったかの様にコックピット目掛けてデュエルのビームが飛ぶ。
 強い衝撃を伴ってイージスは後方へ飛ばされた。

534 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 23:41:12.26 ID:???
12/12
「ぐあああ!?くぅ……これは!やはり。
 ……プログラム強制削除。
 サブ回路オンライン、スペアコアカーネルからシステム構築、
 コアへドライバインストール、プログラム起動、
オールパラメータセットアップ、リブート!
 ……多少性能は落ちたが、これでもう動かせる!!!」

 しかし、デュエルは迫って来なかった。
 素早く体制を立て直したイージスを見て、イチェブは冷静に引いた。
 いや、セブンの声が彼に引く様に命じたのだ。

「ふぅ、やばかったぜ。
 やっぱりトラップが仕込まれていたか。
 アスラン大丈夫か?」

 ディアッカのバスターも同様の症状に陥っていたのだ。
 だが、彼らは予めサブ回路を設けることでこの事態に備えていた。
 全く弄る事の出来ないOSはソフト的削除も不可能なため、物理的に記憶領域を排除し、
ZAFTで組んでいたスペアシステム回路に切り替えられる様にしていたのだ。

「ディアッカ……あぁ。帰投する。君は先に入って良い」
「ん?……後方支援は最後まで見守りだろ?」
「……そうだな」

 アスランは内心驚いたが、素直に受け取った。
 これまでディアッカはイザークと仲が良く、
自分とは距離を置いている様に感じていたが、
彼はそうした拘り無く自分を受け入れてくれている。
 仲間が居て良かったと素直に思うのだった。
 ディアッカはイージスと共に前方から帰還する味方を支援し、
最後の一機が帰還したのを見て後退した。
 アークエンジェルもまた無駄な追撃は禁じ、全軍を引かせた。

「………これは、なんなんだ!?」

 フラガは幕の向こうにある物に思わず息を飲んだ。

 それは、まだ骨組み程度の物しか組まれていないが、
MSらしき物が組み立てられようとしていたのだ。

第13話終わり。第14話へ続く。
投下終了です。有り難うございました。

535 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/30(土) 05:10:24.11 ID:???

次回、魔改造ジンの登場かな
それにしてもフレイのおとっちゃんは無事だったのかね?

536 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/30(土) 12:19:32.13 ID:???
おつおつ
ランチなり脱出艇なり脱出ポッドなり普通は積んでるもんだろうから
乗る暇も無しに爆散してなけりゃ生き延びる目もないことはないだろうが……

537 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/30(土) 21:39:49.64 ID:???
聖域ユニマトリックス乙!
あわわ!悪魔艦長が、悪魔艦長が猛っておる!!ザフトは早く逃げるべき。
なにせ改変前の歴史だとヴォイジャーで20年かけてボーグクイーンとも遭遇しまくっても地球に帰還したお人だからな、パネェ。
そしてやっぱりトラップ仕込み済み、ガンダムセンチネルでも似たようなのあったな。

538 :通常の名無しさんの3倍:2012/06/30(土) 23:53:15.24 ID:???
スタートレック名物殺人コンソールの出番はまだですか?

539 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/01(日) 01:56:17.68 ID:???
週一連載って凄いね。

540 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/02(月) 00:41:51.29 ID:???
投稿乙!
いや〜艦長もとい社長が本気を出した場面は相変わらず頼もしい!!
一方アスランも原作より冷静で良い感じ!

さて、止めてよねフラグが立ちつつありますが、果たしてどう変化するか・・・楽しみです!!

541 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/02(月) 20:20:08.69 ID:???
調べたら手持ちのフェイザーでもビルを吹っ飛ばせるとかワロタw

542 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/02(月) 20:34:16.01 ID:???
やろうと思えば個人携帯のフェイザーでMSを蒸発させるのも可能、携帯型のハンドタイプやライフルタイプの物とか色々あるが分解設定とかで攻撃されたらどうにもならん
何気なく乗ってるシャトルですらSEEDの世界の艦船なら全部一方的に破壊できる、ワープドライブ搭載の上にフォースフィールドとフェイザーものせてるとか小型の癖に高性能だしな
劇場版ではシャトルに乗って、クリンゴンの旧式とはいえ戦闘艦と交戦とかしてたくらいだ

こう考えると、無双しているように見えていかに悪魔官庁たちが自重しまくってるかが良くわかる

543 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/02(月) 21:45:39.84 ID:???
200年前のフェイズキャノンですら6000m級の山を消し飛ばしてるからなあ。

544 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/03(火) 00:05:56.76 ID:???
もうこのまま地球支配しちゃえばいいんじゃね?


それては関係無いけど、ラクス人質にしなくても乗ってる事をバラせば攻撃を受けなくなると思うんだけど。

545 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/03(火) 01:29:26.44 ID:???
291です。
>535 >536
 労い有り難うございます。
 最後までジョージの生還ルートを考えましたが、現状では……。
 ジョージ先生の次回作に乞うごkry
>537
 労い有り難うございます。
 そうなんですよねぇ。20年掛けてボーグクィーンをフルボッコにする技術を開発し、
結局は20年後の連邦はボーグを自力で圧倒しているっぽいわけだから、歴史の解釈上
は彼女が早期帰還し技術開発されない矛盾も関係無いというか、後に倒すか先に倒す
かの違いとして処理されたっぽいですね。因果律は。
>540
 労い有り難うございます。
 原作アスランはとにかく優柔不断で決断力が無く、騙され易く自分が無いキャラで
したが、VoySEEDでは色々とキャラの立ち位置を変えてみてます。もしもアスランが
割とまともに自分の自我を通すキャラだったら?…が裏テーマの一つかも。

 始めの方に書いた通りというか、スタートレックの技術は普通にガンダム世界の全
てを圧倒出来る程のテクノロジー格差がありますが、元々無双するために彼らがここ
に居るわけではないので、全ての技術は基本的には「故郷へ帰るため」に使うことを
原則としています。
 また、スタートレックの宇宙人達は「ワープ未満の文明はスルー」することになっ
ているので、ワープ未満の文明にワープ級の技術援助はしないことになっています。
 飽くまで自力開発出来るその日まで放置プレイするべきだという判断を一応して行
くので、無双展開というよりはメタルスライム的な感じかと。(え
 倒せたら経験値沢山入るけど、滅多に当たらない的な厳しさが有って、しかもメタ
ルスライムの皮を被ってるけど、中身はダークドレアムとかかなぁ。(あれ?

 長々すみません。ではでは。

546 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/03(火) 09:21:29.69 ID:???
まあスタートレックだとジョージみたいなこの手のシチェーションの場合死ぬのが基本だよな。
主人公組なら夢オチ、時間改変オチ、Qオチで助かるけど。

547 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/03(火) 15:40:12.95 ID:???
某ホログラムキャプテン「呼んだかな?」

548 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/03(火) 17:22:45.19 ID:???
ちょっとトレッカーな方々に質問

フェイザー(ハンドガン型)、フェイザーライフルの
射程距離・1マガジンの装弾数(発射回数?と言うべきか?、つかそもそもマガジン式?それとも充電式?)
ってのを知りたいんだけど…

549 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/03(火) 20:23:21.59 ID:???
>>547
言いっぱなしで木星に行っちゃった挙句帰還後暗殺されて脳だけ保存された人は黙ってなさいw
つーか、コーディVSナチュの展開にしたのはアンタのせいでも有るだろwww
そして人間の大脳ですら回収してリサイクルするジャンク屋オソロシス

550 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/03(火) 20:59:14.76 ID:???
>>548
うろおぼえだけど、充電式じゃないかね?
マガジンというか電池交換した描写を見た記憶がないし。

551 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/03(火) 21:47:49.10 ID:???
まあ、エネルギー切れするほど白兵でのドンパチしまくる作品じゃないしな。

552 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/03(火) 22:56:09.23 ID:???
>>545
武装以外にもいろんな情報を未来のジェインウェイから貰ってそうだ。
ステルスはヴォイジャーに合わなくて使えなかったけど、そろそろ改良して使えるようになってるかも。
もっともなくても種世界の技術じゃ発見不可能だけど。

553 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/04(水) 12:31:36.53 ID:???
転送装置だけで戦況はひっくり返りそうだな
射程内に入った相手の機体に爆弾を転送して行けばもはや勝負にならないだろうし

554 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/04(水) 12:41:21.53 ID:???
>>548
wikiからだが
>修理した機械の動力源としてエネルギーを流用するなど、「ツールとして使用する代わりに、武器を失って丸腰になってしまう」演出にも多用された。
この演出を見る限り充電式かと

555 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/04(水) 12:53:16.27 ID:???
>>548
フェイザーはハンド・ガン・ライフルタイプ共に、基本はバッテリー
射撃回数はモードと出力と種類で違うが、単純な対人攻撃での使用なら相当回数射撃が可能

岩を加熱して暖を取るとか、機械の動力源に流用するとか、ビルを一撃で消滅させるとか、オーバーロードさせて爆弾代わりに使うとか
まあ、普段は麻痺モードで撃ってるんでエネルギーきれは滅多にない、対人殺傷モードでもエネルギー切れっていうのは数えるくらいしか作品でないと思う
ただ戦闘以外でエネルギー切れるってことは多いと思った

556 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/04(水) 13:00:54.77 ID:???
>>553
むしろ、MSとか戦艦に乗ってる乗組員を全員転送で拉致監禁が普通に出来る
作品中でも敵の戦艦と交戦しながら、敵の船に乗り込んだり人質にされてる乗組員を転送で救出したりしてるし、対転送能力を持ってない文明では対処方法がない
原作で転送使った作戦は良くやってるからやられたら詰みって言うのは間違いないが、大規模転送はヴォイジャーでも持ってこないと転送能力が足らないだろう

557 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/04(水) 13:50:20.99 ID:???
フェイザ―関連の回答してくれた方サンクスでず…

…しかし、スタートレック技術ネタでWWU架空戦記妄想してたけど
フェイザーで武装した小隊一つで機甲師団、或いは一艦隊殲滅できそうだな…w
ただの「SFなレーザーライフル程度」にしか思ってなかったけど
結構凄い超兵器レベルだ…



558 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/04(水) 14:14:02.12 ID:???
フェイザー
「位相変換型エネルギー兵器」の総称。「Phaser」は「位相エネルギー整流作用」(PHASed Energy Rectification)の略称とされている。
タージオンやグルーオンといった原子間核力を伝達する素粒子の一種のナディオンという架空の素粒子を制御することによって起こるRNE(Rapid Nadion Effect)という反応によるものであり、対象物を原子未満のレベルで破壊する。

とまあ、Wikiのコピペだが見るからに超兵器的な説明だな
結局の所、どんなにすごくても歩兵の携帯火器なんでもってる人間を撃てば無力化できる、そういう点では単純な対処方法がある
ただ戦車とか戦艦とかを持ち出すと、攻撃可能な距離まで行けば破壊力の関係でただの良い的にしかならないから、一番確実な対処法は大量の歩兵による掃討戦だろう
あと、指向性エネルギー兵器の欠点として直射しかできないんで、迫撃砲とかそういう遠距離曲射攻撃に対しては肉薄しないと対処が出来ない

第二次世界大戦の技術でフェイザーを持った1個小隊を相手にするなら、とりあえず歩兵で囲んで逃げれなくしてから迫撃砲やロケット砲などで潰すっていうのが手堅いんじゃないだろうか


559 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/04(水) 15:46:49.01 ID:???
>>558
こっちはtrekyが立てたのかな?http://ja.memory-alpha.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%B6%E3%83%BC
>「ナディオン素粒子」という非常に短命の素粒子(強い相互作用を担う粒子グルーオンの一種)を「ふしぎの海」(Fushigi-no-umi)と呼ばれる特殊な伝導結晶体を用いて、Rapid Nadionの力を解放することが必要となる。

ワロタ

560 :名無し三等兵:2012/07/04(水) 16:48:08.11 ID:???
>>558
マブラブオルタのレーザー種見たいに高所を取られたら下が凄い事になるな…w
小隊と為ると40〜50名になるから大量の歩兵で…と為ると
「凄さましい光景」が見れそうだw

絶対途中で士気崩壊して瓦解になりそうw被フェイザー部隊を攻撃する部隊

561 :名無し三等兵:2012/07/04(水) 17:05:16.45 ID:???
そのフェイザーの射程にもよるが…
航空機も下手に近付けられないな…

ちなみにその「対象物を原子未満のレベルで破壊…」な分解ってそのフェイザーの
「ビーム?orレーザー?に当たった瞬間」に即なるの?
それと、例えば「フェイザーで上空のB-17を射撃、右側の主翼(二つのエンジンの間)に命中」と為った場合
飛行機全体が分解?それとも当たった部分が消滅?

…どっかでフェイザー戦闘の動画とか無いもんか…イメージ出来ん…orz

562 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/04(水) 17:24:26.72 ID:???
一番怖いのは不正規戦・破壊ミッションで浸透された時だろ?
フェイザ―ライフル50丁が手当たりしだいに後方で暴れまくられたら…

563 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/04(水) 19:10:54.71 ID:???
つうかそんな連中が全面戦争状態で未発達文明に軍事介入とかどんな状況だ

564 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/05(木) 01:54:07.48 ID:???
どの話か忘れたけど、ライカー中佐が幻影に囚われた時、
自分が居る建物そのものを蒸発させるレベルまでフェイザーの威力を高めて撃ってたな。
夢の世界の話だが。

565 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/05(木) 08:10:43.98 ID:???
>>561
その時使っていたフェイザーの出力設定次第
対人モードの場合、最高出力の分解ってのは滅多にないんだが当たると人間がそのまま蒸発して消滅する
ただそんな出力で撃ち合いするのは無駄も良いところなんで大抵は麻痺設定、場合によっては破壊設定って感じで使ってる

分解モードで飛行機とか戦車の一部にフェイザーが当たったら、エネルギー出力に応じた範囲が消滅すると思って間違いない
まあ、主翼が真ん中で消滅するとかしたら普通はバランス崩して墜落するよなぁ

566 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/05(木) 19:41:31.98 ID:???
そんなフェイザーさんだが艦同士の戦いだと牽制にすぎないという。
手持ちフェイザーさんもボーグにはあっという間に効かなくなるしな。

567 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/05(木) 19:50:42.36 ID:???
291です。

次の話で使う士官の名前で悩んでいます。
というのも本来は沈んで消える連合艦2隻が生きているので、
これの艦長やクルーが存在する事になる関係で。

一応調べたのですが、これら2つの艦の詳細設定は見つけられなかったので、
ご存知の方がいらっしゃったら情報いただきたいですし、
皆さんご存知無いということでしたら、公募しようかと思います。
どれを使うかは未定ですが、オリジナルキャラ登場の際は使おうかなと。
※使用例は生死どちらもなので、死にキャラになる場合もあります。

ちなみに現状では2隻の艦長の名前は以下の通りにしています。
バーナード艦長 ロドリゴ・グライン少佐(36)
 文官上がりという容貌の男。
ロー艦長 レッティ・ブライトマン少佐(34)
 軍人らしい精悍な顔つきをしている。

他のガンダム作品から借りるというのも手でしたが、
それだと無用な混乱を呼びそうな気がしたので、
オリジナルならオリジナルと割り切る方が無難なのかなと。

公募で参加!という方は、
今回の艦長2名に限らず良さげに思う設定を上げてください。
独断と偏見と気分で気まぐれに登場するかもしれません。

 例 ヴォイジャー・シード・ガンダームコ(77)女
 悪魔艦長を彷彿とさせる容貌をしたロボット。口癖はスクリーン・オン

568 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/05(木) 20:21:21.58 ID:???
そりゃ沈むだけの船に詳細設定なんてされてないわなw

569 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/05(木) 20:39:29.61 ID:???
いっそのことジョナサン・アーチャー・・・だめか

570 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/05(木) 21:50:41.81 ID:???
ヴォイジャーはクルーの解析対応能力の高さも恐ろしい。

571 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/05(木) 23:02:47.18 ID:???
ジェームズ・T・カークただしタイベリアスでは無い
名前を驚かれるだけのキャラとかw

572 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/05(木) 23:27:33.32 ID:???
ロキュー・タス

573 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/05(木) 23:42:36.79 ID:???
 ガンダム系駄目とは書いたけど、こういう流れになるとはwww
 スタートレックからのオリジナルキャラも却下の方向でwww
 ガンダム同様の混乱を生じるってことと、
話の内容上、歴史的に登場する可能性も排除しないので。

574 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/06(金) 01:19:06.07 ID:???
ではカークにソックリなフッカー艦長というのはいかがでしょうw

575 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/06(金) 20:59:24.80 ID:???
カークは駄目か
じゃあ、ウィリアム・シャトry

576 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/06(金) 22:26:53.41 ID:???
いや、ここは一発でモブキャラだとわかる様に。



ハン・ソロでw

577 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/06(金) 23:46:34.67 ID:???
291です。公募は継続ということで、今週分投下します。
キャラ名はこちらで付けたキャラでとりあえず投下して、後日判断します。
連続投下の分割が3回くらいになるかもしれません。
1/17
第14話「飽和」

 艦長日誌
 我々はZAFT軍の攻撃に遭い、旗艦モントゴメリを失いつつも先遣艦隊と合流を果たした。
 私達は地球連合の護衛艦バーナードとローの艦長達をアークエンジェルに招き、
今後の航海の話し合いの席をもった。
 会合の前には戦死したモントゴメリの将兵達に対して黙祷を捧げた。

「……あのZAFTのナスカ級二隻を相手に撃退された手腕、本当に感服しました」

 バーナード艦長であるロドリゴ・グライン少佐。
 彼は年齢的にはフラガ大尉よりは上の30代半ばといったところだろうか。
 武官というよりは文官上がりという容貌の男だ。
 彼の隣のローの艦長も彼の言に頷いて続く。

「私も久しく勝利の喜びから遠ざかっていましたが、
あの圧倒的な戦闘。本当に感動しました」

 ローの艦長はレッティ・ブライトマン少佐。
 彼もグライン少佐と同期くらいの年齢だろうか。
 顔つきはブライトマン少佐の方が軍人らしい精悍な顔つきをしている。
 連合軍の将兵は敗戦に次ぐ敗戦で、
若い世代を積極的に昇進させなくては維持出来ない領域にきているのだろうか。
 彼らが言うこの勝利への感動も実感としてのものなのだろう。

「……私は助言しただけ。全てはラミアス艦長の采配と、
ここにいる全てのクルーの協力があったからよ」
「そんな、正直私にはあれほどの戦術は思いつきませんでした。
 ここに大佐がいてくれて、本当に感謝したい気持ちです」

578 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/06(金) 23:49:09.58 ID:???
2/17
 彼女は私に感謝の言葉を述べるが、私としては当然の結果を出したまでだ。
 それでも、人に褒められることは素直に嬉しいもの。
 しかし、ZAFT軍の引き際もなかなかに鮮やかだった。
 彼らはこの戦いでほぼ損失ゼロで引いてみせたのだ。
 それに対して我々は一隻を沈められ、MAも数機が撃墜されている。
 数に目を向ければ……勝利というにはなかなか厳しい成績だ。
 それもこれも連合とZAFTの決定的な技術格差にある。
 アークエンジェルとMSという装備は、
ようやくキャッチアップしたに過ぎないのだ。
 私は彼らにその事を言わざるを得なかった。

「……勝利、確かに相手を引かせる事は出来た。
 でも、艦は一隻沈められ、死者の数も……厳しい結果に違いないわ。
 彼らはほぼ無傷で引いたのだから、戦いはこれからよ。
 むしろ状況は悪くなっているかもしれない。
 こう言ってはなんだけど、
足の遅い二隻に合わせながら私達は進まなくてはならない。
 これがどういうことか、わかるわね」
「………連戦に継ぐ連戦…になるかもな」

 フラガ大尉の言葉はストレートだが現実的な答えだ。
 彼らは今後も仕掛けてくるに違いない。
 我々は足かせを履かされたに等しい。
 それは二隻の装備が貧弱過ぎるということもあるが、
アークエンジェルが世代を大きく飛び越えている事も言える。
 この差をどう詰めるかを考えなくては、彼らを生かして進む事は難しい。
 私は「大佐」としての権能を使い、3隻の事実上の指揮官として振る舞う事にした。
 アークエンジェル一隻を支援するならともかく、
3隻全てを指揮するにはこの立場を使う他は無い。

579 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/06(金) 23:53:59.64 ID:???
3/17
 大佐としての最初の仕事は、
この艦隊の持てるもの全てを把握することからだった。
 新たに加わった2隻の艦には、
メビウスというモビルアーマーと呼ばれる戦闘機が6機、
クルーも1隻200名程の人数が居る。
 推進力の低さは我々の技術で多少は改善出来るだろう。
 そして、これらの艦艇からの物資により、
フラガ大尉のメビウス・ゼロの修復は可能となった。

 そのメビウス・ゼロだが、
セブンは機動性の低さを可動式ブースターを搭載する事でクリアし、
ガンバレルシステムの簡易化を提案した。
 彼女の提案では、大尉のシステム運用負担を軽減するOSサポートを提供すると共に、
ゼロ以外のノーマルメビウスにも大尉の空間認識能力無しにガンバレルを使用出来るAI、
いわばフラガAIというものを載せるようだ。
 これによりガンバレルシステムによるミサイル制御等に道が開かれると共に、
このシステムが抱えていた汎用性の無さを克服する道を付ける事となる。
 私はこの提案を了承し、これらの開発は新たに加わった2隻のクルー達にチームを編成させた。
 また、彼女が秘密裏(?)に開発をスタートさせたモビルスーツ開発計画は、
正式に私が了承した。
 新たに開発するMSはGAT-X105と共通の装備を運用出来るジン(仮名)とし、
 クルーから公募し、シミュレーターの成績を元にパイロットを養成する事とした。

 それから、私はアークエンジェル内に新たな執務室を作り、
そこに部隊の情報を集約出来る情報センターを構築することとした。
 いわば天体測定ラボのアークエンジェル版とも言うべき部屋だが、
システム設計自体はアークエンジェル一隻で完結する作りではなく、
こちらに搭載するのは基本的な処理をするプロセッサのみで、
後の殆どの処理はシャトル・アーチャーの方で引き受ける形をとる。
 このようなシステム設計にしたのは、アーチャーが持つセンサー類を利用することもあるが、
彼らに我々の技術が行き過ぎるのを防ぐ為でもある。そして何より、
この設計によりシャトルから艦全体を制御する道を付けられることにある。
 艦の制御はシャトル・アーチャーのコンピューターで遠隔制御出来る様改造しており、
この部屋からのコントロールはアーチャーを通して全艦へ伝達される。

580 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/06(金) 23:59:48.38 ID:???
4/17
 ……元々アーチャー自体を制限して作ったわけだが、
リミッターを解除したことで十分なパフォーマンスは得られる。
 艦に装備するためにレプリケートした、
この時代の最先端程度のCPUと連携させる事で、
当面情報力の問題は起こらないだろう。

 この部屋はトゥヴォックを中心に編成した民間クルーの保安部隊が警備することとし、
この機会に民間人の生活環境改善を進めるため、生活区画を民間人用に再設計した。
 彼らの中には学生も多いため、学校の必要も迫られていた為だ。
 また、民間人らに艦隊への娯楽の提供も奨励し、船内に放送局を設ける等、
積極的に民間人の力を活用する事とした。
 殺伐とした艦内では民間クルーは勿論、正規クルーの精神的負担も増している。
 軍はレジャーランドではないが、福利厚生の低い環境はモチベーションを下げる。
 何よりそうしたストレスは新たな問題の引き金になり易い。
 出来る限りクルーの融和を醸成する環境づくりは大切だ。

 こうした作業を進める上でしばしの時間が必要と考えた私は、
あえて暗礁宙域に戻る進路を取った。
 ZAFTが追ってくるにしても、我々が身を隠すには丁度良いからだ。
 サイレントランで潜り込むにも丁度良い距離と判断した私は、
予めラミアス大尉に対し、
交戦後ZAFTが目視領域から撤退したのを見計らってから進路変更するよう指示し、
暗礁宙域へと潜り込んだ。
 相手も勝利した我々が戻るとは思わないだろう。

「……あんた達が!あんた達がいるから!!!
 あんた、本気で戦わなかったんでしょう!!!」
「フレイ!!!」

 サイ・アーガイルが叱る様に彼女の名を呼ぶ。
 フレイ・アルスターは荒れていた。

581 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 00:05:31.93 ID:???
5/17
 彼女は唯一の肉親を失い、コーディネイターであるキラに当たる他無かった。
 しかし、キラが出た時には既にモントゴメリは墜ちた後だったのは周知の事実。
 彼が責められる理由は無い。
 それでも、キラからすれば、好きな相手から浴びせられる暴言はショックが大きく、
自身の無力さを感じていた。

「フレイは君の父さんが生きているなら、誰が死んでも良いと思ってるんだね。」
「な!?あ、あたしは!?」

 カズイは彼女の方を冷めた表情で見ていた。
 彼の言葉はピンポイントに自分の言動の問題を指摘していた。
 いや、彼だけではない。彼女の事を周囲の誰もが冷めた目で見ていた。
 図星を突かれた格好の彼女は、ただその場に黙るしか無い。
 彼女からすれば、あの時心の中で願う様に祈っていたのだ。
 父の無事を。それはそれは何度も。
 それを裏切られた思いがこの場に居る全員に伝わらない歯痒さは無い。
 あまつさえ自身の言動を批判され、「敵」であるコーディネイターが擁護される。
 その場に居続けるのを苦痛に感じた彼女は、食堂を駆け出して行った。

 ZAFT軍ヴェサリウス執務室では、
アスランが今後の作戦を練る為にグラディスとモニター越しに話し合っていた。
 彼女は前回の戦闘での戦果は結果的に旗艦ネレイド級の撃墜という形になったが、
力押しで行けばまだ戦えたのではないかと考えていた。

「……グラディス艦長。それでも不確定要素を引きずるのは嫌なんです。
 我が方は確かに装備も充実していました。
 力押しでやれるだけの戦力は有ったと思います。
 しかし、先行試作機の投入やブラックボックスのGATのOS問題、
また我々の部隊の連携など、課題というより問題と言った方が良い不安を抱えていました。
 今回の戦闘でハッキリしたことは、ゲイツの武装は見た目より燃費が悪いこと。
 そして、GATのOSはやはりトロイの木馬であったことです」

582 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 00:06:07.94 ID:???
6/17
 彼女は手持ちのパッドの情報に目を通していた。
 そこには先の戦闘の分析データが詳細に並んでいる。
 彼の言う事は理解出来るが、理解した所で腑に落ちる話ではない。

「……結果論を言えばそうね。でも、指揮官として慎重過ぎては突破力に劣るわよ。
 アーサーにも言ったけど、私達は常に万端で戦えるとは限らない。
 場合によっては少数で大群を相手にしないといけない。
 そんな不利な状況でも勝ち抜く力が戦場では問われているの。
 確かに戦力の温存は為され、徐々に削るという安全策も使える。
 だけど、それでは決定力不足は否めないわ」

 彼女の言葉は正論だ。撃てる時に撃たなければ撃たれるかもしれない。
 そんなことは自分でもよくわかっていた。
 そして、自分が躊躇う理由が「それだけ」なら結論は早かった。
しかし、個人的にも躊躇する理由がある。それはキラだ。
 あいつが乗っているかもしれない。いや、乗っているのだろう。
 願わくば戦いたくなんて無かった。
 それでもそうと分かっていて撃たなければならない理不尽さに、
まだ齢16の少年の心は揺れていた。
 とはいえ、目前の人間にその揺れを悟らせるわけにはいかない。

「……彼らに痛打を与えるだけが戦争ではない。
 私は、少なくとも遂行し難い状況を作る方がずっと効果的だと考えます。
 確かに決定力には欠けますが、相手もまた同じでこう着状態には持って行ける。
 今は焦るときではないと考えています」

583 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 00:06:49.45 ID:???
7/17
「分かっているわよね。このまま泳がせれば第八艦隊と合流よ。
 ……そうなればより多くの艦艇と対峙しなくてはならなくなる。
 敵の指揮官はこれまでのタイプとは違って全く予測が付かない。
 その彼らが大群を指揮して襲ってきたら、
……私達は大幅に不利になるかもしれない。
 今打てる策を打つ。敵を前に舌舐めずりは愚か者の行動よ」

 第八艦隊との邂逅前に片が付けられるのであれば、それは確かに嬉しい話だ。
 だが彼女の言う通り、これまでのところ敵の指揮官にはしてやられてばかりだ。
 戦力では圧倒しているはずのZAFTが、たった一隻で、
しかも2機しか搭載しない艦艇に逃げられ続けている。
 外聞が悪いのは百も承知だし、出来れば倒すさと心の中で呟いた。

「……お言葉ですがグラディス艦長、これでも私はフェイスです。
 そして、この隊の隊長です。
 経験不足や若輩のそしりは甘んじて受け入れましょう。
 しかし、決定権は私にある事をお忘れなく」
「……そうね。ご自由に為されば良いわ。
 私は苦言は呈すけど、飽くまで軍人。命令には……従うわ。では」

 グラディスは敬礼して通信を切った。
 その表情はとても憮然としていた。
 アスランは溜息を吐いて椅子の背もたれに深くもたれかかった。
 何気なく頭をぽりぽりと掻いた時、違和感を感じた。

「……はぁ。勘弁してくれよ」

 彼の手には、数本の毛があった。

584 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 00:07:59.67 ID:???
8/17
「はい、どうぞ」

 ドアを開ける音がする。
 食事のトレイを持って入ってきたのは、連合の制服を着た少年の姿だった。
 彼女はにこやかに語りかける。

「あら、今日はフレイさんはいらっしゃらないのですね」
「……えぇ。今日は僕が代わりに」
「そうですの。どうもありがとうございます」
「いえ、……どういたしまして」

 彼女は彼の様子がとても元気が無い様に感じられた。
 それは表情は勿論、姿勢にも覇気が無い様に見えたからだ。

「どうなさいましたの?
 もしお時間がよろしければ、わたくしとお話してくださいませんか?」
「……あ、ぐ、あぁ、あ、ぅ、ぐぅぅぅぅ、あぁーーー!!!!」
「!?」

 少年は突然こらえ切れず堰を切った様に泣き出した。
 彼女は驚いたが、すっと立ち上がると彼の頭を胸に抱き寄せた。
 少年は驚いた表情を見せて彼女の顔を見るが、彼女は笑顔を見せて彼の頭を優しく撫でる。
 その優しさに、彼は素直に甘えて胸の中で涙を流した。

「おや、そこのねーちゃん、こんな所にどうした?
 確か君、あの学生達の仲間だろ。えーと、フレイ、アルスター、だろ?」
「……」

 フラガは話しかけても反応しない彼女に苦笑した。

585 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 00:11:37.21 ID:???
9/17
 しかし、張りつめた様な表情で立っている彼女を放っておけないとも感じた。
 それは女性を大事にというよりは、どちらかというと、
……何かやらかしそうな不安の様なものの方が大きく感じられたからだ。

「へぇ、君はあれに興味あるの?
 女の子にしては珍しいねぇ。ロボ好きかい?」

 そう、彼女が居たのはハンガーの新型開発現場の前だ。
 そこで突っ立って見ているのを見れば、誰だってそう思う所だろう。
 しかし、彼女の答えは違った。

「………殺したい」
「へ?」
「………コーディネイターなんて、みんな死ねば良いのよ」

 あ〜あ、やっぱり。
 ……そんな感想を心の中で漏らすフラガは、
自分の野生の感とでも言うべき危険信号に従わず、
安易に触れてしまった事に半ば後悔しつつ、
それでも先が知りたい自身の好奇心に苦笑を禁じ得ない。

「……はは、おいおい、それは物騒だなぁ。
 じゃぁ、何かい、君があれに乗って戦うのかい?
 確か、新しいパイロット募集してたろ」
「………フフ、それも悪く無いわね。
 アハハ、……何よ何よ、
みんなよってたかってコーディネイターの擁護しちゃって。
 私は許さないわ。
 パパを、パパを殺した奴らなんて皆殺しにしなくて気が済みますか!ってのよ」

というわけで、第一弾投下終了。次は1時過ぎくらいに投下します。
次の投下で何とか終われそうですね。

586 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 01:07:56.98 ID:???
続きを投下させて頂きます。
10/17
 彼女の父は先の戦闘で亡くなったジョージ・アルスター外務次官だ。
 この言い様だと相当の溺愛っぷりだったのだろうし、
彼女もそれを受け入れていたのだろう。
 戦争で肉親を失うことは悲劇に違いない。だが、可哀想な子は沢山居る。
 彼女の父の様に地位や名声の有る人物ならば、その後の生活も何とかなるだろう。
 彼女には悪いが、むしろ哀しめる程の父親が居たことを幸せに感じた方が良いと、
例え内心思ったとしても、それを言わないのは彼の天性の性格故だろうか。

「……そうか。でも、それなら君、このままじゃそれすらもできないな。
 いくらOSがナチュラル仕様たって、体が出来てない奴が扱える代物じゃない。
 キラはコーディネイターかもしれないが、イチェブ君は随分体を鍛えている。
 君はその覚悟があるのかい?」
「あるわ。えぇ、あるわ。やってやるわよ!
 皆殺しにしてやるわよぉおおお!!!!」

 彼女の気迫は相当のものだ。
 ここまで断言する彼女に応えないのは男が廃る。
 いや、そんなものは建前で、内心は少々悪戯心が湧いてきていたのだ。

「おし!なら、俺が鍛えてやる。俺もこれでも軍人だ。
 鍛えるくらいはやれる。軍の機体を動かしたいなら、君は軍人になるんだ。いいな?」
「えぇ、良いわよ!さぁ、始めるわよ、今始めるわよ、すぐ始めるわよ!!!」
「(えらい気合い入ってるなぁ。さてさて、いつまで続きますか…?)」

 フラガは彼女に促されながらハンガーを出て行った。

587 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 01:09:00.89 ID:???
11/17
 副長日誌
 私はアズラエル理事との協議の末、
連合軍に協力する企業の幾つかとの大口の契約を締結する事とし、
その見返りとして艦長達の早期救出を依頼する事となった。
 ブルーコスモスの主義者と言われているアズラエル理事だが、
実際の彼はずっとビジネスライクな人間だと言う印象を受けた。
 彼は親しげに私と交流を持つ事を希望し、ゴルフに始まり、
釣りに乗馬にボーリングと、忙しい時間を削っては遊ぶ約束を持ちかけてきた。
 無下に断る理由も無いので、彼との個人的な交流を進める事とした。
 艦の業務は不安だが暫くトムとベラナに共同で当たらせておく事とした。
 私は彼の車でロスの高級ホテルのプライベートルームへ来ていた。
 そこは彼のお気に入りのロス市街が一望出来る展望室で、
部屋の調度類は宇宙に関係した模型や図版など様々なものが飾られている。
 彼は私をバーカウンターに座らせると、カウンターの中で作業を始めた。
 そんな彼に私は話しかけた。

「貴方は失礼だが……いわゆるブルーコスモスという主義者のボスにしては、
その……随分ニュートラルな印象を受ける。」
「あぁ、良いですよ。お気遣い無くどうぞ。
 そうですねぇ、世間は僕らを主義者呼ばわりだけど、
僕らはこれでも経済を発展させてきた一族の末裔。
 こういう悪者扱いにでもならなくて、
どうして人類は発展することができるのだろうかと思いますよ。
 いわば、僕らは体のいい汚れ役です。でも、誰かがしなくてはいけない。」

 彼は手慣れた手つきでグラスにブランデーを注いでいた。
 一つを私に渡すと、もう一つを左手に持ちゆっくり口へ運ぶ。

588 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 01:13:57.83 ID:???
12/17
「しかし、平和に暮らすこともできるんじゃないのかな。」

 グラスを置いた彼は、冷蔵庫から豚肉とキャベツとピーマン、
それに糸こんにゃくを取り出し、
棚から小麦粉と何らかの顆粒の入った入れ物を出してきた。
 何を作り始めるのかわからないが、
テキパキと手を動かしながら楽しそうに話す。

「えぇ、そうですね。確かに。
 でも、じゃぁ、僕みたいなのが表に出て手綱を引かなかったらどうなるか。
 僕より酷い、それこそ本当の『主義者』の出番が回るだけです。
 まぁ、勿論、僕も個人的にはコーディネイターは嫌いですよ。
 奴らは口で言う程清廉潔白でも優秀でもない。
 我々が長く努力して築いてきた資産を、横からかすめ取る泥棒達です。
 彼らは泥棒をしておいて権利を認めろというんですよ?
 ……これでうんと頷くなら、その人の頭こそどうかしていると言いたいですよ。」

 彼は言う程に荒れているわけでもなく、
にこやかに淡々と話しながらキャベツを千切りし、ピーマンを細かく刻み、
糸こんにゃくも適当に切り、豚肉も食べ易いサイズに切りそろえると、
冷蔵庫から紅生姜と卵を出し、その紅生姜もまた細かく刻むと、
それら切った素材を豚肉を除いて全てボールに入れ、
小麦粉をまぶして卵を数個入れてから混ぜ、徐々に水を足していく。

「……確かに彼らは横暴だ。
 人類の革新というよりは、努力する苦労を知らぬ天才の世間知らず、
……といった所かな」

589 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 01:15:40.01 ID:???
13/17
 私は話をしながらも器用にこなして行く彼に感心しながら話を続けた。
 彼もこのながら作業が好きな様で、終始笑顔だ。

「おぉ、上手い例えですね。
 えぇ、……確かに彼らは生まれながらの天才ではあるんです。
 認めようが認めまいが……事実だから仕方ない。
 本来ならば、彼らはその知力をこそ武器に商売でもなんでもすれば良かったのです。
 勿論、我々との良好な関係が前提ですがね。しかし、彼らはそれを選ばなかった。
 宇宙に住めるのは彼らの力によるわけではない。我々の努力の結晶だ。
 そうした経緯を理解するならば、
彼らは我々と多少の不利を覚悟してでも交渉を進めるべきだった。
 しかし、そうはならなかった」

 フライパンを熱して油を引き、豚肉を炒め始める。
 じゅーじゅーと良い音がしている。

「……その結果がバレンタイン……ですか?」
「あれは……、僕もコントロール出来た話ではないんです。
 ただし、あれを悪いとも思いませんよ。非情を承知で数に置き換えるなら、
たったの2000万の犠牲で済んだはずなのです。
 結果はどうです?…生かしたが為に、
地球はエイプリルフールで7億とも8億とも言われる人口を、
単なるエネルギー不足で失ったのですよ。
 ……フフフ、幾ら非道のそしりを受ける我々でも、
それほどの被害を出せる程に世論に強いわけではありません。
 これは断言しても良い。我々も万能ではないのです」

590 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 01:19:52.39 ID:???
14/17
 彼はある程度火が通った所でボールの中身を投入する。
 ぐつぐつという音を響かせ、パンケーキ状に伸ばされたそれが焼かれる。

「で、あなたは、今後どうされるおつもりで。
 コーディネイターはそのうち滅びるでしょう。
 それは将来はわからないが、
この時代の遺伝子工学では致死遺伝を回避して産むとなると、
クローニングに近い結果にしかならない。
 そもそもコーディネイトの理想がブームに左右されるのであれば、
 遺伝子バラエティが飽和するのは見えていたはずだ。
 いや………元々あなた方はそれを知っていたのではないですか?」

 私の問いに彼はニヤリと口角を上げる。
 それまでの彼はただ笑顔なだけだったが、にわかに真面目な表情になった。
 そこには大胆不敵さを感じさせる堂々とした威風があった。
 フライパンのパンケーキ状のものの表面がほんのり乾いたのを見て、
それをフライ返しでひっくり返す。
 ジューという音が鳴り返されたそれには、綺麗な焼き色が付いていた。

「……いやはや、貴方は賢いですね。
 ブルーコスモスの中でも、これを理解しているのは多くない。
 仰る通り、ジョージ・グレンの告白でコーディネイト・ベイビーが産まれる
『ブーム』がやってくることは予想通りでした。
 そして、それらの市民を積極的に宇宙開発に駆り立てたのも我々ですし、
 結果的遺伝飽和も予想通りです。
 彼らはこの予想の範囲でブームに乗せられていてくれれば良かったのです。
 そうすれば、新たなブームが遺伝子の飽和を緩和することも出来たのですから」

591 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 01:31:34.74 ID:???
15/17
「……とすると、プラント経営とコーディネイターの登場は、
ブルーコスモスの願い……ということになりますね」
「願い?…違いますよ。ビジネスです。飽くまで。
 彼らは我々が作るブームというショーウィンドウを飾る商品であれば良かったのですよ。
 それが暴発するのも……まぁ、仕方ないと思いますが、少々彼らはやりすぎた。
 我々の許容範囲というものも限界があるということです」

 彼はフライパンの近くに顔を寄せると、フライ返しで底の焼き加減を確認する。
 しかめっ面の彼を見るに、まだ満足の行く状態ではないのだろう。

「……難しいですね。今のまま進めば、落としどころは何処になるとお考えで。
 失礼だが、情勢はあまり良くない」
「……うーん、そうですねぇ。目下、それが一番悩みどころですよ。
 何しろ、私の後ろには私より跳ねっ返りが沢山居るんです。
 彼らを納得させつつ、あの宇宙人どもを黙らせつつ……どう落着させるか。
 妙案があるなら聞いてみたいものです。」
「というと、勝算は有ると?」
「フフ、勝てないわけが無い。確かに現在の状況は…あまり良くないですが、
細かなピースは揃いつつ有る。私はこのパズルを完成させる自信はありますよ。
 ただ、問題はそこじゃないんです。むしろ、その程度で済むなら話は早い。
 あなたが言う通り、コーディネイターなんぞいつか滅びるんですから。
 問題は……我々です。いやはや、欲望というものは際限がない。
 全てを滞り無く収めるには、圧倒的な力が必要になるでしょうね。
 それこそ宇宙人でもやってこない限り、纏まるものも纏まらないでしょう。
 はっはっは……と。あー、出来ました。お好み焼きです。
 日本に行って気に入ったんですよぉ。どうぞ、酒のつまみにお召し上がれ」

 彼はフライパンで焼いていたパンケーキの様なものを皿に移すと、
そこに編み目の様にソースとケチャップに鰹節と青のりを振り、
最後にマヨネーズで器用に外の夜景らしきものを描いて私の前に置いた。
 なかなかに香ばしい食欲をそそる香りがしていた。

592 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 01:37:00.95 ID:???
16/17
 アークエンジェル艦橋ではバジルール少尉が警戒勤務に当たっていた。

「報告」
「はい、現在の所、周囲に機影無しです。
 ……そういえば、バーナードとローのエンジンを改修しているそうですね」

 サイ・アーガイルの言葉に、バジルール少尉は自分の方でもデータを確認した。

「あぁ。改修はもう7割方終わったそうだ。ハンセン女史は凄い天才だな。
 彼女の手に掛かればあらゆるものが高性能になる。
 そういえば、彼女が開発している新型のパイロット募集、お前は応募したのか?」
「あ、はい」
「そうか。何故、応募した?」
「はい。……えー、キラ……じゃなかった。
 ヤマト少尉にだけ負担を押し付けるのは悪いと思って。
 せめて一緒に戦える様になってやりたいな……と」

 ナタルは彼の友情に感心していた。
 自分がもし彼と同じ立場だとして、そこまで友達を思う事が出来ただろうか。
 これまで半ばドライに物事を判断する事が大切だと考えて生きてきたが、
彼の様に人を思う事もまた自分に必要な物なのだろうと、客観的には考えていた。
 ただ、彼の適性とヤマト少尉の適性は違うとも感じた。

「アーガイル、お前、指揮官を目指す気は無いのか?
「指揮官……でありますか?」

593 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 01:38:46.12 ID:???
17/17
「そうだ。大和少尉を思い遣る気持ちは分かるが、
お前と少尉では得意分野が違うだろう。
どちらかと言えば、お前は人を纏める側の人間の様に感じる。
 何も支える立場は同じである必要は無いのではないか。どうだ」
「どう……と言われましても。それに、それではあいつの負担は……」
「勿論、お前の考えている事はわかる。
 正直な所を言えば、私が動かせるならそうしたいくらいだ。
 だがな、思いだけでは何も出来ないんだ。実際に動けなくては。
 私がこうしてここに居るのは、ここが私の出来る場所だからだ。
 運命は選べないが、道を選ぶ事はできる。向かう先が同じならば、
 その場で最善を尽くせる場所に居る方がずっと助けになるはずだ。
 もし、お前にその気が有るなら大佐へ話してみるぞ」

 サイは彼女の唐突な提案に驚いていた。
 まさか彼女からこんな事を言われるとも思っていなかったのだが、
自分の向き不向きを客観的に指摘されるだけじゃなく、勧誘までされたのだから。
 自分でもキラ程の才能が無い事は理解している。どんなに上手く頑張ったところで、
彼と同等の仕事をこなすことは並大抵の努力では無理だろう。
 彼女の言う通り、向かう先は同じでも、辿る道は同じである必要は無いのだ。
 そんなことを考えていた時、突然センサーが警報を鳴らした。

「何事だ!?」
「あ、はい。センサー範囲に機影らしきものを確認。
 これは……ZAFTです!!!」
「なんだと!?総員、第一戦闘配備!艦長と大佐には私が報告する。」
「はい!」

 アークエンジェルは再び戦闘へ入ろうとしていた。

第14話終わり。第15話へ続く
投下終了。大量で申し訳ないです。有り難うございました。

594 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 01:49:32.48 ID:???
投下おつおつ
とりあえずヅラの宿命と盟主王のお好み焼きフイタw

595 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 09:15:11.96 ID:???
乙ー
そういえば種終盤、「遺伝子操作人類+ジェネシス」でカーンさまを連想したのを思い出した

596 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 14:13:12.53 ID:???
悪魔艦長が本格的に指揮権を握り始めたな、この調子でどんどん分捕っていくのだろうな。
そして来た!話の分かる盟主王来た!これで勝つる!
惑星連邦じゃ治療以外じゃ遺伝子操作は禁止だから、副長は盟主王と上手く話を合わせられるんだよな。

597 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 21:49:05.31 ID:???
某アイマス動画を見てティンと来たんだが…

・もし太陽の牙ダグラム世界にヴォイジャークルー船込みで転移したら?
・  同上        にのんべえ先生ロンデ二オン共和国が転移したら?

が脳裏に閃いたw

598 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 21:57:56.40 ID:???
フレイが殺る気もといやる気マンマンなのはいいけれど、
第11話でのジェインウェイ艦長の修正とラクスとの対話の糸口が
全部パーになってるような気も…いいのかなあ。

599 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/07(土) 22:23:04.92 ID:???
フレイが泣いたり笑ったり出来なくなるフラグキター!www
そして盟主王話しが分かりすぎ

600 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/08(日) 01:11:59.08 ID:???
乙です!
何だか種の世界を今までと違ったアプローチで見せられている気がする・・・
コーディネーターがほっとけば滅びるなんて考えもしなかったし・・・!!

そしてこのままだとセブンの新型にはフレイが乗る事になるのかな?
続き待ってます!!

601 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/08(日) 01:43:16.36 ID:???
>>597
そんだけ混ぜるとどこぞのいい男が次元の壁破って乱入しそうだからやめれww

602 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/08(日) 06:39:12.60 ID:???
>601
つGAT-110105

603 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/08(日) 08:37:37.06 ID:???
けどここだけの話ダグラム世界でガンダム勢力どの位やれるんだ?

604 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/08(日) 09:25:28.19 ID:???
>>600
遺伝子の多様性の欠如による種の衰退ってのは、本家スタートレックの話の中でも何度か出てきてるストーリーだから
遺伝子調整の繰り返して生物的な能力が劣化して、治療の術もほぼなくなって滅亡寸前って種族も出てきたりしてきてるし

フレイは今のままじゃ100%新型の機体に乗ることはないだろう
そもそも、正規の軍人が機種変更の適正調査とか訓練している最中、肉体的にも精神的にも未熟で感情を制御できない子供に機体をあてがう理由が一切見当たらない
悪魔艦長的にもフレイが軍属になったとして、私情で命令無視をするのが目に見えてるのに任務を与えるとも思えない、スタートレックではその辺り厳しくやってるから
フレイが任務を任かされるとすれば、現状をしっかり見据えて一皮剥ける成長が大前提になるだろうが、そこまで成長できる気がしない

605 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/08(日) 13:12:19.08 ID:???
ブルーコスモス大勝利!コーディネイターのいない未来へレディゴー!がスタトレの地球だからな。
DS9の医者が父親が密かに違法の遺伝子操作した奴だっけど負い目持ってたし、ばれた時収監されるとこだった。
一悶着あって父親が収監されたけど。

606 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/08(日) 13:45:01.14 ID:???
よし、フレイをボーグ技術や8742の遺伝子変異技術で改造しよう。

607 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/08(日) 20:13:34.03 ID:???
>>598
ちょっと諭されたぐらいで肉親ぶち殺された恨みをどうにかできるわけないから当然の反応だろう。
カークだって息子殺したクリンゴンをすぐには許せてなかったし。

608 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/09(月) 21:19:26.41 ID:???
ちょっと聞くけど
その「転送装置」って「転送元」と「転送先」の装置同士でしかできないの?
それと「転送装置」→「任意の地点(何も無い場所)」って使い方も出来るの?
更に上の場合、片道転位?&回収的な逆転送って可?

609 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/09(月) 21:49:54.69 ID:???
まとめから来ました。ヴォイジャー超面白いです!!
クロスオーバーにはジェインウェイ艦長ハマり役ですねー
毎週の楽しみが出来ました。完走期待してますっ

>>608
転送範囲内なら、防御シールドとか特殊な妨害フィールドや磁場がない限り
行き先に転送装置がなくても行って帰れるし、お好み焼き食べてる盟主王を
周回軌道上のZAFT艦に転送したりなど出来ますねー
MSが攻めてきても敵パイロットを直接艦内の営倉に転送収容しちゃったりとかw

610 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/09(月) 21:58:54.78 ID:???
>>608
>「転送装置」→「任意の地点(何も無い場所)」

できるよ。任意の地点からロックした対象を転送装置への転送もできる。
転送装置で実体化させずに任意の地点→任意の地点も可能。

611 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/09(月) 23:55:00.97 ID:???
291です。
皆様ご覧下さいましてありがとうございます。
いつも労いの乙も有り難うございます。
個別レスは全てに出来ないので、とりあえず適当に気になったものにだけ

他の作品とクロスの話で言うと、前にも書きましたが、
他のスタートレック作品とのクロスを書く勇者も現れたら良いなぁ。
ここを見ていると、意外にトレッキー多いっぽいのにびっくり。
やっぱSF好きだと、スタートレックは外せないドラマですかね。

その他
オリジナルキャラ用のお名前は継続募集しております。
あなたの考えた名前が作中のどっかで登場するかもしれません。
正直名前考えるのめんどry

あと、個人的にジェインウェイ達がシード世界に溶け込んだら、
どんなキャラ画像で描かれるのか気になります。(そこ?

612 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/10(火) 16:55:02.29 ID:???
>>609
はい、更にな追加質問
その「効果範囲」ってどの位?(公式設定で確かな数値が出て無いなら、
その物語のシチュの主観的距離で)

613 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/10(火) 20:17:53.75 ID:???
>612
609さんじゃないけど、たしか数万キロ単位でできたはず。
ジェインウェイ艦長は他にも匿いたい人員のパターンを転送
バッファの中に隠したりといった使い方もしてる。


614 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/10(火) 21:15:43.16 ID:???
つうかそもそもTVシリーズの撮影ではシャトルでの惑星上陸とかメンドイので考案されたものなので
衛星軌道上から転送装置を使っての上陸/帰還をする為のギミック

615 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/10(火) 23:37:47.22 ID:???
>>612
同じく609氏ではないけど
ttp://www.m-nomura.com/st/transport.html
これ見た限りでは
「〜転送可能距離は、3000億キロ以上、数光年にも及ぶ。」だってさw…
もう何でも有りだな(呆

616 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/10(火) 23:54:07.31 ID:???
まぁそれ却下された未完成技術だし安全に転送するのは数万`が限度

617 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 01:33:03.35 ID:???
>>612
2009年の映画スタートレックで23世紀半ばの技術力で土星のタイタン付近から地球軌道上の船まで転送できてるから、
多数の異文明や未来の技術で改造されまくった24世紀半ば製造のヴォイジャーなら太陽系の端から端までぐらい転送できると思う。

618 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 03:14:56.41 ID:???
転送には転送ビームの到達距離と、転送バッファーの許容範囲の制限があるけど
転送到達可能限界で転送しても届くとは限らないから、安全距離に限られる。
使える理論上の最大はヴォイジャーで登場したと異星人によるトラジェクター転送で、
最大4万光年。仮に「管理者」の技術を含むなら7万光年強は飛ばせます。
しかし、ヴォイジャーの転送装置のみでの話なら数光年が限度かなと。
実際に使える安全距離は一光年以内(617氏の太陽系の端から端程度)でしょう。
それ以上となると転送の仕方に補強が必要になり、通常転送では成功率が低くなる。

619 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 07:21:32.37 ID:???
何かそれだけでも凄い様に感じる…w

実は「憑依系・設定お借り系」で
『「ヴォイジャーと同型艦、クルーは日本人・親日日系人」がWWUに転移…
内政テコ入れ、その後「戦闘」にも、ちょっと手助け…』

な、SSを妄想してみてるんだが…
意見及び感想聞きたいw

620 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 08:27:06.21 ID:???
危険な過去への旅ですねわかります

621 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 09:54:59.13 ID:???
>>619
石油をレプリケーターで作れるか知らんが、
まずは「簡単な核融合炉」で電力クリア、あとは…知らんw、
誰か内政系に強い奴、何か言ってやってくれ

後は資源バーターで「古典的(スタトレ日本人主観w)アサルトライフル&火砲&途切れないほどの弾薬」進呈するだけで、おけだろ?w


622 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 12:46:44.26 ID:???
そもそもそんな思想の持ち主は宇宙艦隊アカデミーの入学試験段階で落とされるな
スタトレでそういうことをやらかすのは大抵民間の人(悪魔艦長を除く)


623 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 13:04:40.07 ID:???
>>619
艦隊規則及び時間規則違反ですのでアウトね。
24世紀にはとっくに国なんてなくなっているし、宇宙艦に配属されるクルーが日系だからなんて下らん理由でそんな干渉することはない。

624 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 13:33:59.37 ID:???
というか、ヴォイジャー基準のスタトレテクノロジーを第二次世界大戦の世界に持ち込むってさ
灰田さんが力を貸してくれますってのと大差ない、寧ろそれより戦記にならない経緯・結果になること請負なんだが

早期停戦させましょう→じゃあ、無理やりにでも話し合いの場所作りましょうか→転送で関係者一同を一箇所に集める→停戦しろ
ってな方法が容易に出来る

625 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 15:07:09.02 ID:???
>>619
ここでやるんなら

『「ヴォイジャーと同型艦、クルーは日本人・親日日系人」がラクシズが時空を超えて乱入して惨憺たることになってしまったWWUに転移
…対ラクシズ連合・枢軸共同戦線にテコ入れ、その後「対キラきゅんフルバースト&ミーティア無双」にも、ちょっと手助け…』

でないと難しいぞ

626 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 15:48:58.57 ID:???
そこはロミュランが介入or黒幕なプラントorラクシズが(中略)sヴォイジャー(以下略
で良いじゃない

627 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 18:11:28.20 ID:???
>>625-626
…何か物凄くカオスだなw

628 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 19:48:10.54 ID:???
>>621
アステロイドベルトで、小惑星・岩塊等を元手に
それこそレプリケーターで「自動資源回収・作成施設」を作成
んでもって転送装置で常に日本に転送、国のトップの方々に資源の恒常的譲渡を餌に
日本版モンロー主義にさせてちょっと早い高度成長?w
(資源がほぼタダでジャカジャカ来れば無理に殺バツ的なかんじにならんもんなw)

629 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 19:53:57.64 ID:???
俺はWW2ネタでは無く
「ゲート 自衛隊〜」ネタで見てみたい

最初、日本に御厄介になっていろいろ交流している内に
ちょっかい出してくる半島と中華(お約束どうりその後フルボッコw)

630 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 20:30:18.98 ID:???
>>619
ろくにスタートレックシリーズの作品も見ずスタートレックの技術だけパクってTueee!したいだけならやめて欲しい。
そんなんスタートレックの意味が無い、完全オリジナルでやれよと。

631 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 21:14:04.23 ID:???
まー、漫然と設備に頼るだけじゃダメなシチュエーションがデフォだったよなあ。

632 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 21:56:42.45 ID:???
そういや今度のスタトレ新作映画、前作に引き続いて未来のロミュランによる歴史改変を受けた世界だけど
一時期、カーンさんが登場するって噂も流れてたっけ

633 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 22:01:39.63 ID:???
>>630
えー?、俺Tueee!いいじゃないか
あの技術をフルに使った蹂躙…ってのを見てみたい…w


634 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 22:07:24.13 ID:???
ジェインウェイ艦長は光子魚雷転送でボーグ探査船をブッ壊してラッキーな日と言い放った印象に残ってるな。
シールド張っててもその隙を見つけられれば転送できる。

635 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 22:12:33.76 ID:???
>>633
技術設定だけパクって後の要素はポイ?そんで弱者蹂躙だと?屑すぎるだろ。

636 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 22:30:13.00 ID:???
>>633
にじファンとかでやったら?

637 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/11(水) 23:14:54.49 ID:???
原作へのリスペクトの無い作品は嫌われるだけだ
自分の好きな作品の世界が誰かさんの都合で蹂躙されて
無残な扱いを受けることに憤りを覚えないやつはいない

638 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 00:36:33.71 ID:???
ともあれそんなのは放っておけばいいのさ。
需要が無ければ伸びないだろう。
誰だったかCM関係者の言葉だが
「視聴者に好きになってもらえないのなら、嫌わせればいい」だそうだ。
文句を言うのも需要の一つだよ

639 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 00:50:40.87 ID:???
>>638
それはとんだ勘違い発言ってやつだな。
己のダメさ加減を誤魔化してるだけ。

640 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 00:51:27.61 ID:???
そろそろガンダム関係なくなってきてるから辞めた方が良いだろう
考えたり書いたりするのは勝手だが、別スレでやってくれ

641 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 00:59:13.51 ID:???
スタートレックシリーズにおいて技術力を笠に来た行為する奴は主人公たちによって粉砕されるのがお約束なので、
オリ主たちは最後は悪魔艦長に光子魚雷で爆殺されるっていうオチにするつもりなんだろう。

642 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 02:46:09.49 ID:???
いや、実はその連中はカーンさまの信望者で歴史改変によって優生人類が支配する世界を創るのが目的。
悪魔艦長らの奮闘によって阻止されたかに見えたがバタフライ効果によって生まれたユニヴァースがコズミックイラなのだ。

643 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 05:38:16.20 ID:???
総スカンの>>619やその同類がこのスレを反日在日()認定して
居座って荒らさなきゃいいけど。

ところで…技術供与とか実戦に関わるかはともかくホロデッキに関して
何か一席ぶつエピソードはないものでしょうかな。

644 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 07:19:45.71 ID:???
291です。おはようございます。
なんだかタイムトリップネタで賛否が分かれている様ですね。
私がスタートレックを投下したことで荒れるのは忍びないです。

このスレがとりあえずクロスオーバーであることを考えれば、
他の方が仰る様に飽くまで○○とSEEDって作品を考えられたら良いと思います。
ただ、オリジナルとしてSF未来からWWIIに乱入を考えるのは構わないかな。
それをここで出すべきかという話だと、スレ違いになっちゃうのでしょうけど。

何かの作品を作る上で、下地として参考にすることは良い事だと思います。
皆さんそうやって勉強して話の作り方を理解するわけですし。

個人的には日本へ技術介入したとしても、政治を変えなければ不能でしょう。
政治が適切に判断出来ている前提があって、次に技術や資源なので。
そういう意味では技術や資源だけではあまり意味が無いかもしれません。
あの当時の持てるものでも、やりくり次第なのかなって思いは有ります。
というか、そっちの方が物語としては面白いのかもしれません。

645 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 09:15:16.46 ID:???
>>643
ホログラムに関してヴォイジャーのドクターがホログラムだから沢山エピソードあるんよ。
ホログラムが反乱起こしたり。

646 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 15:44:33.31 ID:???
>>635
弱者?w
当時のアメリカは「当時の自国以外の全国から同時に戦争吹っかけられても無双可」と言われてんだぞ?
更に当時のシナ畜どもの国際法務しのゲリラ戦やら赤熊共の暗躍やら…
一体全体何が弱者なのやら…(嘲笑



647 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 16:09:52.49 ID:???
>>646
いい加減スレチだから出て行けよ
スレに関係ない自己中レスするだけならただの荒らしだ、何言っても正当性はない


書き込みみりゃこいつが書いてるってのは一目でわかるから、今後はスルー推奨で言いと思う

648 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 17:52:48.82 ID:???
>619涙目(笑

649 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 18:47:32.06 ID:???
まさか三■目?スルー推奨

650 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 21:19:26.70 ID:???
それにしても綺麗な盟主王が出て来たって事はこれから先のザフトはより一層の苦境に陥るな。

651 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 23:20:45.26 ID:???
>>644
荒れたのはあなたのせいではないですよ。
単にこのスレにロミュランとクリンゴンが紛れ込んだだけですw

652 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 23:26:27.11 ID:???
第二の介入者がない限り、ZAFTが原作通りの作戦を実行できるかどうか怪しいくらいに流れが傾いてきてるな
さて、どうやって流れに逆らうのか・・・

653 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/12(木) 23:48:01.31 ID:???
オペレーションスピットブレイクでヤバい事になるな。

654 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/13(金) 00:55:25.83 ID:???
コーディネイターとしての驕りを捨てて思慮深く謙虚になれればあるいは可能性はあるかも?
生命体8742ぐらいの用意周到さは必要だった。

655 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/13(金) 11:20:32.85 ID:???
>>654
生存に必要なリソースを地球からの輸入に頼って居る点、それと絶対的な人口格差
この2点がある限りZAFTに可能性はない

地球連邦からユーラシアとかの離間とかすればまだ分からないが、エイプリルフールクライシスでとてもじゃないが引き込めるような関係じゃないしなぁ

656 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/13(金) 20:54:27.70 ID:???
ナチュラル全殺しする気だと捉えられてもおかしくないよな。
まー、パトリック・ザラをはじめ結構な数のプラント市民は全殺しする気なんだろうしなあ。

657 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/13(金) 23:16:54.85 ID:???
ジェインウェイ艦長と盟主王の会話が早く見てー。

658 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/14(土) 01:31:27.56 ID:???
291です。全部で目算通りなら13分割なので、二回に分けます。
では宜しくお願いします。
1/13
第15話「奪われた技術」

「……僕は、戦いたくなんか無かった。しかも、そこにアスランが……」
「そうでしたの。彼も貴方も良い人ですもの。それは悲しいことですわ……」
「え……?アスランを……知っているんですか?」
「はい。アスラン・ザラは、私がいずれ結婚する方ですわ。
 ……でも、それは父が勝手に決められた方。
 私は、キラ様の方が魅力的に感じますわ」
「え!?」
「フフ、冗談ですわ。……でも、素直な貴方の方が、
彼よりずっとお友達になれそうに感じます。
 できればこれからも、私の、お友達になって下さいますか?」

 彼女の潤んだ視線が注がれる。
 鼓動の高鳴りを感じ、喉が思わず鳴りそうな乾きを感じる。

「……ぼ、僕で良ければ。」

 キラは頬を赤く染めながら、彼女の申し出を受け入れた。

 艦長日誌
 我々はこの数日を暗礁宙域で過ごしている。
 それもこれも新たに加わった2隻の速度が遅いためだ。
 月を目指して飛行するにも足の遅さは問題になることから、
先にこの問題を解決する事にした我々は、
船体の改造をしつつ体制固めを急いでいた。

 2隻の艦の整備はセブンの指揮のもとに大方の整備を終えたが、
まだ運行出来る状態には無い。
 艦隊の指揮系統の構築も急務だった。
 新たに大佐となった私のもと、ただ3隻の艦を纏めるだけでは迅速な行動はできない。
 そこでアークエンジェルの一室を改造して設置した執務室に、
新しいコンピューター制御の管制を置き、
3隻の艦の艦長または副長を常駐させ参謀として作戦計画を立てる事とした。
 私はここを作戦室と呼び、クルーの出入りを上級士官に制限した。
 また、長らく宙に浮いていた「我々2人」のポジションを再設定し直した。
 私が大佐として艦隊全体を指揮する立場に立つとして、
トゥヴォックには元々米国空軍の退役少佐というポジションを設定していたので、
そのまま少佐として復隊扱いとし、彼には作戦参謀兼保安主任として私の補佐役とした。
 そして、再編で空けた部屋2つを私とトゥヴォックそれぞれに当てて自室とした。

659 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/14(土) 01:36:31.02 ID:???
2/13
 セブンが平行して進めていた新型メビウスの開発は順調に進み、
大尉のメビウス・ゼロ改造仕様が一足早く完成し、続いてフラガAI搭載型メビウスは、
フラガ大尉の名前を一部貰い受け「メビウス・F(FURaga AI=フライ)」とし、2機が完成した。
 6機あるうちの2機しか完成出来ていないのは、
セブンの完璧主義故の妥協無き開発の結果として、当初仕様より大きくリファインされたためだ。
 これにより6機全て使える予定が、最終的には4機で残りの2機分は予備パーツ扱いとなるのは痛い。

 メビウス・F
 エンジン出力はゼロと共通にリファインされ、直進性に加えて垂直水平運動能力を獲得。
 また、簡易に大気圏での運動性能を獲得する可動式水平翼を装備。
 ミサイルポッドは着脱式になり、全2門の有線式ガンバレルリニアガンを搭載。
 装甲は試作の簡易ラミネートPS装甲に変更され、大幅に耐久性能が上昇。
 OSはVST製に置き換えられ、コックピット内部の操作性も従来より進化している。
 機体カラーは黒にライムグリーンのラインが入り、MSの目の様にラインがグリーンに光るその様は、
 ボーグの放つ光の様なので私はボーググリーンと表現したが、セブンは面白くない様だ。
 PS装甲発動時はカラーがグリーンになる。

 新しいパイロット編成については、
メビウスはフラガ大尉のゼロの指揮のもと、旧メビウス部隊の6名が交代でフライに乗る事とし、
パイロットの補充に問題は無い。
 フライは新たに加わった二隻に二機ずつ編成される予定だが、現在は一隻に一機となる。
 アークエンジェルではこれまで通りにストライク/デュエル/メビウスの3機が搭載されるが、
新たに開発中の機体を含めて最終的には4機体制を予定している。
 その新たな新型のパイロット候補生は選考の結果6名まで絞った。

 アーノルド・ノイマン、カズイ・バスカーク、サイ・アーガイル
 トール・ケーニヒ、フレイ・アルスター、ムウ・ラ・フラガ

 順位は大方の予想に反して面白い結果となった。
 一位と二位はフラガ/ノイマンと正規兵なので順当なものとして、その他の順番は以下の通り。
 3位フレイ・アルスター、4位トール・ケーニヒ、5位カズイ・バスカークで、
 サイ・アーガイルは一身上の都合で棄権した。

660 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/14(土) 01:38:37.63 ID:???
3/13
 アーノルド・ノイマンに次ぐ大金星を出したフレイ・アルスターは、
シミュレータの成績でも好成績を出し、体力面でも同年代の学生達のトップだった。
これは事前にフラガ大尉の指導の元に厳しい訓練を受けて臨んでいたからだろう。
 しかし、彼女の最大の要因は父の死である事は間違いない。
 その事で彼女がコーディネイターに対する敵意を燃やすのは問題だ。
 私はそれを彼女に話すことにした。

 試験を終えて訓練ルームから出る手前で私は彼女を呼び止めた。
 彼女は振り向いて立ち止まる。

「大尉達に次ぐ三位は大活躍ね」
「有り難うございます」

 彼女は笑顔で答える。
 私もにこやかに話を進める。

「……話は、あの戦闘から数日、クライン嬢への給仕が疎かになっているそうじゃない」

 彼女の表情が曇る。
 あまり振れられたくない様だが続ける。

「キラ君が代わりに運んでいるそうだけど、誰が休んで良いと許可したのかしら」
「………許可はありません」
「そうよね。私は『あなたに』命じたはずよ」
「……はい」
「だったら、訓練を受けながらでも充分にこなせたはずよね?」
「そ、それは……」

 私はひと呼吸溜息をつく。

「私はあなたのお父さんの死を軽んじる気もないし、
その憎しみを糧に頑張ってきたのも理解している。
 だけど、あなたに話したわよね。人は一人では何も出来ない……と。
 あなたが幾ら頑張った所であなた一人じゃ何も出来ないのと一緒で、
 この軍という組織もあなた一人で動くものじゃないのよ。
 そんな組織であなたは生きて行ける?
 憎しみで戦って、どこまであなたは戦い続けるのかしら?」
「……それでも、パパの……父の敵を討ちたいんです!
 そうでもしないと……とても気が済まなくて」
「……そう。私達が目指す所は組織としてのZAFT打倒だけど、あなたはコーディネイターが憎い。
 じゃぁ、その戦いが終わったら、あなたは一人でコーディネイターに戦いを挑むのね」
「それは!?」
「……そういう事になるのよ。だから、コーディネイターとZAFTは分ける事ね。
 じゃなければ、あなたは永遠に憎しみを抱きながら生き続ける事になるのよ。
 私は出来ればあなたにそんな生き方はして欲しくない。
 あなたのお父上もその気持ちのはずよ?」
「……」

661 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/14(土) 01:41:24.09 ID:???
セブン自重しるww

662 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/14(土) 01:42:23.13 ID:???
4/13
 彼女は無言のまま俯いていた。
 まだ心の整理なんて付かないだろう。
 酷な事かもしれないが、感情の赴くままを許せば秩序は保たれない。

「……兵として生きる道を選んだのなら、与えられた命令は完璧にこなす事ね。
 軍という場所はそういう所なの。それに従えない者は必要ないわ。
 私が言いたかった事はこれだけ。理解したならしっかり仕事をすることね」
「……はい」

 私は彼女に下がる様命じた。
 彼女は大人しく礼をして部屋を出ていった。
 その始終を見ていたラミアス、フラガの両名は口を挟めない空気を感じて、
ただ静かに私達のやりとりを聞いていた。
 私は振り向き様微笑んで、

「さて、戻りましょう?」

 ……と、二人に促した。

 兎に角、新型の開発はまだ時間が掛かるため、候補生達には今後訓練を受けてもらう事になる。
 ただ、この選考でフラガ大尉は新型の候補から除外することにした。
 彼には既にメビウス・ゼロがあるため、主戦部隊から外すわけにはいかないからだ。
 アーノルド・ノイマンもこの件では同じで、彼の操舵能力無しにアークエンジェルは動かない。
 二人を除いた3人が今後の新型の候補となるが、二人にも訓練を受けることは許可した。

 我々は新たな作戦室で会議を始めていた。
 地球連合との連絡もつかず、ヴォイジャーとの連絡も上手くいかない現状は歯痒いが、
出来る事をする他に無い。

「……ZAFT軍はセンサー範囲から5000kmの宙域に2隻確認されている。
 長距離センサーの識別により前回我々を襲った艦隊だろう。
 想定時間で最短5時間程後に我が方へ到達すると思われる。
 暗礁宙域へ向けて先行している機影が2機、現在
バスターと新型のグリーン(ゲイツ・ステルス)の熱源パターンと一致している」

 作戦室には私の他にトゥヴォック、
アークエンジェルからはフラガ/ラミアス/バジルールの3名、
そして、2隻の艦長であるグライン/ブライトマンの両名が集っていた。
 トゥヴォックがセンサー情報を説明する。
 それを感心した様に5名の連合クルーは聞いていた。

663 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/14(土) 01:46:35.68 ID:???
5/13
「……いやぁ、最新のコンピューターはこんな距離からそれだけの情報を出せるんですか。
 こりゃ裸同然じゃないか。Nジャマー形無しだなぁ」

 フラガ大尉の言葉に周囲の士官達も同意するように頷く。
 実際、このデータはアーチャーからのデータのため、Nジャマーの影響は受けていない。
それどころかこれ以上の距離もハッキリと識別する程度の事は可能な性能があるが、
彼らにその能力の全てを渡す程に我々もお人好しではない。
 仮に作戦室を他のクルーが利用したとしても、索敵可能限界は五千Km以内に留めている。
 それでも彼らのセンサーからすれば雲泥の差であることは言うまでもないが。
 そのお陰でバジルール少尉は勘違いし第一戦闘配備で警報を鳴らしたのだが、
実際はかなりの長距離だけに警報を解除した。
 それを本人は自分のミスとして恥じているが、
事前に説明しなかった我々が原因だけに彼女には悪い事をした。

「そうね。我々の技術をもってすれば、これくらいは出来て当たり前。
 問題は彼らをどう叩くのが最適かを、ここで皆さんには議論してもらいたい。
 私は基本的には部外者よ。解決策は自分達で出して欲しい。
 貴方達なら、彼らの立場になって考えた時にどう攻撃したら良いと考えるかしら。
 それを加味して考えて頂戴。私はその問いに答えましょう」

 私の提案にまずブライトマン艦長が挙手した。
 私は彼の方を向いて頷き、発言を許可する。

「私は現状の宙域を早期に離脱し、月への航路を進むことを提案します」
「その根拠は?」
「こちらは既に敵の動向を把握しています。
 確かにこの宙域に留まればデブリを盾に出来ますが、それは敵も同じ。
 逆にデブリへの誤爆による想定外の被害を出す危険性もあります。
 まだ距離のあるうちに先行し、母艦隊の援護を受けた方が有利に働くと考えます」
「そうね。でも、改修が不完全な為に艦の足は遅い。ナスカ級の足はドレイク級の足を越える。
 私が彼らなら、貴方達をこの宙域から追い出しさえすれば勝ち。
 何も今叩く必要は無いと考えるわ。
 それは以前フラガ大尉が話した様に、敵の引き際の良さが手掛かりじゃないかしら」

 ブライトマン艦長は私の返答を聞いて押し黙った。
 彼も気付いたのだ。彼らが何故あの時に叩いて来なかったのかを。
 彼に続いてグライン艦長が挙手した。

664 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/14(土) 01:46:53.12 ID:???
簡易ラミネートPS装甲作っちゃったw

665 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/14(土) 01:49:22.59 ID:???
6/13
「では、こんなのはどうです。
 先にバーナードとローを先行させ、
アークエンジェルは殿(しんがり)に付き布陣するというのは」
「それでは、折角の艦隊戦力が削がれるわ。
 もし敵の増援が先回りして待機していたら、アークエンジェルが殿に成功しても、
 ドレイク級は沈められるでしょうね。つまり、殿は賭けの要素が強いわ。
 使えなくはないけど、そのままでは危険よ」
「しかし、新しいメビウスFを投入すれば、かなりの戦力増強を期待できるのではないですか。」
「お忘れの様だけど、メビウスの武装はリニアガンよ。PS装甲には効かないわ。
 しかもたったの2機。確かにやりようはあるけど、
新型に慣れてもいないパイロット達が全員生還出来るかしら。
 人員の損失を覚悟したとしても、
艦の生存率はアークエンジェルとのランデブーに掛かってくる。
 ザフトがこの宙域で連合艦を見逃したのは戦力として見ていなかったからよ。
 侮られていたから。でも、今はアークエンジェルがあるから警戒を強めている」

 私の言葉にグライン艦長も降参の様だ。
 そこに、バジルール少尉が手を挙げた。

「大佐、発言失礼します」
「どうぞ」
「自分は大佐の意図している艦隊戦力の改修を待ちたいと思います。
 しかし、敵は容赦なく攻めてきます。
 でしたら、こちらから打って出てみてはどうでしょう。
 相手は籠城戦を決め込んでいると侮っているに違いありません。
 勿論、それなりの警戒はしていたとしても、こちらの艦隊が逃げこそすれども、
 逆に迫ってくるなどとは思っていないはずです。
 我々はそこに付け入る隙がある様に思います」
「……続けて」
「は。具体的には艦の防衛網を偽装デブリを利用して構築。
 先回りして有利な位置で待機し艦隊戦に持ち込むというものです。
 こうすればこちらの機動力不足は不問となり、位置取りとタイミングに絞る事ができます」
「……戦力は不足無い。相手への奇襲も可能。
 何より攻撃は最大の防御……私は割と好きな考え方ね。でも、その方法は長くは戦えないわ。
 相手も奇襲と判断すれば引くでしょう。でも、引かれたら増援が大挙してやってくる。
 いえ、今も向かっているかもしれない。
 だとすれば、この戦術は彼らと決戦する覚悟が必要ということよ。
 我々の準備でそれが可能かしら」

666 :通常の名無しさんの3倍:2012/07/14(土) 01:53:37.77 ID:???
7/13
 バジルール少尉は私の問いかけに押し黙った。
 彼女もまた自分の戦術で可能かどうか判断しかねているのだ。
 そんな彼女の意見に援軍が現れた。ラミアス大尉だ。

「あの、横からよろしいですか」
「えぇ、どうぞ」
「私は少尉の意見に賛同したいと思います。理由は、決戦する必要は無いからです」
「どうするというの?」
「我々は戦闘陣形を布陣し対峙して威嚇するのみに留め、
バーナードとローの二隻は戦闘に参加させずに改修を続けさせ完了させます。
 時間的には戦闘時間内での完了は無理ですが、
戦闘後、数時間も待たずに完了させる事は可能だと報告が上がっているのを考慮すれば、
我々は敵を排除出来ずとも撤退させられれば良いと考えます」
「その根拠は?」
「彼らの指揮官は大佐も仰る通りにとても引き際が潔いのが特徴でした。
 ここから想起されるのは、敵は戦力を温存したいと考えているということです。
 その理由は2つの方向があります。援軍を待っているか、それとも援軍が無いかです。
 現有戦力の損失を避けているのならば、我々は彼らに致命傷を与えずとも、
 大きな損失と感じる一定の戦果を上げれば引くと考えます」
「……良いわ。おめでとう。ラミアス大尉、いえ、ラミアス艦長。少尉と貴方は良いコンビね。
 グライン艦長とブライトマン艦長は、
艦の整備に徹して出来るだけ早く完了出来る様頑張って。
 ラミアス大尉はアークエンジェル及びバーナード、
ローの戦闘部隊を用いて敵軍を排除する作戦を実行して。
 戦闘部隊長はフラガ大尉にやってもらいます。良いわね」

 突然振られたフラガ大尉はきょとんとした顔で私を見たが、慌てて姿勢を正した。

「は、はい!……はは、責任重大ですねぇ」
「フフ、そう。重大よ。頼りにしているから宜しく頼むわ。
 さて、私は適宜必要に応じて行動しますが、艦隊の行動は3隻の艦長達の連携に委ねます。
 その間は私も遅れている開発のサポートに回るから宜しく。
 あと、皆さんにはコミュニケーターを配布します。
 呼び出しはこれを耳につけて手で触れ、自分の名前を言ってから相手の名前を言えば良いわ。
 ラミアスからグライン……みたいにね。では、会議終了。解散!」

 私は会議を終了して自室へ戻った。
 新しく設けられた私の個室はまだ何も無い。
 シャトルでレプリケートした愛用の珈琲カップとポットくらいしか無いが、
 それだけでも「有る」ことに安心している自分がいる。
 その時、唐突に部屋の呼び鈴が鳴った。

501 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1
>>1★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.00 2017/10/04 Walang Kapalit ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)